コイゴコロミズゴコロ3-37《最終話》 - 04/06 Thu
幸せな日々。全て吹っ切れたような但馬が何故か急にモテるようになって新井の心配事は増えたけれど、一緒にいるときの但馬の表情を見ていたら不安なんて不思議と消えてしまう
「なぁなぁー、恋人できると垢抜けるとか言うだろー?」
「うん。えー?但馬のことぉ?」
「・・・いや、なんかムカついたからもうイイや」
江口は幸せそうな新井の姿を見てため息を吐き出して机へ突っ伏す
「・・・新井さんのメシ作るっつーのは付き合うとか付き合わないとかそれ以前の問題だったけれど、最近ほぼ毎日のように江口さんがいるのはなんでなんですかね・・・」
「ほーぅ?言うようになったなぁ?但馬ぁー。イイだろー。食材持って来てやってんだし」
「そういう問題・・・なんですかね」
「んなもん瑞貴が但馬ん所行くっつったから瑞貴の親友のオレもついて行こう。そんだけだろ」
但馬ができたハンバーグをテーブルへと乗せると首を傾げる
「ま、邪魔しに来るに決まってんだろ」
「え!江口って邪魔しに来てたの?!」
「んーん?瑞貴が幸せかなーって確認しにきてんだよ」
「ふふー。幸せ」
語尾にハートマークでもついていそうな新井の返事に苦笑する
ずっと恋心を隠し持っていた相手。同じ気持ちだったと知ったのに知るのが遅すぎて目の前で奪われた親友・・・でも、自分たちにはこの関係がやっぱり向いている。そう思いながら
「あー、そーいえばさぁ?オレってどんな職種が向いてるかなぁ?」
「んー?」
但馬の作った料理を口へと運びながら新井が江口にそう尋ねる
就職先も面倒見るから自分といるべきだと言われたけれど、別れたのだから就職活動もふりだし。色々考えなくてはいけないこともたくさんある
「瑞貴はうちの会社くるんだろ?」
「「え?!」」
「・・・いや、なんだよお前ら声揃えて」
「や、だって・・・オレ」
「バーカ・・・ホントバカだなぁ・・・瑞貴ぃー」
江口が笑いながら自分の皿から新井の皿へとブロッコリーを乗せていく
「お前は目を離すと怖ぇからずーっとオレの目の届くところー」
「・・・や・・・でも」
「大体なぁ?今までもそうだっただろ?進学先もバイトも部活も」
「・・・え」
「オレが目を光らせられる所にしかお前呼んでねぇっつーの」
あの時から決めていたこと。新井をもう放っておけない。そう思って常に自分の傍へと置いた
「・・・バイト代わってもらえるからとかじゃないんですね」
「あ、オレもそう思ってた!」
「おい・・・」
「江口、オレのコトそんな考えてくれてたんだね・・・」
じわりと胸が熱くなる
でももう判っている。間違えない。これは恋ではない
「おう。惚れ直したか?」
「うん!」
新井の返事にも但馬はもう動揺したり胸を痛めたりなんてしない
そっと隠れるように但馬に触れてくるこの指先があるから
「あー、でも江口の会社行くとなると・・・但馬ぁ・・・」
「・・・一緒には住めなくなりますね」
「だよねぇー・・・あー、うーん・・・そうだよなぁ・・・江口ぃ・・・オレやっぱりさぁ」
「あぁ?瑞貴はうちの会社来る。これはもう決定事項だぞ?」
「でも」
「但馬が諦めてこっちで就職活動するか就職先の間で住むところ決めて2人早起きして出勤するかだなー」
「・・・オレ、早起きできるかなぁ」
但馬はひとつ小さくため息を吐く
「まぁ、まだ時間も多少はあるんで、色々とそれまでに詰めていきましょ。大丈夫ですよ。遠距離になっても。休みは新井さんに全部捧げますし」
「はっはー!甘いなー?甘いなぁ?但馬めー。社会人になったらまーた色々出てくるもんだぜ?弊害っつーもんはー」
「そうなんですか・・・」
「まぁ、別れても瑞貴はオレが大事にしてやるから安心しろ」
「いや、それは結構です」
「瑞貴ー、お前はなーんにも心配しなくていいからなぁ?」
新井は笑いながら親友と恋人に感謝する
失わずにすんだ親友
諦めずにいてくれた恋人
どちらも新井にとって大事で、かけがえのない相手
「将来は早期退職してうちの親の喫茶店継ぎましょう」
「わー!素敵ー!っていうか江口の所行かずに最初からそれでもいいなぁー」
「おい、それどういうことだよ。お前の実家ってなんなんだよ」
まさか江口とこんな風に話せるようになるだなんて思いもしなかった
部活の先輩で憧れの選手の親友、そして想い人
恐れていた相手。強くて早くて怖くて敵うわけないと思っていた相手
大事な新井をずっと守って来てくれたことを知り、これからもきっと守り続けてくれるやっぱり敵わない相手
複雑な関係だけれど、きっと3人にベストの関係
これからもきっと・・・ずっと
コイゴコロミズゴコロ 完っ!

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「なぁなぁー、恋人できると垢抜けるとか言うだろー?」
「うん。えー?但馬のことぉ?」
「・・・いや、なんかムカついたからもうイイや」
江口は幸せそうな新井の姿を見てため息を吐き出して机へ突っ伏す
「・・・新井さんのメシ作るっつーのは付き合うとか付き合わないとかそれ以前の問題だったけれど、最近ほぼ毎日のように江口さんがいるのはなんでなんですかね・・・」
「ほーぅ?言うようになったなぁ?但馬ぁー。イイだろー。食材持って来てやってんだし」
「そういう問題・・・なんですかね」
「んなもん瑞貴が但馬ん所行くっつったから瑞貴の親友のオレもついて行こう。そんだけだろ」
但馬ができたハンバーグをテーブルへと乗せると首を傾げる
「ま、邪魔しに来るに決まってんだろ」
「え!江口って邪魔しに来てたの?!」
「んーん?瑞貴が幸せかなーって確認しにきてんだよ」
「ふふー。幸せ」
語尾にハートマークでもついていそうな新井の返事に苦笑する
ずっと恋心を隠し持っていた相手。同じ気持ちだったと知ったのに知るのが遅すぎて目の前で奪われた親友・・・でも、自分たちにはこの関係がやっぱり向いている。そう思いながら
「あー、そーいえばさぁ?オレってどんな職種が向いてるかなぁ?」
「んー?」
但馬の作った料理を口へと運びながら新井が江口にそう尋ねる
就職先も面倒見るから自分といるべきだと言われたけれど、別れたのだから就職活動もふりだし。色々考えなくてはいけないこともたくさんある
「瑞貴はうちの会社くるんだろ?」
「「え?!」」
「・・・いや、なんだよお前ら声揃えて」
「や、だって・・・オレ」
「バーカ・・・ホントバカだなぁ・・・瑞貴ぃー」
江口が笑いながら自分の皿から新井の皿へとブロッコリーを乗せていく
「お前は目を離すと怖ぇからずーっとオレの目の届くところー」
「・・・や・・・でも」
「大体なぁ?今までもそうだっただろ?進学先もバイトも部活も」
「・・・え」
「オレが目を光らせられる所にしかお前呼んでねぇっつーの」
あの時から決めていたこと。新井をもう放っておけない。そう思って常に自分の傍へと置いた
「・・・バイト代わってもらえるからとかじゃないんですね」
「あ、オレもそう思ってた!」
「おい・・・」
「江口、オレのコトそんな考えてくれてたんだね・・・」
じわりと胸が熱くなる
でももう判っている。間違えない。これは恋ではない
「おう。惚れ直したか?」
「うん!」
新井の返事にも但馬はもう動揺したり胸を痛めたりなんてしない
そっと隠れるように但馬に触れてくるこの指先があるから
「あー、でも江口の会社行くとなると・・・但馬ぁ・・・」
「・・・一緒には住めなくなりますね」
「だよねぇー・・・あー、うーん・・・そうだよなぁ・・・江口ぃ・・・オレやっぱりさぁ」
「あぁ?瑞貴はうちの会社来る。これはもう決定事項だぞ?」
「でも」
「但馬が諦めてこっちで就職活動するか就職先の間で住むところ決めて2人早起きして出勤するかだなー」
「・・・オレ、早起きできるかなぁ」
但馬はひとつ小さくため息を吐く
「まぁ、まだ時間も多少はあるんで、色々とそれまでに詰めていきましょ。大丈夫ですよ。遠距離になっても。休みは新井さんに全部捧げますし」
「はっはー!甘いなー?甘いなぁ?但馬めー。社会人になったらまーた色々出てくるもんだぜ?弊害っつーもんはー」
「そうなんですか・・・」
「まぁ、別れても瑞貴はオレが大事にしてやるから安心しろ」
「いや、それは結構です」
「瑞貴ー、お前はなーんにも心配しなくていいからなぁ?」
新井は笑いながら親友と恋人に感謝する
失わずにすんだ親友
諦めずにいてくれた恋人
どちらも新井にとって大事で、かけがえのない相手
「将来は早期退職してうちの親の喫茶店継ぎましょう」
「わー!素敵ー!っていうか江口の所行かずに最初からそれでもいいなぁー」
「おい、それどういうことだよ。お前の実家ってなんなんだよ」
まさか江口とこんな風に話せるようになるだなんて思いもしなかった
部活の先輩で憧れの選手の親友、そして想い人
恐れていた相手。強くて早くて怖くて敵うわけないと思っていた相手
大事な新井をずっと守って来てくれたことを知り、これからもきっと守り続けてくれるやっぱり敵わない相手
複雑な関係だけれど、きっと3人にベストの関係
これからもきっと・・・ずっと
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