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擦れ違いはきっと愛のはじまり21《最終話》 - 07/24 Sun

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談話室でいつもと変わりないくだらない話をしているとケンカをしているような声が廊下から聞こえてきて皆が談話室から顔を出す


「だからぁ、ごめんってー!ホントに反省してるー」
「お前、オレの言うことなんて何も聞いてないの判った」
「・・・でも有紀だって気持ちよさそうにしてたもん」
「おっ・・・前っ!!!!」

有紀が大輝に背負われながら背中を殴るけれど大輝にはダメージがない様子で談話室から顔を出した友人たちに手を挙げる

「っ・・・」
「あ、今から送って来る」
「・・・大輝、お前体格差考えろよな?」
「有紀ちゃーんっ!大輝があんまりにも無茶するようならオレらに言ってー!オレらが締めとくからー!」
「有紀ちゃんお菓子食わないー?チョコとかもあるけどー」

今までと変わらない応対に有紀は目を丸くして大輝の背中に顔を隠す

「有紀ー?」
「恥ずかしくなってきた」
「えええー?!」
「だって・・・オレ・・・」
「お菓子なにか貰おうか・・・」
「ちょ・・・え?」

大輝がニコニコとしながら談話室へと入っていくと「有紀ちゃんがチョコをご所望であーる」とふざけながら言う
サッカー部以外の人間も一緒になって「ははぁー」と頭を下げながらその場に合ったお菓子を手に取ると座るところを開けて有紀にお菓子を差し出した

「え・・・ええ?」
「こんな大輝と付き合ってくれるなんて天使としか思えないよな」
「めんどくさいだろ?こいつ・・・オレめんどくさいっ!」
「ねぇねぇー、有紀ちゃんはいつからこんな奴と付き合おうとか思ってたの?」

次々に来る質問に有紀が戸惑っていると横から大輝が手を伸ばしてお菓子をつまむ

「大輝にはやらねぇよ」
「えー!ケーチケーチ!」

そのやり取りも大輝が皆に愛されている証拠なのだと思うと少し微笑む

「大輝が罰ゲームで告白した時から」
「え?」
「ちょっとー・・・罰ゲームとかホント人聞き悪いからな?」

大輝が拗ねたように口を尖らせると「ホントのことなんだろ?」と有紀が笑って大輝がまたデレデレと笑顔を見せる

「まぁ、今となってはー・・・ずっと叶うわけないって最初から諦めてたのに告白する機会を与えられたことに感謝しかない」
「待って・・・それって最初からこいつと付き合ってたっつー・・・」
「ん・・・まぁ、うん・・・何度か別れるってオレがワガママ言ったけど・・・」
「うっわっ!うっわっ!!!!!それってそれってさー・・・大輝が超調子悪くしたときじゃね?!」
「あぁぁぁ!!!そういえばこいつあの罰ゲーム告白以来調子めちゃくちゃよかったのに突然悪くなるときあった!」
「ははー・・・オレ、有紀のコトマジで好きだったからショックでかすぎてー」
「失恋スランプとかお前エースの資格ねぇじゃんー!」
「いやいやいや・・・あぁ、まぁ、有紀いないと全然調子でないのはホント」

大輝がそう言うとサッカー部員に有紀は囲まれてあまりの迫力に身構えて「どうしよう」と大輝の表情を伺う

「有紀ちゃん!!!」
「我がサッカー部のためにっ!!!」
「どうかこのままこいつを!!!」


「「「よろしくお願いしますっ!!!!!」」」


皆に頭を下げられて戸惑いながら有紀は笑うと

「はい」

と返事した








トントン

「はぁーいっ!りーちゃんは本日ハートブレーク休暇中ですー」

そんなことを言いながら日浦がピンクのドアを開けると大輝に肩を抱かれた有紀がいてすぐに笑顔になる

「有紀ちゃん」
「・・・ただいま」
「・・・大輝、無理させたろ」
「そ・・・れはぁ・・・」
「だぁかぁらホント運動部イヤなんだよっ!体格差も体力差も考えずにガンガンガンガンやりやがって!!!」

大輝はバツが悪そうに「ごめん・・・なさい」と頭を下げると怖い顔をした日浦に胸倉を掴まれたのを有紀が止める

「大輝だけのせいじゃないから」
「有紀ちゃん?」
「オレ・・・別に嫌じゃなかったし・・・そりゃっ・・・足の感覚変だし、腰も痛いし・・・だけど・・・大輝に求められて嬉しかったし・・・日浦にもお礼言いたくて・・・」
「有紀ちゃんっ!!!」

有紀を抱きしめると背中を摩って「よかったね・・・よかった」と何度も呟く
苦しい想いは2人の間で解消されたのだと思うと嬉しくて・・・2人の話を聞くうちに擦れ違いが起こっているのに気付いていた。それでも素直に気持ちを伝えられない2人にモヤモヤしつつもずっと応援していたこと

「大輝、もう判ったよな?」
「・・・うん?」
「お互いにちゃんと好き同士なんだからもっと自信もって話し合えばいいんだよ」
「うん」
「まぁ、今回のも前回のもいい勉強だって思ってこれからは有紀ちゃんをただ幸せに笑顔にすること!できなきゃ・・・」

日浦が有紀を少しだけ離すと唇まであと数センチという程唇を近付ける

「オレが有紀を貰う」
「なっ・・・ダメ!マジでダメっ!!!」
「日浦?」
「だってぇー、有紀ちゃん可愛くて優しくてもーーーーっ!!!あぁ、ホント可愛い」
「いや、可愛いっていうのはお前の顔みたいな・・・」
「うん?りーちゃんの顔可愛い?うん!りーちゃん可愛いっ!でも、有紀ちゃんはねぇ・・・守ってあげたくなる感じ」

再び有紀を抱きしめようとした日浦から大輝が有紀を抱き上げる

「オレが守る!」
「はいはいー・・・はいはいーラブラブラブラブ!!!有紀ちゃん、有紀ちゃんもちゃんと幸せ逃がさないように擦れ違わないように気持ち伝えるんだよ?」

日浦の言葉に有紀は笑って頷く

「オレも大輝もお互いが好きすぎて擦れ違ってただけみたいだから・・・」
「うっわー・・・すっげぇ惚気聞いちゃった」
「有紀がカッコよくて可愛くてオレ、すげぇ彼氏いるんだー!!!あぁ、ホントなんで寮が違うんだよー」
「はーいはいはい。腰が立たないらしい有紀ちゃんはオレがしっかり面倒見てあげるからお前はさっさと臭いスポーツ棟戻れ戻れー」
「あぁ、うん。よろしく」
「最初からそれでオレの部屋来たんだろー?」
「・・・頼りにしてます」
「ごめんな?」
「大輝に言われるのはなんか腹立つけど有紀ちゃんにそんな顔でお願いされたらもう超お世話したくなりますっ!!!」


擦れ違いはこれからも起こるかもしれない。でもその度にお互いを知るための時間。お互いが素直になって思ったことを打ち明ける擦れ違い期間・・・何度も何度もケンカして衝突してその度に判りあって・・・きっと愛を育むための擦れ違い時間・・・





擦れ違いはきっと愛のはじまり   おしまいおしまい





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擦れ違いはきっと愛のはじまり20 - 07/23 Sat

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監督に松月の処分と大輝の処分の改め直しを求めに行ったサッカー部員たちが揃って食堂へ向かうとそこには自分たちのエースが食堂カウンターで何か交渉しているのを見て駆け寄る

「大輝ー!聞けよー!聞けよぉー!」
「オレらさぁ、りーちゃんに松月と有紀ちゃんの件聞いて監督んとこ行って来たんだわー」
「お前3軍に落とされてたけどなんとか2軍に上げてもらって更に明後日の昇格試合出してもらってそこでちゃんとお前の実力見せたら戻ってこれるぞー?」
「・・・マジ?」

後ろから首に腕を回されて思いがけない言葉を聞いた大輝は驚いた後笑顔を見せる

「だからさー、いつものように大口叩いて我ら苺華学園サッカー部エース様のすごいところ見せてくれよー?」
「あー・・・オッケー!でもお前ら判ってんだろーなぁ?オレが2軍の昇格試合っつーことは相手お前らだぞー?戦意喪失しちゃうくらいオレが1人で点数取っちゃうぜ?」
「うっわー!出たよ出たよー!大輝のビッグマウスー!」

皆が笑って盛り上がったところで出された持ち帰り用の夕食が2つ・・・

「うん?お前、部屋戻るの?」
「そー」
「っつか部活もやってないのに2人前?贅沢すぎね?」
「いやー・・・これは1つオレの部屋にいる子の」

大輝が幸せそうに笑って夕食の乗ったトレーを手に取る

「・・・りーちゃん帰った・・・よなぁ?」
「日浦じゃないし」

自分がここで今言ってもイイのだろうか・・・そう迷ったけれど有紀も覚悟を決めてさっき日浦に自分の寮の夕食をキャンセルすることを伝えていたし、寮の門限ギリギリまで自分の部屋で過ごしてくれることになったのだと思い出してデレデレと笑顔を見せると「有紀のっ!」と言い切る

「は?!」
「有紀ちゃんがお前の部屋にいんの?」
「いや、一緒にここで食えばいいじゃんっ!」
「むさ苦しいスポーツ棟の食堂に癒し連れて来いよー」

そう口々に言う部活の仲間にまたデレデレとした笑顔を見せる大輝

「有紀、今ちょーっと動けないっていうかさぁー」
「・・・おい・・・」
「ちょ・・・え?」
「うんー・・・っていうか・・・まぁ、別れてた期間もあったけどー・・・オレら付き合ってるっていうか・・・ずっと付き合ってたっていうかー?」
「ちょ!!!!はぁぁぁぁ?!」
「うん。まぁ、あとでさぁ、談話室連れて行くからさぁ?」

騒がしい部員達を置いて大輝は笑うと手を挙げて皆に手を振る

「オレの有紀ちゃんがお腹空かせて待ってるからまたなー?」

と食堂を去っていく

「・・・マジ・・・か・・・」
「オレ、密かに有紀ちゃん可愛いと思ってたのに」
「りーちゃんとはまた別の可愛さあるよな?!」
「あー!クッソ!あいつデレデレしやがってぇぇぇぇー!」

そんな羨みの声も大輝には届かない。気を抜くと無意識にスキップして部屋へ向かってしまいそうな程浮かれた大輝には・・・








「・・・さすがスポーツ棟・・・量が違うよな・・・」
「うん?足りなくないよね?」
「食えるはずがない。こんな量」
「あー、うん。大丈夫ー!残ったらオレ食うし?っつかいつもだったらご飯おかわりしなくちゃいけないノルマあるし?」

食事を置けるような机がなかったからカラーボックスを移動させて机代わりにして持ち帰った食事を乗せた大輝が借りてきた皿を有紀の前に置く

「食べられそうな分だけ取って?」
「・・・ん」
「有紀とこうやってメシ食えるとか・・・すっげぇ嬉しい」
「・・・顔、緩みすぎ」
「えー?そりゃ仕方ないしさー」

嬉しそうな大輝の顔を見て有紀もひとつ笑顔を見せると「いただきます」と呟く

「あ、そういえば、メシ持って来るときに誰が部屋に来てるか聞かれて流れでもう言っちゃったけど・・・よかったんだよな?」

少し心配そうな顔をした大輝に有紀は少しだけ考えて頷く
隠して勘違いや余計な詮索はされたくないから・・・

「よかったー・・・で、あとで談話室連れて行くって言っちゃったからもし、行けそうだったら・・・ちょっと顔出してくれない?」
「え?・・・いや・・・んー・・・」
「や!嫌ならイイし!門限前にちゃんと向こう送り届けるし」
「・・・」

嫌ならイイ・・・そう言いながらも残念そうな顔をしているのは丸わかりな大輝に有紀は唐揚げを取ると大輝の口にそれを突っ込む

「嫌とは言ってない・・・」
「ん・・・でも」
「今まで散々ヤってましたっていうの丸わかりで顔出すの気まずいっつーか・・・」
「んー?幸せですー!って顔してればいいんじゃないの?」
「お前はまた能天気だから・・・」

有紀の肩を抱くとコツンと頭をぶつける

「有紀がオレのだって・・・遂にオレのになったってみんなに自慢したいのわかんない?」
「べ・・・別にお前のじゃ・・・」
「じゃあオレが有紀のものになったって自慢したい」

大輝の言葉に顔を赤くして俯いた有紀に「ごめんね」と呟くとキスをして床に押し倒す

「ちょ・・・メシ食ってる途中」
「うん。だからごめん」
「だってさっき散々っ」
「うん・・・でも、有紀が可愛いし愛しいからまたもっと欲しくなった」
「でもっ・・・も、腰だるいしっ」
「うん。もし歩けなかったらおんぶして寮まで送って行くね?」
「そういう問題じゃないっ・・・っ・・・ぁ、待っ・・・っ」

有紀の小さな抵抗の言葉も大輝の優しくて激しいキスに掻き消されてまた蕩けるような快感に身を委ねて行った






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擦れ違いはきっと愛のはじまり19 - 07/22 Fri

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部活を終えた生徒たちが戻り始めて、普段、この談話室なんかにいるハズがない人間を見てざわざわとし始める

「あぁ、お疲れさまでぇーすっ!今日はりーちゃん、出張お仕事しに来たわけじゃないんだー。人探しに来たのー」
「誰探してんのー?」
「あのねー、サッカー部の松月くんってどの子ー?」

日浦があざとく首を傾げながら尋ねると「え?!りーちゃん松月好きなの?!」だとかそんな騒ぎまで起き始める

「松月ー!りーちゃんが探してる」

丁度階段を登ってきた松月が「え?」と言いながら談話室を覗くと笑顔の日浦に小さく頭を下げた。存在は聞いて知っていたし、顔もどこかでは見たことがあるけれど、初対面の相手

「あぁ、キミが松月くん?」
「はぁ・・・」

バチンっ!

乾いた音が談話室に響いて周りは驚いて2人を見つめた

「痛かったぁ?」
「な・・・にすんだよっ!」
「だってぇ・・・りーちゃんのお友達がねぇ、松月くんに無理矢理チューされちゃって傷ついてたからぁー」
「なっ・・・」
「おい、松月誰にキスなんて・・・お前男相手は気持ち悪いとか言ってたのに?何?何何?!」
「りーちゃんそのお友達すっごーーーーく大事なのー」
「・・・」

松月だけは日浦の言う「友達」が誰かが予想できること・・・でも、聞いた事もナイ。有紀からも当然、日浦に「友達」というものが存在するだなんて・・・

「今度、有紀に手ぇ出したらてめぇ覚悟しとけよ?」

日浦がいつもと違うドスの聞いた声でそう言うと周りも日浦の本性を垣間見た気がしてゾワリと体を震わせたが、それよりも今、日浦が言った名前に松月が注目され始める

「有紀って・・・有紀ちゃん?」
「松月、有紀ちゃんに無理矢理襲い掛かっただと?!」
「うっわ!松月最悪ー!有紀ちゃんそりゃ怖かっただろうに」
「や・・・いや、オレっ」

言い訳しようにも無理矢理したコトは確かで・・・

「あぁ、大輝が松月殴ったのそれが原因じゃね?」
「有紀ちゃん庇ってあいつ理由言わなかったっつーこと?」
「あいつ有紀ちゃんが好きっつーのは本気だったもんなぁ?」
「大輝だけが3軍落ちてるのおかしくね?」

サッカー部員たちが言い合いを始めて、松月を囲んでいく

「なぁ、松月ー・・・オレらさぁ、大輝が有紀ちゃんに惚れてんの知ってたよなぁ?」
「でもっ・・・じゃあこいつみたいな男娼呼ぶのって・・・オレだって、そりゃ後からだけど純粋に有紀さんのこと」
「りーちゃんは有紀ちゃんのお友達でぇー、有紀ちゃんのお隣のお部屋でぇ?だから大輝くんに相談受けてただけなんだけどなぁー・・・りーちゃん大輝くん相手にはお仕事してないんだけどなぁ」

日浦がそう言うとその言葉に皆が納得し始める

「なぁ、こいつの処分甘くね?」
「だなぁー・・・」
「なんで皆、大輝先輩の味方なんだよっ!」
「えー?我らのエース様だし?」
「そーそー。あいつあんなんだけどやっぱりイイやつだしなぁ・・・あいついないとチーム盛り上がんねぇし」
「有紀ちゃんも大輝のコト満更でもない様子だったのにお前のせいで部活にも出てこないくらい拗ねてるしなぁ」
「監督んところ行って来ようぜー?」
「そーしよー」

日浦は満足そうにその流れを見守ってニコニコとしながらその場から退散していくサッカー部たちの背中に手を振った








「やば・・・今ならオレなんでもできちゃう・・・」
「ぇ・・・?」
「あ、なんか飲むー?」

自分の声が思ったように出ないことに驚いて口を塞ぐとすぐに差し出されたペットボトルに口を付けて嚥下する

「オレさー、今3軍にまで落ちちゃったんだけどさー・・・明日から頑張ればまだ首の皮1枚でここ残れるかなぁ・・・」
「・・・」
「や、ほら、オレスポーツ特待生だから・・・ヤバいって噂になってるしー」
「ダメ・・・」
「うん?」

ベッドから体を起こした有紀がふわりと大輝の背中に温もりを与える

「有紀ー?」
「学校・・・いなくなったらオレ・・・寂しいし」
「あー、あぁぁぁぁ!ダメ!超頑張る!超頑張れるーーー好きー。好き好きー」
「オレ・・・ホントはもっと会いたい・・・でも、成績も気になるし・・・」
「ストップー!ストップストップストップーーーーー!いきなり有紀ちゃんのデレ来すぎてオレの心臓追いつかないーーーー」
「会いたい・・・っ・・・オレからも来て・・・イイ?」
「っ・・・イイ・・・の?バレるよ?」
「イイ・・・オレだって大輝のコト好き。他の人と付き合ってるとか他の人と寝ただとか・・・噂は嫌だっ・・・噂がウソでもホントでもオレとの噂がイイ」
「有紀」

大輝が有紀を抱き上げるとキスをして抱きしめる

もう失わない・・・そう誓ったけれどするりと逃げた幸せを今度こそ絶対逃がさない・・・そう心に誓いながらきつくきつく抱きしめた






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擦れ違いはきっと愛のはじまり18 - 07/21 Thu

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「オレたち、すれ違いすぎ・・・気持ちは同じなのになんでこんなにすれ違うんだよ・・・」
「・・・ごめ・・・」
「有紀のせいじゃないよ・・・有紀のせいじゃない。でも、なんでも言って?話して?オレも話すから」

有紀がひとつ頷くとすぐにキスをされる。もう迷わない・・・同じ気持ちだと判ったから。本当はお互いに触れあいたいと判ったから・・・
貪るようにキスをする
今までの寂しさを埋めるように。苦しみを忘れるように

「んっ・・・」
「有紀、声、変じゃないから・・・嬉しいから。オレを喜ばせるために」
「でもっ・・・隣っ」

ここが自分の部屋じゃなくて角部屋でもなくて、両サイドには他の学生がいるのに・・・といつものように唇を噛む

「ここ、スポーツ棟の寮だよ?・・・オレ、部活サボってるけどこの時間基本みんな部活出てるから」
「っ・・・ぅ」
「有紀、気持ちいいときはちゃんと教えて?有紀を悦くしたい。有紀は恥ずかしいかもしれないけど、オレだって全部見せるの恥ずかしいし・・・教えて」

懇願されるようにそう言われると口を押えていた手をゆっくり離す

「全部っ・・・大輝が触れるところ全部気持ちいい・・・」

大輝の大きくて節ばった手が触れるところ全部が熱い。じんじんと痺れるように熱くてそれが快楽へと変わる

「ホント?」
「熱くてっ・・・気持ちいい」
「有紀、可愛い・・・すっげぇ可愛い・・・もっと見たい。もっと見せて。聞かせて。全部頂戴」
「そこもっ・・・舐めちゃダメっ・・・」

いつも眉を顰めるようにして嫌がっているように見えた乳首に舌が触れると肩を掴んだ手に力が入る

「あー、有紀の声腰に来る・・・これ、やばいなぁ」
「ふっ・・・んんっ」
「我慢させてごめんな?オレがちゃんと言えばよかった」

何度も何度も頷くとあの時見たローションを手に取る大輝に有紀が身構える。頭では理解している。大輝は日浦となにもなかった。日浦もそう言っていたように・・・でも、有紀の心の片隅に残った疑いと恐怖・・・

「これ、まだ嫌?」
「・・・っ・・・」
「有紀を悦くしたいっって言ったら貰ったんだけど・・・嫌ならいつもの・・・」
「嫌・・・じゃない・・・でも・・・でも・・・」
「うん?」
「オレ、恥ずかしい・・・っ・・・子どもみたいに嫌になってめんどくさくなったらすぐ別れるとかっ・・・1度じゃなくて2回もっ・・・これでキスされてバカみたいに気持ちよくなってまた付き合うとか・・・」
「イイ・・・有紀がオレのコト好きって言ってくれたからイイ・・・っていうかね、もうオレ止まらないっつーか止まれないっつーか・・・期待しすぎて張りすぎ・・・」

熱く滾る雄に触れさせると少し恥ずかしそうに頷いた有紀を見て「オレも恥ずかしい」と言いながら大輝はローションを指に絡ませる
温かいぬるぬると滑る指が後ろへと触ると小さく「んっ」と声を上げた有紀にキスを落とし、いつものように眉間に皺を寄せて何か耐えるような表情に皺の寄った眉間へとキスをする

「・・・?」
「ここ、いつも皺寄って難しい顔する」
「っ・・・そんなこと言われたって」
「うん。急には無理だと思うけど我慢しなくていいから・・・痛かったら痛いって言って?嫌だったら嫌って言って?気持ちよかったら気持ちいいって・・・言えそう?有紀判りにくいよ・・・そのままじゃ」
「ぅ・・・」
「オレも言うから・・・まぁ、ずっと気持ちいいしか言えないんだけど・・・んで、余裕あったらオレの触ってくれる?」

頭を撫でられると指が体の中で動き始めて口を塞ぐ
以前よりももっともっと重点的に感じるところを捏ねられて押されてぐちゃぐちゃになっていく感覚

「ぅあ・・・そっ・・・こっ・・・ダメ」
「痛い?」
「気持ちいいっ・・・気持ちっ・・・イイからぁ」
「っ・・・気持ちイイなら感じてて?オレをここで感じられるようになるために感じて?いっぱい・・・いっぱい」
「んっ・・・大輝っ、大輝ぃ」

名前を呼ばれるだけでジンジンと胸が熱くなる。今まで声を上げないように唇を噛み、口を塞いでいた有紀が名前を呼んでくれる・・・自分の名前を

指を増やされて拡げられていつもよりも頭も体もぐちゃぐちゃになった感覚・・・もうただ名前を呼んで強請ることしかできなくなった頃、引き抜かれた指の代わりに押し当てられた熱い体積

「っ・・・ぅあ?・・・ひぁ」
「ごめ・・・オレ、も・・・き・・・っつ・・・ぃ」
「ダメっ・・・やぁ・・・やっ・・・いっ」
「痛い?抜く?」

ずるずるとゆっくり引き抜かれていく熱に大輝の背中に回した手に力を入れる

「抜くっ・・・のっ、もっとダメぇ」
「有紀、気持ちいいの?」
「んっ・・・ん・・・オレだけっ・・・達っちゃ」
「!・・・イイよ・・・イイ・・・達って?」

目を開けた有紀の瞳に涙が浮かんでいて一瞬ギョッとしたけれど、いつもよりも色っぽく、そそる表情にキスをしながらゆっくりゆっくり抽送を続ける

「っ・・・ぅ・・・」
「大丈夫?」
「ゃ・・・」

背中に回された手が力強く大輝を抱きしめる

「どうした?」
「ゆ・・・や」
「うん?」
「ゆっくり・・・ヤダっ・・・大輝また達けないっ・・・」
「や、大丈夫。すっげぇ温かくて気持ちいい」

ブンブンと頭を振る有紀に困った表情を浮かべる。ゆっくりでも時間を掛けて感じられるのに満足していた。有紀も苦痛の表情ではないし、ジンジン心が温かいから

「もっとっ・・・たくさん動いてっ・・・そこっ・・・もっともっと擦ってっ」

恥ずかしそうに打ち明けた有紀に驚いたような顔をして体を震わせた大輝に「え?」と小さく声を上げる

「ごめ・・・うっわー・・・恥ずかしいっ!どうしよう・・・オレ、すっげぇカッコ悪っ!」
「大輝・・・?」
「ほら・・・ゆっくりでも達けちゃうって判ったっしょ?」

顔を赤くしてため息を吐くような大輝に有紀は笑って幸せそうにキスを強請った






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擦れ違いはきっと愛のはじまり17 - 07/20 Wed

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謹慎処分を受けて出された課題も大輝なりにこなしてやっと解かれた謹慎だったけれど、部活も解禁になったけれどそれも行く気がしなくてベッドで天井を見上げる日々
携帯も壊してしまったし、会いに行くこともなかなかできないままただ時間だけが過ぎていく・・・そもそももうどんな顔をして有紀に会いに行けばいいのか判らない。もしかしたらあのときキスをしていた松月と付き合うことになっているかもしれないし、もし、本当にそうなっていたらきっと自分が自分でなくなる自信もあった

トントン

「開いてる」

そうドアの向こうに声を掛けるけれどなかなか開かないドアに体を起こす

「・・・誰だよ」

部活にそろそろ来いと誰かが呼びに来たのかと不機嫌そうにドアを開けると目を見開いた

「有紀ちゃんの宅配でぇーす」
「・・・有紀・・・?」

日浦の後ろに隠れるようにいた有紀の姿を見てドアを閉めようとしたのを日浦に止められて困った顔をする

「2人とも言葉が足りなぁーいっ!りーちゃんをあんまり困らせないでよぉー」
「日浦・・・ごめん。今、有紀に会ったら有紀泣かせそうだし帰って」
「有紀ちゃん、こんなこと言うよぉ?どぉするぅー?帰るぅ?」
「・・・話・・・したい・・・」
「っ・・・」
「もう充分泣いたし、それより・・・ちゃんと話しておきたい。どうなるとしても。オレの中でスッキリしたい・・・ダメ?」

有紀の目を見ると真っ直ぐ強い瞳で大輝は目を瞑るとドアを開いて招き入れる

「じゃあーりーちゃんは談話室で待ってるからねー?もし大輝に泣かされそうになって嫌になったら電話鳴らしてー?すーぐ飛んでくるからぁ」

有紀は小さく笑って頷くと大輝と2人きりの部屋で深呼吸をした


いつも2人きりになる部屋は有紀の部屋。だから大輝の部屋に入るのは初めてでどうしたらいいのかも判らない

「えっと・・・座る?」
「・・・うん」

部屋に1つだけあったクッションを差し出されると有紀はそれを抱えながら座る

「いや、お尻痛くない?それ、敷いて?って意味だったんだけど」
「あ、大丈夫・・・」
「そ・・・っか」

大輝は目の前にあるベッドに腰を掛けてひとつ長く息を吐き出す。いつも有紀の部屋では有紀のベッドの上に2人並んで座るのに流石に今隣に座ってとは言えなかった自分に嫌気がする。この部屋に2人きりと言う状況だけで頭が沸騰しそうになる。言いたいことが多すぎて何から言えばいいのかも判らないし、ただ、有紀の言葉を待つしかない

「謹慎・・・受けたんだって?」
「あ、うん・・・そう。もう、解けたけど」
「・・・それ、オレのせい?」
「え?そんなわけないし」
「嘘・・・」

有紀にそう言われて少し考えて首を振る。確かに松月を殴った原因は有紀にキスをしていたから。自分の恋人にキスをするなんて・・・と殴ったけれどやっぱりそれは有紀のせいではない

「有紀のせいじゃない・・・」
「オレが松月くんとキスしたから」
「したじゃなくて・・・された・・・だろ」

「された」のだと信じたくて少しだけ低くなった声に有紀がビクリと体を震わせると「オレに隙があったんだと思う」と俯いて答える

「松月・・・と何もないよな?」
「キス・・・」
「オレ、実は少しだけ疑った・・・もしかして、あのタイミングだったし、有紀は松月と付き合うことにして、キスしたんじゃないんだろうかとか・・・」
「なっ・・・」

そんなわけない!と言いかけて何も言うのを止めた。自分だって真相を確かめもせず、ただ離れることを決めたのだから

「オレ、限界だった・・・」
「・・・うん・・・」

もう地獄にいるのだから何を言われてももう落ち込むまい・・・そう思って静かに頷く大輝

「付き合い直して・・・から、お前、しなくなったしっ・・・」
「・・・え?何を?」
「そんな時にっ・・・日浦呼んで寝てるって噂立って・・・しかもっ、日浦が使ってるアレ・・・同じの持ってたし」
「・・・待って・・・え?しなく・・・ってもしかして・・・そういうこと?!だって、有紀、嫌だったでしょ?」
「何が?」

クッションから顔を上げて大輝を見るとすぐに目を伏せられて心が痛くなる。もう笑ってくれないのかと思うと苦しくて苦しくて仕方ない

「有紀、オレが触るとすげぇ嫌な顔してたしキツそうだったし・・・オレが下手だからしたくないんだろうって・・・っていうか、最初別れ話送って来た時、それが原因なんだって思ってたから。テスト週間近付いて来てオレとするの苦痛だから言い出したんだろうって・・・まぁ、違うってその後言われたけど・・・でも、やっぱりオレ、どうやったって上手くなんないし」
「え・・・?」
「唇に血滲むくらい唇噛んでたろ・・・」
「それは・・・」
「だから、日浦にどうしたら感じてもらえるのか相談してた・・・今度こそ有紀に悦くなってほしくて。でも、聞いても有紀全然変わらないし・・・泣くし・・・いや、だからっ・・・別に、オレ、有紀と触りあってるだけでも充分だって思い直したんだけど・・・そしたら有紀も嫌じゃなさそうだったし」
「だってっ・・・日浦としてたんだって思ったらっ・・・思ったら苦しくて・・・オレとするの悦くないからしなくなってその代わりに日浦とって思ったら・・・大体っ、最後、した時だってお前達けなかったじゃんっ・・・だから」
「じゃあ、オレに触られるの嫌じゃなかった?」

ブンブンと頭を振るとクッションを投げつける

「おっと・・・」

クッションを受け取ると立ち上がった有紀が隣に座るとギシリとベッドが軋む音が響いて大輝は少しだけ有紀の座った場所からお尻の位置をズラして離れようとしたけれど有紀が大輝の両腕を掴む

「触ってほしかったっ・・・でも、オレ、変な声出そうになるしっ、おかしくなっちゃいそうだったしっ・・・」
「・・・じゃ・・・オレとするのは・・・?」
「嫌なわけない・・・」
「ぁ・・・どーしよ・・・」
「?」

頭を抱えた大輝に首を傾げながら顔を覗きこむ

「すっげぇ触りたい・・・でもっ・・・」
「?」
「有紀は別れたい・・・んだよな?オレのコトもう信用できないから・・・っていうか別れ・・・たんだよな・・・オレたち」
「っ!」

苦しそうな笑顔で大輝に言われると大輝の手を握る
好き・・・好き・・・それがどうしたら伝わるのか判らなくて戸惑いながら口を開く。自分からこんなに感情を伝えたいだなんて思ったことがない。でも、言わないと・・・言わないと・・・そう思って瞳を揺らす

「まだ・・・すごい・・・す・・・」
「好き?・・・好き?」
「っ・・・好きっ・・・好きだよっ・・・」
「は・・・マジで?」

有紀の言葉を待ちきれなくて大輝が誘導するように尋ねると有紀は潤んだ瞳で愛を打ち明けてきて有紀の頭に大輝の大きな手が乗せられてくしゃくしゃと撫でられる
顔を上げた大輝は有紀の1番好きな太陽みたいな笑顔を有紀に向けていた





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