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ごーすとばすたー2-5 - 08/06 Thu

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山内の唇が下肢へと降りてきて、冷たさのせいか、それとも本当はこの先を望んでいるからか震える体

「そーちゃん・・・」
「祐太、金縛り解けよ」
「解いたら逃げるじゃん」
「逃げ・・・ないから」

顔を上げた山内と目が合う

「そーちゃん・・・その気になった?」
「っつか・・・あー・・・もーっ・・・オレだってお前のこと嫌いじゃねぇっつーか・・・お前いつもオレのこと勝手にするばっかりでオレに触らせないのもムカつくっつーか」

触れられれば気持ちがイイ。それは山内も同じではないのか・・・そう思うと触れたい。高木だって山内のことが好き。ここに残ったままなのはよくないとは思うが、成仏できない理由がここにあるのならば、その時まで一緒にいていいとも思う
山内は優しく笑って高木の金縛りを解く
すぐに高木が起き上がって、山内に手を掴まれる

「逃げないって・・・」
「違ぇよ・・・」
「あ・・・」

高木が山内の手を振り払うとシャツを脱ぎ捨て、デニムも下ろして下着1枚になってベッドへ再び上がる

「うわ・・・なんか・・・あの・・・」
「何?」
「も・・・もしかして・・・あの・・・」
「だから何?」
「そーちゃん・・・から、してくれる?」
「・・・これ、服とかどうなってんの?オレ、なんでお前の服とかにも触れるわけ?」

山内のシャツを捲りながら高木は首を傾げる。実体なんてない幽霊なのに触れられることが不思議で。山内から触れられるだけじゃない。自分からも山内を掴めることが不思議で・・・今まで、触れられることはあっても自分からは透けて突き抜けてしまうことばかりだったのに・・・山内にだけは自分から触れられるのが不思議

「そーちゃんとの相性の問題なのかなぁ・・・それかオレがそーちゃんの中に」
「入ったって言うな!っつか触れるのその前からだしっ!それよりっ!オレが今からお前ん中入るから」
「っ!!!!!・・・あの・・・積極的なそーちゃんに慣れてなくてオレ・・・恥ずかしいーーー」

顔を赤くする山内にキスを落とす

幽霊なんて嫌いだ。自分にだけ見えることを恨み続けたのに今は感謝さえしている。今、目の前で恥じらいながら頬を赤くする山内が見られるのは今まで呪って嫌ってきた能力のおかげ

「っ・・・そーちゃ・・・そんな・・・」
「なぁ、お前、初めてじゃねぇだろ?」
「そりゃー・・・そーちゃんとしたじゃん」
「じゃなくって生きてるとき」
「・・・」

山内が唇を尖らせて俯く

「生きてるときの相手にオレ、嫉妬してんだけど」
「そーちゃんが優しい・・・オレ成仏しちゃいそう」
「いや、閻魔に追い返されるだろ・・・お前は」
「あぁ、そうだった・・・」

山内は高木の指を掴んで口へと運ぶ
ちろりと覗く舌がやけに赤く見える。青白い肌に真っ赤な舌・・・

「それが・・・そーちゃん・・・だけなんだよねぇ」
「は?」
「や、うん。だから・・・オレ、女の子も結局経験しないうちに死んじゃいましたー」
「マジで?」
「だって、そーちゃんが好きだったんだもん」

見上げてくる山内が可愛くて。指で口を犯させる姿が扇情的で

「あー、やばい。オレ、今すっげぇ勃ってる」
「口でする?」
「いや、中・・・挿れたい・・・」
「じゃあこれで・・・」
「だから・・・お前、こーゆーのどーやって手に入れてくんの!?怖ぇよっ!!!!」

差し出してきた潤滑剤は明らかに少し透けててこの世のものじゃなくて・・・

「え?コンビニ」
「幽霊の行くコンビニとか!!!」
「・・・あの世への道にいろいろ準備できるお店あんだって・・・あぁ、こんなの売ってるっつーことは幽霊も性欲あるっつーことだよね?ねっ?!」
「・・・怖い。ホント怖い・・・こんな話してるオレが怖い」

ローションまでなぜ自分は触れるのかまた首を傾げたが、あまり深く考えるのはやめた。考えたところで怖いし、答えなんて出ないから

「っ・・・そーちゃ・・・」
「冷たいとか痛いとか感じる?」
「っ・・・じゃなくって・・・そっ・・・こ・・・押すと・・・っひっあ」
「あぁ、ゴリゴリするの好き?っつかたまんね・・・オレ、なんでこんな勃起しちゃってんの?」
「っあ・・・そーちゃんっ・・・イイよっ・・・オレ、どーせ幽霊だからっ・・・濡らしたら・・・そーちゃん悦くなれそーだったら突っ込んでっ・・・」
「・・・もっと可愛がりたいのも事実なんだけどな・・・余裕あるときでイイ?」
「んっ・・・そーちゃんっ!イイっ」

高木は下着を下げて昂ぶったそれを押し当てる。口をパクパク開けて金魚みたいだと思いながら山内のひんやりとした口内を犯す

自分から押し付けてくる腰の動きだとか表情だとか。生きているうちにもっとわかり合いたかった。でも、もう叶わない。それでも・・・高木と山内に特別に残されている時間・・・

「そーちゃんっ・・・好き・・・大好き」
「うん。知ってる」

高木はそっと山内の髪を撫でて笑う。山内の好きな笑顔。そっと優しく微笑むみたいな笑顔。あとどれだけ残っているかは判らない。ある日突然、閻魔の気まぐれで成仏できてしまうかもしれないし、ある日突然高木の力が開花して成仏させられてしまうかもしれない。先は見えない。突然訪れるかもしれない終の時まで・・・

忘れない。忘れられない愛をお互いに刻む


ごーすとばすたー 2章 おしまいおしまい



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ごーすとばすたー2-4 - 08/05 Wed

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高木の体に入り込んだままの山内がやって来たのはさっき来た暗い駐車場。周りを見渡すとぼんやりと白い影が見えて車から降りて白い影へと近付いていく

『ひっ!さっきの変態っ!!!』
「あー・・・うん。さっき彼女の方にも言ったけど変態なのはオレだけだからね?そーちゃんは変態じゃないない」
『・・・?』
「あぁ、今、そーちゃんの体借りてんの。幽霊って便利だけど不便みたいなー・・・今ね、彼女成仏させてきたよ?」

山内が微笑むと男はひとつ頷いた

男が気がかりだったのは彼女のことだけ。自分が誰かも忘れてしまったが、彼女のことだけは覚えていてどうにかしなくては・・・と思ったのにここへ縛られていた彼は彼女の元へと迎えに行くこともできず・・・ここでただ記憶が薄れていくのを待つだけだった

「やっぱりね、彼女はすぐ天国にはいけないんだ。でもさ、きっとそのうち会えるから。時間なんてあっちへ行っちゃったらすぐだよ。織姫と彦星だって星の寿命から言ったら忙しいカップルよりもよっぽど会ってるっつーからさー」
『・・・オレが悪いんだ・・・彼女の職場の人にバレるのが恥ずかしくてこそこそ会うようにしてたから・・・あんな所で待たせるなんて危ないに決まってたのに』
「うん。そうだね」
『彼女が復讐してたのも知ってた。でも轢き殺された彼女に同情もした・・・オレも天国には行けない・・・よ』
「・・・まぁ、それを決めるのはオレじゃないからなぁ・・・閻魔の奴に話してやってよ。天国行きの奴が地獄を望んだら行けるのかどうかとかオレにも判んないし」

山内が男の肩に触れるとさっき溢れた光がまた現れる

『・・・何?お前すげぇな』
「うん?うん・・・でも、きっとねー、これ、そーちゃんの体だからなんだよなぁ・・・そーちゃんって結構すごい霊能力持ってんだよなぁ・・・鍛えれば1人でもきっと成仏させられるらしいよー。閻魔の話だとねー・・・」
『それも秘密?』
「うん。秘密ー。オレ、秘密主義なんだー。死ぬまでそーちゃんが好きなのも隠してたしー」

山内はそっと笑う
もし、高木が力を洗練させれば成仏させられると知ったらきっと山にでも籠って必死に力を磨いて山内を成仏させようとするだろうから。そうなったら山内にはもうどうすることもできない
一緒にいたい。できれば高木の最期の時まで一緒にいたい。たとえ、迷惑だとしてもわがままだとしても・・・

これからの出逢いも全て邪魔することになる。判ってる。判ってる・・・でも、どうしても高木を離せない

『お前、名前は?』
「うん?この体はそーちゃん。オレは・・・山内。山内 祐太・・・そーちゃんのことが大好きな山内 祐太だよ」
『・・・覚えておく。いつか・・・うん。何十年後かもしれないけど、また会う時まで覚えておくよ。山内くん』

男は最後に笑顔を残して昇っていく・・・成仏・・・完了





「・・・終わったのか?」

高木が目を開けると見慣れた天井が見えて同時に少し透けた山内の姿も見つける

「うん。終わったー!初めての共同作業燃えた!超燃えた!!!」
「・・・お前が言うと全体的にやらしくなる」
「うん?やらしいことするー?」
「・・・っつかお前、オレの体乗っ取ってる間に変なことしなかっただろうな!?」

高木が体を起こして体を見回す

「ちょーっとちょーーーーーっとだけ見たくらいで」
「おい・・・おい・・・何を見たんだ!」
「いやいやいや!!!触ったりとかしてないからっ!超我慢したもんっ!オレを褒めてくれてもイイくらいだよ!」
「変態。変態すぎる変態-」
「・・・なんかそれ言われ慣れてきちゃった・・・でも、変態でいいよ。オレ、そーちゃんのこと大好きなんだもん」
「っ・・・」

山内は知っている。こうやって素直な自分を高木が拒否できないことを。今両手で頬を掴んで口付けしても拒めないことを。切ない顔で見上げて「したい」とおねだりしたら・・・

「いーやーだーーーーーー」

さすがに拒まれることも

「でもさ、そーちゃんの中に入って判ったんだけど、そーちゃんかーなり溜まってんよね?んで、オレが中に入り込むとかそんなことしちゃったから余計にしたくない?今、したいよね?ねぇ?そーちゃん?いいよね?ね?」
「な・・・っつか・・・お前・・・金縛りとかっ・・・」
「え?オレ、何もしてないよ?」
「してんだろ!!!!」
「ああ、オレ、今一時的にすごい力強くなってっかも・・・そーちゃんの中に入ってた影響かなぁ」
「だからっ!オレの中に入ってたとか止めろ。祐太っ!」
「だって・・・じゃあ何て言えばいいの?あぁ、繋がってた?」
「余計悪いっ!」

手足の自由が効かない高木の体をトンっと押すときれいにベッドへ倒れ込む。押し倒すように高木に口づけをして首筋へとキスを落とす。冷たい山内の唇が高木の熱い体を滑っていく

「祐太っ!やめ・・・」
「そーちゃん、それってオレが天国行き保留にされたから拒んでる?それともオレのことが・・・好きじゃないから?オレとしたくないから?」
「な・・・」
「もし、オレとしたくなくて拒んでるんだったら・・・オレも今、止める。我慢する・・・でも、違うよね?ねぇ、そーちゃん・・・」
「っ・・・っ・・・」
「そーちゃん、オレ、そーちゃんが好き。普通の幽霊に性欲があるとか聞くの忘れたから判んないけど、今、オレすっごいしたい。してほしい」

山内の目が高木を縛る。この目に弱い。昔から・・・この目でお願いされたら拒めない
全て叶えたくなってしまう




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ごーすとばすたー2-3 - 08/04 Tue

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高木がアクセルを踏むと山内は「あぁ、そっか。いちゃついたから退治の時間なのか」とやっと理解して大人しく助手席へと戻る。問題の峠へ近づくと先程感じた悪寒とはまた違うざわざわを肌で感じ始めて高木は「来た」と呟いた

「女だね・・・うわー・・・すごいびりびりする」

山内も感じ始めた怪奇現象の原因・・・それは一気に2人を襲ってきた

『許さない許さない許さないぃぃぃぃぃぃぃぃ』
「・・・きゃあー!こわーい」
「お前の方が怖い」

山内はわざとらしく両手で口許を覆って女性らしく怖がるのを見せ、高木はそれにツッコミを入れた

『憎い憎い憎い・・・幸せなやつらみんな憎いっ』

凄まじい形相をした女は車をすり抜けてハンドルを握る

「あぁ、金縛りか」
「だからブレーキ痕も残らなかったんだね」
「・・・っつかお前なんとかしろよ」
「っていうかそーちゃんあれだね。幽霊見てもビビらなくなったんだね」
「目の前におかしな幽霊が毎日いるからな」

昔の高木だったらその場を飛び出して逃げていた状況だっただろう。しかし、高木も成長して幽霊に対する耐性も出てきたうえに、毎日ニコニコしているかつての親友が死んでも自分の傍にいる

「ねぇ、美人さん?」
『あたしが見え・・・ってあんた・・・』
「そう・・・同じ幽・・・」
『オカマーーーーー!!!!!!!!!!』
「・・・そこ?!みんなまずそこなの?!」

山内が少し呆れながらため息を吐くと女の手の上からハンドルを握ってカーブに合わせてハンドルを切る

『何するのよっ!』
「オレ、そーちゃんを殺されるわけにはいかないんだよね」
『あんた・・・幽霊じゃないっ!なんでっ!』
「そうだよ。なんで人殺すの?カップルばっかり」
『憎いからに決まってんでしょうがっ!!!!』

そう言うと女は高木の右足を踏み込ませる
急にスピードを上げた車は音を立ててカーブを曲がらせる

「ごめん。そーちゃん。ちょっとだけ入らせて?」
「は?!入・・・?!はぁ?!」
「あー・・・そーちゃんと・・・ひとつに・・・あぁぁぁ・・・」
「変な声出すなっ!!」

高木はそう叫んだあと意識を手放す。山内が入り込んだ高木の体はアクセルから足を離し、ブレーキペダルをめいっぱい踏み込むと音を立てながら車が路肩へ停車する

『な・・・なんなのあんた・・・』
「オレ?今、最強なんじゃない・・・?あぁ、そーちゃんの体・・・あ、今のうちにいろいろ拝んで・・・」
『へ・・・変態っ!変態変態変態っ!!!!!』

パンツを下ろそうとした高木・・・いや、中身は山内の高木の体から女が離れて木の陰から何か叫んでいる

「あぁ、変態なのはオレ。この体の持ち主はいたって普通だよー。幽霊が見えちゃうこと以外はね」
『・・・なんなの・・・邪魔しに来たの?』
「邪魔・・・っていうか・・・成仏させに?っつーかさ、なんでカップル崖に落とすのさー・・・あんたはなんでここに縛られてんの?」
『・・・あたしは・・・ここでひき殺された・・・』
「え?」
『あたしは・・・ここで彼を待っていたの・・・すぐそこの休憩所で働いて・・・終わったらここで車を待つ。休憩所だと人の目があったから』

山内は頷くと少し女に近付いた

「ひいた犯人はカップルだったの?」
『そうよ。イチャイチャイチャイチャ・・・あんたたちみたいにいちゃつい・・・って男同士っ!!!不毛っ!不潔!不純っ!!!!!』
「まぁ、うん。その反応も予想してた」

山内は女に手が触れる所まで近付き、手を取る
途端に流れ込んでくる記憶。女の記憶

いつもならとっくに迎えに来てくれている時間・・・それでも迎えは来なくて辺りは暗くなってヘッドライトが見える度に身を乗り出して車を確認して彼の車を待っていた
そしてやってきたあの瞬間。ヘッドライトが見えた瞬間、スピードを出した車が路肩へとはみ出してぶつかってきて・・・
最後に見たのは運転席に座る男とべったりとくっつく女の姿。驚いた顔でこちらを見て・・・気付くと景色がどんどん変わる。落ちていくのが判った
はねられた体は崖を飛び出して重力に倣って落ちていく。地面が近付いて・・・

『何・・・これ・・・』
「オレさー、天国行きだったんだよねー。んで、閻魔の奴がこっそりくれたのがこんなおかしな能力。幽霊なのに幽霊成仏させる能力とかホント意味わかんないっしょ。あ、でもこれそーちゃんには内緒ー」
『な・・・触らないでっ!あたしはまだっ!!!』
「心配いらない。彼もすぐ送るから」
『え・・・?!彼?』
「彼、迎えに行く途中で事故っちゃったんだよね・・・さっき休憩所にいたのが彼・・・」
『彼・・・も死んで・・・?』

女が光に包まれながら震えていた。自分もいつかこんな風に成仏する日が来るのだろうか・・・それともこんな力を与えられたのだからこのままずっと・・・

「カップルを殺すのに彼が死んでいたのはショック?」
『当たり前でしょっ!!!』
「だよね・・・オレもそーちゃんとずっと一緒に居たいけどそーちゃんが死んじゃうのはマジで嫌だもんなぁ」
『・・・あたし・・・どうなるの?』
「どうだろ・・・カップル殺しちゃってるから地獄?でも、あれだよ!刑務所みたいなシステムだからそこでお利口にしてたらちゃんと出してもらえるって話だから」
『あんた・・・変なやつね』
「でしょー?オレもそう思うよー。生きてるうちに気持ち伝えられなくて死んでからしか行動できなかった臆病者だもん」
『・・・あ・・・消える・・・あたしが消える・・・』

どんどん光に包まれていく女を笑顔で見送ると最後に残った手の感触を振り払うように手を叩く
それはまるでお参りするときのように手を叩く

「・・・そーちゃんごめんね。もう少し我慢しててね」

山内は高木の胸に触れてそう謝ると車に乗り込んで山道を下る



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ごーすとばすたー2-2 - 08/03 Mon

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車を走らせていると山内が「あ、そこでいったん止まってー」と指差した場所は営業時間の終わった山中にある休憩所

「ここでどうもカップルはいちゃいちゃしてからまた登って行ったっていう噂ー」
「どっからその情報を仕入れてんだよ」
「ワイドショーと週刊誌!」

高木はため息をつきながら休憩所の駐車場の隅に駐車する

「で、いちゃつくの」
「は?」
「キスしたりしよー」
「ヤダよ」
「なんでー!あぁ、抜いてほしいなら口でしようか?」
「っつかホントにしなくたっていいだろーが!」
「だってここでいちゃいちゃしなかったら幽霊出て来ないかもしれないじゃん!そしたら夜中にこんなところにわざわざ来たのに無駄じゃんっ!」

それは確かにそうだ・・・と思ったが頭を振る。これじゃ山内の思うツボだ

「そーちゃんはお仕事いつも疲れてるから・・・って我慢してたけど・・・オレはそーちゃんとしたいよ?」
「お前はそれが原因で天国行けなくなったんだろ」
「うん・・・でも行けない方がそーちゃんと一緒にいられるし・・・」

山内の言っていることは判る・・・判るが・・・それを認めてたらずっと成仏だってできないし、認めるわけにもいかない

「そーちゃんはオレにもうそばにいてほしくないよね・・・オレ幽霊だし・・・男だし・・・生身の人間の方がイイよね。判ってはいるんだけど・・・ごめん」
「佑太、オレは・・・」
「そーちゃんはいっつも優しいから・・・つい・・・ね」

山内のその寂しそうな顔にいつも弱い。いつも甘いとは判っていても全て許して言うことを聞きたくなってくる高木は山内の顔に手を添えてそっと頬にキスをする

「・・・これから悪霊倒すっつてもお前が成仏できなかったら意味ねぇだろ・・・」
「そーちゃんはオレに成仏してほしい?」
「どうかな・・・」
「そーちゃんがせめて幽霊見なくなるまではオレ、そーちゃんのそばにいたい。見えなくなったらオレもあきらめがつくじゃん。死んだら終わりだと思ったけどそーちゃんの場合そうじゃないもんっ!オレが話しかけたら答えてくれるし、見てくれる・・・オレはそーちゃんが好きだもん。ずっとずーっと好きだったもん」

山内に抱きしめられて冷たい体を抱き寄せる。冷たい・・・生身の人間とは違って冷たい体。そして膝の上に乗られても重さも大して感じないのは彼が幽霊だから。

「ねぇねぇ、そーちゃん、みんなエッチしたいときどうしてんだろうね・・・幽霊になったらしたくなんないのかなぁ・・・オレ、おかしいのかなぁ」
「知るか!」
「あー、出てきたら聞いてみようか!どうしてるのー?って・・・だって、生身の人間と交わったらそれはダメみたいだしー」
「っつか、出てきた場合お前どうやって相手倒すつもりなんだ?オレ、そんなのを成仏させる力はねぇぞ」

高木の問いに山内はにっこりと笑って「オレが喧嘩強かったの覚えてる?」と聞き返す
まさか・・・殴り合いのケンカでもして成仏させようというのか・・・と思ったら高木は帰りたくて仕方なくなった

山内が高木にキスを落としていると高木は寒気を感じる。山内が冷たいからではない・・・山内が乗っているからでもない・・・悪寒・・・高木は目を開けて前をフロントガラスを見る

「・・・佑太・・・」
「んー?あー、近づいてきたっぽいねー」
「・・・っつーか・・・目の前に貼りついてる」
「わぁぁぁー!びっくりー」

山内も高木の上に乗りながら振り向くとべったりとフロントガラスにくっついている霊を見て驚いた・・・ような声を上げる

「こんばんはー。あなたが連続心中事件の犯人?」
『・・・オレじゃない』
「じゃああんただーれ?」
『・・・オレが誰だかは判らない・・・でも、彼女が・・・彼女が・・・だから、警告しに・・・来た』
「・・・警告っつったってあんたのこと誰か見えたのか?」

男はそこで黙って自分を指して頷く。ショックを受けている男の肩をポンポンと撫でる山内

『あぁ、そうか・・・オレ、無視されると思ったら・・・見えないのか』
「あはー。あんた鈍感だー!幽霊になっても鈍感なやつっているのなぁー」
『・・・あんたは・・・お仲間・・・だろ』
「オレ?そうーお仲間ー!でも仲間じゃない。オレは人に悪さしねぇもん。そーちゃんには違う意味の悪さはするけど」
『っていうか・・・あんた・・・男・・・オカマの幽霊にれ・・・霊能者?!うわぁぁぁぁ!!!こわいいいいいいい!!!』

そう言って男の幽霊が慌ててフロントガラスから離れていく

「失礼なっ!オレは今女装を楽しんでるけどオカマじゃないっ!」
「やっぱり・・・楽しんでたのか・・・」

高木が頭を押さえながらため息を吐いて座席に座りなおしてハンドルを握る



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ごーすとばすたー2-1 - 08/02 Sun

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「ねー!そーちゃんそーちゃん!」
「んー」
「お疲れー?」

「憑かれてはいる」と言いかけてそれは佑太を凹ませることになるかと思って言うのを止めていつの間にか居ついてる山内を見る

「あのねあのね!この事件知ってる?」
「あー・・・立て続けにカップルが死んだやつ」
「そーちゃんってテレビに映ってる幽霊とかは見えないんだっけ?」
「・・・あぁ?見える時と見えない時あるけど・・・映ってた?」
「事件現場の映像にいた・・・」
「・・・マジか」

元々幽霊を見る体質じゃなかった山内も今じゃ立派な霊能・・・いや、幽霊なのだからお仲間が見えるようになっていた

「・・・また起こるよ・・・」
「で?」
「退治しに行こう!」
「なんでー・・・オレ疲れてんの。仕事いっぱいいっぱいなーの」
「えーでもまた誰か殺されちゃったらそーちゃんイヤじゃない?」
「大体お前が見つけてきたんじゃ謝礼も出ねぇしさぁ・・・」

山内は唇を尖らせて高木を見つめる

「じゃあ、殺された子たちにそーちゃんが解決しなかったからだよーって囁いて来ようかなぁ・・・」
「やーめーろーーーー」

山内は「じゃあ退治しに行くよね?」とニコニコすると高木はいやいや「あぁ」と頷いたのだった





事件の起きた場所は山中。最初は事故死かと思われたが、ブレーキ痕もなく、心中事件として片付けられていた。それが2件、3件と続くと不気味だと最近テレビでも取り上げられることが多くなったのだ

「で?そいつは一体何がしたいんだ」
「わっかんなーい!でもカップルが襲われるみたいだねー」
「・・・じゃあオレらの前にそいつ現れねぇじゃん」
「え?カップルなのに?」
「・・・」

そう言うと山内はニコニコと何かを取り出し「大丈夫ー」と言う。運転している高木は一瞬見えたそれらにギョッとした

「オレが女の子の格好しちゃうもんねー!」
「ちょ・・・お前・・・」
「まぁ、そーちゃん以外には見えないしーあ、お仲間も見えるけどそれはあんまり気にしないしー」
「・・・ほら、こーしてーこーしたら・・・あ、オレ可愛いよね!」

そう1人でウキウキとミラーを使ってセットしていく山内・・・こんなところは生前と変わらない。色々とハードルが低いと言うかチャレンジャーなのだ
幽霊が使えるマスカラなんてどこに売ってるのか・・・と思ったが、それは怖くて聞けなかった。幽霊が買い物をするスーパーやドラッグストアがあるなんて知ったらそれだけで恐ろしい

「あー、完璧女の子じゃんっ!」
「・・・まぁ、立ち上がらなくて黙ってればな」
「ねー、そーちゃん、オレ可愛い?」
「可愛い可愛い」
「ちゃんと見て言ってよ!」
「運転中ー」

そう言って見て見ぬふりをする高木。本当は似合ってると言いたかった。でも山内は女の格好なんてしない方が可愛いとも言いたかった・・・でも言えない。言ったらきっと余計に山内の成仏を邪魔することになる




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