FC2ブログ

1回の裏5 - 08/16 Sun

trackback (-) | comment (0) | 野球少年恋をする
疲れた体を撫でてくれる手が気持ちいい

「どこか痛いところは?」
「ないよ」
「じゃあなんか食べたいものとか」
「さっきのケーキの残り食べなくちゃだ」
「・・・じゃあ欲しいものは?」

さっきから甲斐甲斐しくしてくれる東谷がおかしくてくすぐったくて穂波は笑う

「欲しいもの・・・東谷!」

そう言うとキスをする穂波に東谷は困ったように笑って穂波の頭を撫でた

「次は優しくするっつって我慢してたはずなのに・・オレ」
「優しかったよ?」

フォークを掴むと口にさっきの食べかけのケーキを運ぶ
甘いケーキが口に広がる。ところどころに挟まったイチゴが少し酸っぱくて、甘酸っぱくて。東谷のよう。普段は少し冷たくて、甘やかしてなんてくれないけれどホントはすごくすごく甘くて体中溶けてしまいそうになる

「今度のオフはどこかデート行こう」
「デート?ホント?じゃあねー、オレー・・・うーん・・・やっぱりどこでもいいや。東谷となら」
「バカ・・・お前の行きたいところに行くんだっつーの」
「もう来てるしなぁ・・・」
「オレん家?」
「東谷の腕の中ー」

「えへへ」と笑いながら見上げてくる穂波が可愛くて。この可愛い生き物をどうしてやろうかと考える

「オレ、すげぇ今楽しいんだよなぁ・・・東谷に求めてもらえて、たくさんキスしてもらえて、東谷とくっつきながらこうやっておいしいケーキ食べて・・・外出たらこんなくっつけないんだなぁって思うとさー」
「じゃあ、次は映画でも借りてきて家でこうやってくっつきながら見る?」
「あぁ、いいね。お菓子とジュース買って観よう!」

穂波の髪の毛がふわりと鼻先をくすぐる。くすぐったいのに心地よくて頭の先に口づけをすると回した腕に力を込める

「はい、イチゴのところあーん」

イチゴの欠片を口に運ばれて口を開けると穂波が満足そうな顔をする。この顔をずっとさせていたい。幸せな穂波をずっと見ていたい

「オレ、前に泉先輩のとこ行けとか言ったじゃん・・・」
「うん?うん。行かないけどな?」
「・・・あんとき、ホントに行かなくてよかった・・・って今思ってる」
「行かないってば・・・オレ、東谷が好きだもん」
「・・・でも、オレ・・・優しくできねぇし・・・」

穂波が笑ってフォークに刺した最後のケーキを見つめて笑う

「充分優しいでしょ」

穂波のためにケーキを買って、プレゼントもくれて、一生懸命言葉を探してくれている。きっと感情を伝えるのは恥ずかしいと思っているのに穂波を喜ばせるために言葉を紡いでくれている

「オレ、すぐ怒るし拗ねるしガキだから・・・」
「東谷のそんなところも大好きだよ」

口に入れた最後のケーキ。幸せな気分に満たされた穂波は東谷の胸に体重を預けるとそっと見上げて頬に触れる

「ホントは優しいこと知ってるし、今だってこんなに優しいし。そりゃーたまには傷ついて不安になるけどでも東谷のこと嫌いになんてなれないし、ずっとずーっと一緒にいたいのは東谷だけだから」
「お前、ホント強いよな・・・」

また優しく撫でてくれてそっとキスをしてくれて満足そうに穂波が笑ったのを見て東谷はまた穂波を優しく抱きしめた



野球少年恋をする
1回の裏 おしまいおしまい



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ


にほんブログ村

    ≫ read more
スポンサーサイト



1回の表5 - 08/15 Sat

trackback (-) | comment (0) | 野球少年恋をする
何度か唇を重ねて、離す・・・優しく頭を撫でてくれる泉に肝心な言葉を貰えていない

「泉・・・」
「ん?」
「あの・・・」
「何?」

判るはず。判らないはずがない・・・なのにその言葉が来ないことに緊張し、不安で胸が押しつぶされそうになる

「・・・付き合ってくれる?」
「あぁ・・・そうか・・・そうだな」
「オレのこと・・・」
「?」

その先が聞きたい。でも聞けない・・・安曇は頭を振ると微笑んだ

イイ。今は聞けなくても。今はたとえ好きじゃなくても・・・嫌だ!好きなはず!好きなはず!!!好きでいてほしい!好きじゃないと嫌だ!そんな子どものような独占欲で頭がいっぱいになる

「泉、オレのこと好き?」
「・・・あぁ、だから付き合うんだろ?」

安曇はひとつ頷く
でも、何か引っかかって・・・引っかかって・・・でも嬉しくて。なんともよくわからない感情が胸の中をぐるぐる回る

「明日、練習試合朝からだからそろそろ帰るな」
「うん」
「明日は穂波が先発か・・・」
「うん」
「でもお前も準備しとけよ?」
「うん」

泉の口から穂波の名前が出ると胸が痛い。泉の口から野球の話が出るのが苦しい。大好きな野球なのに憎い。もっともっと抱きしめて、もっともっとキスして、もっともっと言葉が欲しい
男にも女にもモテてきた。それでも誰とも付き合わずできることなら泉に捧げたいと全て捧げたいと思ってきた。そして今、キスして、満たされてもっと満たされたくなる

「あぁ、安曇」
「うん?」
「もうお前に冷たくするの止める」
「それ、もっともっと惚れていいってコト?」
「・・・好きにしたらいい」

また優しく笑った泉は大きな手で安曇の頭を撫でる
みんなの前でもこうして撫でてほしい。優しい手で、優しい目で、優しい言葉で甘やかされたい

「泉・・・」
「うん?」

玄関で振り返った泉にキスをする

「・・・好き・・・だ」

また優しく笑った泉は「じゃあな」と優しく頬を撫でて玄関を出て行った

リビングへ戻ると食べたピザの箱が家にひとりになったことを実感させられて寂しさが心を支配する
幸せなはず。ずっと密かに、隠していた想いが叶ったのだから幸せなはず。なのに寂しい・・・寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい
ピザの箱を分別ごみに突っ込むと泉が忘れて行ったグローブを抱きしめてソファに座る
ちゃんと手入れの行き届いたグローブ。泉が愛情込めて手入れしたグローブ。あの手であの指で優しく・・・

本当はもっと先まで望んでいた今日。汗を流しに行ったシャワーでひっそり準備までしたのに無駄だった。キスだけじゃ満足できない。もっと泉が欲しかった。真面目な泉がその日のうちに・・・だなんて考えられないけれど、それでも期待して望んで・・・やっぱりな結果で勝手に盛り上がった安曇の熱は行き所がなくて虚しく冷えていく

「っ・・・」

叶ったはずの恋心。今までよりも苦しくて胸が痛いのはなぜなのか

それは安曇にも判らない



野球少年恋をする
1回の表 おしまいおしまい


にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ


にほんブログ村

    ≫ read more

1回の裏4 - 08/14 Fri

trackback (-) | comment (0) | 野球少年恋をする
ベッドの上で何度も何度もキスをされる
もっともっと溶け合いたくて混ざりたくてひとつになりたくて

「東谷っ・・・オレ、していい?」
「あ?」
「東谷の・・・舐めてイイ?」
「っ・・・だから、ホントお前・・・」

可愛くおねだりされてそれだけで眩暈がしそうで東谷は軽くため息を吐き出すと穂波の上から降りて寝転がり、穂波を上に乗せる

「んじゃ、して・・・」
「うんっ」

ゆっくりと下着をズラされ、昂ぶりが空気に直接触れる。それだけで籠った熱が放出されて解放感に酔いしれる
少しだけ見えた穂波の舌が昂ぶりに触れると視覚的に東谷は腰に甘い疼きを感じた

「オレ、いっつも東谷がこうしてくれるのすごい気持ちいい」
「っ・・・」

ゆっくり咥えられて舐められるのがもどかしくて腰を喉へと打ち付けてしまいそうなのを必死に抑える

「穂波・・・も、イイ・・・」
「ごめ・・・下手だから・・・?」
「いや、も、限界」

すぐにまた押し倒されて体の自由を奪われる穂波。もっと自分から東谷に触れたかったのに、触れられ、舐められ快感に押し流される

「っ・・・」
「・・・お前・・・」
「やぁ・・・そんなとこ、舐めちゃダメっ・・・汚いっ東谷っ・・・」
「汚いわけねぇだろ・・・すげぇ石鹸の匂いする・・・あー、無理。もー無理・・・」

そう言って乱暴に指を掻きまわされると内部から押し上げられてその圧迫感で穂波の口からくぐもった声が漏れる
苦しい・・・でも、嬉しい・・・東谷に触ってもらえる。求められる。それが快感に変わる

「穂波、悪い・・・すげぇ優しくしようと思ってたのに・・・これじゃこないだと・・・」
「いいっ・・・東谷っ・・・いいからっ」
「くっそ・・・も、無理・・・穂波、あとでなんでもワガママ聞くからっ、なんでも言うこと聞くから・・・も、挿れっ・・・」

指を引き抜かれ代わりに充てられた熱い昂ぶり
指とは比べ物にならない重量感。押し込まれ、抉られ、擦られる。熱い凶器・・・でも・・・

「東谷っ・・・東谷ぃっ・・・またっ・・・名前呼んでもイイ?名前っ・・・」
「イイ・・・呼べ・・・やべ・・・すげぇ気持ちいい」
「うんっ・・・うんっ・・・一弥っ、もっと大丈夫・・・奥、も少し大丈夫っだからっ」

穂波の言葉はこんな状態じゃ暴走してくれというような甘い囁き。東谷は頭を振ると穂波の腰を掴み、もっと先へと進ませる。こんなに奥へ挿れたら壊れるんじゃないかと怖い。怖いのに止まらない

「穂波っ・・・大丈夫?」
「んっ・・・苦しっ・・・っあ・・・お腹重っ・・・」

壊してしまいそうで怖い。でも快感が背中を這い上がってきてどうしても動いてしまう。体格差から同じように揺れる穂波の体。何度も何度もキスを落として好きだと囁いて少しでも穂波を感じさせようと穂波の少し萎えた昂ぶりを擦る

「悪い・・・も、保たないっ」
「んっ、かずっ・・・や、気持ちいい?・・・ねぇ、気持ちいい?」
「イイ・・・出る・・・っ・・・っーーー」

体内にある東谷の昂ぶりが何度か脈打つのを感じた気がして穂波は微笑むと東谷の首に腕を回して東谷にキスをした
一緒にだなんて贅沢な望み。穂波にとってそれはどうでもイイ。東谷が感じてくれたらそれが一番嬉しいコト

「一弥、大好き・・・」

穂波があまりにも優しく微笑むから東谷は胸が締め付けられたように苦しくなってただ優しく穂波にキスを返した




にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ


にほんブログ村

    ≫ read more

1回の表4 - 08/13 Thu

trackback (-) | comment (0) | 野球少年恋をする
安曇の言葉が頭の中で何度も繰り返し響く。聞き間違い。幻聴・・・でも、目の前の安曇の目は真剣でピザを掴む手も止まっていた

「ごめん。言わないように言わないように頑張ってたんだけど・・・」
「・・・無理・・・だ」
「でもっ!」

安曇がテーブルに身を乗り出して泉側へと少し侵入する
これ以上踏み込ませてはいけない

泉は椅子を引いて席を立ち、逃げるようにキッチンへと移動して冷蔵庫からさっき入れた飲み物を手にする

「ずっと、ずっと穂波ちゃんに泉優しかった・・・でも、泉って元々すっげぇ優しいじゃん・・・でも、オレにだけわざと冷たくて・・・でも、今日遊んでオレにも優しくしてくれてっ・・・笑ってくれて・・・楽しいって言ってくれて」
「安曇っ!」
「あいつらだって上手くやってる!友達関係だってそれ以上になっても残るよっ!オレのこと、嫌いじゃないでしょ?オレに好きだって言わせないように泉はずっと冷たくしてたんでしょ?わざとでしょ?」

泉はペットボトルの蓋を締めて安曇を見つめる
怖い。今までこんなに怖いことなんてなかった。居心地のいい場所が壊れる。これを認めてしまったらもう後戻りなんてできない

「泉・・・が・・・どうしても無理っていうなら・・・黙って帰って・・・忘れるし、忘れてイイ・・・」

再び座った安曇の背中が震えているのを見て拳を握りしめる

なぜ・・・どうして

友達じゃいけなかったのか・・・
あの時友達としていることを選んだのは自分だけだったのか

「お前・・・だって」

そうだ。つい、つい一昨日まで安曇は東谷のことが好きだったはずで、自分のことを好きだというのはただ、辛い気持ちを転嫁しているのだろう

「東谷のこと好きだっただろう」
「あぁ・・・それ・・・か・・・」

背中の震えが止まって宙を見る

「だって、泉は穂波ちゃんにマジっぽかったから・・・オレ、辛いじゃん。泉の傍にいるには誰か好きな人作らないと相談って名目もなかなか使えないじゃん・・・」
「そんなの・・・」
「なんで一弥だったと思う?」

なんで・・・そんなの知るわけがない

「一弥って、泉にちょっと似てる」
「似てねぇだろ。全然」
「まぁ、顔とか似てないし、性格も全然違うけどさぁ。身長も体型も同じくらい。一弥に抱きつくと泉に抱きつくのと同じだろうなぁっていっつも勝手に思ってた」

泉はペットボトルを机に置く。トンっと音がしてビクリと安曇の体は震えた

「もし、もし・・・」
「泉、始まってもないうちからもしもの話止めようよ。でも、オレのこと好きだと思う気持ちがやっぱりあるなら始めてみようよ」

こちらを見た安曇の顔はいつもの笑顔じゃなくて胸が痛くなる
美人で強いピッチャー。穂波がピッチャーマウンドに立った時凛々しいと心震えたように、毎回安曇のボールを受けるときに心震えるのは同じ。あまりにも美しくて、自分の手で汚すには高潔すぎて

「泉、オレのこと好きじゃない?」
「・・・」
「オレ、泉のこと好き」
「っ・・・」
「あの時よりすごいこと、もっと先に・・・進みたいのはオレだけ?」

あの時・・・中学2年の時に触れたお互いの体。触れるだけ触れて、無我夢中で扱き合ったあの日。たった1度の行為
それでも、やっぱり鮮明に覚えているし、繰り返し思い出されるあの光景。いや、思い出されるのはあの頃の幼い安曇の姿じゃなくて今の成長し、一層美しくなった安曇の姿

「オレは・・・」
「一弥と穂波ちゃん見ててもすごい仲イイじゃん・・・付き合ってても親友に見えるじゃん」
「・・・同じにはなれない」
「じゃあ、帰って・・・」

安曇が立ち上がって泉のグローブを掴むと顔を伏せたまま泉の胸へそれを押し付ける
泉も同じ気持ちだと思ってた
でも、それは勝手だったのかもしれない。戻りたい。好きだと行ってしまう前に戻りたい。泉も笑って、自分も笑っていたあの時間に

「・・・」

泉の胸に押し付けたグローブごと抱きしめられ、顔を恐る恐る上げる
顔が近い・・・恋い焦がれた精悍な顔がすぐ近くにあった

「・・・またもしもの話するけど、もし、ダメになったら・・・?」
「友情は壊れないっ・・・」
「お前に好きな人ができても?オレに好きな人できても?」
「大丈夫っ・・・だって、穂波ちゃんのこと好きな泉の隣にいたんだよ?オレ」

震える声でそう言うと唇を差し出す
恐る恐るそこへ押し付けられる唇。ずっと欲しかった泉の・・・

「ふっ・・・」
「大丈夫か?」
「も・・・ムリ・・・興奮しすぎて頭くらくらする」

泉は少しだけ笑ってグローブをソファへと投げる

「安曇・・・」
「うん?」
「ホントはずっとキスしてみたかった」

泉の言葉が胸を熱くして心がその熱で溶けてしまうような気がした




にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ


にほんブログ村

    ≫ read more

1回の裏3 - 08/12 Wed

trackback (-) | comment (0) | 野球少年恋をする
穂波は朝から期待して、そっとシャワーを浴びて、期待をしつつ家を出る。もしかしたら、もしかしたら・・・なかなか時間が取れないのもあったけれど、あの「初めて」からしばらく経つのに2回目は訪れない
チャンスはあった。でも、東谷は触れるだけ触れて、それ以上手は出してこない。あれだけ「やっちゃいたい」とか言っていた東谷なのに、あれ以来、そんなことも言わないことを思い出して急に穂波は不安になって自転車を漕ぐ足が重くなる

もしかしたら、もしかしたら思ったよりも良くなくて・・・

そんなことを考え始めたらこれから会うというのに気が重くなってくる。それでも、東谷の家に着くとインターホンを鳴らすとすぐに開くドア

「おう。上がれ」
「お邪魔します」

少し表情の硬い穂波を不思議に思いながらいつものように自分の部屋へと促す
今までなかったローテーブルが出ていて穂波はその近くに座る

ご飯をここで食べるのか・・・?と時計を見るが、まだ昼ご飯にも早い時間

「ちょっと待ってろ」

そう言われて大人しくいつものように部屋を見渡す。変わらない。いつもと同じ辞書の位置。勉強もしていなさそうだ。と少しだけ笑うと部屋のドアが開いて東谷が少し照れたような顔で持ってきたのは

「わぁ・・・どうしたの?!それ」
「お前のケーキ」

「昨日の夜買ったものだけれど」そう付け足して、穂波の前にケーキの皿を置く

「なんで?」
「お祝い」
「・・・」

プレゼントはもうキスを貰ったのに、2日遅れのお祝いをしてもらえるということに穂波は顔を赤くして小さくお礼を言うと、さっきまで不安に感じていた気持ちが吹き飛んでいくのを感じた

「東谷は?」
「オレは生クリーム得意じゃない」
「そうなのか・・・オレは好きー」
「んじゃよかった」

穂波の笑顔を見てまた口許を隠す

「東谷、イチゴは好き?」
「んー?まぁ、普通」
「あーん」
「なっ・・・」

ケーキの上に乗っている赤いイチゴをフォークに刺すと東谷に差し出す穂波。一瞬恥ずかしくて戸惑ったが、誰もいないし、穂波が喜んでやっていることだと思うと素直に口を開ける

「おいしい?」
「酸っぱい」
「あぁ、そっか。時期が時期だもんねぇ」
「・・・」

少し残念そうな顔をした穂波が可愛くて目を逸らす。可愛くて可愛くて仕方がなかった。もう、すぐに押し倒して唇を奪って甘い口を犯したい願望を押さえつける

「東谷ー」
「うん?」
「カバンにつけてくれて嬉しい」
「っ・・・」
「部活のバッグだからさー、なんか・・・余計に嬉しかった」
「あんまり可愛いこと言うな・・・バカ・・・」
「・・・うん」

目を伏せてケーキをつつく穂波。また、勘違いしているんじゃないかと思いながら東谷はケーキを食べる穂波を見つめる
可愛いと言った。なのに、どこでどう勘違いするのか穂波はいつだって悪いように考える気がする

「穂波ー」
「うん?」
「あと、これな」
「・・・?」

可愛いラッピングがされた細長い袋を受け取ると穂波は赤くなる

「・・・東谷・・・開けてもイイ?」
「イイよ」
「・・・あー、可愛い!何これー」

袋から出てきたシャープペン。その頭のところには野球のボールがついている

「お前の好きなものとか知らないからさ・・・」
「嬉しい・・・ありがとう・・・イイの?」
「イイっつーか・・・同じの、もう1個買った」
「え?」
「これも、お揃い・・・?」
「っ・・・」

また顔を赤くした穂波を見ると想像したよりも可愛い顔で笑ってくれた穂波に東谷は満足する

「あの・・・東谷・・・」
「うん?」
「・・・昨日、もしかしてこれ買いに行って・・・た?」
「あぁ、そうだけど?」

一緒に帰りたかったと拗ねた昨日の自分を叱りたくなった。きっと店にも入り辛かったと思う。なのに、自分のためにこんなに良くしてくれる東谷が愛しくて愛しくて食べかけのケーキを残したままローテーブルを少し動かして東谷に手を伸ばし、抱きしめる

「あの、あの・・・さ」
「・・・おう」
「あれから・・・全然・・・だけど・・・」
「あ?・・・あぁ・・・うん」
「オレ、つまんなかったとか・・・そういう・・・」
「バッ・・・」
「最近、東谷、その・・・」
「・・・お前の無自覚なその煽りに耐えてきたオレを褒めたい・・・やりたい。すっげぇ。でも、オレ、酷いことしたからな」

東谷はそっと穂波の腰に腕を回すと優しくキスをしてケーキで甘くなった穂波の唇を味わう

「生クリームは苦手だけど、今のお前の口、すげぇ旨い・・・かも」
「なにそれ・・・やらしい」
「っつか、もー、限界通り越して痛ぇ・・・穂波、イイ?」
「東谷、オレ、求められるの嬉しいよ?」

「また無自覚に煽りやがって」と小さくボヤキながらまだ甘い穂波の口内を味わった




にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ


にほんブログ村

    ≫ read more