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ネコになったキミ - 04/01 Sun

trackback (-) | comment (0) | つれないキミと売れてる僕番外編
4月1日。エイプリルフール

今年は何の準備もしていないけれどその代わりに絶対に騙されない!と意気込んで里見の部屋を訪ねた

「おっじゃましまーーーすっ!」
「あ、おはよう」

この部屋の家主ではないけれど自分の部屋のような顔をしている親友の頭をポンポンと叩くと「おはよー」と微笑む

「光は取材旅行って言ってたけど須野ちゃんは暇なの?」
「里見?いるよ?」
「うん?!」

そういえば、さっき須野に連絡をしたとき、里見の部屋に居ると聞いて、何の疑問も感じないまま里見の部屋に来たけれど、もしかして取材旅行が取りやめになったのか辺りを見回すが須野以外、人の気配すらしない

「ニャーン」
「?!」

足元に擦り寄ってきた美しい毛並みのネコに葛西は須野の顔を見る

「可愛いぃぃぃぃってダメだよぉ!ペット飼うなら相談してよぉ!!!そりゃー禁止はしてないけどさぁ!オレ仲間外れヤダー!」
「ペット・・・じゃなくて、里見だから・・・」
「は・・・?!」
「里見、ネコになっちゃったんだ」

葛西は目をパチクリして須野を見つめるがすぐに思い出して須野の背中を叩く

「ヤダなー!さーすがのオレだってそんなウソは判るってぇ!」
「ウソじゃない!里見だよ!」
「須野ちゃんの演技力でもそれはウソってわーかーるぅー!こんな非現実的なことがあるわけないじゃーん!」

須野は悲しい顔をして「だって。里見。仕方ないけど、判ってもらえないもんだね」とネコの背中を撫でるとネコは気にもしない様子で須野の手から逃げるように窓際へと歩いて行った

「アハ・・・里見ぃー!ネコになってもつれないんだー!」

須野が笑ってネコが日向ぼっこしている窓際へ腰を下ろすと「何食べたいー?」とネコ、いや、里見に尋ねるのを見て一瞬本当に小説や漫画のように突然里見が何かのきっかけでネコになってしまったのではと信じてしまう

「いやいやいやいや!ない!流石にないから!!!」

でも、 今までのエイプリルフールの監修は里見で須野が1人で人を騙そうだなんてしたことは1度だってなかった。でもここにいるのは須野だけで・・・家主の里見はいない

慌てて携帯を出すと里見に電話を掛ける。きっと里見は取材旅行に出ていて出先からの指示で須野が演じているのだと思って

ピリリ・・・

里見の机の上に置かれた電話の音に絶望する葛西

取材旅行に携帯を持っていかないだなんて考えられなくて

「・・・そこまでする?」
「ねぇ、里見、里見と会話できないのは寂しいけど、僕はこのままでも幸せかもしれない」

ネコは背を向けたまま目を瞑る

美しい毛並み、プライドの高そうな顔立ち、里見がネコになったら確かにこんな感じかもしれない。皆につれないのに須野にだけ気を許すようにたまに擦り寄り撫でろとでもいうような顔をする

「里見の世話、ぜーんぶ僕ができてずっと傍にいられる。里見はいつものように自由にしてていいんだよ。ずーっとずっと一緒にいようね」

須野の表情はいつものように里見に向ける表情で葛西はがっくりと肩を落とすと瞳を震わせてネコのそばで膝をつく

「ホントに光なの?」
「うん?里見だよ」
「っ・・・オレはやだよ!光と笑って飲んでふざけて怒られたい!ネコじゃやだ!戻ってよ!ネコの光はいやだ!!」

泣き出しそうな顔の葛西に須野は葛西の背中を撫でる

「探すから。光が元に戻る方法!オレ!みんなに信じてもらえなくても探し出すっ!」
「うん。そうだね。僕もやっぱり里見の声聞きたいよ」

葛西は須野の体に抱きつくとネコを見つめて目を閉じる

ネコになってしまっても自由気ままなのは変わらずに日の当たる場所で気持ちよさそうに目を閉じる里見に

「・・・いや、バカだろ」
「?!」

顔を上げると葛西が口をパクパクと開いてネコのいた場所を見るとネコは相変わらず眠っていてホッとしたような悔しいような気持ちで里見の長い足を叩いた

「ごめんねぇ?葛西ー」
「ふ、ふざけんなぁぁぁ!!!」
「いや、オレもお前がこんなバカだとは思わなかったっつーか」
「だって!だってだってだって!須野ちゃん本気だった!!!」

ネコを抱きかかえると「お前も演技うまかった」とネコに呟く里見

「里見がね、今日のための短編小説だって見せてくれたのが恋人がネコになった話でね」
「っ!!!何、2人とも無駄に全力なの?!」
「須野にお前の演技力のテストだっつって任せてオレは須野の部屋にいた」
「酷いぃぃぃ!!!」
「流石にあり得ねぇ話だなーって思ったけどこれ、少し手直ししたら新作いけるな」
「僕も上手く演技できるか不安だったけどこの子が里見だって思えばいいって里見に言われてその通りにしたんだー」
「そのネコは?」
「あぁ、借りてきた。オレに似て美しくて人に媚びないネコ探すのなかなか手間かかったんだぜ?」
「どんだけ今日に労力かけるわけ?!」
「あ、僕も周りに声掛けて探したんだー」

いつもの須野の顔に葛西は悪態を吐きながらもエイプリルフールの嘘で良かったと本当に感謝する

ネコになった親友だなんて誰も信じてくれないのに信じるはずがないのにもう里見とふざけあうこともケンカすることも仕事することも遊ぶこともできなくなると信じてしまったからそれが全部ウソだと判って嬉しかった

「ねぇ、里見!僕の演技どうかな?!」
「葛西騙せたし、まだまだいけるな」
「やったぁ!!!」
「・・・須野ちゃん、ホント流石だよ」
「監督はオレだ」
「光も流石だよっ!!!悔しぃぃぃっ!!!」

葛西の悔しそうな声に里見は満足そうに笑った。これが彼らのいつものエイプリルフール。親友のこの顔が見たくて全力で葛西を騙そうと頑張る里見と葛西を騙して満足そうな里見が見たくて全力で頑張る須野のエイプリルフール







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ラジオ ShinGoと皐月光のマックスマックス2 - 12/24 Sun

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お久しぶりの水尾です。挨拶だとかお詫びだとかはいつものように最下の追記部分にて・・・
例の何でも許せる方向けのつれキミ売れ僕番外編でございます




葛西「ShinGoと皐月光のー今宵もマックスマックスー」
里見「マックスマーックスー」(小声)
葛西「こんばんはー!今夜はいつもとスタジオも時間も変更して公開生放送ってことでー・・・っていうか光!いつも以上にテンション低いのおかしいよね?ねぇ?!いつも嫌々でも一応タイトルコール一緒にやってくれてたじゃん!」
里見「んー、キャーキャー向こうで手を振ってくれてるお嬢さん達に手を振り返すのに忙しい」
葛西「いやいやいやいや!そりゃー!まぁね!?まぁ!そうですよ!でも!来られないお嬢様方もいるんだよ?イイの?そんなやる気のない声で!」
里見「まぁ、オレこの番組早く打ち切られちゃえばいいのにって思ってる」
葛西「光ぃぃぃぃぃっ!!!あ、今日は初めての公開生放送ってことでこの後、スペシャルゲストを呼んでますので皆さんお楽しみにっ!あと、今日の放送はWebでも見ることができますので・・・」
里見「あー、彼女たち、オレのファンじゃなくてあいつのファン?マジかー!オレとあいつどっちがイイ?んー?いや、聞こえないー!もっと大きい声でー」
葛西「ちょっとちょっと光さーんっ!!!!オレお仕事してるからー!光ももう少しお仕事してー!!!」


CMと曲が終わり・・・



里見「うん。ありがとう。あいつがもし現れてもオレに乗り換えたって言えよ?な?イイだろ?」
葛西「光さーんっ!光さーんっ!光さんがそうして窓の外見ながら遊んでる間にCMも曲も終わっちゃいましたよー・・・イイですかーゲストですよー今から来ますよー?」
里見「あいつだろ?」
葛西「まー、そうなりますよねー。皆期待してるでしょ?ね?この番組始まった時からみんな期待してたよねー」
里見「今日の朝も見たし、スペシャルゲストって言うのか?」
葛西「まぁ、見てる方にも聞いてる方にもそりゃースペシャルでしょ」
里見「はいはい。須野ー!」
葛西「ちょ!呼ぶタイミングとか打ち合わせにあったでしょ!!!あー!もー!須野ちゃんも入って来ちゃったしー!めちゃくちゃっ!」
須野「こんにちは。須野 寛人です」
葛西「あー!オレガン無視されてるぅー!」
須野「あ、ごめんね?えっと、なんだっけ」
里見「おい!そこのピンクのマフラー巻いてる!そう!あんた!オレに乗り換えるっつったよな?なぁ!なのにこいつ出てきたらキャー!!!って!何?え?脱いだらイイの?オレの体見たいの?しょうがねぇなぁ」
須野・葛西「「ちょっ!!!ちょっ!!!」」
里見「なんだよ。やたらと気が合ってるな。お前ら」
葛西「皐月先生。脱がないでください。あー、ボタン外すのもダメー!お前が脱ぐと誰かが妊娠する」
里見「しねぇよ」
須野「えーっと・・・ラジオ番組、お招きありがとう。いつも聞いている番組に出させてもらえるのもShinGoや光と親友だからだね」
葛西「マイペースか!もー今更なんで台本通りー!?もー須野ちゃんのそういうところ判らないっ!怖いっ!」
里見「いや、須野、お前すげぇな。普段よりキラキラしてる」
須野「や・・・それはさ・・・光のほうこそ」
葛西「あー、判る?ねぇみんな判るー?普段からこの2人のツッコミ役としてオレが存在してんのー!うん!オレがいないとダメなのー!ん?あ!ありがとう!DVD買ってくれたの!そう!ここから手が届けばサインしちゃいたいよー!ありがとねー!あと5つくらい買って皆に配ってー!」

そしてCM

葛西「はい。スタジオはとっても収拾つかなくなってるけど、考えたらいつだってまともな番組になったことないよねー」
須野「そうかな?僕は楽しく聞いているよ?」
里見「オレは今初めて須野はやっぱりプロだったんだって感心してる」
葛西「あー、うん。確かに普段の須野ちゃんの数倍はキリっとしてるね」
里見「いや、数百倍」
葛西「判る」
須野「え!僕、そんな普段違う?」
里見・葛西「「おう」」
須野「おかしいなぁ・・・そうかなぁ・・・」
里見「なんか新鮮。今日のお前、ただの好感度高い系のイケメン」
須野「っ!!!」
葛西「ただのってところがなんともなぁ・・・」
須野「僕が好感度高いかどうかは判らないけれど、いつも応援してくださる皆さんには感謝しきれないです。ごめんね?2人の番組借りて僕を応援してくれる人にお礼言わせてもらうよ?」


須野「ありがとう」(すごくイイ声で)


葛西「えー・・・そんな中、Webで見てくださってる方からたくさんメールもいただいてますー」

『ShinGo監督も皐月先生も大好きでいつも楽しく聞いてます。今日は公開収録ということで近くに行きたかったんですが遠方のため断念。PCの前で楽しんでます』

葛西「ありがとー!あぁ、あれだよ?こういうメールとかもらって評価されたら第2弾とか3弾とかどんどんできちゃうと思うんだ」
里見「はいはい次ー」
葛西「ちょっとー!ちょっとちょっとー!」

『須野さんがスペシャルゲストで来ると思ってましたっ!バラエティの須野さんは言葉少なくにこやかな印象だけど監督や先生と一緒だと口数も増えるし、表情も可愛くなるしでホントに仲良しなんですね!仲良しの秘訣はなんですか?』

里見「仲良しの秘訣・・・の前にひとつ聞きたい。こいつ可愛いの?」
葛西「・・・」
須野「いや、無言やめようよ。ラジオだよ?」
葛西「なんだろ。多分さ、オレら今日の須野が仕事モードで新鮮じゃん?普段のだいぶバカっぽい須野は見慣れすぎてるけど今日は新鮮じゃん?だからその逆で新鮮なんじゃね?」
里見「あぁ。そうか・・・あーんで?仲良しの秘訣?それは・・・なんだろ。そもそもオレら仲イイのか?」
須野・葛西「「イイですっ!!!」」
里見「判った。2人がオレのコトすげぇ慕ってんの。だから仲良しの秘訣はオレ」
葛西「あー、否定したいのに完全には否定できないのがもどかしいーーーーっ!」
須野「こっちのメールでは普段どう呼び合ってるのかって来てるよ」
葛西「だからっ!流れっ!!!!!!」
須野「僕は2人の本名の苗字を呼びすてにしてるね・・・ShinGoは光って呼ぶけど基本、僕たち、苗字で呼び合ってます。僕は本名で仕事してるから2人には須野って呼ばれてるよ」
葛西「あー、須野ちゃん一生懸命なのはいいけど、逆に浮きまくってるー!!!」


CM エンディング

葛西「えー、残念なことに、放送終了のお時間となりましたー!」
須野「僕、何もしてないけど大丈夫かな」
葛西「うん!キミはね!きっと須野 寛人の新たな一面を皆さんに伝えられてすごく良かったと思います!そもそもオレも何もしてないし。けど光っ!お前は公開録音向いてないっ!超向いてないよー!えーんっ!収拾つかない僕らにまたこんなチャンスが回って来るのでしょーか!!!来週はまたいつもの時間にー!」
里見「みんな愛してるから番組終わらせようって投書しような?あーくだらねぇ。くだらねぇー」
葛西「光ぃぃぃぃぃーーーー!!!!」








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ラジオ ShinGoと皐月光のマックスマックス - 05/20 Sat

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まず最初に謝っておきましょう・・・

全然書けてませんっ!!!新シリーズ始めようと思って20話書いて性格気に入らないと全部デリートを繰り返すこと3回・・・そしてさっきもデリートしたばかりでございます

でも、ちょっと書きながら流していたラジオでふと、突然書きたくなったのです

つれキミ売れ僕!
葛西と里見がラジオ番組を持ったらどうなるか!!!そんな一心で勢いだけで書いたものでございます。今後、本編でホントに葛西と里見にラジオやらせるかもしれないし、ただのお遊びになるかも決めてないけれど、とにかく何も書けてないけれど更新したい気分だし!って書きました


と言うわけで、なんでも許せる方、そしてお時間ある方・・・この下からになります







葛西・里見「「ShinGoと皐月光のー今宵もマックスマックスー」」

葛西「光さん、光さん・・・最初のタイトルコールからそのテンションどうなんですか。全然マックスになってないですからぁー!タイトルに偽りありじゃーいけないでしょー」
里見「そもそもオレはラジオやるとか言ってません」
葛西「出たっ!まぁまぁ、それでも聞いてくださってるお嬢様と殿方がいるのでもう少しテンション上げていこうよ」
里見「・・・どうも。こんばんは親友トリオだとか言われているけれどそれがそもそも心外だと思っている作家の皐月 光です。今宵も、皆さまの耳にこの声が届いているのにこちらには皆の聞こえなくてそれが残念に思ってるよ」
葛西「うわー。突然無駄にいい声出して・・・」
里見「まぁ、今日打ち切りで来週は番組なくなってるかもしれないしな」
葛西「ちょっ!やめてぇ?!不吉すぎる!!!」

一旦CM

葛西「さて。真面目に届いているメール読みたいと思いますよ?」
里見「オレ、初回にここ呼ばれた時、ゲストだと思ってたんだよな。初回のゲストがオレってどうなんだよって思いながら。でも、ゲストじゃなくてお前と2人の名前ついてるしさぁ。作家のオレがなんで?って考えたら、これ、オレら2人でやったら須野呼べるって思ってんだろ?」
葛西「光、聞いてた?っていうか何突然」
里見「あーやっぱりそう?スタッフさん頷いてるけど須野呼べたらーとか思ってたんだ・・・呼ぶ?呼べば来るけど」
葛西「待ってー!待って待ってー!収拾つかなくなるー!っていうかー!尺考えてーーー!」
里見「でも、アレですよ?須野呼んでも多分みんなが思っているような須野じゃなくてビビるよ?いいの?」
葛西「はーいはいっ!メール読むよー?っていうかもう勝手に読むよー」

『ShinGo監督、皐月先生こんばんは。いつも楽しく聞かせていただいております
 皐月先生はヘビースモーカーということですが、体に悪いので控えたほうがイイですよ
 先日出た『空の青と赤』の続編が気になるのでお体には気を付けてほしいのです
 ShinGo監督、ぜひ説得してください』

葛西「ってことですー・・・まぁ、無理だね。光には無理。時代的にもやめたほうがイイと思うけど光には無理ー無理無理ー」
里見「認めるのは癪だけど、これは無理だろうな」
葛西「だよねぇー」
里見「オレがもし禁煙強いられたらお前らにも強要する」
葛西「え?オレも?須野ちゃんも?」
里見「おう。当然。それに禁煙したら口寂しいから煙草の代わりに可愛い子の唇吸わせてくれんの?」
葛西「おっとー?光さん、おっとー?」
里見「1日中オレにキスしたいって人が恋人になった暁には禁煙します」
葛西「ふはっ!それ、光にしたいー!って子が殺到したらどうすんの」
里見「キスするよ?」
葛西「あー、はい。はい!判ったー!判ったからー!!!この密室で色気ばら撒いて妙な空気にすんのやめよーねぇぇぇぇー」

CM エンディング

葛西「今週もあっという間に時間が過ぎていっちゃって。主に光のせいだけどっ!オレ仕事ちゃんとできてんのかなぁ」
里見「安心しろ。いつもできてない」
葛西「酷ぇ!・・・そ、それでは皆様また来週ー」
里見「来週は須野が来るかもしれないし来ないかもしれない」
葛西「ちょ!違うよ?決まってないよ?!」













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アニバーサリー2 - 03/07 Tue

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その日、前々から仕事をこの日だけは空けてくれと山口に頼んであった日
忙しくてもこの日だけは仕事をなんとか入れないようにしてくれと頼んでいた日。今日だけじゃない。この先ずっとこの日だけは仕事を入れないと決めた日・・・

須野の願い通り、その日は仕事が完全オフにはなったけれどそれまでの日程はハード、いや、ハードすぎるもので須野はくたくたの体を起こしながらカレンダーについた花丸を見て指で撫でて微笑む
里見との記念日・・・去年は準備があまりできなくて小さなケーキを一緒に食べただけだった。それでも幸せな1日・・・今年はもっともっと幸せなものにしたくて色々と計画を立てていたから

「あと1日・・・あと1日・・・」

里見はきっと覚えていないけれど気にもしていないけれどそんなのはイイ。須野が知っていれば覚えていればイイ・・・






そして当日。酷い頭痛で目を覚ますがあまりにも頭痛が酷くて体を起こすことができない須野

「・・・っ・・・」

それでも今日は寝ている場合じゃないと頭を押さえながら体を起こしてフラフラと着替えて薬を飲むと里見の部屋をノックする

開いた扉からいつもの凛々しく美しい顔が出てきて須野は微笑むがすぐに頭を叩かれる

「寝ろ」
「え?」
「お前、鏡見たか?顔色悪いっつーもんじゃねぇぞ?」
「や・・・でもっ、あのね」
「っつか寝ろ。今日オフなんだろ?」
「里見っ」

ドアを閉められ、その音が頭に響く。ガンガンと痛む頭・・・蹲った須野はガラスに映った自分の顔を見て確かに顔色が悪くてこれでは里見も「寝ろ」と言うだろうと気付きソファまでよろよろと向かうと目を閉じる
きっともう少し寝て薬が効いたら顔色も戻るだろうし里見と1日過ごせると思いながら疲れた体を休ませた









「・・・」

須野が目を開けると部屋がオレンジ色に染まっていて慌てて時計を見る
時刻はもう昼を過ぎて夕方を指していて「え・・・ええ!?」とひとり叫び声を上げながら慌てて立ち上がる
あれだけ痛かった頭はすっきりしていたし、体も軽くなった気はしたけれどせっかく今日のために頑張っていた1日を無駄にしたと里見の部屋を叩くように鳴らす

「おう。起きたか」
「里見っ!あのねっ!あのっ・・・え?」

部屋へ入ると目の前の光景が信じられなくて須野は瞬きをして目を見開きながら里見を見る
「バーカ」と頬を抓られると頬の痛みがこれが夢じゃないと教えてくれるようでどう喜んでイイか判らないまま里見の手を握る

「な・・・ど・・・えぇ?」
「いや、今お前喋れてねぇからな?」
「こ・・・これ、どうしたの?!」
「作った?」

ダイニングテーブルに並んだ豪華な食事。普段適当すぎる食生活の里見がこれを用意しただなんて信じられなくて「えぇ?」と小さく驚きの声を上げながら料理を見て里見を見る

「なんだよ・・・不満なんかねぇだろ?っつかあっても聞くかよ。バーカ」
「な、ないよ!あるわけないっ!里見っ!あるわけないよっ!でもっ、でも・・・里見がなんで?!」

里見がため息を吐きながら席に着くと皿に飾ったミニトマトをつまんで口へと放り込む

「わっかりやすくカレンダーに花丸つけてたらオレでも判るっつーの」
「っ・・・」
「んでー?紙よりも白い顔色しながらやってきて?そんなんで外出なんて車の運転なんてできるわけねぇのによっぽど楽しみにしてたんだろうな・・・ってなぁ・・・」
「里見・・・僕っ」
「お前、昼にオレが部屋行ったのに気付かねぇくらい寝てて相当疲れてそうだったから時間もあったしメシ作ってやった」
「・・・ぁ・・・なんか・・・僕、どうしよう。今日1日無駄にしたってさっき起きた時泣きそうだったんだけど、僕が考えてたプランよりもずっとずっと嬉しい・・・どうしよう。里見っ!どうしようっ!僕今すっごい嬉しいっ!嬉しいよっ!どうしようっ!里見ー」

抱きついてきた須野は里見が想像した以上の歓び方をしたから満足そうに笑うと襟首を掴んで自分から離すと「座って食えよ」と須野に笑う
豪華に見える食事。確かに作るのは正直面倒だったけれど須野がこんなにも感動して喜んだから全て許せること。後片付けだとか洗い物だとかはきっと須野がやってくれるし、あとは一緒に笑って食事してさっき買ってきたケーキを食後に出してやろうと思いながら2つめのミニトマトをつまむ

「里見・・・ひとつ、ひとつ・・・ワガママ言っても怒らずに聞いてくれる?ううん。お願いだからひとつだけ聞いてください」
「・・・怒らねぇかはわかんねぇけど・・・言うのはタダだ」

須野のお願い・・・またお揃いの指輪を作っただとかだろうかとどうせくだらないけれど里見の気持ち次第で叶えられる願い事なのは里見も察している

「写真・・・」
「あぁ?」
「っ・・・里見と一緒に写真撮りたいっ!里見と写ってる写真が欲しいっ!」

やっぱりくだらないと思いながら里見は鼻で笑ったけれど須野のあまりにも真剣な表情を見てひとつため息を吐き出した

「まぁ、今日は特別だからな」

里見の言葉で須野の表情が明るくなって足早に部屋へと戻るとすぐにカメラを持って戻って来る

「三脚まであんの?」
「うん!簡易三脚だけど」
「いや、ここで本格的な三脚持って来られても戸惑うっつーの」
「・・・よし。じゃあ撮るよ?」

カメラが点滅して須野がにやけた表情で里見の隣へと来るとカメラへ向かって笑顔を見せる須野。カメラの点滅が早くなる・・・もうじきシャッターが下りるサイン・・・
須野があまりにも嬉しそうで純粋に幸せそうで里見は須野の顔を寄せてキスをする

「?!・・・えええ?!」

唇が触れたのを感じるとシャッター音が聞こえて須野は顔を赤くしながら里見を見る

「写真、記念になっただろ?」
「っ・・・」
「まぁ、次は普通に撮る」
「・・・イイの!?」
「だから今日は特別だろ」

そう。今日は特別。2人にとって特別な日。楽しいコトは勿論、辛いこともたくさんあったこの2年間。でも、確実に2人の距離を近付け絆を深めた2年間・・・これからもきっと幸福も困難も2人で乗り越えて今よりもずっとずっと絆も想いも強くなっていく・・・そう願いながら須野はカメラをセットする前に里見の唇に口付けをする

「里見、1年間ありがとう。これからもよろしくお願いします」
「バーカ堅苦しいんだっつーの」

里見がなかなかカメラをセットしない須野に手を伸ばしてカメラを取ると腕を伸ばしてシャッターを押す

「里見、大好き。里見、大好きーーー!!!」
「っつかメシ食え!オレが作ったやつありがたく食え!」
「食べるよっ!っていうかこれも写真撮るー!!!」
「バーカバーカバーカ」

里見がカメラを取り返そうとする須野にシャッターを押してどんどんと無駄に須野をカメラに収めていく

「ヤダ!僕ばっかり要らないしっ!」
「メシの写真なんて撮らなくたっていいんだっつーの!それよりもメシ食えっつーの!」
「写真撮ってからぁぁぁーーーー!」

楽しそうなその情景がどんどんと写真に収められていく・・・それは今日という特別な1日の特別な1ページ。昨日にもない。明日にもない。特別な1ページそんな毎日がこれからもきっと続いていく・・・





アニバーサリー2 おしまいおしまい






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2月29日 - 02/29 Mon

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朝、冷たい空気が身を引き締めさせる・・・

里見の早起きは寒い冬でも変わらずで、今日も同じ・・・いつも通り早くに目を覚まし、コーヒーを口にしながらパソコンに向かう

トントン

「・・・?」

里見はコーヒーを置いて時計を見上げる。須野が起きるには早い気がしたけれど、急に仕事が入ったのかと思いながらドアを開ける

「おはよう!」
「・・・おう」

着替えているわけでもなく、部屋着姿の須野にますます意味が分からなくて首を傾げる里見

「お前、仕事は?」
「え?言ってなかった?今日休みだよ」
「・・・時計見たか?」
「うん?あ!早起きだって?だってー・・・だってさぁ」

少しだけ照れたように笑った須野が里見の手を握る

「今日まだ2月なんだよ?」
「・・・だから?」

確かに今日は2月の最終日。うるう年だから29日・・・それが一体何だというのかと考えるけれど全然思い浮かばずにため息を吐く

「今年は1年が366日もあるんだよっ?!」
「お前がちゃんとそれを判ってて安心した」
「だからっ!だぁかぁら・・・」

里見を抱きしめると自分の羽織っていたブランケットをふわりと里見にも掛けて一緒に包み込む

「今年は里見のコト1日多く愛せるんだよ!!!!」
「・・・なんだそれ」
「え?!だっていつもだったら毎日好きだって言っても365日分しか言えないのに今年は366日分言えるんだよ?今日は特別な1日なんだよ?」

里見はうるう年の説明をしようとして口を開きかけてやめる。須野の言うように単純に1年で1日が多い日。そう思えばいい・・・いくらウンチクを垂れたとしてもそれは変わら

ない1日。喜んでいる須野を混乱させる必要もない

「で、そんな特別な日にお前は何がしたいんだよ」
「そんなの今日1日余分に里見を愛したいだけだよ。大好き!好きー!大好き」

最後の「大好き」だけ低く、色を持ったような声で囁かれてゾワリと粟立つ肌

「1日中ヤりたいってことか?お前にしちゃあなかなか言うようになったよなぁ・・・」
「え?!僕そんなこと言った?!」
「1日オレを愛したいんだろ?」
「うわ!いや!違っ・・・違わないっ!いや!え?!ええ!?」
「まぁ、急ぎの仕事はねぇしベッド行くぞ」
「え!朝だよ!?ホント?里見?里見っ!!!」

手を引かれて寝室へ連れていかれる須野。戸惑いながらも嬉しくてにやけた顔で里見の後ろを追う

うるう年。須野にとっては1日余分に里見を愛せる特別な日・・・いや、彼にとっては毎日が里見を愛するために特別な日々





つれないキミと売れてる僕 番外編 2月29日 おしまいおしまい





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