獣6 - 04/22 Wed
「最初っから言ってるでしょ?」
「あんたじゃないって」
「だって、あたしだから」
「あいつ殺したの」
目の前で幸せが壊れる
誰だ?
この目の前で笑っているのは・・・
「あたし、あいつに言われたの。『男は獣だ』って」
「だけど、カンニングぐらいで脅してあんたに迫るのを見てた」
「獣はあいつのほう」
知っている。
全部この目の前にいる奴は知っている・・・
全て丸飲みしてくる獣・・・
「あたし、あの時まだ小学生だったからあいつ殺したところで、バカな振りしてたら大した罪にならないかなぁ・・・とか思ってた」
誰だ・・・
佳世子はどこだ
昨晩腕の中に抱いた佳世子は・・・
「凶器は裁ちバサミ。家庭科で使ってたやつ。『お母さんのお腹にいるって言う赤ちゃんを出してあげようと思ったの』って言うつもりだったんだー」
鳥肌が全身に広がる
寒い・・・のか?
怖い
怖い
「だけど、あの日、運悪くあんたが来ちゃった。発見しちゃった」
「お腹に突き刺したハサミも手に取っちゃった」
「ダメだよ。証拠に触ったらー」
怖い
怖い
「あたし、一目見た時からあんたが好きだった」
「計画狂っちゃったけど、もうあんたはあたしのもの」
「男は獣・・・飼いならすしかない」
「あたしはあんたを飼いならす」
「あんたの人生がずーっとずーっと欲しかった。初めて出逢った時からずーっとずーっと」
獣は・・・
誰だ・・・
川越は目の前の獣に屈するしかなかった。もう、飼われるしかない・・・こうなったら堕ちるところまで一緒に堕ちるしかない・・・この恐ろしい程の・・・
愛は・・・飲みこまれるしかない
<完>

「あんたじゃないって」
「だって、あたしだから」
「あいつ殺したの」
目の前で幸せが壊れる
誰だ?
この目の前で笑っているのは・・・
「あたし、あいつに言われたの。『男は獣だ』って」
「だけど、カンニングぐらいで脅してあんたに迫るのを見てた」
「獣はあいつのほう」
知っている。
全部この目の前にいる奴は知っている・・・
全て丸飲みしてくる獣・・・
「あたし、あの時まだ小学生だったからあいつ殺したところで、バカな振りしてたら大した罪にならないかなぁ・・・とか思ってた」
誰だ・・・
佳世子はどこだ
昨晩腕の中に抱いた佳世子は・・・
「凶器は裁ちバサミ。家庭科で使ってたやつ。『お母さんのお腹にいるって言う赤ちゃんを出してあげようと思ったの』って言うつもりだったんだー」
鳥肌が全身に広がる
寒い・・・のか?
怖い
怖い
「だけど、あの日、運悪くあんたが来ちゃった。発見しちゃった」
「お腹に突き刺したハサミも手に取っちゃった」
「ダメだよ。証拠に触ったらー」
怖い
怖い
「あたし、一目見た時からあんたが好きだった」
「計画狂っちゃったけど、もうあんたはあたしのもの」
「男は獣・・・飼いならすしかない」
「あたしはあんたを飼いならす」
「あんたの人生がずーっとずーっと欲しかった。初めて出逢った時からずーっとずーっと」
獣は・・・
誰だ・・・
川越は目の前の獣に屈するしかなかった。もう、飼われるしかない・・・こうなったら堕ちるところまで一緒に堕ちるしかない・・・この恐ろしい程の・・・
愛は・・・飲みこまれるしかない
<完>

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