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つれないキミと売れてる僕4-14 - 06/30 Tue

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里見の初めてのテレビ取材は葛西の義父の持つビルにある葛西の映画製作オフィスで行われた

「何?お前、一丁前に立派なオフィスまで持ってるわけ?」
「あぁ、不相応だよねぇーオレもそう思うけどさー、これ、借りてるだけね!オレの部屋でいちいち打ち合わせやらなんやらやってたらゆりちゃんが家で休んでるときとかゆりちゃんが休めなくて可哀想だもん。それに一応映画製作会社だよ。ここ。スタッフも一応いるしー」
「・・・愛だな」
「だよねー!愛!」

葛西は笑うと応接セットに座る。もちろん、テレビ局へ行くという手段もあった。しかし、里見を余計な目に晒させたくなかった。ただでさえも目立つ人なのに話題の人・・・須野の恋愛報道が出ている今は余計にめんどくさい人間にも出逢うだろう

「よろしくお願いしますー」

ドアから入ってきたアナウンサーは微笑みながら里見と葛西に頭を下げる
里見は余所行きの笑顔を見せると手を差し伸べ「皐月です」と挨拶をした



「光さんよ・・・お前さぁ・・・なんなの。そのモテ人生・・・」

取材が終わり、アナウンサーやカメラが撤退すると静かになった部屋で葛西は不貞腐れた顔で里見を見つめる

「あぁ?何が?」
「・・・なんで最後ちゃっかり連絡先貰えちゃうわけ?その技術どこで覚えたの?」
「さぁ?生まれつき?」

葛西は里見の腕に拳をぶつけると優しく笑う

「ありがとな」
「あぁ?」
「いや、光ってなんだかんだ言いながら舞台挨拶も取材も受けてくれるから」
「原口アナじゃなかったら受けなかったけどな」
「嘘。光は絶対に出てくれたね!あれが全然違う人でも受けてくれた!」

葛西は笑って里見の頬を軽く抓ると里見に逆襲を受けて抓られ、両頬を伸ばされる
照れくさくて。恥ずかしくて。親友のために何かしたくなる気持ち。それが大きいか小さいかは問題じゃない。葛西の夢を応援したいという里見の気持ちは嘘ではないから

「メシ・・・行くか」
「んー!光は何食べたい?食べるにしても微妙な時間ー」
「あぁ・・・あれ。フレッシュベーカリーのトマトサンド」
「うん。いいね。軽く食べられるしー」

2人は事務所を出ると里見の好物を食べに足を向けた




外をしばらく行くと、なんだか人だかりができていて2人も少し足を止める

「なんだろ?テレビっぽい?」
「・・・あれ、須野だ」
「マジ!?すげぇ!偶然すぎー!」

葛西は里見の視線の先を目で追うと、そこにはにこやかに女性と腕を組んで歩く須野の姿

「・・・光?」
「ん?」
「あっちの道から回って行こうか・・・須野ちゃん、光の姿見たらカメラ回ってるのもそっちのけでこっち来そうだし」
「あぁ」

葛西が気を遣うほどあまりにもデートのような姿が絵になっていた須野の姿・・・いつもと変わらない里見の表情が余計に葛西は怖かった


里見のリクエスト通り、好物を頼んだにもかかわらずほとんど手を付けない里見
里見にはよくある話なのではあるが、須野の姿を見た直後だったから葛西は気になって仕方がない

「光、あのさぁ・・・」
「須野ってさ、オレのこと好きだろ?」
「え?あ、うん。超好きだね」
「あいつ、でも、演技して金貰う俳優なんだよな」
「・・・光?」
「さっきの演技なんだろうけど・・・あれ、演技なら普段のあいつってなんなんだ?っていう・・・あれが演技ならすげぇ演技力だよな」
「それはっ!」

里見の言葉に葛西は焦って首を振る。しかし、里見も判っているというような顔でひとつ頷いた

「判ってんよ。オレといるときが本物のあいつだよな」

里見の自信はなくならない。それだけが救いだった




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つれないキミと売れてる僕4-13 - 06/29 Mon

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落ち着いたと思った須野の恋愛報道が再び過熱したのは彼女のほうがイベントで記者に「イイお友達のお付き合いをしています」と発言したからである



「里見ーーーっ!僕、何もないよっ!」
「うっせぇよ・・・お友達って言われてんだからそれでいいだろ」
「友達でもないっていうか・・・連絡先すら知らないのに?それに、僕、女の人とまともに話せないの知ってるでしょ?」
「さぁ?オレの前にいない時のお前のこと知らねぇもん」

里見は舞台挨拶の時の須野を思い出しながらそう言う。現場にいるときの須野もあんな感じだと葛西は言っていた
あんな須野だったら誰とでも話せるハズである。それどころか、女性の目には魅力的に映っているはずだ

「里見の前にいない時の僕なんて僕じゃないよ・・・演じてるもん」
「演じててもイイ面してたぞ?」
「さ・・・里見、それ、褒めてる?僕のこと好き?」

顔を赤くして不安げに聞いてくる須野が恥ずかしくて里見は「違ぇよ。バカ」と呟いて本に目を落とす
里見からの言葉が欲しいのに。簡単な一言なのになかなか貰えない言葉
それは全く聞いたことがない言葉でもない。何度かは言って貰った一言。でも、ベッドの上以外でもそれを聞きたくて・・・でもなかなか聞けなくて

「里見・・・あの、さ」
「あぁ?」
「僕のことどう思ってる?」
「はぁ?」

真剣な須野の顔に里見は大きなため息を吐いた。須野が求めているのが判って。それをなかなか言ってやれない葛藤もあって・・・

「あの、ね・・・」
「それ、言わなくちゃダメ?」
「ダメっていうか・・・」
「じゃあ別にイイだろ」
「聞きたいんだ」
「それ、もしさ、オレがお前の求めてる言葉以外だったらどーすんの?っつか前に言ったろ?言わせたいならそれなりの行動して言いたくなるようにしろって」

須野は黙り込む。その言葉に見合った自分ではないということに凹み、それでも欲しいと思うその言葉

「僕・・・まだまだってこと・・・か」
「・・・」
うん。判った。僕、最近、ダメだよね。ちょっとうざかった。ごめん」

須野が今、言葉を貰うことをあきらめて立ち上がる。まだ、足りない。何が足りないのか必死に考える
里見の邪魔にならないようにサポートして、自分がいなきゃダメなほどに甘やかしたい。そして、須野 寛人という人間に惚れてほしい。自分と同じくらいとまでは言わない。自分が里見を好きなくらいというのはあまりにも贅沢すぎる望みだから・・・それでも好きという言葉が貰えるくらいには惚れてほしい・・・



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つれないキミと売れてる僕4-12 - 06/28 Sun

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試写会での舞台挨拶が終わると里見の周りが変化する
電話がやたらと鳴ったりファンレターが増えたり・・・

「ひかりちゃーん」
「あー?」
「何?なんかげっそり・・・」
「携帯替えてくる」
「あぁ、昔の女からやたらと連絡きちゃってる?」
「当たり」

テレビ取材や雑誌の写真付き取材などはやんわり断ってきたが、元カノからの電話となるとめんどくさくなってきた里見は携帯を変えてしまおうと立ち上がったところだった

「ね、オレとテレビ出ない?」
「出ない」
「えー!でも受けちゃったっ」
「お前はまた勝手に・・・」

葛西の頭をペチンと叩くと里見はポケットに財布を入れて靴を履く

「朝の情報番組・・・出ないー?」
「・・・それって・・・」
「原口アナのー!」
「出る」

里見の最近お気に入りのアナウンサーだって葛西は調査済み。彼女の番組なら里見も出るに違いないと勝手にオファーを受けてきた
里見は鍵を手にすると葛西の腕をつかんで外へ連れ出す

「何?あの子、可愛いけど光はどこが一番気に入ってるのー?裏番組の佐藤アナとかも可愛くね?」
「あの子、露出少ねぇのに今すぐ脱がしたくなるようなあのラインな・・・」
「あぁ、あれは確かにエロティック!朝なのになーピタッと!ピタっと!」
「あのシャツのボタン外したいのオレだけじゃねぇと思う」

里見がそう言うのを葛西はなんだか久し振りに聞いた気がして少しホッとする
須野と付き合っても相変わらず。女の子が好きだし、今まで通りの里見

「何?ついてくんの?」
「暇だもーん」
「あー、そう」

携帯ショップで新規契約すると新しい電話を手に仕事関係の人にはメールを送る

「あ、携帯替えるって須野ちゃんに言った?今日仕事行ってんでしょ?」
「地方ロケっつってたな・・・」
「電話繋がらないってパニックになる前に連絡しといてよー?あの人、仕事放り出して帰ってくるかもしれないし」
「めんど・・・」
「あ、オレにも!教えて!」

葛西が出した携帯の待ち受け画面が酔って撮った3人の写真で思わず吹き出す

「お前、なんでそんなんなんだよ」
「ん?あぁ、これ?いいでしょ?オレの愛伝わったー?」
「キモい」
「ひっでぇー!・・・うん。こないだの光の誕生日のとき撮った写真でもよかったんだけど、3人がよかったんだよね。あれはあれでいいけど・・・光のことも須野ちゃんのこともオレ、大好きだから」

葛西ははにかみながら笑うと里見の番号表示をアドレスに登録する

「・・・お前らがいたからオレもここまで来たけどな」
「や!急にデレないで!オレの前でっ!照れるっ!!!」

里見はくしゃくしゃと葛西の頭を撫でるとポケットに手を入れて歩き出す
決していい人間じゃないというのは自分でも判っている。いいのは見た目だけ。そう言われて来た通りなのにそれでも須野も葛西も自分が好きだと言って一緒にいてくれた。支えてくれた
かけがえのない友人たち。それはこれからもきっと。ずっと・・・





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つれないキミと売れてる僕4-11 - 06/27 Sat

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部屋に戻った里見の目の前にカバンが準備されていて首を傾げる
中を開けてみると地方での試写会での準備・・・須野がもう戻ってきていることを知る

「須野ー?」

須野の部屋を覗くが、須野の姿はなく、シャワーの音が聞こえたことで、里見はバスルームのドアを開ける

「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

突然空いたドアに須野が驚いた声を上げて里見はその姿を見て笑い転げる

「隠れてする子ども!!!なんでこんなとこでやってんの?」
「や・・・だって」

須野は今まで弄っていた昂ぶりを隠しながらドアを閉めようとするが、里見はそれを許さない

「なぁ、なんでこんなとこでやってんの?オレがいつも突然入ってくるから?ノックしてほしい?してやんねぇけど」
「ちょ・・・里見、少しだけ待って」
「ヤダ」
「ヤダって・・・」
「オレの目の前でやって」

須野は顔を赤くして俯いて首を振る

「いっつもやってんじゃん。オレの舐めながら」
「それはっ」
「オレの舐める?」
「っ・・・」
「まぁ、今すぐ出てこい」

須野はシャワーを止めると濡れた体でバスルームを後にし、タオルを手に取る

「待って・・・」
「今、葛西んとこで観てきた」

須野の体についた水滴を舌でなめとると須野の顔の前に舌を出して見せる
須野はその舌を舐めとり、吸うと濡れた体のまま里見を抱きしめた

「よかった」
「ん・・・」
「勃つくらいよかった」
「え?」
「勃ったよ。オレ。あれ観て」
「・・・葛西の前で?!」
「え?そこっ!?」

須野の嫉妬に苦笑し、勢い余って葛西を抱きしめたことは秘密にしておこうと思いながら濡れたシャツを脱ぎ捨てる

「舐めてやろうか?」
「・・・何?・・・え?や、待って!いい!しないでっ!」
「まだやってやったことなかったよな・・・スクリーンのお前とはまた別のエロい顔してくれんだろ?」
「や、里見、本気?いや、いい・・・やめ・・・」

タオルをはぎ取ろうとする里見とそれを必死に阻止しようとする須野
して欲しくないわけではない。でもまた求めすぎて止まらなくなりそうで・・・自分が怖い。里見の苦しむ顔は見たくない

「して欲しくねぇの?」
「っ・・・」
「オレの口に入ってんの見たくね?」
「っ・・・反則っ・・・エロっ・・・」
「エロい?エロいだろーよ。そりゃ。オレの色気にあてられて早く狂え」

タオルを握る手を緩めるとすぐに生暖かい舌で舐めとられ声が漏れるのを押さえるように須野は口を両手で押さえる

「でっけぇのな・・・これがいっつもオレん中入ってるって思ったらマジでひく」
「ひっ・・・あっ」

初めての人の口内・・・いつも感じている体内とはまた違う快感に腰が引ける

「ふっ・・・あ、ダメっ・・・吸わないっで!ひぅ」
「感じすぎ」
「里見ぃ・・・も、立ってられな・・・」

バスルームのドアがガタガタと音を立てる。口の中で動く舌が・・・見下ろすと自分のモノを咥えている美しい顔が・・・あまりにも卑猥なその光景が須野の脳を揺らす

「里見っ」
「エロっ・・・映画の顔と全然違ぇじゃん」

恥ずかしくて恥ずかしくて。口を押えているのに漏れ出す声がまた須野を追い立てる

「はっ・・・ダメ。も、出るっ里見っ・・・達くっ」

里見は口を離すと器用な指で須野を追い立て白濁を床に散らした

「はっ・・・はぁ・・・すご・・・かった」
「だろー?相変わらず早ぇ」
「それは・・・」
「あぁ、さっき自分でしてたんだっけ?」
「ん・・・でも、自分でしてたらこんな早くない・・・んだよ?・・・里見は?」
「はぁ?オレが早ぇと思うのか?」
「違・・・その・・・僕の口、使う?」

里見は振り返ってニヤリと笑うとファスナーを下ろして昂ぶりを須野の顔に押し付ける

「やってくれんの?手加減しなくてイイ?」
「・・・できたら喉は守りたいです・・・でも、でも、大丈夫っ!手加減なんてしなくていいっ!里見が気持ちいいように使ってくれていい」

その従順さに満足そうに微笑むと「自分で調整しろ」といつもなら頭を押さえつける手は優しく頭を撫でるだけだった



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つれないキミと売れてる僕4-10 - 06/26 Fri

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仕事部屋のスクリーンをおろし、準備をする葛西
そういえば、葛西の部屋には来たことがあったが、この仕事部屋に入るのは初めてだと思いながら辺りを見渡し、仕事をしている葛西を想像する
以外にも真面目。親の期待に添えないことに苦悩し、喧嘩し、絶縁するといったあの日・・・須野と里見でなく葛西を慰めたあの日から夢をかなえ、こんなにもしっかりした葛西の姿

「何?意外とちゃんとしてるって?」
「んー、や、なんか・・・夢、かなったんだなぁって」
「それは光もだろ?」
「あぁ?オレのは夢じゃねぇよ。必然」
「はいはい・・・暗くするよー」

葛西が部屋を暗くすると小さいスクリーンに映し出され始めた葛西の撮った獣

それは最初から須野が渋っていたラブシーンから始まり、血のシーン、須野の怯える顔へと繋がる・・・

ビールを飲むのも忘れて見入っている里見を横目で見てホッとし、微笑む
里見の中のイメージを崩さないように作り上げた作品は里見のことを必死に考えながら作ったもの

大事な親友
大好きな親友・・・

学力テストで1位以外になったことがなかった葛西が初めて2位という結果でどんな奴に負けたのだと探してみたらそれが里見だった。話してみると横暴だけどどこか優しくて不器用で美人で・・・女好き。どんどんと引き込まれ、しつこく付きまとって親友の位置を手に入れた
里見の周りには人が集まる。本人は無自覚だし、無関心だが、周りは里見の持つ名前の通り、彼の放つ光に誘われてどんどんと集まってきてしまう
それは夜の街頭に群がる虫のよう



「葛西・・・」

映画が終わり、部屋を明るくすると里見は少しだけ眩しそうに目を細めた後に葛西の名前を呼ぶ
感想をくれるのかとワクワクドキドキしながら里見を見つめる

「・・・勃った」
「は?!」
「須野がやべぇ・・・」
「あ、うん。っていうか、なに?なんで押し倒されてるの?!オレ!」

カウチに押し倒される形になっている葛西はドキドキしながら焦っていた

「光!光!待った・・・待ったぁ!何?!なんで?!」
「勃ったから」
「や・・・え?オレ、身の危険!的な?」
「いや、ちょっと抱き締めさせろ」
「そんだけ?キスもナシな!?今度やらかしたらオレ、須野ちゃんにマジで殺されると思う」

ふわりと里見に包まれると里見のイイ匂いがして顔を赤くした

「よかった」
「マジで?」
「あぁ」
「・・・光、当たってる。当たってる」
「おう」
「・・・須野ちゃんで?ラブ?」
「違ぇ・・・お前の映画で・・・だ」
「っ・・・」

葛西は嬉しくて里見の背中に腕を回し、きつく抱きしめる
嬉しかった。純粋にうれしかった。認められたようで・・・滅多に人を褒めない里見の賞賛。それが葛西には堪らなく嬉しい

「だから今、抱き締めてる」
「や、でもっ、これ以上はやばい・・・かも」
「お前も勃ったから?」
「・・・うん・・・だって、光が褒めるから・・・」
「やべぇよな・・・これ。こんな状態で抱き合ってる成人男子」

里見は起き上がると温くなって汗をかいたビールを口に含んでため息を吐き出す

「売れるといいなぁ・・・」
「エロすぎるのがなんともなぁ・・・次はPG指定かからねぇようなやつ書かねぇとだな」
「!・・・それ、もしかして・・・」
「あぁ?オレがお前のために書いたので撮りたいんだろ?」

葛西は何度も何度も頷いた
里見が自分のために書いてくれる。頼み込んだわけじゃない。里見が自分で書くと言ってくれた。それが嬉しくて里見の肩に頭を押し付け涙を隠しながら拭いた



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つれないキミと売れてる僕4-9 - 06/25 Thu

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舞台挨拶付試写会のチケットは抽選販売だったが、予想を超える申込数に葛西は泣いていた

「嬉しい・・・マジで」
「話題性だろ」
「それでもっ!そりゃ狙ったよ!噂の親友3人組が映画作って3人が舞台挨拶出てくるって・・・気になるでしょ?でも・・・でもさぁ・・・期待されてるってことじゃないの?これ!」
「・・・大半がこいつのファンでもそれ言い切れるか?」
「いいっ!須野ちゃんの人気にあやかるのもいい!っつか悪いけどそれも狙ってるから!」

親友3人で映画を作るという葛西の夢が始まったのだ。撮って、それを評価されてからまた葛西の夢は続く。1人でも多くの人に観てもらいたい
そして、里見のファンを増やしたかった。須野のファンも増やしたかった。もちろん、自分の作品の評価も欲しい
欲張りでも全部欲しい。親友のために。親友のこれからのために

「里見にも誰かメイクさんとかつく?」
「光が嫌がるから何もなし」
「うん。だよね。里見はそのままで十分すぎるほどきれいだし・・・」
「須野ちゃん、いい?一緒に舞台上がってもその顔止めなよ?惚れてますオーラ駄々漏れすぎて絶対に怪しまれてネタにされるから」

葛西が釘をさすのは無理もない
須野の顔は里見の前ではいつだって緩みっぱなしなのだから



当日、歓声の中現れた3人・・・こんな場に出るのは里見は初めてのこと。それでも堂々としていて、それは自信に満ちた表情だった
作品の見どころを話す須野は里見が普段見ている須野とはまるで別人。しっかりとした口調で話、更には笑いどころまで作るなめらかすぎるトークでいったい誰なのかと疑ってしまうほど・・・葛西が撮影時の話をし、里見が原作者の皐月 光だと紹介されると会場はざわつきを引き起こす

「噂の皐月 光です」

そう話し始めると一層ざわついたが、その後、里見の微笑みで会場の皆を虜にした
スクリーンに映し出される里見の微笑み・・・それは美しく、きっとこの会場で里見の本を今まで買ったことがなかった人間も帰りに買っていこうと思わせるほどの微笑み・・・
須野は里見を熱っぽく見つめる女性たちに嫉妬し、そして自分も見惚れそうになるのを必死に耐える

輝いていた。里見が輝いて見えた。ずっと隠れるようにして書き続けてきた里見の初めての公の場
サイン会も作者近影も撮らずにここまで来たのに突然の晴れ舞台・・・葛西の作った映画のため・・・そう考えると嫉妬してしまうが、それでも輝いている里見に須野は眩暈すら感じていた


「須野ちゃんはお仕事だーけーどー!オレは光と2人で祝杯あげる!かるーくやろ!かるーくっ!」
「・・・須野はあんな顔だったか?」
「ん?あぁ、そうだね。普段ともテレビとも違うっしょ?」
「別人・・・だろ・・・あれ」

紫煙を吐き出しながら思い出す
あのはっきりした口調とまっすぐ客席を見つめる須野の横顔・・・自分に微笑みかける須野とは全く別の笑顔

「どっちが好き?」
「はぁ?」
「須野ちゃん、イイ男だからさーあれには惚れてもおかしくない」
「惚れねぇし」
「惚れてるくせに・・・でも、須野ちゃん、現場でもあんな感じ・・・あんな顔で話し掛けられてたら勘違いしちゃう子もいそうだな・・・」
「・・・かもな」

里見の知らない須野がまだいる。すべて知っていると思っていたのに実は知らないことばかり。みんなが知らない須野の姿を知っている。なのにみんなが知っている須野のことは知らない・・・それがなぜか今すぐ須野に会いたいという衝動に変わり、里見はモヤモヤする気持ちをビールで胃袋へ押し込んだ

「光はまだ観てないよねー」
「あ?」
「獣。来なかったじゃん?関係者試写会・・・須野ちゃんがなかなかエロいんだよなー。これが!オレの部屋でも観れるけど観に来る?」
「あー・・・んー・・・まぁ、観る・・・かな」

里見は少し考えて頷くと葛西の部屋へと一緒に戻る。手にはコンビニで買ったビールを持って・・・



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if・・・ - 06/24 Wed

trackback (-) | comment (0) | つれないキミと売れてる僕番外編
「もし、光とオレが溺れてて1人しか助けられなかったらどっち助ける?」

答えなんて聞かなくてもわかるものだった。でも、ちょっとした好奇心。

「葛西助ける」
「は?」
「葛西助けて、里見助けに行くの」
「・・・1人しか助けられないんだってば・・・」
「うん。里見が海に沈むなら僕も一緒に沈む」

その答えは葛西の予想していたものとは違ったが、須野らしくて葛西は笑った

「葛西は?」
「めっちゃくちゃ考えた!!!!でも超難しいの!」
「?」
「須野ちゃん助けたら光助けろとか怒られそうだし。光助けたら問答無用で何しても怒られそうだし!だからね、あえて全然違う方向に泳いで行って助けを呼びに行くことにした!」
「え?」
「オレも力尽きて沈むかもだけどそしたら3人あの世でまた遊べるよねーって思ってー」

葛西はそう言って笑う。葛西は3人揃っていたい。ただそれを優先に考えた結果である

「そっか・・・僕は葛西に助かってもらって、たまに僕らのことを思い出して欲しいなー」
「因みに、この質問、光にもしました!」
「うん?」
「なんでオレがお前ら助けなきゃいけねぇんだよ。自力で泳いで助かれ。死ぬな・・・だって。なかなか酷いよね」

須野は少しだけ笑って「里見らしい」と言う。葛西もそれに同意し笑った

里見のために自力で生きなくてはならない。そう。これは試練。

「でも、ホントにそうなった時、きっと里見はそう言いながら僕たちのこと助けられる手段考えて、きっとスマートに助けてくれるよ」
「あー!あいつそーいうとこあるよなぁ。ギリギリで助けるヒーローみたいな」
「そうそう」

2人は起きてもいないことを想像して笑う。里見は2人にとって大事な大事な人。里見がいたからきっとここまで3人仲良くやってこられた。そもそも、里見がいなければ須野と葛西は話したこともないまま終わっていた
たとえ同じ高校にいてもいる世界が違いすぎて共通点もなく・・・

「早く仕事終わんねぇかなぁーあいつー」
「里見、仕事終わってないと気になって仕方ないからねぇ」
「今日、春ちゃんのとこ行こうぜー」
「いいね。春子さんに連絡しておこうかな」

1人しか助けられない・・・そんな前提なんか要らない
なんとか全員助かる道しか必要ない。そんな「もしも」なんて必要ない

「なーんかさ・・・もし、本当に本当にオレらが光に助けを求めなくちゃいけなくなったらさ・・・」
「うん?」
「やっぱり助けてもらうのなんてやめような?」
「?」
「自力であいつについていけないならあいつを危険に晒すことになる」
「そうだね・・・僕、里見についていけるように毎日頑張るよ」
「オレら、あれだな。光のことが大好きすぎんじゃね?」

葛西がそう笑うと須野は少しだけ困ったように笑って「嫉妬しちゃうよ?」と言った

「・・・光はオレを家族の呪縛から放ってくれたんだぜ?好きにもなるよ」
「うん・・・僕のことも何度も救ってくれた・・・里見って本当に優しいから・・・」
「自分勝手だけどな」
「でも、肝心な時は絶対そばにいてくれる」
「お前らさ・・・勝手なこと言ってんじゃねぇぞ?」

いつの間にか煙草を手に近くに来ていた里見に須野も葛西もビクリと体を震わせる

「えーっといつから聞いてましたか?」
「知らねぇよ。春子ん所行くんだろ?腹減った。行くぞ」
「・・・ホント自分勝手・・・オレら光の仕事終わるの待ってたのに・・・」

葛西はそう言いながらも笑顔でジャケットを手にする

「里見、僕、泳ぐの練習するね?」
「あぁ?」
「溺れないように」
「バカなの?例えとかの意味わかんないバカなの?」
「?」

須野は首を傾げて里見の隣に並ぶ。里見はひとつだけため息を吐くと

「それにもうお前はオレに溺れてんだろ?」

と囁き、それが聞こえた葛西が吹き出した

「間違いないっ!!!!それは間違いないっ!手遅れっ!超手遅れー!!!!」

大笑いする葛西に須野は少しだけ口を尖らせるが、やっぱりそれには間違っていない気がして笑った




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つれないキミと売れてる僕4-8 - 06/24 Wed

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しばらくオフだった須野も獣の公開が近づくにつれて宣伝仕事が増え、今までのように忙しい日々が戻ってくる

「ただいま・・・あれ?里見なんか疲れてる?」
「・・・なんで俺にまでテレビ出演依頼くんの?」
「え?」
「電話の嵐・・・携帯変えたい・・・」
「あぁ・・・そっか。葛西が里見が舞台挨拶出ることにしたからその関係で余計にかなぁ・・・」

里見の出演依頼は前から須野絡みで何度か打診はあったものの、雑誌がメインでテレビなんてそんな依頼はなかったはずなのに、やたらと電話が鳴る里見はうんざりしていた

「オレがそんなところ出たらみんなオレの美貌知っちゃって書いてる暇なくなるかもしんねぇだろ・・・」
「里見、それ、冗談に聞こえない・・・ヤダよ?里見・・・誘われてそのまま・・・なんてこと」
「おい・・・離さねぇんだろ?オレのこと」

須野は力強く頷く。もう離さない。離せない

「でもなぁ・・・美人なアナウンサーとかに誘われたら一度くらいはなぁ・・・って思わねぇ?」
「里見っ!・・・ホント・・・ヤダ」
「何?独占欲っつーやつ?」
「・・・ごめん・・・束縛嫌いなの知ってるけど・・・でも・・・ヤダ」
「バーカ」

束縛は嫌い。束縛を嫌って・・・というよりも今までの彼女は自分勝手すぎる里見に振り回され、束縛される暇もない程早くに見切りをつけられてきた。デート中でも突然一人になりたくなったら帰ってしまう里見についてくる女性はほぼ皆無
須野のように一途に思われればそれなりに情も出て、考えを改めたかもしれない。しかし、無意識のうちにそんな女性は選んでこなかった。めんどくさくない、早く見切りをつけてくれる女性ばかりを選んできたのだ

「なぁ、須野」
「ん?」
「オレが浮気したらどーすんの?」
「・・・苦しい」
「嫌いになんねぇの?」
「なるわけない・・・あ、でも、ホントやめてください・・・ホント・・・」

その答えに満足して笑う里見を見て須野は微笑む
浮気くらいじゃ離さない
本気の相手ができてももう簡単には離せない

離してしまったほうが苦しいことをもう知ってしまったから・・・

「美人に襲われたらわかんねぇよなぁ・・・そこは。ほら、お前のキスみたいに」
「・・・」
「でも、お前んとこ戻るんだぜ?嫉妬とかしなくてよくね?」
「それは・・・また別問題だよ・・・考えたら胃が痛くなってきた・・・」

意を押さえて立ち上がる須野を見て里見はソファに移った須野の体温の上に寝転がると須野を見つめる
普通の、ただの、イイ男
どこがいいのかなんてわからない。なのにここへ必ず帰ってきてしまうのだと思ってしまう。それは多分、居心地の良さ
与えてほしい分の愛を与えられ、満腹状態にしてくれる居心地の良さ



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つれないキミと売れてる僕4-7 - 06/23 Tue

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すっかり元に戻った須野は葛西を含め、3人で海に来ていた
静かな平日の海

「大人の男3人で仕事もなく、海見てるだけってどーなんだ・・・これ・・・」
「オレはやっと終わったとこなのぉぉぉ!!!仕事漬けだったのぉぉぉ!これからまた飛び回って忙しいのーーーっ!」
「舞台挨拶とか僕、行かなくていい?行きたくない・・・里見とずっといたい・・・仕事ずっとオフでもいいのに・・・」

海を見ながら話をすると結局、最後は仕事の話になり、笑いながらまた海を見る

「光も一緒に行こうぜー」
「何がだよ・・・どこへ行くっつーんだよ」
「ん?舞台挨拶。原作者じゃん」
「行くわけねぇだろ・・・しかし、とうとう公開かぁ・・・」
「里見がいたら僕、すっごい頑張って挨拶する!」
「だから、行くわけねぇだろ」

里見がそう言うのを聞いていた葛西がニヤニヤしながらポケットからプリントアウトした紙を取り出す

「・・・何?」
「よーく見てみ?」
「・・・は?・・・はぁ?!・・・はぁぁぁぁ?!」

獣の完成披露試写会舞台挨拶の登壇予定の名前の中に里見は皐月 光(原作者)という文字を見つけて驚きの声を上げる

「誰だよ!勝手なことしやがって!」
「ん?オレ」
「葛西っ!!!」
「そろそろイイんじゃね?顔出ししよ。きっと光のファンになる女の子増えて本も今より売れるだろー」
「そんな売り方必要ねぇんだよ」
「まぁ、どうでもいいなら別にいいんだけど、これはもう決まっちゃったもん」

須野もその紙を見て驚くと同時に微笑む

「よし!僕頑張る!里見の隣に立つ!どうしようね・・・雑誌とかでツーショット載っちゃうかも・・・全部買って保存しなきゃ・・・」
「お前・・・そのテンション気持ち悪いし、更にその考えも気持ち悪ぃ・・・」
「えー!だって、だって・・・そりゃテンション高くもなるでしょー・・・里見と一緒に仕事できるんだもんっ」
「今、イヤイヤ言っててもどーせ、いざ人の前に立ったら光は笑顔作るんだぜ?自分が一番カッコイイのアピールするようにとびきりの笑顔見せちゃうんだぜー?」

葛西にそう言われると何も言えない。出るつもりはなくても、もしそうなったら和やかに微笑んで美貌を見せつけようとする。それはもう里見の習性

「親友3人で作った初めての映画じゃん・・・な?」
「・・・バカヤロウめ」
「光に言われても全然よーゆーーーっ!」

海風が優しく3人の髪を揺らしていた

3人で作った初めての映画・・・とうとう完成したそれはついに一般公開まであと少しのところまで来ていた



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つれないキミと売れてる僕4-6 - 06/22 Mon

trackback (-) | comment (0) | つれないキミと売れてる僕
里見が自分から嵌めたのは初めて。勝手に里見の指につけたことはあったが、里見が自分で・・・自分の意志で・・・

「里見、里見っ・・・里見っ!」
「必死だなぁ・・・」
「あのっ・・・里見っ・・・」
「しねぇよ。シャワーもまだだし」
「っ・・・シャワー、連れてってもイイ?」
「ヤダね」

里見はその指輪を初めてしっかりと見た
繊細に模様が彫り込まれたその指輪はシルバーだと思っていたが、プラチナかホワイトゴールド・・・
結婚のそれにも見えて、それでいてデザインリングにも見える
せめて薬指に嵌めるものでなかったら受け取らないこともなかったのに、薬指に光っている銀色

「里見・・・」
「無理矢理しようとした罰。反省しろ」
「っ・・・反省はしてるけど・・・」
「じゃあ、返す」
「え!もう?!」

指輪を外すと須野の指にはめる。本当に同じサイズ。
里見は何もつけていない手をひらひらと振って部屋へと戻っていく
取り残された須野は指に残ったリングを見ながら昂ぶってきつくなったパンツのボタンを外すと指輪のケースに指輪を戻す。里見に触れたかった手で自身を握ると指輪に口づけしながら扱き始めた
好きな人が好きだと判ってくれて信じてくれている
嫉妬しないのは好きなのを判ってくれているから・・・


部屋に戻ると里見はシャワーへと向かう
罪悪感ではなく、好きで好きで仕方なくて堪らない顔・・・同じ困った顔でも全然違う。必死に縋る姿は自分が優位に立っている気になって里見を喜ばせる姿

好きだと言われるたびに里見は満たされる。告白は自分の美貌を引き立たせるスパイスだから


「・・・何だよ・・・また来たのかよ」
「里見、シャワー浴びたよね・・・お願い、触らせて。僕のはいいから・・・口でさせて・・・触らせてっ」
「それ・・・どこで覚えたよ・・・くっそ、今キた。すっげぇキた」
「いい?」
「咥えたい?」
「ん」
「そこ、しゃがんで口開けば?」

須野はご褒美を与えられる犬のようにすぐに跪いて口を開く

「自分のは?」
「ん、いい」
「あー、オレが部屋出た後ひとりでした?」
「・・・」
「返事は?」

爪先でパンツの上から雄を踏みつけられると思わず口に含んでいたものから口を離す

「したっ・・・」
「でもまたこんなんなってんの?」
「痛っ・・・達けなくて・・・っ」
「何?オレの口でしたら達けるわけ?」
「待っ・・・それ、痛いっ・・・」
「うん?ファスナー下ろしてオレの舐めながらしていいよ?」
「っ・・・」

里見の前で恥ずかしいとかそんなのはどうでもよくなってしまう
ファスナーを下ろすと夢中で口を開けて舌を使いながら手を動かす

「こんなん見てたらお前に嫉妬するわけねぇだろ・・・マジで・・・すげ・・・」
「ん・・・」
「須野、挿れたい?」

須野は口に含んだまま顔を上げて一つ瞬きをする
したい。挿れていいのならば中に入って一つになって抱きしめて・・・里見を独り占めしたい

「口、離していいよ」
「ん・・・」
「達けなかったのにオレの舐めてたら達きそうになってんの?」

須野は雄を握りしめて頷く

「じゃあ挿れなくてもよくね?」
「したいっ・・・挿れたい・・・」
「手で足りそーだろ。それ」

里見はしゃがんで須野の高ぶりに手を伸ばすと濡れたそこをぐるりとなぞる

「っ・・・ぁ」
「須野ー?」
「だ・・・め?」
「相変わらずエッロい顔すんなぁ・・・ゴム、持ってんの?」
「ん、ポケット・・・入れてきた」
「やる気満々かよ・・・でも、挿れたそばから出るだろ?それ・・・ほら、達っとけ」
「っあ・・・」

須野は里見に抱きしめられ、里見の手で握りこまれると里見の手を汚す

「早っ!!!」
「言わない・・・で」
「もーちょい耐えてくれっとオレもっとイイと思うんだけど?」
「里見が触ってるって思ったら・・・ごめ・・・」
「よし。今日は挿れたら頭で円周率数えながら腰動かせ!オレが達きそうになるまで」

須野は里見を見上げながら「円周率」と呟く

「そそ。円周率なー。あぁ、でもお前円周率全然わかんねぇか」
「・・・3.15」
「バカ!バカか!3.14まではふつう覚えてんだろ!どーしてそこでもう躓いてんだよ」

須野は頭を叩かれると頭を撫でながらベッドへ向かう里見の後を追う

「・・・里見、円周率ってそのあと続きあるの?」
「お前がすっげぇバカだったの思い出して萎えた。どーしてくれんだよ」
「えっと・・・あの、ほかのこと考えながらだと保つってこと?でも、ほかのこと考えたら里見、集中しろって怒るよね?」

ベッドへ足をかけると里見は須野の腕を引いて、押し倒す

「とりあえず獣の台本思い出しながら必死にやれ」
「・・・もう覚えてないけど・・・」
「オレの原作映画覚えてねぇとかまた泣かすぞ?」
「あ、思い出すっ!今から一生懸命思い出すからっ!」

須野は慌てて里見にキスをして抱きしめる
好きで好きで仕方ない
どうしてこんなにも好きなのかは判らない
でも、理由なんてどうでもいい。ただ、好きで好きで仕方がないのだから



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