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青春はプールの中で9-6 - 07/31 Sun

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ケンカをして柚木が部屋を出て行くなんてことはそう珍しいことでもなく、いつも柿内が数日後そろそろ頭も冷えた頃だろうと思った時に竹市の部屋か最近では新井の部屋にいる柚木を迎えに行くのが恒例行事になっていて、この日も柿内は竹市の部屋を訪れていた

「・・・あ?」

柿内の訪問に驚いた表情をする竹市に「あぁ、今回はここじゃなかったか」と思いながら踵を返して去ろうとしたのを腕を強く掴まれて止められて振り返る

「カッキー!」
「あ・・・ども」

丁度オフで帰ってきた球で、ニコニコとした球に「またケンカ?」と言われて柿内は頷いた

「もー、程々にしなよぉ?」
「それ、球さんに言われたくない」
「えー!」

柿内たちよりもずっとケンカして部屋を飛び出し、部屋へやって来て延々と愚痴を言う回数が多かった球。今は離れている時間が長いからかそんなこともないけれど・・・

「カッキーたち言葉が足りないんだよぉー!大事なことちゃんと言わないんだもんー!2人ともホント世話が焼けるー!」
「・・・だからそれ球さんに言われたくない」
「柿内」
「ん?」

真面目な顔をした竹市に呼ばれて顔を上げる

「オレたちは大事なことは伝え合ってるよ。くだらない言い合いはあるけど、それは大事なことをお互いに言い合って判りあってる。でも、お前ら見えてない部分がいつもでかすぎていつかホント取り返しつかないことになんぞ。ユズのコト好きなら本気のぶつかり合い怖がってる場合じゃねぇよ」

柿内は唇を噛む。柿内も判っていることで・・・でも一緒にいるだけで幸せでそれを壊してしまうくらいなら気持ちを飲み込む・・・それは柚木も同じだとも判っていた。判っているけれどできないことだってある

「オレはお前たちが心配だよ」
「・・・まぁ、迷惑はできるだけ掛けないようにする」
「迷惑なんていくらでも掛けろよ」
「そーだよっ!流ちゃんは可愛い可愛い弟だし!カッキーだって憎たらしいけど可愛くないけど大事に思ってんだよ?」

竹市の言葉が痛い。球の言葉が痛い・・・自分たちだけで解決しなくてはいけないと思ってきた。秘密の恋をしているのだから公にできない恋をしているのだから誰にも迷惑にならないように自分たちで・・・なのに恵まれた環境。味方が近くにいる事実・・・

「とりあえず・・・新井さんとこ、迎え行ってきます」
「うん!で、謝ってうーんとうーんと流ちゃんを甘やかして安心させてあげてっ」
「・・・ユズもオレたちに甘えたりすりゃいいのにな」
「ホントー!流ちゃんいっつも大人ぶって甘えてこないもんねぇ?」

竹市と球が顔を見合わせて微笑んだのを見て柿内もそっと笑う。こんなにも穏やかに笑いあえる関係・・・竹市も球も普段自分たちに見せる笑顔とは違う優しい笑顔・・・
もっと大人になりたい。柚木の心が休まる場所になりたい・・・そう思いながら新井の部屋へと急いだ







「え・・・?流ちゃん?いないよ?」
「・・・は?」

新井の部屋へ着くと新井は目を丸くして首を振る。竹市の部屋でもなく、新井の部屋でもなく・・・

「あー、学校は・・・来てる?」
「うん。今日も会ったよ」
「・・・どこに泊まってるとか聞いてな・・・いよな・・・?」

新井はひとつ頷くと何か思い出したような顔をして困った顔で柿内を見る

「・・・何?」
「あー・・・えっとー・・・」
「柚木さんなら多分水球マネたちの部屋ですよ」
「!」

柿内は振り返ると「ども」と頭を下げた但馬がいて柿内は「マネージャー」と呟いた
覚えているのは女子マネージャーの存在・・・今はもしかしたら男子マネージャーがいるのかと新井を見るけれど、新井の曇った表情で今でもやっぱり女子マネージャーなのだと察した

「・・・そ・・・か」
「あ、でもね!別に水球マネさん流ちゃんと普通に仲イイだけだしっ!カッキーが思うようなこと何もないよ?」
「・・・明日、プールまで迎え行けば会えますかね・・・」
「あー、うん・・・明日も部活あるし・・・」
「・・・どうもお邪魔しました」

柿内は頭を下げるとモヤモヤとした気持ちで自分の部屋へと向かう
着替えはどうしているのだとかずっと女子と2人きりでいたのかだとか・・・今すぐそこへ向かって連れ戻したかった。電話が通じるならば今すぐ声を発して声を聞きたかった

大事なことはお互いに言い合えない・・・実際に電話して、何を言えばいいのかどう言えばいいのか何を聞けばいいのかどう聞いたらいいのか・・・柿内は頭を抱えながらベッドへと倒れ込んだ






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青春はプールの中で9-5 - 07/29 Fri

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
一緒に暮らすようになってからいつだって用意されている食事。もし用意されてなくても柿内がいれば言えば作ってくれた。それを柿内も当然のようにするから柚木も当然だと思っていて・・・
だから今日のこの食卓に並ぶ出来がいいとは言えない料理に「うーん」と柚木は唸り声を上げた

「ただい・・・ま?」
「・・・おう」

味見は何回もしたし、味付けはできていると思う。でも見た目の悪い料理たちに柿内が美味しくなさそうだとか思っているのだろうと少し眉を顰めて柿内を睨む

「・・・腹・・・減ってた?悪い・・・オレ、部活あるって言ってなかった・・・っけ?」
「・・・オレが作ったら悪いっつーのかよ」
「いや、悪いっつーか」

食卓に並ぶ料理と柚木を見比べて柿内は頭を掻く

「・・・オレも食って・・・イイやつだったりする?」
「食いたくないなら別にオレが全部食うからイイ」
「食いたくねぇとか誰が言ってんだよ」

柿内に腕を引かれるとすぐに柿内の胸に頭がぶつかる

「手とか無事?」
「オレももう成人してるからな!もうガキじゃねぇんだよ」

柚木の指が無事か確認するとそのまま指に唇を寄せる

「どうしたんだよ・・・」
「・・・た・・・たまにはオレが」
「たまにはって一緒に暮らし始めてからは初めてだろ・・・やばい・・・悪いけどオレ、すげぇテンションあがってっからな?」
「・・・嬉しいのかよ・・・」

柿内が柚木を抱きしめて髪にキスをしながら「当然」と言うのを聞いて柚木も柿内の腰に腕を回す

「手、洗ってくる」
「おう」

柿内が洗面所へ行くのを見送るとカバンから水着も出して洗ってやろうとカバンを開ける

「・・・?」

水着の袋を出すと見慣れない弁当箱が一緒に転がってきて察する

「・・・」

どう頑張ったって柿内のようにきれいに美味しくご飯なんて作れないどころか柿内を好きだと思う女の子が作るお弁当にもきっと勝てやしない。どう頑張ったってやっぱり柿内の隣にいるのは自分じゃなくて女の子がよくて・・・

柿内の隣に自分がいるのが自然だとしてもそれは親友だとかそんな立場のほうがずっと自然な気がして来て・・・

「柚木さん、メシ、何合炊い・・・た?」

洗面所から戻ると弁当箱を見つめている柚木がいて慌てて弁当箱をその手から奪い取る

「こ、これはあれだぞ!」
「・・・気にしてねぇし」
「いや、聞けよ」
「聞きたくねぇっつってんだよ!」

柿内に掴まれていた腕を振り払うとひとり食卓へと座って作った料理に手を着ける

「・・・柚木さん」
「うっせぇ。腹いっぱいなら食うな。お前の分なんかねぇよ」
「柚木さんっ!」

バカみたいだと思いながら作った見た目の悪い形の崩れたジャガイモを口に入れる
甘辛く味付けをしたそれは見た目よりもおいしいけれど、きっと見た目がよければ柿内が弁当なんて貰うことなんてなかったんじゃないかと思うとイライラして・・・イライラして・・・このイライラが何なのか判らないまま柚木はただ不格好な料理を口へと運ぶ

「・・・食いたいん・・・すけど」
「うっせ!黙れ」
「聞けよ・・・」

ダンッ

箸を机に叩きつけた柚木に驚いた柿内が体をビクリとさせる

「食欲失せた」
「いや、待てって・・・」
「食いたいなら勝手に食えよ・・・オレは出てくるから」
「ちょ・・・は?!」
「・・・頭冷やす時間必要だろ。オレも、お前も」

そう言いながら柚木は部屋を出て行く。残された柿内はただ黙って座って目の前の食事に手を合わせて口へと運ぶ

「美味いし・・・」

柚木が完璧なのは知ってる。やれば料理だって何でもできるのを知ってる。でも柿内がいつも料理するのは少しでも柚木の役に立ちたいから。柚木に必要だとされたいから・・・

「携帯も置いてってるし・・・」

机の上に置いたままになった柚木の携帯を見ながらどうせ行くのは秀のところか新井の所だろうと思いながらただ食事を黙々と口へと入れた








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青春はプールの中で9-4 - 07/28 Thu

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授業を受けていても頭から離れない沙耶と柿内の姿
悪態を吐いていてもやっぱり優しくする柿内なんか見たくない。誰にでも優しい柿内なんて見たくない

「流ちゃんー?」
「っ!・・・何?」
「え!授業終わったしっ!」
「うわっ・・・学食行かなきゃ!」
「・・・ねぇ、今日、天気いいし購買でお弁当買って外で食べない?」

新井にそう言われて柚木は「まぁ、いいけど?」と一緒に購買へと向かい弁当を購入すると人気の少ないプールのある中庭へと移動する

「流ちゃんはハンバーグと唐揚げー?」
「ん。足りないかもしんない」
「・・・それ、普通に2人前だからね?」
「っていうか・・・足りない」
「いや・・・まぁ、流ちゃんだもんね」

新井は少し笑いながら柚木が弁当をつつく横顔を見つめる

「カッキーが何したのー?」
「あ?」

新井も弁当のフタを開けると梅干を避けながらそう切り出す
親友がぼーっとしている理由なんて柿内のことか泳ぐことしかなくて、でも、柚木の様子からそれは泳ぐことじゃないことくらい新井にだって判ること

「あー、そんな判りやすいのか」
「うん。流ちゃんが眉間に皺寄せて考え込んで授業終わったの気付かないなんて相当だもんねぇ・・・お昼なのに」
「・・・なんでもない・・・っつーかなぁ・・・」
「ヤダヤダ!流ちゃんたちはオレの憧れだよ?!オレもいつか流ちゃんとカッキーみたいになりたいなぁ・・・とか思ってるのに何があったの!!!」
「別にお前が疑うようなことは何もないよ・・・でもなんていうんだろうな・・・やっぱりたまになー・・・信じてないわけじゃないけどあいつの隣に女の子がいる方が自然なんじゃね?みたいな・・・なぁ・・・」

新井は目を丸くして首をブンブン振る

「何言ってんの?カッキーの隣に流ちゃんいないほうが不自然だよ?」
「・・・そういう意味じゃなくて」
「いや、そういう意味でしょ」

ずっとモヤモヤするのは柿内に勉強を教えてもらっている沙耶と並んで座っている姿を見て、お似合いだと思ってしまったから
柿内の恋人は自分だけれど、自分が並んでいたって先輩後輩にも見えないけれど恋人にも当然見えないわけで・・・

「流ちゃんさ、カッキーに愛されてるじゃん」
「ん。だな」

沙耶に勉強を教えつつ、自分を気にしてくれるのは知っている。あの時だってため息を吐いた柚木に美味しくないか問うたのは自分を見ている証拠

「あー、自信はあるんだ?」
「自信・・・なのかー?あいつがオレに尽くしてくれてるっつーのは知ってるっつーだけで」
「うん。カッキーは流ちゃんに尽くしてくれてるよねー!」

柿内が食べることのないアイスキャンディーが冷凍庫に入ってるのは柚木のため
使い切った生活用品がいつの間にか補充されているのは柿内がそっとやってくれているから

「あのねぇ・・・流ちゃん」
「んー?」
「オレさぁ・・・あのねぇ・・・」

少し話し辛そうにしている新井を見ると「あ」と声を上げながら箸を落として「あー」と落胆の声を上げていて思わず吹き出した

「なんだよ・・・」
「箸」
「いや、箸じゃなくて・・・ほら。オレ弁当2つ買ったからもう1個あるし」
「あー!助かるー!ありがとー!!!」

すぐに笑顔になった新井に箸を渡す

「オレ、但馬と付き合うことになった」

そう言われて口をパクパクとさせる柚木

「や、こないだなんか散々否定しといてなんだけど・・・」
「よ・・・よかったな!瑞貴っ!」
「うん・・・えへへ・・・よかったぁ」

ふにゃりとした笑顔を浮かべた新井を見て柚木は新井の頭を撫でる

「もうおかしなことすんなよ?」
「しないよぉ!だって・・・だって但馬だよ?」
「まぁ・・・あぁ、但馬だな・・・柿内のイケメンバージョンだろ」
「そんなこと言って流ちゃんカッキー大好きな癖にぃー!」

顔を赤くした新井に突かれると新井の弁当からコロッケを奪い取る

「あー!!!」
「但馬よりも柿内の方がイイ男だけどな」
「惚気!?っていうか結局何悩んでたの!?」
「・・・オレ、意外とすげぇ子どもだっつーことに悩んでた」

新井は首を傾げながらいつも頼りになる柚木を見つめた
いつだって困ったときは柚木に言えば大抵のことはなんとか解決してくれた
柚木は見た目こそ年齢より幼く見えるのにいつも周りを見ていて頼れるお兄さんな存在・・・そんな柚木が自分のことを子どもだというのなら自分は一体何なのだろうと疑問に思った







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青春はプールの中で9-3 - 07/27 Wed

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何の心配も要らない。女の子と仲良くしていたとしても柿内は自分しか見ていないという自信・・・それは確かにあった・・・

数日前までは・・・

「ねぇ、ここー!ここが判んないんだってば!」
「だからっ・・・っつかなんでここ入り浸ってんだよてめぇはっ」

数日前・・・

「お先失礼しますー」

去年のようなバイト漬けはもう二度としない。そう思っていたけれど、バイトが一気に辞めて足りないし、店が回らない。そう頼み込まれて入る日数、時間の制限をつけることを約束し、以前の居酒屋へとまた戻った柿内がバイト先の人に頭を下げて店を出ると見慣れた顔がそこにあって「は?」と声を上げた

「やっほー」
「やっほーじゃねぇよ!何してんだよ。お前」

時間はもう遅く、露出の多い服を着た女性1人がフラフラ出歩いてイイとは言えない時間・・・

「んーとねー、のんちゃんとーきーちゃんと飲んでー・・・んでー、カラオケ行ってー・・・あー酔っぱらったーって休憩中ー?」
「・・・」

柿内はため息を吐きながら羽織っていたシャツを友人に差し出す

「うっわー!柿内優しー!ってゆーかキャラじゃなーいっ」
「キャラとか関係ねぇしっ!イイから着て帰れ」
「帰れぇー?でもねぇ、終電逃したー!」
「タクシー」
「タクシーで帰るお金なんて持ってるわけないじゃーんっ!」

ケラケラと笑い出したゼミの友人、沙耶を見てまたため息を吐く
こんな状態の人間はバイト先でいつも見ている。酔っ払い特有のテンションで手に負えないことも知っている

「あー・・・智美?とかはこっち1人暮らしだろ」
「ともちゃんはー・・・彼氏来てるらしいしー、柿内ぃー、泊めてー」
「はぁ?」

安心されているのかそれとも計算で言っているのか・・・

「あぁ、でも柿内ってぇ、ルームメイトいるんだっけぇ?女の子泊めるのとかうるさく言うー?」
「・・・うるさくっつか・・・」
「泊めてー!ね!泊めてっ!そしたらさぁ、ぜーんぶ解決ーっ!」
「解決してねぇしっ!」

柿内はそう吐き捨てたが、このまま女性1人を夜の危険な街へ放置もできなくて渋々了承するしかなく、部屋へと沙耶を連れて戻った






「おかえ・・・り」

風呂上がりの柚木がアイスキャンディーを咥えながら柿内が連れてきた女の子に目を丸くする

「あー・・・なんかゼミ生拾った。終電ないとか言うから泊めることになったっつか・・・」
「・・・おう・・・そか・・・」
「初めましてぇー!宮野沙耶ですー」

にっこりと笑った沙耶の着ている大きい服が今日柿内が朝着ていたシャツだということも、酒の香りがすることにもすぐ気付く。でも、もし浮気ならば部屋になんて連れてこない・・・そう思いながら柚木は微笑み返すと「んじゃ、先寝る」と自室へと消えていく

「おい!歯!磨けよっ!」
「うっさい」
「・・・」
「ねぇ、柿内・・・超カッコいい子だった」
「あー?」

柿内はまたか・・・そう思いながら黙り込む
柚木の見た目がイイことも判っているし、人当たりのいい笑顔ですぐに惚れさせる能力があることだってもうずっと一緒にいるから判っている

「あー!柿内、嫉妬してるぅー?ルームメイトがカッコいいって言われて嫉妬ぉー?やだぁ!柿内ってあたしのこと好きだったのー?!」
「ねぇよ!」

そうきっぱりと言うとタオルと布団を沙耶に押し付ける

「風呂あっち。んで、このソファーベッド使え」
「わー!ありがとうー!超助かるー!」

そう一晩泊めただけ・・・そう。それで全部終わると思ったのに翌日からやたらと彼女はこの部屋へ何かと理由を付けてやってきたのだった

「じゃあ、ここの等高線引いてー、あぁ、そっかぁ、ありがとー!柿内ー!」
「判ったなら帰れ」

相変わらず冷たい口調なのに沙耶が凹みもしないのは彼女も柿内の優しさを知っているからなのだと思うと柚木はぼーっとキッチンのスツールに座ると2人のやり取りを遠巻きに見つめる
彼女がずっといるから折角時間があるのに柿内と話せないし触れ合えないし・・・食事も時間が無くなったとかで簡単なものにされるし・・・

「はぁ」

柚木は小さくため息を吐くと柿内の用意した簡単な食事を口に入れる
同じ空間に恋人がいるのにひとり済ませる食事は味気のないもので・・・柿内が作ったものだけれど美味しいと思えなくて口を尖らせた

「・・・不味かった?」

突然そう聞かれてハッとして顔を上げると柿内の顔・・・慌てて彼女の方を見るとそこには沙耶はいなくて「トイレ行った」そう言う柿内にまた目を伏せる

「不味く・・・はない」
「・・・すぐ帰らせるから・・・悪いな」
「・・・」

困ったように笑う柿内に心が痛かった
独占欲・・・柿内と付き合うようになってから自分にも独占欲と言うものが存在するのだと知ったけれど、こんなにもこんなにも強いだなんて全然知らなかった






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青春はプールの中で9-2 - 07/26 Tue

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柚木たちの部屋に来たのは柚木の予想通り、親友の新井で、とある理由で留年した彼は実家を追い出され、食事を集りに毎晩のようにやって来る

「食べ物をーーー食べ物を恵んでくだされーーーー」
「瑞貴ぃ、お前さぁ、いい加減自炊すること覚えろよ」
「カッキーに言われるならまだしも流ちゃんに言われたくない!」
「・・・まぁ、確かに?」

柚木は妙に納得して柿内を見ると「メシ!」と言い、柿内はため息を吐きながら冷蔵庫からタッパーを取り出す

「うっわー!愛があるー!お弁当お弁当ー!」
「・・・ここんところ毎晩でしょーが・・・」
「うん。そだね・・・毎晩だ!」
「っつか・・・あんたさ、オレんところ来なくてもあの・・・なんだっけ?後輩の奴もメシ旨いんだろ?そいつ同じ学生マンションじゃなかった?」

新井はすぐに頷くと「でもー」と続ける

「但馬に甘え続けてても大丈夫かなぁーって思ってさー」
「・・・オレは何?」
「カッキーは流ちゃんの彼氏だからっ!」

柿内は新井の言ってる意味が判らなくて首を傾げると柚木が柿内の背中に触れる

「っつか来るか来ないかさー、夕飯前に連絡くらいしろよ。お前突然来なかったらその弁当も無駄になるだろ」
「や、そしたらあんたの夜食になるだろ」
「は?!じゃあ弁当瑞貴にあげたからオレの夜食は?!」
「・・・なんか作るけど・・・あんだけ食ってまだ夜食食うってホント・・・」

新井が「イイな」と呟きながら2人を見つめる
羨ましい。純粋に羨ましい。自分には好きな人がいるけれど、相手には彼女がいるし、もし彼女がいなかったとしても自分とこんな関係になるわけないと諦めているから
例え無理なお願いをいくら聞いてあげた所で自分と恋人になることなんてないと判っているから・・・

「流ちゃん・・・」
「んー?」
「彼氏欲しいー」
「あー?いるじゃねぇの?」
「彼氏じゃないもんっ!みんなセフレみたいな関係だもんっ!一緒にご飯食べてイチャイチャしてーなんてないもんっ!エッチするだけだもんっ!オレもデートとかしたいー!」
「・・・デート・・・はあんまりないよな?」
「まぁ、基本的にあんたが時間あればプール行っちゃうからないんだけどな?」
「え!オレのせい?」

デートがなくたってこんなやり取りでさえも羨ましいことが2人が判らないことにため息を吐くと「帰る」と靴を履きだす

「新井さん」
「んー?」
「但馬っつーのはナイんですか?」
「但馬ぁー?但馬、但馬はねぇ・・・超カッコいいーあと超イイ体だと思うー!こう筋肉がね!筋肉が・・・触りたいっ!って感じでさぁ・・・」
「いや、そういう意味じゃなくて・・・」

新井は首を振ると「ナイよ」と言いながら立ち上がる

「だってさぁ、期待しちゃって痛い目見るのはもう江口だけで充分なんだもん。オレ!ノンケはホントもう江口だけでイイ」
「・・・期待するようなことあったんだ?」

ドアノブに手をかけた新井が止まって困った顔で振り返って笑う

「たまにね、勘違いしそうになる・・・こんなにオレ迷惑掛けても面倒見てくれるのはなんで?って・・・」

柿内が驚いて口を開くより前に柚木が新井の腕を引く

「じゃあ但馬にしておけよっ!」
「え・・・えぇ?」
「瑞貴!お前こないだもなんか変なのに引っかかって金抜かれただろ!但馬ならそれねぇよっ!な?!お前、もう江口諦めろ!あんな奴お前を利用してるだけだろーが!いい加減諦めてイイやつ見つけろよ」
「や、だからぁ・・・」

新井が困った顔で柚木に笑う
もし、本当に自分に惚れてくれているのならば毎晩のように出逢いを求めにフラフラしている自分を放っておくはずがない・・・

「・・・オレもそう思います・・・けどね?」
「え?何?」
「あいつ、あんたのことちゃんと見てると思うし」
「何を?」
「あんたのその自慢の外見だけじゃなくて中身とか。あんたがバカみたいに望みもナイ友達に尽くして尽くしてボロボロになってる姿とか。フラフラ他の男に引っかかっても全部受け止めてくれてんだろ?あいつ」

新井は唇を噛んで頭を振ると「タッパー今度返す」と部屋を出て行くと急に静かな部屋に耳が慣れない

「あとー、過大評価も過小評価もしないところ・・・だよなぁ」
「あ?」
「お前が好かれそうな要因」
「何言ってんだよ」
「んー?例えばさぁ、女の子がだれだれに告白しようと思うけど脈あるかなぁ?とか言ってきたらお前、正当な評価するだろ。それがその子が傷つく結果になってもそうじゃなくても」

柿内は「うーん?」と首を傾げながら別に持ち上げる必要もないし、応援する気もナイからただ事実を述べるだけだと思い「そうかもな」と言いながら柚木の腰を抱く

「なぁ、さっき・・・オレのコト誘いに来てくれた?」
「お?」
「新井さんには悪いけど早く帰れって思ってた」
「・・・奇遇だな。オレも」

柚木はそう笑うと背伸びして柿内の唇にキスをした





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青春はプールの中で9-1 - 07/25 Mon

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球が予定通り卒業すると、柿内が2年へと進級し、柚木が2回目になる2年生の生活が始まった
柿内は父の援助のおかげでバイト漬けの生活からは解放されたが、今年は部活にも精を出そうとスイミングへも入って練習をするのと授業で毎日が忙しいのには変わりがなかった

「柿内ー、ここ授業聞いてた?判らないから教えてよ!」
「柿内ってさぁ、1人暮らしー?あの弁当作ってるならご飯食べさせてよー!」
「ねぇねぇ、小森くんってあたしのことどう思ってるかなぁ?」

柿内はここのところ彼女らにやたらと付きまとわれて半分うんざりしていた

「うっせぇよ。お前ら授業は聞けばなんとかなるし判んなかったら教授んところ行けばいいしメシは自分で作れるようになれ!あと小森は知らんっ!」

そう一蹴するが、彼女らには堪えない様子で柿内に矢継ぎ早に質問を繰り返す

「っつかマジでオレ、今から泳ぎに行くし・・・時間ねぇって」
「アイス奢ってー!」
「あ!あたしコーヒーでいいや!」
「お腹空いたぁー」
「・・・てめぇらマジで話聞いてたか?おい」

柿内がうんざりした表情を隠しもせずそう呟いたのに柿内がスイミングの建物に姿を消していくまで彼女らは騒いだままだった






「ってーのをボク、大学の帰りに見ちゃったんですけどぉー」
「・・・暇そうだな」

あとは変わったことと言えば、球の代わりに秀が柚木と同じ大学へ進学してきて球の代わりに竹市と同じ部屋で暮らすようになったこと。そして、秀も竹市も柚木たちの部屋に入り浸っていること・・・

「カッキーの学校女の子超少ないのかと思ったけどいるもんなんだねぇ・・・しかも3人に囲まれるとか!」
「柿内がなぁ・・・まさかの柿内がなぁ・・・」
「へぇ・・・可愛かった?」
「あ、ユズちゃんヤキモチ?ヤキモチでちゅか?」

ワザとらしく聞いてくる竹市の頬を真顔で抓ると後ろからチョップを入れられて竹市が怒った顔で振り返る

「それって、なんか変な勘違いとかはしてないですよね?」

できあがった料理を抱えた柿内が冷たい目で竹市を見ていてそれをニヤニヤと竹市が笑う

「えー?変な勘違いってぇー?柿内が浮気してるとかぁ?」
「・・・してないならいい」

ドンと大皿に盛られた料理を置くと空いてる場所へと腰を下ろす

「まぁー、柿内がそんなにモテるとは思えないしぃー?」
「はいはい。そーっすね」
「んー?柿内モテるだろ」

柚木は大皿から自分の皿へと料理を山のようにとると顔を上げてそう言うと竹市がニヤニヤと「恋人贔屓だぁ」と柚木の脇をつつく
秀は自分が振った話題だったけれど、柿内の料理を目の前にすると興味を失ったように食事を口へと運ぶ

「オレとか竹市さんみたいに顔がよくてモテるっつーのは高校とかまでじゃない?」
「うん?!・・・どゆこと?ユズモテなくなったっつーこと?」
「いや、柿内って実はイイ男だっつーか、実は優しくて周りのコトちゃんと見てたりして?口では散々言うくせに面倒見悪くなかったりするのってモテるんじゃないの?竹市さんがいう程柿内って顔も悪くねぇし・・・」
「うっわ!それこそ恋人贔屓っつーんじゃねぇの?」

柚木はご飯を頬張りながら「メシも最高に美味いしっ!」と言いながら柿内を見つめると隣で秀はニコニコと「美味しいー!」と柚木に同意する

「オレが女だったらやっぱり柿内と付き合いたいかな」

と言って柿内は口にしていたお茶を吹き出す

「汚ぇー!柿内ー!汚ぇーっ!」
「カッキー!雑巾雑巾ー!!!」
「・・・や、これ、オレが悪いのか?」
「柿内が悪い。ユズはいつだって正義だからな」

柿内がため息を吐きながら自分が吐き出したお茶を雑巾で拭きながら顔を上げる

「柚木さんが男でも付き合ってる・・・んじゃないのかよ」
「おう。だからオレは幸せもんだっつーこと言いたかった」

歯を見せて笑った柚木に柿内は顔を赤くすると「そーかよ」と呟きながら雑巾を片付けに立ち上がる

「あーあーホントユズが目の前で惚気てるとオレどういう態度取っていいかわかんねぇなぁ・・・なぁ?秀?」
「んー?うーん・・・」
「竹市さんも兄貴といるとオレが目の前にいてもすっげぇベタベタベタベタうざいよ?」
「うざいって!!!オレ、今お前らのことうざいとか言った?!なぁ!言ったぁ?!あー、ホントなんかユズが柿内みたいに口の悪い子になってきてオレは心配だぁ・・・」
「その人のは昔からでしょ。オレのせいじゃねぇし」

柿内が雑巾の代わりにお茶のポットを持って現れると何も言わずに柚木はグラスを柿内に渡す

「えー・・・柿内なんで判ったわけー?」
「あー?あぁ、お茶?まぁ、そろそろお代わりって言われるかなぁ・・・って勘・・・っすかね」
「勘っ!!!」
「心が通じ合ってんだよ」
「ユズが恥ずかしいこともサラッと言ってきてお兄ちゃん恥ずかしいーーーっ!」
「・・・あんたは確実に球さんに似てきたとオレは思う」

柚木と秀が口を合わせるように「間違いないー!」と笑って今日も平和な夕食が終わっていく







「柿内ー」

竹市たちが帰った後、洗い物を終えた柚木が柿内の自室を覗く

「あ、洗い物ありがと」
「んー!それよりさー・・・」

ピンポーン

インターホンが鳴り響いて少し膨れた柚木の頭を撫でると玄関へ向かった柿内

「カッキーーーーー!!!流ちゃああああああんっ!!!!」

と今度はテンションが高い来訪者に予想がついて柚木は大きなため息を漏らしたのだった





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擦れ違いはきっと愛のはじまり21《最終話》 - 07/24 Sun

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談話室でいつもと変わりないくだらない話をしているとケンカをしているような声が廊下から聞こえてきて皆が談話室から顔を出す


「だからぁ、ごめんってー!ホントに反省してるー」
「お前、オレの言うことなんて何も聞いてないの判った」
「・・・でも有紀だって気持ちよさそうにしてたもん」
「おっ・・・前っ!!!!」

有紀が大輝に背負われながら背中を殴るけれど大輝にはダメージがない様子で談話室から顔を出した友人たちに手を挙げる

「っ・・・」
「あ、今から送って来る」
「・・・大輝、お前体格差考えろよな?」
「有紀ちゃーんっ!大輝があんまりにも無茶するようならオレらに言ってー!オレらが締めとくからー!」
「有紀ちゃんお菓子食わないー?チョコとかもあるけどー」

今までと変わらない応対に有紀は目を丸くして大輝の背中に顔を隠す

「有紀ー?」
「恥ずかしくなってきた」
「えええー?!」
「だって・・・オレ・・・」
「お菓子なにか貰おうか・・・」
「ちょ・・・え?」

大輝がニコニコとしながら談話室へと入っていくと「有紀ちゃんがチョコをご所望であーる」とふざけながら言う
サッカー部以外の人間も一緒になって「ははぁー」と頭を下げながらその場に合ったお菓子を手に取ると座るところを開けて有紀にお菓子を差し出した

「え・・・ええ?」
「こんな大輝と付き合ってくれるなんて天使としか思えないよな」
「めんどくさいだろ?こいつ・・・オレめんどくさいっ!」
「ねぇねぇー、有紀ちゃんはいつからこんな奴と付き合おうとか思ってたの?」

次々に来る質問に有紀が戸惑っていると横から大輝が手を伸ばしてお菓子をつまむ

「大輝にはやらねぇよ」
「えー!ケーチケーチ!」

そのやり取りも大輝が皆に愛されている証拠なのだと思うと少し微笑む

「大輝が罰ゲームで告白した時から」
「え?」
「ちょっとー・・・罰ゲームとかホント人聞き悪いからな?」

大輝が拗ねたように口を尖らせると「ホントのことなんだろ?」と有紀が笑って大輝がまたデレデレと笑顔を見せる

「まぁ、今となってはー・・・ずっと叶うわけないって最初から諦めてたのに告白する機会を与えられたことに感謝しかない」
「待って・・・それって最初からこいつと付き合ってたっつー・・・」
「ん・・・まぁ、うん・・・何度か別れるってオレがワガママ言ったけど・・・」
「うっわっ!うっわっ!!!!!それってそれってさー・・・大輝が超調子悪くしたときじゃね?!」
「あぁぁぁ!!!そういえばこいつあの罰ゲーム告白以来調子めちゃくちゃよかったのに突然悪くなるときあった!」
「ははー・・・オレ、有紀のコトマジで好きだったからショックでかすぎてー」
「失恋スランプとかお前エースの資格ねぇじゃんー!」
「いやいやいや・・・あぁ、まぁ、有紀いないと全然調子でないのはホント」

大輝がそう言うとサッカー部員に有紀は囲まれてあまりの迫力に身構えて「どうしよう」と大輝の表情を伺う

「有紀ちゃん!!!」
「我がサッカー部のためにっ!!!」
「どうかこのままこいつを!!!」


「「「よろしくお願いしますっ!!!!!」」」


皆に頭を下げられて戸惑いながら有紀は笑うと

「はい」

と返事した








トントン

「はぁーいっ!りーちゃんは本日ハートブレーク休暇中ですー」

そんなことを言いながら日浦がピンクのドアを開けると大輝に肩を抱かれた有紀がいてすぐに笑顔になる

「有紀ちゃん」
「・・・ただいま」
「・・・大輝、無理させたろ」
「そ・・・れはぁ・・・」
「だぁかぁらホント運動部イヤなんだよっ!体格差も体力差も考えずにガンガンガンガンやりやがって!!!」

大輝はバツが悪そうに「ごめん・・・なさい」と頭を下げると怖い顔をした日浦に胸倉を掴まれたのを有紀が止める

「大輝だけのせいじゃないから」
「有紀ちゃん?」
「オレ・・・別に嫌じゃなかったし・・・そりゃっ・・・足の感覚変だし、腰も痛いし・・・だけど・・・大輝に求められて嬉しかったし・・・日浦にもお礼言いたくて・・・」
「有紀ちゃんっ!!!」

有紀を抱きしめると背中を摩って「よかったね・・・よかった」と何度も呟く
苦しい想いは2人の間で解消されたのだと思うと嬉しくて・・・2人の話を聞くうちに擦れ違いが起こっているのに気付いていた。それでも素直に気持ちを伝えられない2人にモヤモヤしつつもずっと応援していたこと

「大輝、もう判ったよな?」
「・・・うん?」
「お互いにちゃんと好き同士なんだからもっと自信もって話し合えばいいんだよ」
「うん」
「まぁ、今回のも前回のもいい勉強だって思ってこれからは有紀ちゃんをただ幸せに笑顔にすること!できなきゃ・・・」

日浦が有紀を少しだけ離すと唇まであと数センチという程唇を近付ける

「オレが有紀を貰う」
「なっ・・・ダメ!マジでダメっ!!!」
「日浦?」
「だってぇー、有紀ちゃん可愛くて優しくてもーーーーっ!!!あぁ、ホント可愛い」
「いや、可愛いっていうのはお前の顔みたいな・・・」
「うん?りーちゃんの顔可愛い?うん!りーちゃん可愛いっ!でも、有紀ちゃんはねぇ・・・守ってあげたくなる感じ」

再び有紀を抱きしめようとした日浦から大輝が有紀を抱き上げる

「オレが守る!」
「はいはいー・・・はいはいーラブラブラブラブ!!!有紀ちゃん、有紀ちゃんもちゃんと幸せ逃がさないように擦れ違わないように気持ち伝えるんだよ?」

日浦の言葉に有紀は笑って頷く

「オレも大輝もお互いが好きすぎて擦れ違ってただけみたいだから・・・」
「うっわー・・・すっげぇ惚気聞いちゃった」
「有紀がカッコよくて可愛くてオレ、すげぇ彼氏いるんだー!!!あぁ、ホントなんで寮が違うんだよー」
「はーいはいはい。腰が立たないらしい有紀ちゃんはオレがしっかり面倒見てあげるからお前はさっさと臭いスポーツ棟戻れ戻れー」
「あぁ、うん。よろしく」
「最初からそれでオレの部屋来たんだろー?」
「・・・頼りにしてます」
「ごめんな?」
「大輝に言われるのはなんか腹立つけど有紀ちゃんにそんな顔でお願いされたらもう超お世話したくなりますっ!!!」


擦れ違いはこれからも起こるかもしれない。でもその度にお互いを知るための時間。お互いが素直になって思ったことを打ち明ける擦れ違い期間・・・何度も何度もケンカして衝突してその度に判りあって・・・きっと愛を育むための擦れ違い時間・・・





擦れ違いはきっと愛のはじまり   おしまいおしまい





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擦れ違いはきっと愛のはじまり20 - 07/23 Sat

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監督に松月の処分と大輝の処分の改め直しを求めに行ったサッカー部員たちが揃って食堂へ向かうとそこには自分たちのエースが食堂カウンターで何か交渉しているのを見て駆け寄る

「大輝ー!聞けよー!聞けよぉー!」
「オレらさぁ、りーちゃんに松月と有紀ちゃんの件聞いて監督んとこ行って来たんだわー」
「お前3軍に落とされてたけどなんとか2軍に上げてもらって更に明後日の昇格試合出してもらってそこでちゃんとお前の実力見せたら戻ってこれるぞー?」
「・・・マジ?」

後ろから首に腕を回されて思いがけない言葉を聞いた大輝は驚いた後笑顔を見せる

「だからさー、いつものように大口叩いて我ら苺華学園サッカー部エース様のすごいところ見せてくれよー?」
「あー・・・オッケー!でもお前ら判ってんだろーなぁ?オレが2軍の昇格試合っつーことは相手お前らだぞー?戦意喪失しちゃうくらいオレが1人で点数取っちゃうぜ?」
「うっわー!出たよ出たよー!大輝のビッグマウスー!」

皆が笑って盛り上がったところで出された持ち帰り用の夕食が2つ・・・

「うん?お前、部屋戻るの?」
「そー」
「っつか部活もやってないのに2人前?贅沢すぎね?」
「いやー・・・これは1つオレの部屋にいる子の」

大輝が幸せそうに笑って夕食の乗ったトレーを手に取る

「・・・りーちゃん帰った・・・よなぁ?」
「日浦じゃないし」

自分がここで今言ってもイイのだろうか・・・そう迷ったけれど有紀も覚悟を決めてさっき日浦に自分の寮の夕食をキャンセルすることを伝えていたし、寮の門限ギリギリまで自分の部屋で過ごしてくれることになったのだと思い出してデレデレと笑顔を見せると「有紀のっ!」と言い切る

「は?!」
「有紀ちゃんがお前の部屋にいんの?」
「いや、一緒にここで食えばいいじゃんっ!」
「むさ苦しいスポーツ棟の食堂に癒し連れて来いよー」

そう口々に言う部活の仲間にまたデレデレとした笑顔を見せる大輝

「有紀、今ちょーっと動けないっていうかさぁー」
「・・・おい・・・」
「ちょ・・・え?」
「うんー・・・っていうか・・・まぁ、別れてた期間もあったけどー・・・オレら付き合ってるっていうか・・・ずっと付き合ってたっていうかー?」
「ちょ!!!!はぁぁぁぁ?!」
「うん。まぁ、あとでさぁ、談話室連れて行くからさぁ?」

騒がしい部員達を置いて大輝は笑うと手を挙げて皆に手を振る

「オレの有紀ちゃんがお腹空かせて待ってるからまたなー?」

と食堂を去っていく

「・・・マジ・・・か・・・」
「オレ、密かに有紀ちゃん可愛いと思ってたのに」
「りーちゃんとはまた別の可愛さあるよな?!」
「あー!クッソ!あいつデレデレしやがってぇぇぇぇー!」

そんな羨みの声も大輝には届かない。気を抜くと無意識にスキップして部屋へ向かってしまいそうな程浮かれた大輝には・・・








「・・・さすがスポーツ棟・・・量が違うよな・・・」
「うん?足りなくないよね?」
「食えるはずがない。こんな量」
「あー、うん。大丈夫ー!残ったらオレ食うし?っつかいつもだったらご飯おかわりしなくちゃいけないノルマあるし?」

食事を置けるような机がなかったからカラーボックスを移動させて机代わりにして持ち帰った食事を乗せた大輝が借りてきた皿を有紀の前に置く

「食べられそうな分だけ取って?」
「・・・ん」
「有紀とこうやってメシ食えるとか・・・すっげぇ嬉しい」
「・・・顔、緩みすぎ」
「えー?そりゃ仕方ないしさー」

嬉しそうな大輝の顔を見て有紀もひとつ笑顔を見せると「いただきます」と呟く

「あ、そういえば、メシ持って来るときに誰が部屋に来てるか聞かれて流れでもう言っちゃったけど・・・よかったんだよな?」

少し心配そうな顔をした大輝に有紀は少しだけ考えて頷く
隠して勘違いや余計な詮索はされたくないから・・・

「よかったー・・・で、あとで談話室連れて行くって言っちゃったからもし、行けそうだったら・・・ちょっと顔出してくれない?」
「え?・・・いや・・・んー・・・」
「や!嫌ならイイし!門限前にちゃんと向こう送り届けるし」
「・・・」

嫌ならイイ・・・そう言いながらも残念そうな顔をしているのは丸わかりな大輝に有紀は唐揚げを取ると大輝の口にそれを突っ込む

「嫌とは言ってない・・・」
「ん・・・でも」
「今まで散々ヤってましたっていうの丸わかりで顔出すの気まずいっつーか・・・」
「んー?幸せですー!って顔してればいいんじゃないの?」
「お前はまた能天気だから・・・」

有紀の肩を抱くとコツンと頭をぶつける

「有紀がオレのだって・・・遂にオレのになったってみんなに自慢したいのわかんない?」
「べ・・・別にお前のじゃ・・・」
「じゃあオレが有紀のものになったって自慢したい」

大輝の言葉に顔を赤くして俯いた有紀に「ごめんね」と呟くとキスをして床に押し倒す

「ちょ・・・メシ食ってる途中」
「うん。だからごめん」
「だってさっき散々っ」
「うん・・・でも、有紀が可愛いし愛しいからまたもっと欲しくなった」
「でもっ・・・も、腰だるいしっ」
「うん。もし歩けなかったらおんぶして寮まで送って行くね?」
「そういう問題じゃないっ・・・っ・・・ぁ、待っ・・・っ」

有紀の小さな抵抗の言葉も大輝の優しくて激しいキスに掻き消されてまた蕩けるような快感に身を委ねて行った






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擦れ違いはきっと愛のはじまり19 - 07/22 Fri

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部活を終えた生徒たちが戻り始めて、普段、この談話室なんかにいるハズがない人間を見てざわざわとし始める

「あぁ、お疲れさまでぇーすっ!今日はりーちゃん、出張お仕事しに来たわけじゃないんだー。人探しに来たのー」
「誰探してんのー?」
「あのねー、サッカー部の松月くんってどの子ー?」

日浦があざとく首を傾げながら尋ねると「え?!りーちゃん松月好きなの?!」だとかそんな騒ぎまで起き始める

「松月ー!りーちゃんが探してる」

丁度階段を登ってきた松月が「え?」と言いながら談話室を覗くと笑顔の日浦に小さく頭を下げた。存在は聞いて知っていたし、顔もどこかでは見たことがあるけれど、初対面の相手

「あぁ、キミが松月くん?」
「はぁ・・・」

バチンっ!

乾いた音が談話室に響いて周りは驚いて2人を見つめた

「痛かったぁ?」
「な・・・にすんだよっ!」
「だってぇ・・・りーちゃんのお友達がねぇ、松月くんに無理矢理チューされちゃって傷ついてたからぁー」
「なっ・・・」
「おい、松月誰にキスなんて・・・お前男相手は気持ち悪いとか言ってたのに?何?何何?!」
「りーちゃんそのお友達すっごーーーーく大事なのー」
「・・・」

松月だけは日浦の言う「友達」が誰かが予想できること・・・でも、聞いた事もナイ。有紀からも当然、日浦に「友達」というものが存在するだなんて・・・

「今度、有紀に手ぇ出したらてめぇ覚悟しとけよ?」

日浦がいつもと違うドスの聞いた声でそう言うと周りも日浦の本性を垣間見た気がしてゾワリと体を震わせたが、それよりも今、日浦が言った名前に松月が注目され始める

「有紀って・・・有紀ちゃん?」
「松月、有紀ちゃんに無理矢理襲い掛かっただと?!」
「うっわ!松月最悪ー!有紀ちゃんそりゃ怖かっただろうに」
「や・・・いや、オレっ」

言い訳しようにも無理矢理したコトは確かで・・・

「あぁ、大輝が松月殴ったのそれが原因じゃね?」
「有紀ちゃん庇ってあいつ理由言わなかったっつーこと?」
「あいつ有紀ちゃんが好きっつーのは本気だったもんなぁ?」
「大輝だけが3軍落ちてるのおかしくね?」

サッカー部員たちが言い合いを始めて、松月を囲んでいく

「なぁ、松月ー・・・オレらさぁ、大輝が有紀ちゃんに惚れてんの知ってたよなぁ?」
「でもっ・・・じゃあこいつみたいな男娼呼ぶのって・・・オレだって、そりゃ後からだけど純粋に有紀さんのこと」
「りーちゃんは有紀ちゃんのお友達でぇー、有紀ちゃんのお隣のお部屋でぇ?だから大輝くんに相談受けてただけなんだけどなぁー・・・りーちゃん大輝くん相手にはお仕事してないんだけどなぁ」

日浦がそう言うとその言葉に皆が納得し始める

「なぁ、こいつの処分甘くね?」
「だなぁー・・・」
「なんで皆、大輝先輩の味方なんだよっ!」
「えー?我らのエース様だし?」
「そーそー。あいつあんなんだけどやっぱりイイやつだしなぁ・・・あいついないとチーム盛り上がんねぇし」
「有紀ちゃんも大輝のコト満更でもない様子だったのにお前のせいで部活にも出てこないくらい拗ねてるしなぁ」
「監督んところ行って来ようぜー?」
「そーしよー」

日浦は満足そうにその流れを見守ってニコニコとしながらその場から退散していくサッカー部たちの背中に手を振った








「やば・・・今ならオレなんでもできちゃう・・・」
「ぇ・・・?」
「あ、なんか飲むー?」

自分の声が思ったように出ないことに驚いて口を塞ぐとすぐに差し出されたペットボトルに口を付けて嚥下する

「オレさー、今3軍にまで落ちちゃったんだけどさー・・・明日から頑張ればまだ首の皮1枚でここ残れるかなぁ・・・」
「・・・」
「や、ほら、オレスポーツ特待生だから・・・ヤバいって噂になってるしー」
「ダメ・・・」
「うん?」

ベッドから体を起こした有紀がふわりと大輝の背中に温もりを与える

「有紀ー?」
「学校・・・いなくなったらオレ・・・寂しいし」
「あー、あぁぁぁぁ!ダメ!超頑張る!超頑張れるーーー好きー。好き好きー」
「オレ・・・ホントはもっと会いたい・・・でも、成績も気になるし・・・」
「ストップー!ストップストップストップーーーーー!いきなり有紀ちゃんのデレ来すぎてオレの心臓追いつかないーーーー」
「会いたい・・・っ・・・オレからも来て・・・イイ?」
「っ・・・イイ・・・の?バレるよ?」
「イイ・・・オレだって大輝のコト好き。他の人と付き合ってるとか他の人と寝ただとか・・・噂は嫌だっ・・・噂がウソでもホントでもオレとの噂がイイ」
「有紀」

大輝が有紀を抱き上げるとキスをして抱きしめる

もう失わない・・・そう誓ったけれどするりと逃げた幸せを今度こそ絶対逃がさない・・・そう心に誓いながらきつくきつく抱きしめた






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擦れ違いはきっと愛のはじまり18 - 07/21 Thu

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「オレたち、すれ違いすぎ・・・気持ちは同じなのになんでこんなにすれ違うんだよ・・・」
「・・・ごめ・・・」
「有紀のせいじゃないよ・・・有紀のせいじゃない。でも、なんでも言って?話して?オレも話すから」

有紀がひとつ頷くとすぐにキスをされる。もう迷わない・・・同じ気持ちだと判ったから。本当はお互いに触れあいたいと判ったから・・・
貪るようにキスをする
今までの寂しさを埋めるように。苦しみを忘れるように

「んっ・・・」
「有紀、声、変じゃないから・・・嬉しいから。オレを喜ばせるために」
「でもっ・・・隣っ」

ここが自分の部屋じゃなくて角部屋でもなくて、両サイドには他の学生がいるのに・・・といつものように唇を噛む

「ここ、スポーツ棟の寮だよ?・・・オレ、部活サボってるけどこの時間基本みんな部活出てるから」
「っ・・・ぅ」
「有紀、気持ちいいときはちゃんと教えて?有紀を悦くしたい。有紀は恥ずかしいかもしれないけど、オレだって全部見せるの恥ずかしいし・・・教えて」

懇願されるようにそう言われると口を押えていた手をゆっくり離す

「全部っ・・・大輝が触れるところ全部気持ちいい・・・」

大輝の大きくて節ばった手が触れるところ全部が熱い。じんじんと痺れるように熱くてそれが快楽へと変わる

「ホント?」
「熱くてっ・・・気持ちいい」
「有紀、可愛い・・・すっげぇ可愛い・・・もっと見たい。もっと見せて。聞かせて。全部頂戴」
「そこもっ・・・舐めちゃダメっ・・・」

いつも眉を顰めるようにして嫌がっているように見えた乳首に舌が触れると肩を掴んだ手に力が入る

「あー、有紀の声腰に来る・・・これ、やばいなぁ」
「ふっ・・・んんっ」
「我慢させてごめんな?オレがちゃんと言えばよかった」

何度も何度も頷くとあの時見たローションを手に取る大輝に有紀が身構える。頭では理解している。大輝は日浦となにもなかった。日浦もそう言っていたように・・・でも、有紀の心の片隅に残った疑いと恐怖・・・

「これ、まだ嫌?」
「・・・っ・・・」
「有紀を悦くしたいっって言ったら貰ったんだけど・・・嫌ならいつもの・・・」
「嫌・・・じゃない・・・でも・・・でも・・・」
「うん?」
「オレ、恥ずかしい・・・っ・・・子どもみたいに嫌になってめんどくさくなったらすぐ別れるとかっ・・・1度じゃなくて2回もっ・・・これでキスされてバカみたいに気持ちよくなってまた付き合うとか・・・」
「イイ・・・有紀がオレのコト好きって言ってくれたからイイ・・・っていうかね、もうオレ止まらないっつーか止まれないっつーか・・・期待しすぎて張りすぎ・・・」

熱く滾る雄に触れさせると少し恥ずかしそうに頷いた有紀を見て「オレも恥ずかしい」と言いながら大輝はローションを指に絡ませる
温かいぬるぬると滑る指が後ろへと触ると小さく「んっ」と声を上げた有紀にキスを落とし、いつものように眉間に皺を寄せて何か耐えるような表情に皺の寄った眉間へとキスをする

「・・・?」
「ここ、いつも皺寄って難しい顔する」
「っ・・・そんなこと言われたって」
「うん。急には無理だと思うけど我慢しなくていいから・・・痛かったら痛いって言って?嫌だったら嫌って言って?気持ちよかったら気持ちいいって・・・言えそう?有紀判りにくいよ・・・そのままじゃ」
「ぅ・・・」
「オレも言うから・・・まぁ、ずっと気持ちいいしか言えないんだけど・・・んで、余裕あったらオレの触ってくれる?」

頭を撫でられると指が体の中で動き始めて口を塞ぐ
以前よりももっともっと重点的に感じるところを捏ねられて押されてぐちゃぐちゃになっていく感覚

「ぅあ・・・そっ・・・こっ・・・ダメ」
「痛い?」
「気持ちいいっ・・・気持ちっ・・・イイからぁ」
「っ・・・気持ちイイなら感じてて?オレをここで感じられるようになるために感じて?いっぱい・・・いっぱい」
「んっ・・・大輝っ、大輝ぃ」

名前を呼ばれるだけでジンジンと胸が熱くなる。今まで声を上げないように唇を噛み、口を塞いでいた有紀が名前を呼んでくれる・・・自分の名前を

指を増やされて拡げられていつもよりも頭も体もぐちゃぐちゃになった感覚・・・もうただ名前を呼んで強請ることしかできなくなった頃、引き抜かれた指の代わりに押し当てられた熱い体積

「っ・・・ぅあ?・・・ひぁ」
「ごめ・・・オレ、も・・・き・・・っつ・・・ぃ」
「ダメっ・・・やぁ・・・やっ・・・いっ」
「痛い?抜く?」

ずるずるとゆっくり引き抜かれていく熱に大輝の背中に回した手に力を入れる

「抜くっ・・・のっ、もっとダメぇ」
「有紀、気持ちいいの?」
「んっ・・・ん・・・オレだけっ・・・達っちゃ」
「!・・・イイよ・・・イイ・・・達って?」

目を開けた有紀の瞳に涙が浮かんでいて一瞬ギョッとしたけれど、いつもよりも色っぽく、そそる表情にキスをしながらゆっくりゆっくり抽送を続ける

「っ・・・ぅ・・・」
「大丈夫?」
「ゃ・・・」

背中に回された手が力強く大輝を抱きしめる

「どうした?」
「ゆ・・・や」
「うん?」
「ゆっくり・・・ヤダっ・・・大輝また達けないっ・・・」
「や、大丈夫。すっげぇ温かくて気持ちいい」

ブンブンと頭を振る有紀に困った表情を浮かべる。ゆっくりでも時間を掛けて感じられるのに満足していた。有紀も苦痛の表情ではないし、ジンジン心が温かいから

「もっとっ・・・たくさん動いてっ・・・そこっ・・・もっともっと擦ってっ」

恥ずかしそうに打ち明けた有紀に驚いたような顔をして体を震わせた大輝に「え?」と小さく声を上げる

「ごめ・・・うっわー・・・恥ずかしいっ!どうしよう・・・オレ、すっげぇカッコ悪っ!」
「大輝・・・?」
「ほら・・・ゆっくりでも達けちゃうって判ったっしょ?」

顔を赤くしてため息を吐くような大輝に有紀は笑って幸せそうにキスを強請った






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