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青春はプールの中で10-14 - 04/30 Sun

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リビングへ戻り柚木に土下座してもうどれくらいの時間が経っただろう。まだ頭を上げることは許されていない

「マジで最悪最低すぎて何も言えねぇ」
「・・・でもオレっ、言ったよな?!限界だって」
「うっせぇ!頭上げんなバカ!」

頭を足で押さえつけられて床に額をつけさせられて唸り声を上げる。そもそもの体格が違うのだから簡単に振り払えそうなのに拳のケンカでは敵わないことを知っているから甘んじて足蹴も受け入れる

「待ってろっつっただろ!お前待てるっつったよなぁ?!あ?嘘か!嘘吐きか!」
「待った・・・ずっと。あんた帰ってくる日を待ってたっ!」

また頭を押さえつけられて床にゴッと額がぶつかる

「お前だけが待ってたんじゃないだろ?あ?」
「っ・・・でも」
「あー、最悪。マジで最悪。てめぇだけ突っ込んで擦って達きやがって・・・こっちは痛ぇだけでちっとも悦くなってねぇっつーの」
「・・・悪かったって・・・」
「お前が自分勝手だってよーく判った」
「ユズ・・・」
「ケツ痛ぇ・・・あー、マジで痛ぇ。ふざけんなよ。皆にレイパーだって言いふらすぞコラ」
「っ・・・柚木さんっ・・・そのっ」

そろりと顔を上げた柿内を睨むとすぐに頭を下げる柿内

「反省するから・・・」
「なーんでこれでまだ勃起できんの?反省してねぇだろ!バカ」
「っ・・・服着てねぇあんたが悪いだろ!大体っ・・・ごめんって。ホントに。なんでもしてやるから」
「なんでも・・・なぁ?」

柚木の警戒が少し解けた気がして顔を上げた柿内は「なんでも!」と繰り返す

「んじゃ、口開けて?」
「は?」
「早く」

口を開けると柚木が下着を下ろすのを見てゴクリと唾を嚥下する

「舌、出して舐めろよ?」
「や、待てよ・・・なんでもってこれでいいのかよ?」
「禁欲生活してたのお前だけじゃねぇだろ?オレだってすっげぇ今日を楽しみにしてた。柿内にあんな痛いだけのことされるだなんて思ってなかった!」
「・・・」

黙って舌を出して萎えた柚木自身に舌を這わし手で扱きながら先端を口に含む

「ん・・・柿内・・・痛かったっ!」
「ほめ・・・」
「っ・・・喋んなっ・・・初めてした時よりもっ・・・お前が暴走してオレを好き勝手した時よりもっ!いつよりも痛かったんだからな?!」
「ん、んん」

頭を掴まれて揺らされる
遠慮なく喉へと突っ込まれるのは苦しかったけれどさっき自分が柚木にしたことを考えれば大したことはない
痛いと何度も訴えられていたのに構わず欲望に身を任せた

「はぁ・・・柿内、お前、まだ熱ある・・・口ん中あっちぃ・・・もっと吸って?」

そっと首を振ると奥まで柚木自身を咥える

「ふっ・・・苦しいだろ?なぁ、苦しい?・・・でも、ヤバいっ・・・出そっ・・・出していい?ノリっ、気持ちいいっ、出していい?」

コクコクと頷く
柚木が快楽に塗れた顔をしている。自分自身の手で柚木をこんな顔にしているのだ。そう考えただけで背中にゾクゾク快感が走る

「んっう・・・」

口の中に生温かく粘り気のある精を吐き出されると頭を抱える手が離れて息を吐く

「はっ・・・はぁ・・・気持ちよかった」
「ん」
「柿内ー」
「あ?」

ずっと正座させられて痺れた足をフラフラさせながらペットボトルを取って水を飲む

「まだ足りない」

ニヤリと笑った柚木の顔に小さく笑うと「ベッド、どっちの?」と尋ねた






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青春はプールの中で10-13 - 04/29 Sat

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熱い。熱っぽさが抜けない。体の中をグルグルと回る熱が全て下肢へと集まり、収まることを知らない熱

洗い物をしながらシンクに体重をかける
待ち望んでいたのに柚木をその気にさせられない事実に頭を悩ませる
きっと自分の体調を気にして避けているのだろう。けれど、この熱は柚木にしか解放できないもので・・・ふとリビングを見ると柚木の合宿へ持って行ったカバンが目に入る
昨日は熱を出した自分の世話で荷物を片付ける時間もなかったのだろう・・・そっとファスナーを開けると溢れる洗い物

「っ・・・」

柚木はさっき走りに行ったし、きっとしばらく戻らない
柚木のTシャツを鼻につけると広がる柚木の汗の香り。別に特別な香りがするわけじゃない。イイ香りというわけでもない。でも、これは柚木の匂い・・・

「ぁ、やべ・・・」

ズキンと下肢への熱が高まる感覚にジャージに手を入れながらカバンの中から洗い物を広げる
床にTシャツを広げてジャージと下着を膝まで下ろすと昂った雄を柚木のTシャツに押し付ける

「はぁ・・・」

変態じみた行為だというのは判っている。でも、耐えられない。これ以上我慢できない
相手はただの布。でも柚木の汗が染み込んだ生地・・・

「っ・・・」

柚木が着ていた。柚木のあの骨と皮ばかりの薄い体を包んでいたと考えるだけで柿内にとっては興奮材料
ゆるゆると腰を動かすと次第に透明の液体が柚木のTシャツを濡らす
もどかしくてTシャツで雄を包み手で扱く

「ふっ・・・ぁ」

足りない。足りない足りない

他のTシャツを嗅ぎながらカバンに手を伸ばすと下着が出てきてこれは超えてはいけないと思いながらもそれに手を伸ばす

「いやぁー、それはまずいだろー。まずいまずいー流石にオレも止めるー」
「っ?!」

声に反応してビクリと声の方向へ顔を向けて顔を青くさせる柿内

「・・・お前の体調考えたらさー、やっぱり心配だったけど?ホント限界だったんだなぁ?」
「・・・」
「なぁー、柿内ぃ」
「っ・・・あんたがっ!悪いっ!!!」
「おう・・・シャワー浴びてくるの待てる?」

Tシャツを離すと小刻みに何度も頷く
待てる。柚木にやっと触れるなら・・・

「ふはっ!素直!」
「早くっ・・・頼むからっ・・・早く」

柚木はまた笑って背中を向けるとすぐにシャワーの音が聞こえてきて散らかった柚木の着替えをそっとひとまとめにして洗濯機へと投げ込む
バスルームに浮かぶ柚木のシルエットに息を大きく吐き出すとシャツを脱ぎ捨ててバスルームのドアを開いた

「ちょ!バカ!」
「ごめ・・・マジでもう無理」
「はぁ?ちょっ!柿内っ!」

バスルームのタイルに押し付けられて冷たいタイルが肌に張り付く

「か、柿内っ!無理!無理無理無理!!!」
「こっちももう無理っ」
「痛ぇって!無理!なぁ!ム・・・ぐ・・・痛ぇ・・・ってっ」
「キツ・・・痛っ・・・」
「抜け!抜けっ!抜け抜けっ!痛ぇっ!」

無理やり捻じ込まれた杭にバタバタと暴れる柚木に体重を掛けて押さえ込む
ボディソープに手を伸ばしてまだ挿入りきれてない自身に垂らすと硬い柚木の後孔へも塗りたくる

「てめっ・・・くそっ!覚えてろよ!」
「っ・・・も、ちょいっ」
「痛ぇっ!くっそっ・・・最低っ!最悪だっ!」

柚木の言葉が頭に入ってこない
ただ快楽を追うように腰を動かす

「っ・・・ユズっ、ユズ・・・好き。すげぇ好き」
「バカ!嫌いだ!大嫌いっ!」
「ユズ、ユズっ」
「ぐっ・・・ぅ」

ボディソープで泡立つ結合部分を撫でると柚木を抱きしめて欲を吐き出した







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青春はプールの中で10-12 - 04/28 Fri

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目を覚ますとまだだるい身体を起こし重い頭を抱える

「・・・」

それでも昨日よりもずっと楽で、傍で眠る柚木に気付いてそっと頭を撫でる。合宿で疲れた柚木の帰りを先に戻って待ってるハズだったのにこうやって介抱されたなんて情けなく感じてしまう

「ん・・・」

小さく身じろぎした柚木に手を引っ込めるけれどすぐに目を開けた柚木に目を細める

「柿内ー?起きたかー・・・調子は?」
「だるい」
「ん、でも顔色少し良くなったな・・・飲み物飲んでおけよ?」
「んー」

柚木に言われた通りテーブルに手を伸ばして飲み物を手に取ると喉を鳴らしながら嚥下していく
乾いていた喉が潤うと首に巻きついているTシャツを脱いで掛けられたタオルを剥ぐ

「これ、あんたが?」
「おう。パンイチはさすがになぁーって思ってな」
「飲み物とかも全部あんただよな」
「あー?覚えてないのかー」
「いや、ぼんやり・・・夢と現実わけわかんなくなってた」
「マジかー!でも良かった。今日もあんな調子なら休みでもやってる救急病院探さねぇとーって思ってたとこだったー」

そこまでだったのかと思うと情けなくて頭を垂れる

「メシ、食えそう?」
「腹・・・減ったな」
「お!んじゃ、メシ作ってやろうか」
「・・・マジで?」
「まぁ、お前はずっと食ってなかったみたいだし胃に優しい雑炊くらいだな!」
「・・・じゃあシャワー浴びてくる。すげぇベタベタする」
「あぁ。臭うな!臭い!」
「悪かったな!」

くしゃりと頭を撫でられるのも久々で柚木は笑うと柿内の背中をペチリと叩いて送り出す
折角2人でいられる日なのにずっと柿内の看病しなくてはと心配した。柿内ともっと一緒に笑いたいのに話したいのにうわ言で名前を繰り返し呼ばれるだけだったらどうしようかと不安だった

でも、すぐに回復してくれた

だから、今日はゆっくり柿内と過ごせる・・・ゆっくりできる。デートなんて気を張ることはない。部屋でゆっくり映画の1本でも見たりすればいい。テレビを眺めてたまにキスをして。そんなゆっくりした休日もイイ・・・






柿内が部屋に戻ると土鍋に大量に作られた雑炊を見てため息を漏らす
こんなに大量の雑炊をどうしろというのか・・・

「・・・米って膨らむな」
「あぁ、だな」
「や!でもオレも一緒にこれ食うし!すぐなくなるよなー」
「・・・なんとも言えねぇ」
「食えるしっ!」

お椀とれんげを渡されて雑炊を掬うとふーふーと息を吹きかけて口に入れる

「美味い」
「ん、ちょっと薄味だけどなー。でも鍋もやってないのに雑炊とかどんな味が正しいのかわかんねぇー」
「これで味は充分だろ・・・飽きてきたら調味料なんか足せばいい」
「おう」
「あー、柚木さん・・・つ、疲れてる?」

何を突然?と柿内を見てすぐに察する柚木

「疲れてんのはお前だろー?寝不足と疲れからの熱だろー?それ」
「もうだいぶいいっつか治った」
「けどなーまた明日から同じような生活して休みにはぶっ倒れるって生活じゃねぇの?今日はしっかり休養して体力回復させるべきだろ」
「気をつけるっ!・・・から」
「必死か」

吹き出した柚木にお椀を置いて体を寄せる

「必死だ。バカ!悪いかっ」
「んー、まぁ食えよ。っつかさー、昨日熱出して倒れてる柿内見てさー、お前の身体、エロいエロいって言う瑞貴だとか球の言葉はっきり理解できたわー」
「あ?」
「お前、裸で寝てたじゃん?何回それオカズにしよーかって昨日悩みまくった」
「な・・・んだよ。それっ」
「まぁ、前からオレ、お前みたいに体作りたいとか思ってたけど、それ以上にエロかった!」
「んなこと言ったらなぁ!あんただって・・・」

柚木は「んー」と考えて自分の体をTシャツの上から見るけれど気付いてふはっと笑うとスプーンで柿内を指す

「お前の場合はアレだ!性癖が特殊!折れそうな骨に興奮するとかー特殊!ふはっ!っつかオレ、折れねぇし!骨が当たって痛いのが好きとかMか!」
「っっ・・・」
「オレ、ゲイじゃねぇって思ってたけどなー・・・兄貴があんなんだしそういうので興奮できる素質満載とかだったんかなぁー・・・兄弟ってそんなところ似るんだなぁ」

ぐっと喉が鳴る
自分の体がどのように見えているのかだなんて理解できなかったけれどこんな体、他にもたくさんいるのではないか。部活で見る機会も多いのではないだろうかと悩む

「あ、お前アレだな?オレが他の男に目移りすんじゃーとか思ったな?!残念ながら今のところお前以外の男の体見ても全然興奮しないよ。但馬とかお前と背格好似てるけど全然だし?」
「・・・んなの・・・」
「っつか何?飯食ってんのにもう盛ってんの?ジャージにテント張ってんじゃん」
「だっ・・・はぁ・・・も、マジで限界超えてんだっつーの。触らせて。触って?」
「ヤダよ!飯食ってるもん!」

柚木を甘やかすのは自分。そして自分を甘やかしてくれるのは柚木だと言っていたから精一杯甘えた声で強請ったはずだったのにそう一蹴されてムードをぶち壊す柚木はまだ健在なのだと大きくため息を吐いた後諦めて雑炊をかきこんだ







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青春はプールの中で10-11 - 04/27 Thu

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柚木が合宿でいない間、柚木が戻るまでに色々カタをつけようといつも以上に真剣に取り組む柿内
それでも教授は柿内が完璧だと思って提出したレポートもいつも通り突っ返してきて頭をクシャクシャと掻き毟りながらも必死に1週間を耐え忍ぶ

「柿内、大丈夫?」
「あ?」
「や、なんか顔色悪い」
「ん、今日は帰る。絶対全部終わらせてあのクソジジイに文句も再提出もさせねぇ」

顔色が悪いと沙耶に指摘されたけれど、それは柿内もわかっていた
体が朝からいうことを利かない気がしたし、暑いのに冷房が寒くて体が重いのだ

「いや、っていうか教授今いないし。今日来るの?再提出言われないし無理言わないと思うけど・・・っつか、ちょっとごめん」

沙耶の手が柿内の額に触れて「熱っ!」と言われる

「熱あるよ?!しかもかなり高いでしょ!これっ!すぐ帰りなって」
「・・・クソ。今何時?」

時計を見上げると昼前で、今帰って寝れば柚木が戻るまでに回復するかもしれないとため息を吐くとパソコンを片手に立ち上がる

「帰る」
「うん。それがいい」
「あー、クソジジイが来たら柿内は死んだっつっとけ」
「おーう」
「やべぇ・・・気持ち悪」

フラフラと研究室を出て行く柿内を心配そうに見ながら沙耶は鍵を掴み立ち上がる

「それ、原付乗って帰るのムリ!とりあえず送ってく」
「いや、いい・・・帰れる。柚木さん帰って来るし」
「事故ったら困るだろ?柚木さんにも心配かけんだよ?!ありがたく送られろ」




結局、沙耶に送ってもらって良かったと思う程部屋へ戻ると調子が悪くなり、熱すぎる体に着ていたもの全て脱ぐ

「っ・・・暑い・・・気持ち悪・・・」

目を瞑ってもぐるぐる回る感覚に吐き気を感じる
冷蔵庫へ這って行きペットボトルを取るとそれを半分一気に嚥下する
またベッドへ戻ろうとするのに部屋までが遠すぎてフローリングに熱を移すように床にべったりと貼りつく

「気持ちいい」

そう呟いて柿内は意識を手放した





「ただいま・・・柿内ー?もういるのかー?」

合宿から戻った柚木が玄関に柿内の靴があるのを見て部屋の中へ呼び掛けるが返事もない

「帰ってきたー!もういるってことは期待しまくって早く帰ってきたんじゃねぇ・・・柿内!」

キッチンの床に下着1枚で倒れる柿内に慌てて駆け寄るとすぐに抱き上げて熱い体に柿内の不調を感じる

「柿内!柿内っ!しっかりしろって!大丈夫か?!柿内っ!!!」
「・・・柚木さん・・・」
「うん。柿内、どうした?」
「悪い・・・動けなかった・・・床、気持ちよくて」
「あぁ、熱あんだな?移動しよう。掴まれ」

柚木の肩に腕を回すとゆっくり体を起こされてソファへと移動する

「熱だけか?」
「気持ち悪りぃ」
「メシは?」
「・・・昨日・・・いや、一昨日食った気がする」
「っ・・・無茶な生活しすぎだろ!とりあえず寝てろ。ちょっと買い物してくる」

立ち上がった柚木の腕を掴む

「柚木さ・・・悪い・・・」
「あ?!」
「疲れてんのにっ」
「いいから寝てろ」

無理やり柿内をソファに沈めると足早に部屋を出て近くのコンビニでスポーツドリンクとエネルギーゼリーに自分の弁当も買い、すぐに部屋へ戻る

「柿内、体、ちょっと起こせ」
「ん・・・」
「スポドリ飲め。んで、ゼリー・・・ちょっとでも腹入れたほうがイイと思うから」

肩で息をする柿内の体をタオルで拭う

「あー、濡れタオルのがいいのか・・・柿内、それ、飲んでろよ?」

柚木が濡れタオルを持って戻ると柿内は買ってきた飲み物とゼリーを少し口にしてもう目を瞑っているところでそっと温かいタオルで汗の浮いた肌を拭う
兄の球のように盛り上がった筋肉はない細身の体に程よく綺麗についた筋肉。熱で少し紅潮した肌に汗が浮いて荒い寝息が情事を思い起こさせるようにエロティックに見える

「・・・あー、何考えてんだオレ」

柚木は小さく頭を振ると暑くて脱いだのだろうが何も着ていないのもどうかと思い、Tシャツを持ってきて着せようとする。しかし、意識のない人間に服を着せるのは思った以上に難しくて小さく唸った後、中途半端に着せたTシャツをどうしようか悩んで「まぁ、いいか」と放置した

「ユズ・・・ユズっ」
「どした?」

柿内がいるのに部屋でひとりコンビニの弁当を食べるのは寂しいと思っていると名前を呼ばれて振り返る
何度も何度も名前を呼ぶのにうわ言で呼んでいるだけで意識もない柿内の頭を優しく撫でる

「ここにいるから」

聞こえているかもわからないけれどそっと耳元でそう返す
調子が悪くて助けを求めるような声で自分を呼び求められることがこんなにも愛しく感じるだなんて初めて知った









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青春はプールの中で10-10 - 04/26 Wed

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名前を呼ばれて重い目を開ける

「・・・」

眠い。もっと眠っていたい

「柿内?起きた?」
「・・・っ?!」

柚木の声ではっきりと覚醒した柿内は柚木の顔を見上げて慌てて体を起こす
夢じゃなかった。頭を撫でてくれた手は本物だった

「時間大丈夫か?」
「あー・・・起きる」
「おう。んじゃ顔洗ってヒゲ剃ってこいよ」
「ん、そうする」

ぼーっとした頭でフラフラ洗面所に向かい顔を洗い、歯を磨いていると柚木が入って来て使うかと思って少し横へずれる

「おい」
「んー?」
「あー、悪い。風呂も入ってねぇから・・・臭うだろ」
「んー」

折角洗面台を譲ろうとしたのに後ろから抱きしめられて柚木の熱がジンジンと伝わってくる

「柚木さん、だから汗もかいてるし」
「柿内の匂い久し振りだなーって」
「うがいするから・・・離れろって」
「んー」

離れる気もなさそうだと思ってそのまま口をゆすいだ柿内を待っていた!とばかりに力強く押さえてキスする柚木

「?!」
「歯磨きしたからキスできるだろ?」
「っ・・・」

何度か貪るようにキスをすると快楽で頭が痺れだす
柚木の腰を抱き寄せてキス
舌を絡ませたキス
そして熱く滾った下肢を柚木へ押し付ける

「あー、クソ。ユズ、今日!今日の夜なんとかして早く帰ってくるからっ」

息も荒くし、興奮した様子の柿内に困ったように微笑む柚木
柿内がどうしたいかだなんて聞かなくたってわかる。出来ることならイエスと頷いてやりたい

「ユズ?」
「あー、んー・・・オレ、今日から合宿でなぁ?」
「は?!」

驚きを隠せない柿内の顔にまた困った顔で笑う

「マジで?」

こんなことで嘘なんかつかない。でも、ショックなのだろうと柿内の頭をポンと撫でて「お互い我慢だな?」と笑った

「違ぇ・・・悪い。あんた合宿なのにあんま寝てねぇんじゃね?」
「・・・え?」
「あー、スケジュール確認しとくんだった・・・大丈夫か?」

謝る柿内に目を丸くして首を振る

「なぁ、柿内ー」
「あ?」
「お前、オレを甘やかすだろ?」

何を今更?と思いながらも頷くとすぐにまたキスをされる

「なんでオレを甘やかすんだった?」
「いや、だってあんたは」
「お前にしか甘えられないって言うんだろ?じゃあ柿内は?」
「オレは」
「だから、柿内はオレが甘やかす。甘やかしたいって前から言ってなかったっけ?」
「柚木さん」

太陽のように笑った柚木にもう1度キスをする

「もう出る?」
「だなー・・・まぁ、来週の土曜には帰るから」
「・・・土日試合なんだろ?」
「土曜、試合終わったら帰ってくる。日曜は休み!」

ゴクリと生唾を飲み込む音が聞こえる
欲情した顔でそれを抑えようと必死な柿内の胸ぐらを掴むと引き寄せて顔を近づける

「オレのコト欲しいなら早めに帰れるようにキリつけて戻ってこい。どんなに忙しくても!」
「っ・・・上等」
「じゃあ、もう1回キスしたら家出よ。そしたらオレもお前も頑張れるよな?」

柿内は柚木を抱きしめながらキスを落とす
頑張れる。また休みまで頑張れる
唇を押し付け合うだけじゃ足りなくてお互いの唾液を奪い合うように貪るように唇を吸い合い、唇を静かに離すとお互いに顔を見合わせて甘い溜息を吐き出した

「勃った?」
「うっせ」
「いやー、安心しろ!オレもだしっ!でも、お預けだな!タイムリミットだ」

離れると急に熱が冷えていく
何もしてなくても暑いくらいなのに熱が冷えていく。柚木の体温が消えていく

「ゆ、ユズっ」
「んー?」
「勃ちすぎて痛い」
「んー、残念ながらマジで時間ない。なんとかしてやりたいけどさー」
「いや・・・っ・・・だからっ・・・」

柚木のTシャツを掴み「これ」と小さく呟いた柿内に吹き出し、昔を思い出す

「よし。んじゃ、やる!」

潔くTシャツを脱ぎ捨てるとすぐに畳まれてない洗濯物の山からTシャツを出して着た柚木はすぐに柿内に手を振る

「相変わらず変態だなぁ!でもこれだから浮気の心配しなくて済んでんだ!オレっ!」

明るい柚木が部屋を出て行くと溜息を吐き出して頭を振る
柚木の温もりがまだ残るTシャツを抱きしめると昂った雄をスラックスの上から握る

「ユズっ・・・っ・・・」

邪魔な洋服を下着ごと下ろし先走りで濡れる先端を擦る
本当は本物にもっと触れたい。でも時間も都合も許してくれなくて今はこんな代理ですませるしかないことが悔しい。同じ部屋で暮らしているのに思い通りにならない日常が苦しい。もっともっと柚木が欲しい。この手で抱きしめて柚木を感じたい

でも、今は・・・柚木を一瞬でも感じられたからこれでまた耐えられる。頑張れる・・・








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青春はプールの中で10-9 - 04/25 Tue

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夏休みに入っても柿内の言った通り、柿内とほとんど顔を合わせずに過ごす・・・
最近、夜中に寝に戻ってきているらしいのは判っていたけれど、柚木が寝た後のことで知らない内にまた出て行ってしまう

合宿の準備をしながら時計を見上げる。戻って来る日と戻ってこない日はバラバラだったし、今日起きていても柿内が戻って来るかも判らない・・・でも、昨日も一昨日も戻ってこなかったから今日は戻ってくるような気がする・・・
明日からは合宿が始まるのだから早めに寝たほうがいいと思いながらもゆっくり準備をしてゆっくり風呂へ入り、何気なく試合の録画を再生し始めた

カタン・・・

「・・・おう?」

部屋のドアが急に開いて歯ブラシを咥えたままの柚木が目を丸くしながら柿内を見つめる
クマは酷いし無精髭まで見える。比較的いつも小綺麗にしている柿内の見たことない姿
そしていきなり抱きしめられるとふはっと笑って柿内の背中をポンポンと叩く
待っていた。相手・・・会えるかもしれないと、今日会いたいと望んでいた相手・・・

「ちょっと待てってー」
「起きてた・・・すげ・・・顔見れた」
「んー、30秒待ってろって」
「?」

柚木は柿内から離れると洗面所へ向かい、口をすすいで戻ると柿内の体にジャンプしながら抱き付いて来た

「忙しそうだな?柿内ー」
「ん、やばい。腕ぶるってる」
「筋力落ちすぎか?」
「眠い・・・」
「・・・すぐ寝るか?」
「んーもう少しイイ・・・あんたの顔見てテンション上がってっから・・・っつかなんで起きてんだよ・・・寝てる時間じゃね?」
「お前帰って来るかもって」
「・・・あー、何これ。やっばい・・・疲れて勃ってんのかあんたが可愛すぎて勃ったのか判んね・・・」

柚木が声を上げて笑う
本当に疲れている様子の柿内に。そして久し振りに会えたことに

「ヌく?」
「・・・判んね・・・もー頭働かない」
「・・・んじゃソファ倒すからここで寝ろよ。撫でててやんよ」
「ん・・・イイの?あんたは?」
「んー、お前が寝たら少し寝る」
「じゃ・・・撫でて・・・ユズだ・・・ユズの匂い・・・あー、すげ・・・ユズ・・・ん・・・」

普段そんな甘え方しない柿内が甘えた声を出して胸がキュッと締まる
仕方ねぇなぁ。と声をあげるとソファに倒れこんだ柿内の頭をそっと撫でる
可愛い。愛しい。もっと触れたい。触れて欲しい
それでも今はこれくらいで我慢する。合宿へ行く前に柿内と会えたから満足しておく。疲れ切った顔でも柿内だから
ろくに話せなくても、触れ合う時間がなくても柿内の気持ちは受け取ったから

「やっべぇだろー?柿内・・・オレ、正直こんなお前にハマるとは思ってなかったんだぞ?」

自分を1番判ってくれる相手。理解し、柚木の好きな物、好きなコトを邪魔したりしない。応援してくれる理想的な相手。都合がイイ。そう言ってしまえば簡単だけれど、この感情は都合がイイというだけじゃ片付けられない。片付けられるわけがない
同性だという壁すらも簡単に乗り越えてしまうほどの友情、愛情。そんな簡単な言葉で片付けられはしない相手・・・お互いいなくてはならない相手・・・

「泳ぐよりも大事なもん、あるってお前が教えてくれたんだよ・・・判ってんの?柿内・・・オレを変えちゃってんだぞ?柿内ぃ・・・」

柿内に寄り添うようにしてソファに横になると柿内の体温を感じながら目を閉じた






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青春はプールの中で10-8 - 04/24 Mon

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柚木に心の準備だけしていろと言われてから頭の中は気付けばその事ばかりぐるぐると回っていた
大学は忙しいし、やることはたくさんあるのに1日1日とだんだん近付いて来る休みが怖いのに待ち遠しいような複雑な感情

別に抱かれたいわけじゃない

でも、柚木に愛されているという自信

柚木に愛されていると思うと一気に頭の中が柚木でいっぱいになってしまう
あの柚木が・・・皆に愛されている柚木がこの自分を・・・

少し仮眠を取りたくて人のいない部室へ来たのに漏れるのは甘い吐息ばかり。電話をして声を聞けば熱が芯を持つ・・・触れたい。触れてほしい・・・この欲求を早くなんとか収めねばと目を閉じるとドアの開く音がしてビクリと飛び上がるように体を起こす

「柿内ぃー、どうよー?最近ー」

まためんどくさい人が来た・・・と小さく舌打ちをすると頭を少しだけ下げて部屋を出ようとする

「よぉ?・・・って挨拶してんだけどー?」
「・・・っす」

自分と同じ考えで部室で仮眠を取ろうとしてこの部室を選ぶのは同じ部活なのだからあり得ない話でもない

「もうオレ出るんでどうぞ」
「いやぁ、丁度良かった」

腕を掴まれてそれを振り払うと部活の先輩である原口を睨む

「あらー、怖い顔ー!警戒してんのー?イイじゃん。どーせお前も疲れて下っ腹重かったりするんじゃないのー?寝るなら一緒に寝ればイイし」
「ヌくならどーぞ。オレ出るんで」
「まぁ、待て待てー。どーせなら柿内のヌいてやるってぇー」
「気持ち悪い」
「うっわー。傷付くー!とりあえず試しにしてみたらオレだってそんな悪くないってー。彼氏に操立ててんのは知ってるけど彼氏のこと知らないしもちろん他の奴にも内緒にするしー」

再び掴まれた腕を振り払い、原口の胸を押し避けると逃げるように部室から出る
静かに仮眠が取れる部室だったけれどまたこんな危険に晒されるかもしれないと考えたらもう使えない
柿内はため息を吐きながら仕方なく研究室へと足を向ける
沙耶との写真を撮られてから研究室で体を少しでも休ませるのはなにかとめんどくさかったし、部室もこんなんでは新しく少しでも体を休める場所を探さなくては・・・と思いながら



研究棟へ着いても研究室へ戻るのも微妙で自販機前のベンチに腰を下ろすと目を閉じる

「あれ?柿内ー?」
「・・・あ?」
「あんた部室で仮眠取って来るって言ってなかった?」
「・・・」

自販機でコーヒーのボタンを押しながら沙耶がさっき部屋を出て行った柿内に目を丸くする

「・・・身の危険を感じた」
「あー・・・あの先輩かー」

以前、先輩から尻を狙われているというネタでだいぶ揶揄ったけれど、今の様子では揶揄う気も起きず柿内の隣に腰を下ろす

「飲むー?」
「いや、もーコーヒー要らね」
「じゃ、研究室戻って少し寝たら?」
「・・・」

黙った柿内に例の写真を思い出して気を遣っているのだと苦笑する

「もー、マジでヤバイ。色々とやばい」
「んー?」
「・・・すげぇ眠いのに・・・寝れねぇ・・・柚木さんに会いてぇ」
「・・・」
「もうずっと会ってねぇ・・・一緒に暮らしてんのに何だよ・・・これ」
「煮詰まってやがんなぁ・・・っつか柿内、そんなんでよく柚木さんが留学してた時大丈夫だったよね?それに大学入る前は遠距離だったんでしょ?」
「それは一緒に住んでねぇし・・・柚木さんに会いたい・・・あー、クッソ、オレ何喋ってんのか判んねぇ」

普段ならこんなこと言わないのにやっぱり無意識に感情が溢れているのかと沙耶がクスクスと笑う

「土曜の夜帰っても試合だとか合宿でいねぇし・・・何週間あの人に触ってねぇんだよ・・・っつかマジで何これ。オレ、何喋ってんだ?っつかお前も聞くな。もう聞くな」
「少し寝ないとダメだな。そのうちあんたセックスセックス叫びだしそうだ」

柿内がため息を吐き出して頭を抱える

「私、さっき来たところだし、車、貸してあげようか?」
「あ?」
「まぁ、柿内には狭いかもしれないけど安全に寝られる場所じゃない?」
「・・・」
「鍵、これー」
「車・・・あー、クッソ。なんでオレ気付かなかったんだよ・・・原付で来たら夜中でも帰れるっつーのに・・・部屋で少しは寝れる・・・」
「・・・は?なにそれ・・・持ってたわけ?」
「ん・・・柚木さんの誕生日プレゼントっつか・・・一緒に使おうって買った」
「あーあー、なんだかごちそうさまですぅー」

「うるせぇ」と悪態を吐く柿内に静かに笑う
相当柚木に会いたくて寝不足で弱っている友人。普段、話す時には恋人の名前を言ったりしない柿内。いつだって「あの人」と言っていたのに何度も何度も柚木の名前を出していることに柿内自身はきっと気付いていないのだろう

「とりあえず、授業始まるまで少し寝たいから車・・・貸して」
「おーう!んじゃ礼は昼飯でいいよ!」
「・・・ふざけてろ」

手を振りながら去っていく柿内の背中を見ながら沙耶は「さーて頑張りますかぁー」と背伸びした








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青春はプールの中で10-7 - 04/23 Sun

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キッチンから全然出て来ない柿内を見ているとテレビでも見てろだとかこっち見るなだとか風呂へ入れだとかやたらと煩いから仕方なく風呂へ行って戻って来る

「休み・・・多分まとめてあるのは盆ぐらい・・・だぞ」
「ふーん」
「でも盆じゃ今からどっか宿取るのムリだしっ!あんた・・・実家帰らなくていいのかよ」

意外にも色々考えてくれていた柿内にあの態度はやっぱりいつもの照れ隠しなのだと小さく笑った柚木

「だから、日帰りでもいいんだっつーの」
「っ・・・じゃ・・・その・・・デート・・・しますか・・・」

照れながら言う柿内に吹き出して「する」と笑うと洗い物をしていた柿内の手を取ってソファへと移動する

「柿内もデートしたい?」
「っ・・・そういうわけじゃ・・・」
「素直じゃねぇなぁ?でもさー、風呂でも考えたけどオレ、どこ行きたいとか全然ないんだよな」
「・・・あぁ、っすね。どうせあんたが行きたいところっつったらプールしか浮かばないとは思ってた」
「なんていうかー、お前と学生時代過ごす想い出がプールだけじゃなー・・・とか思ったんだよ。プール以外の想い出が欲しいなぁーみたいな?」
「・・・よく判んねぇけど?」
「だからさー、お盆に外へ一歩も出ずここで乱れて爛れた生活するっつーのもある意味想い出になるなーとか今思いついた」
「・・・は?」
「お盆前に食材とか買い溜めしとくし、1日中ずっと一緒にいよう?服も着なくてイイくらい2人きりでずっと過ごす」
「・・・っ・・・」

柿内が顔を赤くして固まったのを見てニヤニヤと笑った柚木が「エロいこと想像した?」と囁く

「あんたがっ!!!」
「で、イエスかノーか!」
「・・・その決定権オレにないっつーかもうあんたの中で決まってんだよなぁ?」

そう。柚木が言い出したことなのだからもうきっと決定なのだ

「よーしっ!んじゃー、お前は心の準備しとけよー?」
「・・・は?」

心の準備・・・裸で1日過ごすことに心の準備が必要だったか、それとも、柚木の体力についていくための覚悟をしておけということかと柚木を見つめる

「お前の純潔、前も後ろも全部オレが貰う」
「!」
「休み中ゆっくり時間かけてやるから。体の準備は要らない。自己開発なんてしなくてイイ。全部全部オレに寄越せ・・・心の準備だけでイイ」

恥ずかしいセリフが柚木の口からサラッと流れる
でも、それでいてクサく思えなかったのは、それどころか胸がキュッと締め付けられるようにときめいてしまったのはそれが柚木だから
抱かれてもイイ。そう思わされるほどにカッコイイ男だから

可愛かったりカッコよかったり・・・でも、それが柚木 流という男だから

「判ったか?」
「・・・った・・・」
「あ、もし直前でやっぱりすげぇ嫌だったりしたら無理にっつーわけじゃないから」
「・・・」
「なんつーか、実際、オレは悦くなれたの意外だったっつーか・・・驚いたっつーか・・・だから、別にお前が嫌ならオレ・・・下ばっかでもイイし・・・」
「っ・・・バーカ」

嫌なわけがない
同じ男・・・柚木が心を決めてくれたのだし、柚木がもっと自分を求めてくれるのが判るから・・・戸惑いはあるけれど、緊張もするけれど柚木を拒むなんてできない・・・

「使い方忘れてなきゃいいけどなぁ?」
「あぁ、それはあり得る」
「あり得るのかよ!」
「オレのケツが寂しくなりすぎて達けなくなると困るからおもちゃでも注文しておく?あ、球に昔貰った奴まだあったなぁ・・・多分」
「っ・・・エロすぎるだろ・・・それ」

どんどん色気が増していく年上の恋人に柿内は顔を赤くしながら頭を抱えた







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青春はプールの中で10-6 - 04/22 Sat

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夕食が終わり、沙耶が帰ってからも柿内はまだ料理を続けていた

「柿内ー」
「なんだよ。今、メシ作ってんだけど!主にあんたのっ!」
「お前さー、今いくらあるー?」
「はぁ?なんだよ・・・金余ってたら肉買って来いとか言いてぇわけ?っつかもう少し待ってろっつーの。そしたら全部終わるし」
「夏休み入ったらどっか行かねぇ?行く金あるー?や、もちろんオレも金出すけどお前の分まではどうにもならないかもしれない」

柿内が手を止めてキッチンから柚木を見る
本気で言っているのか?部活が忙しい季節に旅行だなんて。と・・・同時に、本気ならば今すぐ小躍りしそうなくらい嬉しくて・・・
どこかへ行けるということがじゃない。泳ぐことが1番の柚木が自分とどこかへ行く時間を作りたいと思ってくれたことが

「いいけど・・・オレら、多分夏休みらしい夏休みねぇぞ・・・」
「あぁ、そっか・・・夏休みも忙しいのか」
「ん・・・悪いけど・・・」
「あーいや、別にどこでもイイ。日帰りでもイイからさー、どっかお前と行きたい。ちゃんとデートしたい」
「っ・・・あんたマジでどうしちゃったわけ?」

どうしたかと問われても自分では変わらないつもりだった
ただ、会えない時間は色々考えさせられる時間で。恋人だけれど恋人らしいことといえば体の関係だけで。これは将来想い出に残らないのではと思うと何かしたくて。記憶に残るものを作りたくて
現役を引退したら時間ができてあちこち行ったりもできるかもしれないけれど、学生時代の柿内との想い出がプールばかりなのもどうかと思ってのこと

「んー、なんか!どっか行きたい!柿内とー!」
「あー、まぁ、判った」
「あと!最近お前の顔見るとムラムラする!」

カシャンとキッチンから音がする。柿内が何かを落としたのだろうと察したけれどパクパク口を金魚のように開いて赤い顔でこちらを見る柿内

「な、何?」
「だからぁー・・・んー、最初はお前の最初貰うんだからオレの最初だけやろうと思ってたけどやっぱお前の全部欲しい。みたいな?」
「そ、れ・・・あんたがその・・・オレをその」
「あー、まぁ、絶対じゃないけどーっつかお前の気持ち良さそうな顔もっと見たい!的な」
「・・・や・・・あー、んー。まぁ、あんたがそう言うなら別に。オレは・・・でも・・・あー」

柚木は困った顔をしている柿内にキッチンまで行って後ろから抱きしめる

「ちょ」
「柿内ー」
「な、んだよ!」
「想像した?」
「あぁ?!」
「オレのお前にぶち込んでるところ」
「っ!!!あ、あんたみたいにオレはっ」

柿内の首筋にキスをすると腰に回した手に力を入れながら「柿内は可愛いよ」と囁く
首まで赤くした柿内が本当に可愛く見えて背中に耳を付けると早鐘のように打つ心臓の音が愛しくて
自分よりもずっと大きくて骨ばっていてどこからどうみても男の体で、男の顔で。でも愛しくて可愛くて仕方なく見えてしまう
不器用で、でも優しくて。冷たくて、でも温かくて

「今すぐじゃないし・・・絶対じゃないんだって・・・ヤダ?」
「ヤ・・・じゃねぇから悩む・・・」
「お?」
「あー・・・はぁ・・・とりあえず、離して?まだ途中」

柚木はパッと両手を離すと柿内の手元を覗いてから柿内を見上げる
何とも言えない顔をしながら頬を赤くしてトントンとまた規則正しい包丁の音を立て始めた柿内にニッと口角を上げて笑う柚木

「心の準備?っつーのは必要だよなぁ・・・あ、あとケツの準備も必要だぞ」
「黙れ!」
「いやぁー、懐かしいなぁ。オレはお前とするために自己開発欠かさなかったもんなぁ・・・あんな場所、ホント悦くなれるんかー?って疑ったオレの日々ー!なんかすげぇ昔な気がしてきた・・・可愛かったよな・・・オレもきっと。何も知らないオレの蕾をすこーしずつすこーーーしずつ開発してってさー」
「だから黙って座ってろ!」
「いや、待てって!礼いうべきだよなぁ?オレの努力の甲斐あって柿内もスムーズに童貞卒っん・・・?」
「黙って食ってろ」
「この照れ屋め!」

口の中に生のニンジンを突っ込まれてニンジンを咥えたままソファへと移動しカリカリとそれを咀嚼する
柿内もどこかへ行くことに対しては同意したのだからどこへ行こうかと携帯を片手に適当に日帰りで行けそうな場所を検索し始める
海も山もいいけれど、行って何をするかと考えるとそれは判らなくて「うーん」と唸った













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青春はプールの中で10-5 - 04/21 Fri

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デートとは言ったけれど特別どこかへ寄ることもなくただ、スーパーで見る食材に「これ食べたい」「あれ作って」と言う柚木の言葉に呆れたように「はいはい」とカゴへと入れて行く柿内はいつものことでデートってなんだったかと彼女がいた中学、高校の頃を回想する
大抵は彼女から「買い物行きたい」だとか「見たい映画がある」「新しくできたケーキ屋さん行ってみたい」と誘われるがままついて行き精一杯のエスコートをしてきた。けれど、自分からデートしようとなると何をすればイイのかよく判らなかった
柿内は柚木がどれだけトレーニングを優先しても何も言わない。だから柚木もただ走って、泳いで筋トレして・・・そればかりで世の中の「普通のお付き合い」が判らない


「あ・・・」

帰り道、隣を歩く柿内の口から何かに気付いたような声が漏れて柚木は顔を上げて柿内を見上げた後、柿内が見る方向へと視線を移した

「あ、沙耶ちゃん!」

柚木が名前を呼ぶと顔を上げた沙耶が曇った顔をすぐに笑顔へ変えて手を振り、2人の元へと駆けてきた

「こんにちは!柚木さん!お久しぶりですね」
「元気してた?いや、ちょっと痩せた?やつれた?って感じだけど」

沙耶は笑って柿内を指さしながら「こいつと同じっしょ」と笑った
考えてみたら、大学が忙しくてなかなか帰っても来ない柿内と同じゼミなのだから沙耶も同じ状態で頑張っているのだろう

「何してんのー?こんなところでー」
「うん。ちょっとー」

笑顔の沙耶だったけれど、いつもとは違う様子に柚木は少し考えて口を開いた

「なぁ、今日多分これから柿内がオレのメシのストックとか大量に作ると思うんだよなぁ・・・んで、柿内がメシ作ってる間、オレは暇だから沙耶ちゃん暇なら家来ねぇ?」
「え?」
「ちょ・・・」
「オレさー、なんか甘いもの食いたいんだけどこいつとケーキ買って帰ってもオレばっかりテンション上げてなんか微妙だなぁ・・・みたいな」
「あは!じゃあじゃあー!!!一緒にケーキ食べちゃいますか!私も今甘い物超食べたいしっ!」

勝手に今日の予定を決めてしまった柚木にため息をひとつだけ吐く。そして困ったように笑いながら柚木を見つめると「夕飯も食っていけばいい」と沙耶に告げたのだった







部屋に戻ってケーキの箱を開くと柿内が2人にコーヒーを淹れてくれて早速食べ始める

「美味しいーーーーっ!」
「あー、マジ美味い!なぁ!柿内!柿内も食う?ひとくちならやる!」
「要らねぇし」

キッチンで保存食を作り始めていた柿内がそう一蹴するけれど柚木は何も気にせず目の前のケーキをどんどんと小さくしていく

「・・・どした?」

途中、手が止まった沙耶を見て柚木も手を止めて心配そうに沙耶を見つめる

「ううん・・・」
「・・・嫌なこととかさー、腹に溜め込んでると腹膨れちゃって美味い物も入っていかないっつーもんだよ。悪いもん食ったときと同じようにそれ、吐き出しちまったら?」
「っ・・・」

柚木の言葉に沙耶は苦笑し「さすがだなぁ」と呟きながらフォークを置く

「今日・・・デートだったんですよね・・・私」
「?」

デートと言ってもさっき沙耶の傍には誰もいなかったはずで、沙耶を見かけた時に暗い印象を受けたのはその約束がキャンセルだったからかと柚木はひとつ頷いた

「で・・・フラれちゃいましたよ・・・私」
「え?」
「だから・・・ちょーっと柚木さんと柿内見てたら辛くなっちゃって」
「あ・・・」
「や!違う!違うよ?!別に嫌じゃないって!ただ・・・なんか・・・さぁ・・・」

柚木がそっと沙耶の肩に手を置くとぽんぽんと肩を叩く
そしてテーブルに突然ポテトチップスの山がドンと乗る

「?!」
「・・・それ、例の写真のせいか?」
「・・・ハハ・・・それも・・・ある・・・かなぁ・・・いや、それよりもやっぱりさー、忙しすぎるよねぇ」
「写真?」

聞き返してきた柚木にバツの悪そうな顔をした柿内が携帯を出すと1枚の写真を見せる

「・・・?」

柿内と沙耶が研究室だと思われる場所で倒れるように寝ている姿

「誤解すんなよ?でも、これ、SNSに載せたやつがいてさ・・・」
「うちのゼミのバカップルとか載せられちゃったよねぇ。みんな面白がって拡散するし」
「勝手に載せられてこっちは迷惑してる」
「・・・あぁ、そっか・・・勘違い・・・するかぁ」

柚木は写真を見て、柿内の言う「誤解」の意味をやっと察して目を細める

「まぁ、私が柿内とどうにかなるなんて有り得ないっていうか・・・ごめんなさい。無理!って感じだけど」
「てめぇ・・・」
「信じてもらえないんだなぁ・・・ってがっかり・・・なのに柚木さん疑うも何も誤解する意味すら分かってなかったくらいで・・・柿内!お前、ズルい!」
「うっせぇ!イモも食ってケーキも食ってぶくぶく太れっ!」

柿内の不器用な優しさに目を細めるとポテトチップスを1枚掴んで口へと運ぶ

「彼氏も勿体ねぇことするよなぁ?」
「ふふ・・・ですよねぇ?」
「うんー。沙耶ちゃん、こんなイイ子なのになぁ?」
「柚木さんーーーっ・・・なんであいつと付き合ってるのぉぉー!こんな優しい彼氏私も欲しいーーっ!」

柚木は笑ってまた沙耶の肩をポンポンと優しく叩いた



柿内が出すお菓子と買ってきたケーキでだんだんといつもの調子を取り戻した沙耶に柚木はホッとし、柿内は料理に集中する。なかなか作る時間も取れないけれど、柚木が恋しく思ってくれるならば時間のある時に作り溜めしておきたい

「柚木さんー」
「うんー?」
「柿内、全然帰って来ないっしょー」
「だーなぁ・・・忙しそうだけど、沙耶ちゃんは平気?」

沙耶は笑って首を振る

「確かに、他のゼミだとこんなに学校残ったりしてない所もあるんだけど、私よりも柿内は特別ですねぇ・・・私、柿内みたいにそこまで徹夜続きじゃないしー。まぁ、学校に遅くまで残ったりはしてるけどさぁ」
「・・・?」
「柿内、教授にすごい気に入られてるんだよなぁ」
「へぇ?」

高校時代、教員に気に入られるというイメージがなかった柿内だったけれど、大学という場所が変われば態度も変わったのかと知らない柿内を想像し、教授に悪態を吐いていない柿内を頭の中で動かし、違和感だらけなのに笑った

「あ、アレだよ?超口悪いし、悪態吐きまくってるよ?」
「あぁ、だよな?それでも気に入られてるんだ?」
「そうそう。柿内、教授にさー、無理難題言われても悪態吐きながらこなして提出しちゃうの。で、文句つけられて再提出何回もさせられてんのにへこたれないってすごいっしょ?」
「・・・まぁ、こいつ、意外と真面目だしなぁ・・・あと、意外とやるときはやる男」
「惚気られたぁー!」
「いや、だってさ?高校んとき、勉強マジでできなくてオレが教えてたくらいなのに今じゃオレよりも偏差値高いような大学行ってるってさー」

柚木の言葉に「あぁ」と頷き、以前柿内から今の大学へは柚木を追いかけてきた。という言葉を思い出す。無謀だと皆に言われたけれど、それでも目標をきっちりこなしたのだ

「じゃあ、柿内の原動力は全部柚木さんかぁ・・・」
「んー?大学入る時はそうだったかもしれないけど、大学での勉強は違うんじゃないかなぁ・・・」
「・・・そうかなぁ?」

柚木が柿内を見る目が優しくて沙耶はそっと目を伏せ、微笑んだ





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