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青春はプールの中で13-16 - 05/20 Sun

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
柿内がバスルームを出ると騒がしい声は聞こえなくてその代わり、キッチンから水の音が響いていた

「・・・」

少し覗くと柚木がひとりキッチンで洗い物をしていて「帰ったのか」と尋ねた

「あぁ、帰った。うるさいだろ?あいつら。でも、イイ子たちなんだ。男運はねぇけど」

小さく笑った柚木に耳の後ろを掻きながら「ゲイ友」と呟く

「ん?」
「や、なんでもねぇ」
「まだ寝ないなら話すけど」
「・・・ん、じゃあ手伝う」
「いや、もう終わるし、ソファー座ってろよ」
「ん・・・」

気にならないわけがない。元恋人というのを差し置いても親友なのだ

柿内はソファーに腰を下ろすと肩に掛けたタオルでガシガシ髪を拭く

空白の期間があったのだから知らない柚木がいるのも当然だと判っている。同じように栗山と付き合っていた自分を、働いていた環境も柚木は知らないのだから

「よし。終わった!ほら、水分取れよ」
「あぁ、ありがと」

グラスに入ったお茶を受け取るとすぐに柚木もソファーへと座り、天井を見上げる

「なんつーかなー・・・どっから話せばイイんだろうなぁ・・・お前と別れて・・・っつかオレがお前を拒絶してから女の子と付き合ったりしたわけだ」

それは想定内。そもそも、柚木が澤口と浮気したのだ。柚木のことだから『浮気』ではなく『乗り換え』だと思っていた

「でもなー、誰とも長続きしなかったっつか、なんかこう、しっくり?来なかったって言うから・・・まぁ、最低だろ?」

自嘲する柚木に小さく首を振る

柿内と付き合う前の柚木は相手を傷付けないために来るもの拒まず、去る者追わず。だったことは聞いていたし、きっと彼女らも柚木に表面だけ惚れていたんだと思った。いや、思い込みたかった。柚木は未だに柿内の中でそうなりたい相手だったし、これ以上ない程の男だと思っているから

「で、まぁ、オレさー、考えが短絡的っつか、何だろ・・・女じゃダメなんじゃないかって思ってさ、ほら、お前とは・・・オレがぶち壊すまで上手く行ってたじゃん?だから・・・まぁ、こう出逢い?を求めるかーって。ネットっつーのも手だったけど実際怖くてさ、瑞樹頼ったんだ」

多分、あの時の柚木の状態を1番適切に表現する言葉は『自暴自棄』柚木もそれは判っていたけれど、その言葉は柿内を傷付けそうで使わない

「但馬に出逢う前、あいつあちこちで男漁りみたいなことしてたからさ、どこが安全かとか判ってるから」
「あぁ」
「で、まぁ、そっちの飲み屋に出入りしてたわけだ」
「出逢いを求めて?」
「おう。出逢いを求めて」

そして柚木は苦笑し、首を振る

「でもな、オレモテねぇの!笑えるくらい!まぁ、鶏ガラみたいとか散々言われてたけど・・・んで、出逢い求めて行ってたハズなのに行く度に愚痴とか相談とか聞いてたらオレ、その店の相談係みたいになっちゃってさ」
「フハッ」

その姿がしっかり想像できてしまって、あまりにもハマり役だと感じ、吹き出す柿内

「んで、そん中でも光多と統一に懐かれて今に至る。っていうな」
「で、収穫は?」
「聞くなよ」
「そうか・・・でも友達じゃなくてゲイ友?」
「そこら辺の線引き判んねぇよ!でも、実際、オレは男と付き合おうと思って通ってたわけだし、あいつらはまぁ、そっちだし」

柿内は小さく頷いて「そっか」と再び納得したように呟く

「っつかさ!お前なんでそんなに男にモテんだよ!」
「知るか!別に嬉しくねぇし!」
「オレは少し羨ましい」
「っ・・・」

羨ましい。ということは、同性にモテたいということで、それに対して何も言えなくなる。柚木が女と付き合うのは想像してきたし、当然だと思っていた。でも、柚木のこれからの相手が自分と同じ男かもしれない、それが濃厚だと思うと心が痛む。柚木に男相手なら。と思わせたのはきっと自分だから

自分と付き合わなきゃ何度彼女とダメになったって同性と付き合おうなんて考えなかっただろう。1度でも許した同性との関係があるから生まれただろう考え

「さーて。オレもシャワー浴びて寝るかな」
「おう」
「あいつらが突然押しかけてきたからの打ち明け話みたいになったけどさ、話せてよかった」
「ん」
「じゃあ、おやすみ」
「おやすみ」

笑った柚木に片手を挙げて見送る。柚木の幸せを望む。でも、それは一般的に「普通」の恋愛を経て、家族を持つというもの。前からずっと考えていた柚木の未来とは違うもの







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