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青春はプールの中で13-23 - 05/27 Sun

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
目を覚ますと明るくなった部屋に朝が来たのだと理解する
体を起こすとギシギシと痛むような体に小さく呻き声を上げた

「痛っ・・・」

普段使わない筋肉の痛み

体を動かしている方である柚木だったけれど昨日のそれはどうにも久し振りなことで普段使わない筋肉を使うのだと理解せざるを得なかった

だが、そんなことよりも

夢じゃなかった

でも幻影だと思われていた時の方が幸せだったかもしれない

後悔ばかりで現実が怖い

リビングに向かうと掃除され、整頓された部屋

「・・・?」

畳まれた洗濯物、机の上に並んだ好物ばかりの料理

でも、肝心の柿内の姿はどこにもなくて柚木は柿内の部屋をノックし、ドアを開く

「・・・いない」

もう戻らないんじゃないか。そう不安になったけれど部屋の荷物はいつの間にか段ボール箱が消えていたし、出て行く雰囲気でもないことを確認する

柚木はリビングに戻ってテーブルに乗った料理をつまんで口へ運んだ

柿内の料理

柚木が好きな味

柿内が自分のために作ったもの

柿内が自分のために料理の腕を上げたという経緯まで理解しているからこそ柿内の料理は柚木にとって特別なものだった

柿内も後悔しているのだと思うと心苦しい。柿内のせいじゃない。煽ったのは自分。そしていつも自分たちには言葉が足りない

恋人の時も今も

お互い考えすぎていて爆発するまで本音を隠してしまう
お互いがお互いを理解し合っているようでそうじゃない。気を遣っているわけじゃないのに感情が邪魔をして考えすぎてしまう
柿内が苦しまないように
柚木が悩まないように
2人ともそう考えるあまり、自分の考えを素直にすぐ打ち明けられない。正直な自分でいられるのに。一緒にいると1番心が休まるのに

特別であるが故に特別な場所を失いたくなくて言えないことがたくさんある

「話したい・・・柿内」

冷めた料理を口へ運びながらそう呟く

素直になるのは照れくさい。幻滅されそうで怖い。本音を言わなくても楽しいのに本音を言う必要があるのか判らない

本当の自分でいられるだけで、受け入れられていることが幸せで・・・そうだった。柿内は本当はワガママで意地っ張りで強がりで甘ったれな自分を受け入れてくれた。それが理想と違うから受け入れてくれない?何故そんなこと思ったのだろう。思えたのだろう

柿内が部屋探しをすると言った時、正直に引き止めた自分だって柿内は優しく受け入れてくれたのだ。もし、今更だとしても、裏切った自分だとしても好きだといえば付き合う、付き合わないは問題じゃない。受け入れてくれるに決まっている

「・・・戻ってこいよ。柿内ー。流石に食い切れねぇよぉ」

柚木はそうボヤいて手にしたフォークでハンバーグを突き刺した







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長かったり短かったりホントに安定しないなぁーーーーー

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