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青春はプールの中で13-25 - 05/29 Tue

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
近田の最寄駅で降りたところで男の姿が見えなくなる。自分たちを見失ったのか、または諦めたのかと思ってホッとしつつ、それでも今から部屋へ初めて上がってくれる柿内に舞い上がっている近田

初めて上がってくれるだけじゃない。さっき告白したばかりなのだ。そんなの期待するに決まっている

「・・・あの男、お前の部屋まで尾けてきたことあんのか?」
「え?いや、1人のときはできるだけ遠回りしたり寄り道してるから・・・途中で撒いてると思う」
「・・・」

悪い予感がする。ここまで執拗に追いかけてきたのに最寄駅であっさり尾けるのをやめたのは理由があるんじゃないかと思ってしまう

「柿内くん?」
「あー?」
「部屋、通り過ぎちゃう」
「あぁ、そうだった」

周りを気にしすぎていて通り過ぎるところだったのを近田に止められてハッとし、普段登ることのなかったアパートの階段を上がる

「柿内くん来るならもっと掃除しとけばよかったなぁ」

そう言いながら鍵を開けて部屋に入るとすぐに襲って来る影にずっと警戒していた柿内が反応して近田を庇いながら相手に体重を掛けて押し倒す

「クソ!光多!なんでだよ!なんでオレのこと好きなのにこいつなんかと!」
「っ!?なんで?!なんでっ!」
「近田!警察っ!早くっ!」

血走った目が男が正気じゃない証拠な気がして柿内はもがく男を必死に捕まえる

「ひと目合った瞬間からオレたち恋に落ちてただろ?!なぁ!光多!運命だったろ!オレを追いかけて同じビル内の会社に入ったのだって運命だったろ!」
「光多!早くっ!」
「もしもしっ!部屋に帰ったら知らない男が部屋にいてっ!」
「知らない?!知ってるだろ!オレはお前の恋人だろ!!!!」

元々力はそうある方じゃない柿内が跳ね除けられる

それでも近田に近寄らせないように足を掴むと転んだ男より早く体を起こし、近田をトイレへと押し込める

「え!ヤダ!柿内くん?!」
「鍵かけろ」
「ヤダ!」
「警察来るまでそこにいろ!言うこと聞け!」
「柿内くん!怖いっ!ヤダ!!!」
「狙いはお前なんだ!お前が入ってりゃ問題ねぇ!!!オレは関係ねぇ人間なんだからっ!」

男が近付いてくる。転倒した時に顔を床にぶつけたせいか鼻から血を流しながら近寄って来る

「なぁ、あんた金持ちなのか?金の力で光多を?頼むから邪魔しないでくれよ。オレと光多はあんたよりも強い力で結ばれてるんだ」
「自分より格下相手にしか強く出れねぇとか弱ぇなお前」
「何だと?」
「イケメンには敵わねぇって避けてたのになぁ?オレが出てきて残念だ」
「残念なのはお前の顔だろ!!!」

襲ってきた男を足で止めながら男の手に光るものが見えて青褪める

守ってやろうだなんてヒーロー願望なんて持たない方がいい。弱いくせに怖がる柚木の友人を助けてやろうだなんて考えなきゃよかった

鋭い痛みを手首に感じて舌打ちをする

叫びたい。痛いと声に出したい。でも、薄い扉の向こうにいる近田が心配して鍵を開けて出てきてしまっては意味がない

「光多ー!教えてくれよ!オレはお前をこんなに愛してるのにどうして拒絶するんだー!」
「臆病者は嫌いだってさ」

また鋭い痛みを腕に感じる。でもそのまま話し続ける。近田に気付かれないように。心配させないように。いつもの調子を変えないように

柚木だったらもっと強くて簡単に倒せたかもしれないのに。あの時、柚木よりもはるかに大きな相手2人を素早く倒したのを思い出すと自分の非力さを改めて感じてしまう。柚木が強すぎる。それだけじゃない・・・自分が非力なのだ。人を守るヒーローなんかに自分はなれない。柚木とは違うのだ

「光多ー!あの時言ったろー?真面目で優しい人が好きって!だからオレは真面目に働いて光多が友達といるときはできるだけ邪魔しないように遠くで見守ってきたのに」
「残念ながら光多はオレが好きだってよ」

男の目の色が変わり、柿内を見据えて刃物を大きく振りかぶる

ドンドン

「警察です!通報を受けました!大丈夫ですか?!」

玄関のドアの向こうで声が聞こえて近田はスッと息を吸い込むと「助けて!!!!!」と大声で叫び、同時に警察が踏み込んで来てすぐ男は取り押さえられ、柿内も深く息を吐き出した






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アハハー!ストーカーに刺されるネタ何度やりゃ気が済むの私www
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