青春はプールの中で13-26 - 05/30 Wed
ストーカーが拘束され、やっとトイレから出ていい許可を受けた近田は半狂乱になりながら柿内の血だらけの腕を見ると慌てて洗面所からタオルを出してきてぐるぐると巻きつけると促されるように病院へと付き添った
「泣くなよ」
「バカ!バカ!!!」
「お前刺されなくてよかったじゃねぇか」
「良くない!バカ!柿内くんは大丈夫とか言って何なの!」
病院へ向かう間ずっと泣きながらバカバカ言ってくる近田に溜め息を吐く
きっと栗山も同じ反応だっただろうな。と思いながら
「どうしてオレなんか・・・放っておけばよかったのに」
病院の待合室でそう近田が尋ねる
もしかして、柿内も自分のことが好きで守ってくれたのではないかと期待して。好きだと言って部屋に来てくれたのだから、怪我をしてまで守ってくれたのだからきっとそうだと確信して
「・・・何でだろうな」
それは思っていた、期待していた言葉とは全く違うもの
「好きだから」そう言ってくれると思ったのに全く違う言葉。予想していなかった言葉
でも、実際に柿内としてはどうしてなのか説明が上手くできなかった
柚木みたいになりたかった。頼られていい気分になったのは事実。だから柚木のように他人の問題をサラッと解決して軽快に笑って見せたかった
「何それ」
「・・・オレの大事な・・・大事だった奴に似てたからかもな」
「・・・」
「そいつにはフラれたけど」
それだけ?自分には何も感情はなかったのか?!その人にはフラれたけれど自分への感情は?!
問い質そうとしたけれど処置室から呼ばれて柿内が席を立つ
大事な人・・・柚木と自分は全く似ていないからまた別の誰かのことなのか。でも、大事な人に似ているのならば自分にもまだ望みはあるのではないか
近田は立ち上がると電話を掛ける。親友の安田に報告と迎えに来て欲しい旨を伝える為に
「流ちゃーん!だからさぁ!出掛けようよぉー!時間は取り戻せねぇよ?明日は今日より1う年取るんだよ?」
「出掛けるなら1人で行けよ」
「オレがここにいるってことは判る?光多は柿内さんと一緒ー!」
それでも出掛ける気になんてなれない。部屋に戻って来てすぐに自室に籠る柿内が柚木を避けているのは嫌でも判った。でも、今日こそ話ができるんじゃないか。そう期待してあれから毎日この部屋で柿内を待ち続けている
「じゃあ柿内さんと光多が寝ちゃったらオレと出掛けてくれるー?」
「あいつはそんなことしねぇよ」
「なーんでそんなこと言えるんだよ!溜まってたら誰でもいい時あんじゃーん!流ちゃんだってあるっしょー?!」
「ない」
「流ちゃんつれないなー」
安田が口を尖らせたのを笑いながら柚木はポテトスナックを口へ頬張る
「あ、待って。オレの携帯が呼んでる。オレ、モテるからお誘いじゃない?」
ポケットの中で震える携帯を取り出した安田が「あー、なんだー光多だー」と言いながら電話に出る
「おー、何ー?暇なったから呼んだー?そろそろ出逢い探しに行くかー?」
『あいつ、捕まった』
「・・・それってまさか」
『それで、柿内くん刺された』
「は?!」
『今、病院。迎え来て。一緒にいて』
「何!それどういう状況?!」
『もー今夜はとことん付き合ってもらう!』
「や、光多!そうじゃなくって!!!」
突然電話口で聞かされたことは驚くことばかりで頭が付いていかない。言いたいことだけ言って切った近田に溜め息を吐きながら顔を上げると「ん?」という顔をした柚木にどこから、いや、何をどう話せばいいのか判らなくなって再び大きな溜め息を吐いた

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「泣くなよ」
「バカ!バカ!!!」
「お前刺されなくてよかったじゃねぇか」
「良くない!バカ!柿内くんは大丈夫とか言って何なの!」
病院へ向かう間ずっと泣きながらバカバカ言ってくる近田に溜め息を吐く
きっと栗山も同じ反応だっただろうな。と思いながら
「どうしてオレなんか・・・放っておけばよかったのに」
病院の待合室でそう近田が尋ねる
もしかして、柿内も自分のことが好きで守ってくれたのではないかと期待して。好きだと言って部屋に来てくれたのだから、怪我をしてまで守ってくれたのだからきっとそうだと確信して
「・・・何でだろうな」
それは思っていた、期待していた言葉とは全く違うもの
「好きだから」そう言ってくれると思ったのに全く違う言葉。予想していなかった言葉
でも、実際に柿内としてはどうしてなのか説明が上手くできなかった
柚木みたいになりたかった。頼られていい気分になったのは事実。だから柚木のように他人の問題をサラッと解決して軽快に笑って見せたかった
「何それ」
「・・・オレの大事な・・・大事だった奴に似てたからかもな」
「・・・」
「そいつにはフラれたけど」
それだけ?自分には何も感情はなかったのか?!その人にはフラれたけれど自分への感情は?!
問い質そうとしたけれど処置室から呼ばれて柿内が席を立つ
大事な人・・・柚木と自分は全く似ていないからまた別の誰かのことなのか。でも、大事な人に似ているのならば自分にもまだ望みはあるのではないか
近田は立ち上がると電話を掛ける。親友の安田に報告と迎えに来て欲しい旨を伝える為に
「流ちゃーん!だからさぁ!出掛けようよぉー!時間は取り戻せねぇよ?明日は今日より1う年取るんだよ?」
「出掛けるなら1人で行けよ」
「オレがここにいるってことは判る?光多は柿内さんと一緒ー!」
それでも出掛ける気になんてなれない。部屋に戻って来てすぐに自室に籠る柿内が柚木を避けているのは嫌でも判った。でも、今日こそ話ができるんじゃないか。そう期待してあれから毎日この部屋で柿内を待ち続けている
「じゃあ柿内さんと光多が寝ちゃったらオレと出掛けてくれるー?」
「あいつはそんなことしねぇよ」
「なーんでそんなこと言えるんだよ!溜まってたら誰でもいい時あんじゃーん!流ちゃんだってあるっしょー?!」
「ない」
「流ちゃんつれないなー」
安田が口を尖らせたのを笑いながら柚木はポテトスナックを口へ頬張る
「あ、待って。オレの携帯が呼んでる。オレ、モテるからお誘いじゃない?」
ポケットの中で震える携帯を取り出した安田が「あー、なんだー光多だー」と言いながら電話に出る
「おー、何ー?暇なったから呼んだー?そろそろ出逢い探しに行くかー?」
『あいつ、捕まった』
「・・・それってまさか」
『それで、柿内くん刺された』
「は?!」
『今、病院。迎え来て。一緒にいて』
「何!それどういう状況?!」
『もー今夜はとことん付き合ってもらう!』
「や、光多!そうじゃなくって!!!」
突然電話口で聞かされたことは驚くことばかりで頭が付いていかない。言いたいことだけ言って切った近田に溜め息を吐きながら顔を上げると「ん?」という顔をした柚木にどこから、いや、何をどう話せばいいのか判らなくなって再び大きな溜め息を吐いた

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近田は少し派手な感じだと思うのよね。そこら辺が栗山と被るわけです
服はブランド品。そんなイメージ。柿内や柚木みたいにそれなりに着られればイイってのとはちょっと違うおしゃれさんなんだ
服はブランド品。そんなイメージ。柿内や柚木みたいにそれなりに着られればイイってのとはちょっと違うおしゃれさんなんだ
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