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青春はプールの中で13-35 - 06/09 Sat

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
部屋に戻ると栗山から貰ったものを全部袋へと詰めた

多分これで全部。柚木のものは捨てられなかったくせに栗山のものはいざとなれば捨てられるのかと思うとなんとも言えない気分にはなったけれど昔から柚木への想いは特別なものだったから

再び本当に柚木を本当の意味で抱くことができるのか。そう思うと怖くて、それでも嬉しくて気持ちが逸る

「・・・」

栗山のものを片付ける代わりに小さなダンボールを開き、小さな想い出たちを開く

「・・・まだ、早ぇな」

それを全部出すにはまだ早い。柚木に好きだと言われたけれど、それが同じ気持ちなのかまだ不安だから

恋心を失っても傍に居られる保証はどこにもない。この恋を失えばもう想い出と共に生きていく自信もない











柿内が部屋を整理したのかやたらと大きなゴミ袋を出してきたのを黙って見つめる

「おはよ」
「あぁ、おはよう」

気持ちをぶつけたあの日から、柿内との溝が感じられなくなった気がした

食事も一緒に摂るし、柿内が笑ってくれる

同情だとしても、情に流されてくれたのだとしてもそれは構わない

柚木を見てくれているから

「今度の休みは試合だったか?」
「あぁ、うん」
「唐揚げ差し入れで作ってやろうか」
「え!」
「まぁ、おにぎりと唐揚げくらいなら人数多くても何とかなるだろ」
「いや、じゃなくて・・・見に来るのか?」

野球なんて興味がないと思っていたし、自分の趣味を押し付ける気もなくて誘ったことすらなかった。でも、どうして突然?

「まぁ、暇だし」
「出るか?!っつか柿内運動神経ある程度イイもんな?!出よう!」
「ある程度ってあんた・・・」

そりゃ柚木と比べたら・・・と思いつつ、柚木の笑顔が久し振りに輝いて見えて柿内は苦笑した

簡単なことだ。柚木を笑顔にするのは昔は泳いでいる時。今は一緒にやれるスポーツがあると興味を示せばよかったのだ

でも、柿内にはそれが泳ぐことじゃなくなったことが寂しい

そして、また共にスポーツをしたって同じ高みを目指せるのか判らない。そもそも、柚木が今何を目指しているのかさえ判らない

「メインは差し入れ」
「何でだよ!」
「要らねぇならイイ」
「要るに決まってんだろ」
「だったら文句言うな」

柚木は「ちぇ」と舌打ちすると恨めしそうに柿内を見つめる

柿内が真っ直ぐスポーツに取り組んでいる姿もまた見たかったのに。そもそも、水泳以外じゃ高校の行事くらいしか柿内の真っ直ぐ勝負を挑む顔なんて見たことがなかったけれどそれでも、全ての柿内を独占したかった

「その後は?」
「その後?」
「打ち上げとかいつもあんだろ」
「あー・・・あるかも」
「判った」
「いや!お前も来いよ!会費さえ払えば問題ないって!」
「はぁ?あんた以外知らねぇのに行けるわけねぇだろ」
「瑞樹だっていんだろ」
「新井さんがいても他知らねえ」
「・・・但馬も呼んだらお前も来るのかよ」
「行かねぇし」
「結局行かねぇのかよ!」
「だからそう言ってんだろーがっ!」

昔のようなやりとりが懐かしい。そして気が楽で幸せ。でも、これはこのぬるま湯に誤魔化されて想いをあやふやにしようとしているのかもしれない。そう考えて自分は嫌なことばかり考えるようになったな。と自己嫌悪に陥った








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柿内はある程度運動できるけど球技は微妙って設定が多分あったハズ・・・いや、それ、透き通るブルーの方か
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