FC2ブログ

青春はプールの中で13-36 - 06/10 Sun

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
休みの日、試合に出ていた柚木の視界に長身の見慣れた男が入ってすぐ大きく手を振った。来ると聞いてからいつ来るのかと待っていたからすぐ判った
柿内は苦笑しながら小さく手を振り返すと周りにいるメンバーの彼女やら家族の視線に小さく会釈した

「柚木さんのお知り合い?」
「あぁ、です」

話しかけて来た女性に再び小さく頭を下げると微笑んだ女性に「唐揚げの方・・・ですよね」と笑われる

皆に話していたのかと思うと恥ずかしくてこの場からすぐ立ち去りたくなる

「柚木さん可愛い方ですよね」
「え・・・あー・・・可愛いっつーのかな・・・あの人」
「唐揚げ作って来てくれる友達がいるってすごい興奮してて・・・独り身だと家庭料理とか恋しいのかなーって。紹介しましょうか?とか聞いたことはあるんですけどねー」

自分がいなくたって柚木はやっぱり引く手数多で幸せになる道はあるのだと柚木の傍にいれば嫌でも思い知らされる。でも、それも全部自分のものにしようとしている。誰よりも幸せにする。そうしたい。でも、まだ、最後の勇気が出ないでいた

それはもうプロポーズと同じだから。他を見ないでくれと。一生一緒にいてくれという気持ちで挑むにはまだもう少し時間が必要だった

キィィィンッ

心地よい金属音が響いて顔を上げると柚木が腕を上げながら走り出す姿

「ホームラン」
「・・・っすね」

子どものように笑う柚木を見ながら目を細める

動ける体。あの時、諦めて何もかも無理だなんて諦めた柚木はどこにもいない

でも、だったら何故水泳じゃないのか。あの時一緒に高みを目指した水泳じゃないのか。それが苦しい。もし、今、柚木のいる場所がプールだったならば、自分たちの青春そのものだったプールだったならばもっと柚木の姿は輝いて見えるんじゃないのだろうか











「うわ、すっげー!」
「これが男の手料理じゃなけりゃー」
「食っていいの?!いいの?!」

1試合目が終わって休憩時間、持ってきた弁当を柚木に黙って差し出すと一気に人だかりが出来て汗臭い男たちに息が詰まった

「美味いんだぞ!これ!世界一だと思うっ!な?!」

柿内の隣で笑顔の柚木がそういうと最後にスライディングした泥にまみれたユニフォームからやっぱり汗の匂いがした。でも、他の男たちのように顔を顰めなくても平気。柚木だから。柚木が楽しんで掻いた汗だったから

「柿内!見てたか?!オレのホームラン!あと、最後のファインプレーも」
「見てた」

全部見てた。どうにもならない嫉妬を抱えながら全部全部見ていた

「ハハ!オレすげぇ?」
「はいはい。すごいすごい」
「なんだよー!それー!あーーー!お前らっ!オレの分の唐揚げまで食うなよー?!オレすっげぇ楽しみにしてたんだから!」

楽しみ・・・昔から嬉しそうに大好きな唐揚げを食べていた。でも、言ってくれれば今だっていつだって柚木のために唐揚げくらい作るというのに

「カッキーカッキー」
「あぁ」
「流ちゃんすっごい喜んでるねっ」
「あんたは食わねぇのかよ」

学生と違ってもっと皆、落ち着いているのかと思ったのに思った以上にがっつかれて少し離れた場所で引いていた柿内にこそっとやってきた新井がニコニコとそう言った

「あー、オレはーーーダイエット中?」
「あ?」
「やや!だってさ!だってさ!もういい歳になってきたじゃん?流ちゃんと違って普通は太ってきちゃうよ?」

どこから見ても太った感じもない新井に首を傾げる

「・・・カズくんに嫌われたらイヤじゃん」
「あいつはそんなことで嫌ったりしねぇ」
「うん。しないー!でもオレがヤーダー!カズくんのパパたちカッコいいじゃん。ずーっとカッコいいじゃん。だからねー、オレの目指すところあの2人だし」
「はー。まぁ、頑張れ」
「すっごい雑!雑っっっ!」
「・・・」

柚木が皆に笑顔を見せる。あの中に関係を持った人間はいるのだろうか。囲まれて肩を組まれている奴?頬を軽く突いている奴?若しくは全員・・・いや、柚木に限ってそんなことはない

今隣にいる新井に聞いたら判るのだろうか。それとも、いくら親友でも話していないのだろうか・・・柚木はきっと話さない

親友の中の柚木 流という理想を壊したくないはずだから

「柿内ぃーーー!唐揚げもーないー!お代わりーーーっ!」
「お代わりなんてあるわけねぇだろーがっ!」

柚木の声にそう答えると隣で新井はいつもの2人だと安心して笑った

柚木の心も柿内の心も気付かずにただ、2人が楽しそうに見えて笑った







にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ


にほんブログ村

あれ・・・?青プって確か水泳のお話・・・

ま、そこら辺は水尾だし気にしない気にしないーーーーっ!

夏が近付いて来ると1年目にやってた1日2回更新がやりたくなるんだよ。んで、運動部必死に書きたくなるの。でも、時間的に全然余裕ないどころか1日1回ですら厳しい今の状態じゃ絶対無理だよねっていうさ・・・うーんやりたいーーー書きたいーーー時間ーーーあと文才ーーーセンスーーー
関連記事
スポンサーサイト



comment

コメントを送る。

URL:
Comment:
Pass:
Secret: 管理者にだけ表示を許可する