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青春はプールの中で13-40 - 06/14 Thu

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
栗山から電話が掛かってきたのは安田と近田を送って行った帰り道だった。出ようか迷って、切れた電話は借りている駐車場へ着いた時、再度鳴り始め、何かあったのだと察して電話に出た

『ごめん』

第一声が謝罪の言葉で今更戻ろうという意味なのか判らなくて言葉を迷う

『でも、どーしても相談したくて』

謝罪が電話を掛けてきた事にだと判ると柿内は小さく息を吐くと「どーした」と返した

『あのね、あの・・・あ!オレ結婚した』
「あぁ、そうか。おめでとう」

素直に出た言葉。気持ちの整理もとっくについていたし、写真もプレゼントも全部捨てきれた後だったからかもしれない

『で・・・赤ちゃんできた』
「・・・お前まさか父親になる勇気ねぇとかそういう相談か?!ふざけんなよ?!」
『違うーーー違うーーーーでも絵里ちゃんがーーー』
「・・・は?」
『絵里ちゃんの担当医、柿内くんのお姉ちゃん』
「・・・お前、エリってあのエリか?」
『うん?あ!うん。オレ、絵里ちゃんと結婚した』
「あー・・・そうか。そっか・・・」
『・・・ごめん』

今度の謝罪は何だろうと考えて柿内は栗山が柿内も知る酒井との仲のことだと察し「違ぇよ」と笑う

「安心した」
『え?』
「エリならお前幸せだろ。これからもしっかりしてるあいつについて行けばお前間違いねぇよ」
『・・・うん。うん。幸せだよ』
「・・・で、姉貴が担当医?確かに柿内っつーのはそうある名前じゃねぇけどあいつ結婚して」
『清水 紀代美・・・だよね』

確かに姉の名前だと思いながら自分と結びつけられたのは何故だと不思議に思う

『絵里ちゃんに付き添って今日病院行ったらさ、先生にフルネーム確認されてさ!××高校水泳部?って聞かれて・・・オレ、インハイ出たりしてたから知ってんのかなって返事したらさ・・・笑顔で『柿内 紀行の姉ですー』って・・・』

柿内は思わず吹き出す
あの時、姉に見せた写真できっと顔を覚えていて名乗ったに違いない

『なんかね!なんかっ!超怖かったの!で、もしかしたら・・・知ってるのかなって』
「あー・・・知ってんな」
『なんでっ!!!なんでぇぇぇぇ』

何でと言われてもあの時、受け入れてくれたことが嬉しくて・・・

『オレ、それでね、病院変えようって言ったの』
「エリは嫌だって言うんだろ?」
『そーなの!!!絵里ちゃん先生のこと大好きでね!で!柿内くんのお姉ちゃんって判ったのになんか超怖かったのに絵里ちゃんったら柿内さんのお姉さんなら尚更安心よねとか意味判んないこと言ってるし!』

柿内は玄関を開けて部屋に入りながら「あぁ。大丈夫だ」と宥める

「葉月」
『・・・うん』
「安心しろ」

そう力強く言うとベッドへ腰を下ろした

「姉貴、確かにお前のこと知ってるし、あいつ意外にもブラコン気味のとこあるからオレと別れたお前怖がらせたかもしれねぇけど医者としてはちゃんとしてっから。任せても大丈夫だ。オレからも言っておく。エリとお前らの赤ん坊のこと頼むって」
『・・・柿内くん』
「あー・・・あと、な・・・」
『うん?柚木先輩と上手くいってる報告ー?』
「いや、それはまだ・・・」
『何やってんの?!そっち行ってどんだけ経ってんの?!バカなの?!』
「うっせぇよ!ただ、お前の写真全部消した・・・」
『・・・何その報告ー!要らないしーーー』
「黙れ。んで、メモリー空けたから・・・子ども産まれたら写真送れよ」

きっと会いに行くことはできないから。元カレが会いに来るのもきっと微妙だろう。いくら酒井のことも知っていて、仲良くしていた過去があったとしてもそれは過去。今は栗山の元カレというだけ

でも、栗山は恋人じゃなくなっても後輩。そして、酒井も友人だから・・・写真だけでも見たいと思うのは友情のせい

『バカ・・・もうオレに優しくしないでいいし!柚木先輩にその分優しくしろっ!』
「クソ。なんだよ!絶対送れよ?!お前が送らねぇならエリに頼むからな?!」
『あ、ごめ・・・やめてーーー!絵里ちゃんとメル友とかなるのやめてーーーーっなんかそれすごい辛いーーー居た堪れないーーー』

相変わらずの栗山に柿内は笑って電話を切る

次連絡するときは子どもが産まれたらだろう。定期的な連絡もなく廃れていくだけの関係。でも、イイ。形に残るモノはどこにもなくても想い出だけは柿内の心の奥に残っているから








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んー、あれですか?期待した?不安だった?緊張したー???

いや、違うな・・・きっと大半の人が

「予想通り!!!」

だな・・・うん。そんな気がするwww
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