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青春はプールの中で13-41 - 06/15 Fri

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
何も変わらない様子の柿内

嘘なんか吐けない不器用な男。だから・・・いや、違う。柿内は確かに嘘が吐けなくて不器用だけども我慢はする男

怒鳴り、言いたいことを言っている様に見えるけれど本心は隠し我慢する男

「あー、朝メシ食えそう?なんかあの後また飲んでたみたいだけど大丈夫なのかよ」
「大丈夫」

栗山といたいのにいられないから?それとも、好きだと言った自分を可哀想に、哀れに思って一緒にいる?

冷蔵庫を開けて牛乳を取り出そうとすると「あ、卵とって」と柿内に言われて卵を渡すと塩胡椒を取ろうとしていた柿内とぶつかり、至近距離で柿内の顔を見上げることになる

「「・・・」」

お互い無言でこの距離がどんな距離なのか判っていて柿内の唇が物欲しそうに近付くのを思わず避けると卵が滑って床に叩きつけられた

「あ」
「あー・・・やっちまったなぁ」

困ったように笑う柿内に「ごめん」と謝ると柚木はキッチンペーパーで落ちた卵を片付ける柿内をただ見つめる

キスしようとした?勘違い?

判らなかった。返事も何もくれない柿内が何を思っているのか何を考えているのか判らない

判らないから怖い

柿内は変わっていない。そのはず。好きじゃなかったらキスなんてできない男。好き?じゃあなんで答えてくれないのか・・・判らない。判らない。判らない

あの頃は気持ちが判ると思っていたのに今はこんなにも判らない

でも、判らないことを怖がり続けていても仕方ない。あの時の柿内はいい答えを出すような口ぶりだったのだと信じて柚木は唇を噛んだ







「あっれー?柿内なんか機嫌悪くね?」

職場でそう言われて柿内は目を押さえる

「眼鏡作らねぇとかも・・・見辛ぇし疲れる」
「おー?老眼?」
「ねぇよ!」

上津が笑いながら空いてる椅子に座る

「次の柿内んとこの班とうちの班合同のプロジェクトさー」
「あ?」
「あれ?聞いてね?」
「聞いてねぇ」
「合同らしーよ?」
「あぁそう」

それだけ大きい仕事が入るのか。と思いながら悪くなった気がする目をこする

「・・・でも機嫌悪いよな」
「あ?」
「いやー、ここんところすげぇ機嫌良さそうにニコニコしてて気持ち悪かったけど」
「気持ち悪ぃってなんだよ」
「いや、マジで」

真顔で言われて今までを思い返す

柚木にどのタイミングで告白すればいいのか考えると確かにどこかふわふわした気持ちになっていたのは事実
だからと言ってニコニコしていたつもりなんてどこにもないけれど

「でも今日は久々に機嫌悪ぃ顔だから話しかけてみた」
「機嫌悪そうだと話しかけるっつー意味が判んねぇよ!」

機嫌の悪さ・・・あるとしたら自己嫌悪だ

朝、柚木との距離が偶然近くなって寝癖のついた髪だとかまだ眠そうな顔だとか全部愛しく感じて衝動的にキスしようとした。それを避けられたのは当然で。付き合ってもいないのにキスなんてできるわけないのに最近舞い上がりすぎだったことを反省していた

「そんでさー、班のリーダーぐっちゃんでいっかなーって」
「お前・・・話あちこち飛ぶってよく言われねぇか?」
「あ?」
「機嫌悪ぃ話ししたり仕事の話ししたりめんどくせぇ」
「あたしは不便してない」
「そりゃあな!!!」

柿内は悪態を吐きながら来たメールを開く

今、上津から聞いた合同プロジェクトの内容でリーダーを決め次第進める旨の連絡

「まぁ、川口さんでいいだろ」
「だーよねー!ま、あとは柿内の了承待ちだったから報告しとくー」
「っつかオレへの連絡だけ遅すぎだろ」
「で、柚木さんとなんかあったぁー?」
「・・・は?!」
「我らが愛しの沙耶ちゃんから情報は頂いたっっっ!!!」
「・・・っざけんなよ・・・ったく」

別に付き合っていた相手が男だとかそれをバラされたことじゃない。厄介な相手にバラされたことに対して

「で?何があったわけぇー?」
「うっせぇ!」
「あー、沙耶を責めちゃあいけないぜー?カマかけたら話してくれただけだし」
「・・・お前、怖ぇな」
「んー?あっはー!あたしよりお前のが怖いだろー?顔とか態度とかー」
「そういう意味で言ってねぇよ!!!」

上津のペースにどんどん乗せられていることに頭を抱えながらもそれをよしとしている自分もどこかにいるのを柿内も理解していた









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付き合ってたとしてもこんなスマートに柿内がキスできるとは思えない水尾は本当に柿内をスパダリだと思いながら書いているのだろうか
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