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青春はプールの中で13-47 - 06/22 Fri

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
病院へ着くとすぐに新井の姿を探すが見つからなくて受付へ足早に向かう柿内


「すみません、救急で運ばれた柚木 流という」
「カッキー!」
「・・・あ・・・え」

名前を呼ばれて振り返ると新井とムッとした顔の柚木の姿

柿内は柚木の上から下まで見てふらふらと駆け寄ると柚木を抱きしめる

「柿内?」
「無事?本物?」
「何だよ!本物じゃなかったらお化けかゾンビかよ!いや!ゾンビだとしても本物だっつーの!っていうかお前勘違いだから!っていうか勘違いするような電話した瑞樹が悪いんだぞ!」

元気な声にホッとするとここが公共の場だと思い出しすぐに柚木の体を離した

「・・・流ちゃんさー、階段から落ちそうだったオレを庇って代わりに落ちたんだけど、おでこ切ってて結構血が出てたから頭だし周りが驚いて救急車呼んだのね・・・」
「あぁ」

柚木が怪我をしたというのは額に貼られたガーゼと血で汚れた洋服から判ること。でも、ここにいる。立っている。話している
あの時と違う。目を覚まさなくて意識が戻らなかったときとは違う動かない体に嘆いているわけでもない

「で、流ちゃん意識はしっかりしててさ、カッキーに夕飯にちょっと遅れるって連絡しろって言うから電話したんだけど、まぁ、オレも気が動転してたけど、カッキー話終わらないうちに行くとか言うし電話切るし」
「・・・何だよ・・・それ」
「確かに頭は数針縫ったし念のためっつってCTまで撮られたけど結局何ともねぇし帰って飯食えるし」

柿内は大きくため息を漏らす
無事だった。怪我はあるけれど入院することもなく、意識もある

「カッキー車?」
「あぁ」
「じゃあ、オレはここで帰るねー!さっきカズくんに連絡したらカズくん仕事終わってこっち来てくれるみたいだし」
「あー、瑞樹ありがとなー」
「ううん!オレのせいでごめんね?」
「ハハッ!お前ホント気をつけろよー!いっつもフラフラふわふわしてっからー!」

気をつけるべきなのはあんただ。その言葉を必死に飲み込む柿内

どれだけ心配したか判らないのに、そもそも一歩間違えば大ケガだったり命に関わることだったのに何もなかったように笑っている柚木に苛立ってしまう

何もなかったことを喜べばいいのに何もなかったように振る舞う柚木を見ると苛立ってしまう

心配し、慌ててここまで来た自分が無視されたような気になるから







無言で車を運転する柿内に声を掛けられないでいるのは心配させてしまった罪悪感があるから

柿内が心配して急いで病院へ来てくれたのは判っていた。柿内が怪我をした時寿命が縮む思いをしたし、不安だった気持ちをはっきり覚えているから。もし、同じように心配させてしまったのならば今、どうして柿内が怒っているのかも何となく判る
何ともなかったことに安心してくれているのも判る

部屋へ入ると冷めた唐揚げがテーブルの上で2人を出迎えてくれた

「・・・腹、減ったな」
「あぁ」
「じゃあシャワー浴びて着替えてくる」
「温め直しておくから」
「おう」

柚木がバスルームへ向かうとすぐにテーブルの上の携帯が鳴る

「あぁ、柚木さんのか」

視線を携帯へ動かすとディスプレイに表示されたメッセージの一部が見えて見るつもりはなかったのにと罪悪感を感じると共にその内容が頭から離れなくなる

『忘年会盛り上がってる!今度2人で飲もうな!んで、その後こないだみたいに頼むー!柚木のアレが』

その続きは何だろう。見たい?知りたい?いや、見たくない。知りたくない

前を向くのだ。ひとりモヤモヤと悩むのはもう辞めにする

決心すると柚木が事故に遭うだなんて弱気になった心を再び決心し、事故に遭わせるより今すぐこの決意を柚木に打ち明ければ問題ない。と奮い立たせた








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安心しましたかー?それともやっぱりなーですかー!!!!


えぇ。水尾が柚木に痛い思いさせたくないと予想してくださった皆様ありがとうございます。正解ですっwww
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