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つれないキミと売れてる僕12-18 - 10/05 Fri

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「・・・どうすんだよ!こんな大量に」

「里見何が食べたい?!あのね!ここ、新しいお店みたいなんだけど里見好きそうだったから。あとね!こっちはね!前に覚えてるかなぁ。里見が美味しいって言ってたお店!なくなって残念がってたでしょ?それが別のところでオープンしてたからね!味が同じかは判らないけど・・・あ!でも!でもちゃんと口コミもチェックしたよ?!多分大丈夫!あ!違う!大丈夫!同じハズ!」

須野の買ってきた量は2人で食べきれる量ではない。昔はこんなことよくあった気がするけれど最近ではなかったこと

「・・・葛西呼ぶか」
「え!ぁ・・・えっと・・・里見、葛西呼びたいってことだよね・・・えっと・・・じゃあ・・・」

明らかにショックを受けている須野の頭を叩く

「こんな量買って来るからだろうが!」
「っ・・・ごめ・・・でも、でも」
「判ってる。ホントに呼ぶわけじゃねぇよ。お前が食いたいもんいくつか選んで残りを葛西ん所持って行け。あいつなら量多くたってなんとかするだろ。人呼ぶなり自分で向かうなり・・・あいつはそんぐらい友達多い」

顔を上げた須野が何度か頷いてどれがいいか暫く悩み、里見に「何にしよう」と尋ねる

「お前が食いたいのって聞いたんだけど」
「僕・・・僕は・・・」

自分がと言われて悩む

だって自分が食べたいものと言われても困るから。里見の食べたいかもしれないものをたくさんの店の中から選ぶのは絞りきれなくて次々に出てきたのにそれが自分となると須野は困ってしまう

「オレが食いたいもんじゃなくてお前は?って聞いてんの!オレの言葉の意味判んねぇのか?」
「な・・・なんでそんなこと聞くの?いつもは・・・いつもは・・・里見選んでくれるじゃんっ!里見が食べたい物っ!」

須野が食べたいものは何かじゃなくて里見が食べたいものを勝手に選び、須野もそれで幸せだった。里見が食べたいものを今自分も一緒に食べているという里見の気分を少しでも味わえるのが幸せだった

「・・・里見、僕は」
「選べ」
「・・・僕は里見と食べるっ!」
「あ?」
「僕が選ぶのは里見と一緒に食べるってこと!だからっ・・・だから!僕は選んだから里見が食べたい物選んでね?」
「・・・」

あぁ、この答えは正解だったようだ。里見の満足そうに微笑む顔を見てそう安堵する

「じゃあ、これとこれ。あとこれもつまみてぇな」
「うん!うんうん!」
「あー、あとはそっちのサラダ」
「はい!」
「違ぇ!そっち!」
「あ、ごめん。これ?」
「他は葛西にやれ」
「じゃあ持って行くね?!あ、このチキンのトマトソース掛け要らない?里見の好きなトマトたくさんなんだけど・・・美味しくなさそうかなぁ?」

里見は須野が選んで買ってきたものからすぐにいくつか選んで指示する。でも、今日は別に須野が食べたいもので自分がこの中から食べたいものを選べなくてもよかった。そんな気分。今までそんなことなかったのに不思議な感覚。里見も気付いていない須野に嫌われたくないと須野に歩み寄ろうとしている感情

須野が最後に聞いてきたものは別に欲しくはなかったが須野が一生懸命考えたものなのだろう。若しくは須野が自分でも判ってないけれど食べたかったもの。里見は「じゃあ明日にでも食う」と呟くと笑顔になった須野にそっと微笑むと須野は満面の笑みを浮かべ、大量の食料を抱えて部屋を出て葛西の部屋へと向かった

須野の扱い方も判っている。須野がどうしたら喜ぶのかも。須野を喜ばせたい。須野を失いたくない

須野の愛を感じる。変わらない愛。完璧じゃなくなった自分を見せても須野は変わらない。多分。そう。多分

里見は溜め息を吐くとメガネに触れる

須野は受け入れる。でも、傷を見て完璧じゃなくなった自分を同じように愛せるのか。見たら由梨乃や葛西のように同情して来るのではないか
自分は愛せないこの傷。完璧じゃなくなったこの傷・・・でも、須野は・・・愛してくれる?同情じゃなくて愛して?

同情なんて要らない。でも、このキズを見てショックを受けるのも完璧じゃなくなったと幻滅されるのも怖い。自分があれから毎日感じている絶望を須野に与えるのが怖い

「ただいま!葛西ね、びっくりしてその後・・・その後・・・ね、えっと・・・」

里見がメガネを外しているのに気付いて目を伏せる

見られたくない。そう里見が言っていたのだから見るべきではないと目を反らす

「キズ・・・」
「あ、うん・・・うん・・・」
「目ぇ逸らしてんじゃねえよ。お前は目じゃなくてよかったって思ったか?それとも完璧なものにキズがついたって思ったか?」
「・・・」
「須野」
「・・・見てもいいの?」

里見が「バカ」と呟きながら目を伏せたままの須野の腕を掴む

昨晩の約束を守り続ける須野を引き寄せる

「見ろよ。これでもオレが完璧だって、お前の好きなオレだって言えるか?」
「・・・里見から落ちた髪の毛でさえも愛してる僕にそれ聞くの?愛してるよ。里見」
「・・・この変態」
「ふふ・・・里見・・・里見・・・」

顔を上げた須野が微笑みながら里見を見つめ、里見が唇を寄せると須野は強く里見を抱きしめ、里見も須野の背中を抱きしめた

眼鏡越しの瞳じゃなくてそのままの里見の瞳を見たかった。美しく出逢った瞬間から須野を離さない美しい瞳を









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めちゃくちゃツンツンしてる里見が欲しい

あぁ、ツンデレってなんだっけ・・・ってくらい里見がツンナシ・・・水尾もそろそろお疲れです
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