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つれないキミと売れてる僕12-32 - 10/19 Fri

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葛西との仕事の役目がひと段落したから新作の構想を練る

書き溜めた中には未発表のものもたくさんあったけれど担当者との打ち合わせの感触では今まで書いたものでは少し違う気がして新しいネタを空で探す

求められているのは皐月 光ならではの狂愛だと言われた。自分の「ならでは」が狂愛だと言われるとそれは癪な気もする

大抵のものが須野をイメージして作り上げてきたものだから

「あいつは書き尽くしただろ」

溜め息を吐きながら書きたい物を自由に書いていた頃は悩むことも考えることも大してなかったのにと頭を掻く。ある程度売れ始め、そして映画化まで葛西の手でされてからは特に「皐月先生ならではの狭愛を!」と言われることが多くなってきていて、今回も例外ではない。里見は仕方なく須野にまつわるエピソードを思い返す

どれも今まで書いたもの程ではなくて書き綴ったものを読み返しながらネタを探した

担当者にいくつかテーマを挙げられたけれどどれもピンと来ない。須野だったらその時どうするか。考えてもそれは狂愛なのかと疑問に思う・・・いや、須野の反応はやっぱり普通ではないのかもしれない。でも、それに慣らされてしまった里見には全く普通のもので、響くものはない

ドンドン

「ひっかりちゃーん!行こー!」
「・・・は?」

玄関を叩く音に顔を上げ、いつものうるさい奴が来た。ととりあえず無視しようかと思ったけれど今、葛西が言った「行こう」とは何のことだ、どこへ行くのかととドアを開ける

「あれ?光何してんの?」
「は?」
「温泉」
「はぁ?!」
「え!行くって約束したじゃん!」
「今日だとか聞いてねぇし!」
「スケジュール渡したよ!」
「はぁ?!」

ズカズカと部屋へ入ってきた葛西が散らかった資料の中から先日、ハルと打ち合わせをした時に渡した温泉の詳細プリントを見つけ出して里見の前に突きつける

「ほら。ここに書いてあんじゃん!もー須野ちゃんいないと整理できないの?!」
「お前・・・もっと判りやすくしろ!っつか昨日のうちに確認連絡とかお前、いつもならすんだろ?!知らねぇし!準備してねぇっつーの!」
「もー仕方ないなぁ。須野ちゃんいなきゃ旅行の準備もできないのぉ?」
「あいついなくてもできっし」
「言ったな?じゃあさっさと準備するー!んで出発!15分で準備ー!」

「ふざけんな」と悪態を吐きながらもカバンを掴むと必要なものを放り込んで行く

須野がいなくてもひとりで取材旅行だって行くのだ。準備もそう時間がかかるものじゃない。旅行セットはいつだって取り出せる場所にあったし、洋服だって選ぶのを悩むものでもない

「あー!ダメー!パソコンは置いてくー!」
「必要だ」
「仕事休みなさい!」
「構想中のが浮かんだらどーすんだよ」
「携帯あんじゃん」
「ふざけんな」

カバンに入れたパソコンを葛西が出し、再び里見が入れるを何回か繰り返した後、最終的に折れたのは里見だった

「仕事モードにならないくらい光を楽しませてあげるから」
「・・・当たり前だ。パソコン置いて行かせるんだからな」
「ふふ。よーし!じゃあ出発ー!」

里見のカバンを抱えて葛西が部屋を出る。ネタが思いつかない今、頭を空っぽにしてリセットするのもいいかもしれない。好きな温泉に浸かり、求められているものを整理しよう。そう里見は温泉の効果に期待した








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おやー?今までのつれキミ売れ僕だったらもうお話終わる頃じゃないー?!でも最近ダラダラ長いのを書くのが習慣になって来たのかまだしばらくお付き合い頂きます

・・・なんなら今までの章もあちこち肉付けして書き直したいくらいである
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