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つれないキミと売れてる僕12-36 - 10/24 Wed

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「きゃっ!」

撮影の後、今日の撤収作業の時、1人の女優の短い叫び声に振り返る

「見た?」
「何を?」

女優、松永 結奈は震えながら振り返った須野に助けを求めるように手を伸ばした

「大丈夫?」
「み、見てないですかぁ?」
「見てない・・・よ?」
「悠介くんも?!」
「うん?もしかしてあそこにいた子ども?ちょっと松永さんビビりすぎじゃないっすかぁ?」

震えが収まらない様子の松永に傍にあったブランケットを差し出すとアイドルグループの斎藤 悠介に顔を向けて「子ども?」と尋ねる

「さっき、白い服着た男の子がそこ走っててこんな時間にどこの子かなーって。何?松永さんそんなビビってんですか?」
「だっ・・・すぅって消えたんだもん!」
「消えた?」
「え・・・消えた・・・や、いや・・・暗いし疲れてるからそう見えたんじゃないっすかね・・・自分もさっき子ども見たけど消えたとかじゃなかったっすよ」

いつの間にか残っているのは3人になっていて静けさが耳に響く

「え・・・みんな、早くない?なんでいつの間にか誰もいないの?」
「子ども・・・いたら危ないね。どこら辺?探してみよう」
「え!マジで言ってるの?!須野さんすっげ!」
「ヤダよ!私怖い」

須野が首を傾げる。何が怖い?子ども?

パチン、パキン・・・と高い音が響き、松永はその音に耳を塞ぎながらしゃがみ込む

「やだぁ・・・怖いーーー」
「あ!」

斎藤の声に須野が振り返ると白い洋服を着た少年が木の陰からこちらを覗くように笑ってスッと消えた

木の陰に隠れるように消えたのではなく、その場で闇に溶けるように消えた

「ほらぁ!怖い!!!ヤダぁ!!!」
「・・・ヤバい。電話しなきゃ!っていうか追いかけなきゃ!」
「ちょ!え?!誰に!」
「僕の親友!作家!ほら!皐月光!ヤバい!これきっと光のネタになる!」

嬉しそうに携帯を探す須野を慌てて斎藤が止める

「でも、もしあれが幽霊だったら?!」
「?」
「いや、だから・・・幽霊って電気信号と同じだから電話の相手のところ行っちゃうかも」
「え」
「よく言うでしょ?電波に乗って相手のところに・・・って」

よく言うのか・・・自分は知らないけれどもしかしたら自分が知らないだけでそれが常識なのかもと電話をかけるのを迷う
本物なら里見にも見せてあげたい。電波に乗って飛んでいけるなら里見だって見られるはず。でも、もし、あの少年が里見に悪さをしたら・・・?病気にさせたり、怪我をさせたり・・・そう考えて電話を断念する

「写真だけにしようかな」
「強いね?!強いね!須野さん強いっすね!」
「ヤダぁ!帰ろうよぉ」
「えっと・・・じゃあ悠介くん、松永さんについててあげて?僕はさっきの子が本物の子どもだったら保護しなきゃだし、おばけだったら写真撮らなきゃだから行ってくる・・・あ、動画のほうがイイかな・・・」

須野が怖がることもなく携帯で動画を撮りながら進んでいくのを見て斎藤は「すっげ」と呟き、松永は口元に手を当てて体を震わせた





「・・・あれ?あれ?行き止まり・・・っ!超常現象っ?!おばけよりもこれすごい」

少し進んだところ、さっき少年が見えた場所はなぜか壁があってその壁に触れた瞬間その壁が倒れる

「え!」
「ドッキリーーー大成功・・・じゃなーいっ!もっと驚いてよ!ねぇ!何?強過ぎんの?須野くん強すぎなの?」
「・・・え・・・どういうこと?」

須野が戸惑いながら斎藤と松永を見ると松永は肩を震わせながら爆笑しているし、斎藤はなぜか拍手していた

「・・・あ、何、そっか。僕を驚かせようとしてたのか・・・」
「おばけ出てきてどーだった?」
「あー・・・生きてる子なら保護しなきゃって思ったし、おばけなら親友に報告しなきゃって思って」
「須野くん驚かせるにはどーしたらいーの!」

そう仕掛け人の声で隠れていた撮影スタッフが撮影を止めた

「えー。松永さんも悠介くんも仕掛け人ってこと?」
「うん。松永さん途中から笑ってんだもん!ズルい!オレ超必死に頑張ってたのにー!須野さん電話するとか言い出すしさぁ!
「電波の話は嘘?」
「出まかせだよー!もー須野さん強すぎー!」
「・・・なんだ・・・そっか。電話かけても飛んでいけないのか」
「強いっていうか天然」
「あぁ、うん。天然」
「え!僕そんなことないよ?!」

笑いながら部屋に戻ると里見に電話を掛けた。さっき起こった事を残念ながら本物の幽霊は見えなかったけれどドッキリに初めて引っかかったことを話したくて

でも、それは叶わなかった

電話に出たのは葛西。しかも温泉旅行中だと言われた。そして

「・・・葛西はイイんだ」

須野が見ることを許されなかった里見のキズ。葛西はもう既に見ていて取り残された気分だった

「・・・」

葛西も須野も里見とは親友。でも、須野は恋人でもあるはずで。だったら特別で逆に自分しか見られないキズなのではないかとまだ、見せては貰えないけれどそのうち見せるかもしれないと仄めかされ、期待していたのに

「僕・・・って何」

恋人なのに。里見のいうことならなんでも聞けるのに・・・里見に愛されているという自信も今ではあったのに自分は一体なんなのか判らなくなった








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須野ちゃんのどっきり・・・もっともっとうまく書ければよかったんだけどすごくすごく書きたかったんだ・・・

そして本気で時間がない・・・本気で・・・本気で
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