FC2ブログ

つれないキミと売れてる僕12-44 - 12/27 Thu

trackback (-) | comment (0) | つれないキミと売れてる僕
須野が出て行った部屋。家主がいないこの部屋はこんなにも居心地が悪かっただろうか

今まで勝手に入って勝手に散らかしてきた部屋。この部屋じゃなくても須野の部屋は里見にとって今までどこだって居心地のいい場所だったハズ。須野に愛され、須野は自分のものだという絶対的な関係を信じていたから。でも、今はこんなにも居心地が悪い

「クソ」

里見はタバコの箱を取り出して中が空なのを思い出しぐしゃりと箱を潰してゴミ箱へ投げ捨てる

ゴミ箱の淵に当たって床に落ちたことにも腹が立つ。この腹立たしさが何からくるものか判らない。ただ、須野に拒絶された事実を思い出したくない

この体に魅力がなくなった?完璧じゃないから?反応する癖に完璧じゃない自分には触れたくもない?傷付き、失った完璧はもう戻らない。須野の愛はもう2度と手に入らない

須野がどれだけ里見の完璧を求めてもその欲だけは満たしてやることはできない

「っ・・・」

ずっとそばにあった当然だった愛

失うことのないはずの愛

里見はゴミ箱を蹴り倒すと須野の部屋を後にし、自室へ戻りポケットに財布と携帯を突っ込むと部屋を出た

タバコを買うため?いや、この部屋に居たくないから

もう居られないから









「あの、大丈夫ですか?」
「・・・」

ほら。須野が求める完璧じゃなくても女くらい釣れる。そう里見はコンビニの前で自嘲しながら困った顔で声を掛けてきた女性をしゃがんだまま見上げた

「家、帰れなくて悩んでたところ」
「・・・どうしたんですか?鍵失くしたとか?」

小さく笑って「フラれたのかも」と計算した表情と仕草で女性を釣る
求められたくて。誰かにまだ完璧じゃなくても美しい自分を求めて欲しくて

須野の代わりになり得る愛を欲して

そんなの見つかるわけないのは判っているのに判りたくないから代わりを求める

「なぁ、それ、晩メシ?」

コンビニの袋を指してそう尋ねると頷いた女性の手から袋を奪う

「あ・・・え?」
「奢るからメシ付き合ってよ」
「え」
「まぁ、怪しむなとか警戒すんなとか言えねぇけどコレよりは美味いメシ奢るから・・・それは約束する」
「・・・」
「オレとじゃ不服?」

里見の笑顔が美しくてそれが自分に向けられているだなんて恥ずかしくてそして優越感を感じる

「ご飯・・・だけ?」
「そのあとはオレが決めることじゃない」
「・・・じゃあ・・・ご飯だけ・・・なら」
「ん。決まり」

里見は自然に女性の背中に手を回す

忘れたい。彼女が自分を見る目は美しいものを直視できない様子なのが里見を高揚させる。やっぱり美しい。完璧じゃなくても美しい・・・須野の求める完璧はなくても自分は人に愛される存在だと。美しいのだと振舞いは完璧なのだと信じたかった

誰かに愛されていないと、常に大きな愛を受けていないと自分が保てない気がする

里見の浮気性はそこから。愛が足りない。いつだって愛に飢えていた。須野の愛は大きくて浮気しなくたって里見は満たされた。でも、今は愛が枯渇したように飢えている

そう。飢えているのだ







にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ


にほんブログ村

み・・・短い・・・;

あぁ、年末・・・大掃除やらなんやらいろいろありますよねぇ・・・そんな中、水尾は昨日来た洗濯機の機能が多すぎてイマドキについていけないと四苦八苦中でございます(機械強いと思ってたんだけどなぁ・・・)
関連記事
スポンサーサイト



comment

コメントを送る。

URL:
Comment:
Pass:
Secret: 管理者にだけ表示を許可する