つれないキミと売れてる僕12-45 - 12/28 Fri
葛西にとって忙しさというのは幸せの象徴
人と繋がっていると実感するから。自分は不必要な人間じゃないと実感できるから
小さい頃から生きているだけで迷惑だと、息を吸っているのが不快だと言われていた葛西にとって人に求められ、繋がっている今は幸せでしかない
「あー、やっばい!あっちにも電話しなきゃっ!忘れてたぁ」
イベント開始までもう時間がない。里見との仕事を大成功と言えるものにしたいから葛西は幸せな忙しさに走り回る
ピリリ・・・
「おっとー?催促の電話かなー・・・ん?」
ディスプレイの名前は予想していた相手じゃなかったけれど優先したい人からの電話
忙しくたって優先的に出て相談なら話を聞くべき相手。別に義務なんかじゃないけれど、葛西がそうしたい相手のひとり
「はいはーい!」
『あ、僕、須野。あのね!あの、里見どうしてる?僕、この間里見に嫌な態度取っちゃって里見多分怒ってるんだけど!でね!葛西もなんかしてくれたんだよね?謎解きのあのイベントのプレイベントに僕たち呼ばれて!その前日にクランクアップ予定なんだけど帰れるの!ありがとね!でもね、全然里見と連絡とれなくて。電話出てくれないし、僕ね、僕っ』
「やー、待て待て待て。ちょーっと落ち着こうか!須野ちゃん!オレの頭が処理速度追いつかないー」
一気に爆発したように話した須野の言葉を頭で整理する
『ごめん』
「いや、うん。判ったよ?大丈夫。プレの件はなんかどっちの宣伝にもなるってあちこちで盛り上がって決まったんだけど須野ちゃんにオレから連絡できなくてごめんな?で、光とケンカしたの?ってかこっち帰ってきてた?それならちょっと声掛けてよー!オレだけ仲間はずれ寂しいじゃんかー」
『あー・・・こっちで仕事あったついでに部屋に少し寄っただけで・・・ごめん』
「えー!ウソウソーウソー!冗談ーっ!冗談だってばー」
『・・・僕、ホント欲張りで里見困らせてばっかり・・・どうして僕こんなに独占欲強いんだろ・・・里見、怒ってる?怒ってるよね?』
独占欲・・・執着心は強いと思う。でも、浮気しても自分に足りないものを里見が求めるのなら諦めてしまうような須野に独占欲はあると言えるのか葛西は考えながら「ごめんオレも会ってない」と返した
「それで、それいつ?」
『数日前?ハルくん?が部屋来てた』
ああ、あの日か。とハルから里見の部屋に行くとウキウキした声でそう告げられたのを思い出す
あの時、止めるべきか悩んだ。でも、里見が男と浮気なんてあり得ないと信じてハルにも里見にも何も言わなかった
『里見、すっごい仕事モードで楽しそうな顔しながらハルくんの背中にくっついたリボン引っ張ってた』
「え?!」
『あ、ごめん。知らなかった?ハルくん、背中にリボンついてたんだけど。あれ、痛くないのかなぁ』
「いや、そこじゃなくて」
『?』
里見が楽しそうな顔をしていたと知っているのならばそれを見たと言うのだろうか。それでケンカし、独占欲が強いと須野が悩んでいるのだろうか
「あー、あのな?別に浮気とかじゃなくて」
『知ってるよ?判ってる』
「えーっと、その現場、須野ちゃん見たの?」
『?・・・里見とハルくん?見たよ?』
「それで須野ちゃん浮気って思ってケンカとかそういうんじゃなくて?」
『うん。そう思って逃げたんだ。でもね、里見がね、里見が!僕の部屋まで追いかけてくれてさ、自分から浮気じゃなくて仕事だって。そう言ってくれたんだ。僕、葛西が言うように嫉妬したけど仕事なんだって納得したの。でも、でもさ、なんかどうしてももやもやーってしちゃって僕、里見に嫌な態度取っちゃって、里見傷つけちゃって・・・里見のことすごい大好きなのに僕、酷いこと言った。反省してる』
須野がわからない。いや、この男がよくわからないのは昔から
里見のことになると異常だと思う須野。でも、それも愛なのだと理解し受け入れてきたけれど浮気のようにも見える里見とハルを見て嫉妬し、里見を困らせたと悩むのはやっぱりおかしい気がする
でも、葛西は自分が理解できない愛が存在するのだと自分に言い聞かせ続ける
「光と連絡それから取れないの?あー、んじゃまぁ、ちょっと様子見てくるよー!打ち合わせしたいこともあるし!まぁ、気にすることないってー!あいつもあんな性格だし、素直になれないの知ってるじゃん?あとはなんだかんだ忙しいんだと思うよー」
『里見は優しいよ?少し照れ屋さんなだけ。里見は本当に優しくて誠実なの。みんなそれに気付けないだけで・・・でも、ごめんね?葛西も忙しいのに』
「いやいやぁー!いーのよ?確かにね?光はある意味判りやすいし素直なのかもしれないよねー・・・ってか須野ちゃんもっとオレを頼ってー!」
『うん。ありがとう』
電話を切るとため息を吐き出す
里見も須野も大好きで恩人。だからなんだってできることをしてあげたい。2人が幸せなことが葛西にとって大事なことだから
でもたまにすごくうんざりしてしまう
嫉妬して怒ればいい立場の須野はなんでも許し、逆に里見の機嫌を損ねたと悩み、須野に同情し里見を少しでも悪く言えば須野の機嫌を損ねるし
里見は里見で好きという感情が幼稚で覚えたての感情に戸惑うから気持ちについていけなくて不機嫌になるから
「あーあーもーホーントオレがいなきゃダメなんだからぁ」
そう自分を励まさなければやっていけないことも葛西にだってある

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人と繋がっていると実感するから。自分は不必要な人間じゃないと実感できるから
小さい頃から生きているだけで迷惑だと、息を吸っているのが不快だと言われていた葛西にとって人に求められ、繋がっている今は幸せでしかない
「あー、やっばい!あっちにも電話しなきゃっ!忘れてたぁ」
イベント開始までもう時間がない。里見との仕事を大成功と言えるものにしたいから葛西は幸せな忙しさに走り回る
ピリリ・・・
「おっとー?催促の電話かなー・・・ん?」
ディスプレイの名前は予想していた相手じゃなかったけれど優先したい人からの電話
忙しくたって優先的に出て相談なら話を聞くべき相手。別に義務なんかじゃないけれど、葛西がそうしたい相手のひとり
「はいはーい!」
『あ、僕、須野。あのね!あの、里見どうしてる?僕、この間里見に嫌な態度取っちゃって里見多分怒ってるんだけど!でね!葛西もなんかしてくれたんだよね?謎解きのあのイベントのプレイベントに僕たち呼ばれて!その前日にクランクアップ予定なんだけど帰れるの!ありがとね!でもね、全然里見と連絡とれなくて。電話出てくれないし、僕ね、僕っ』
「やー、待て待て待て。ちょーっと落ち着こうか!須野ちゃん!オレの頭が処理速度追いつかないー」
一気に爆発したように話した須野の言葉を頭で整理する
『ごめん』
「いや、うん。判ったよ?大丈夫。プレの件はなんかどっちの宣伝にもなるってあちこちで盛り上がって決まったんだけど須野ちゃんにオレから連絡できなくてごめんな?で、光とケンカしたの?ってかこっち帰ってきてた?それならちょっと声掛けてよー!オレだけ仲間はずれ寂しいじゃんかー」
『あー・・・こっちで仕事あったついでに部屋に少し寄っただけで・・・ごめん』
「えー!ウソウソーウソー!冗談ーっ!冗談だってばー」
『・・・僕、ホント欲張りで里見困らせてばっかり・・・どうして僕こんなに独占欲強いんだろ・・・里見、怒ってる?怒ってるよね?』
独占欲・・・執着心は強いと思う。でも、浮気しても自分に足りないものを里見が求めるのなら諦めてしまうような須野に独占欲はあると言えるのか葛西は考えながら「ごめんオレも会ってない」と返した
「それで、それいつ?」
『数日前?ハルくん?が部屋来てた』
ああ、あの日か。とハルから里見の部屋に行くとウキウキした声でそう告げられたのを思い出す
あの時、止めるべきか悩んだ。でも、里見が男と浮気なんてあり得ないと信じてハルにも里見にも何も言わなかった
『里見、すっごい仕事モードで楽しそうな顔しながらハルくんの背中にくっついたリボン引っ張ってた』
「え?!」
『あ、ごめん。知らなかった?ハルくん、背中にリボンついてたんだけど。あれ、痛くないのかなぁ』
「いや、そこじゃなくて」
『?』
里見が楽しそうな顔をしていたと知っているのならばそれを見たと言うのだろうか。それでケンカし、独占欲が強いと須野が悩んでいるのだろうか
「あー、あのな?別に浮気とかじゃなくて」
『知ってるよ?判ってる』
「えーっと、その現場、須野ちゃん見たの?」
『?・・・里見とハルくん?見たよ?』
「それで須野ちゃん浮気って思ってケンカとかそういうんじゃなくて?」
『うん。そう思って逃げたんだ。でもね、里見がね、里見が!僕の部屋まで追いかけてくれてさ、自分から浮気じゃなくて仕事だって。そう言ってくれたんだ。僕、葛西が言うように嫉妬したけど仕事なんだって納得したの。でも、でもさ、なんかどうしてももやもやーってしちゃって僕、里見に嫌な態度取っちゃって、里見傷つけちゃって・・・里見のことすごい大好きなのに僕、酷いこと言った。反省してる』
須野がわからない。いや、この男がよくわからないのは昔から
里見のことになると異常だと思う須野。でも、それも愛なのだと理解し受け入れてきたけれど浮気のようにも見える里見とハルを見て嫉妬し、里見を困らせたと悩むのはやっぱりおかしい気がする
でも、葛西は自分が理解できない愛が存在するのだと自分に言い聞かせ続ける
「光と連絡それから取れないの?あー、んじゃまぁ、ちょっと様子見てくるよー!打ち合わせしたいこともあるし!まぁ、気にすることないってー!あいつもあんな性格だし、素直になれないの知ってるじゃん?あとはなんだかんだ忙しいんだと思うよー」
『里見は優しいよ?少し照れ屋さんなだけ。里見は本当に優しくて誠実なの。みんなそれに気付けないだけで・・・でも、ごめんね?葛西も忙しいのに』
「いやいやぁー!いーのよ?確かにね?光はある意味判りやすいし素直なのかもしれないよねー・・・ってか須野ちゃんもっとオレを頼ってー!」
『うん。ありがとう』
電話を切るとため息を吐き出す
里見も須野も大好きで恩人。だからなんだってできることをしてあげたい。2人が幸せなことが葛西にとって大事なことだから
でもたまにすごくうんざりしてしまう
嫉妬して怒ればいい立場の須野はなんでも許し、逆に里見の機嫌を損ねたと悩み、須野に同情し里見を少しでも悪く言えば須野の機嫌を損ねるし
里見は里見で好きという感情が幼稚で覚えたての感情に戸惑うから気持ちについていけなくて不機嫌になるから
「あーあーもーホーントオレがいなきゃダメなんだからぁ」
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なんていうか・・・色々追いつかなくて毎日更新もうできない時期に来たんじゃないかって弱気になっている水尾・・・でもまだ走りたい・・・走りたいーーーー
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