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つれないキミと売れてる僕12-53 - 01/09 Wed

trackback (-) | comment (0) | つれないキミと売れてる僕
「里見は完璧だよ?ホント、もう、僕の全て」
「・・・オレは」
「・・・キズ、見たけど里見はやっぱり完璧だった・・・ホントだよ?僕、里見に嘘吐かないよ?世界で1番キレイで完璧な里見に僕嘘吐かない」

誰に言われても信じられなかった言葉。自分自身が完璧じゃないと思っていたのに、須野に言われるとそうなんじゃないかと思えてくる不思議

「里見、あの・・・あのさ」
「あ?」
「約束、覚えてる?」
「何の」
「あのっ・・・えっと」

須野が少し耳を赤くしながら里見の耳に唇を寄せる

「僕、我慢ずっとしてたよ?」
「・・・は?」
「すっごいの・・・してくれるんじゃ・・・ないの?」
「っ・・・」

須野の色気にぞわりと背中が粟立つ

男の声なのに今まで抱いてきた相手よりも体が情欲に支配されそうになる

ここまで須野の色気を育てたのは里見。色気を持たなかった須野が雄としての色気を持つようになったのは里見のせい
あぁ、このまま飲まれてしまおうか・・・と里見は須野に顔を寄せた

「須野・・・」
「光ぃー!意識戻ったの嬉しいけど何ー?!その喜びよりも・・・ってえええええーーー!待って!何それ!ちょ!ええ?!」

その雰囲気をぶち破るように入って来たのは葛西で里見は自分で呼びつけたのも忘れて舌打ちをする

「うるせぇ。病院連れて行け」
「里見、僕っ」
「戻ってきたら」
「え?」
「すげぇの・・・だろ?」
「っ!!!葛西、ごめん。おじさんのところ大丈夫かなぁ?ほら、僕、この状態で病院行くと騒ぎになっちゃうかもだし、そしたら僕怒られる」
「待って。訳わかんないけどとりあえず病院ね?うん。うん・・・」

葛西は目を瞑ってうーんうーんと唸りながらもこの状況を理解しようと必死に頷いた

あの日、調子が悪いと言った里見が突然倒れた。そして、心を閉ざしてしまった。スプーンを持って行けば口を開き、支えながら歩いたりはするけれど里見の意思はどこにもなくなっていた。須野が全部里見の世話をするとあまりにも強く断言したから葛西は何も口出ししないと決め、また長くかかるのかと思ったのに思ったよりも早く意識を取り戻した里見から突然連絡が来たことを喜ぶより前に告げられたのが車を出せということだけ。心配していたのだからもっと他にあってもいいと思ったけれど須野の部屋を訪れてみたら血塗れだし、里見はいつも通りに戻っているし、頭が追いつかない。でも、倒れる前の里見でもなくなったように見えてどこか安心した

「里見」
「あ?」
「一緒に来て?」
「何で」
「心配だから」
「何言って・・・あー・・・クソ。判った」

須野の心配がキズを治療するものへではなく、里見をひとりにすることだと気付いて里見は立ち上がる

さっきベランダから飛び降りようとしていた人間をひとりにするのは確かに心配になるだろう

「・・・わっかんないけどとりあえずラブラブ?」
「っせぇ!」

それでも否定はされなかったことに葛西は喜び、笑顔で車の鍵を指でグルグル回しながら須野の部屋を出た











葛西の叔父に手当てしてもらい、勿論自分は外科でも精神科医でもないと散々文句を言われ、自分で体に傷つけたことに説教はされたけれどそれでも何事もなかったかのように部屋に戻って来た3人

「縫わないキズでよかったねぇ」
「・・・里見と一緒じゃない」
「須野ちゃん光と傷口まで一緒がいいってどんだけ変態なの!」
「ふふ。僕そんなに変かなぁ」

笑う須野にあぁ、そうだ。と里見は「狂愛」を見つけて小さく笑うこれがきっと求められている狂愛に違いない。自分に自信がなくなって見失っていたけれど須野からの愛はいつだって狂って見える程の大きなもの

「え、里見仕事モード?あ、えっと、えーっと・・・だよね。じゃあ、僕、待ってる。ここで待ってる」
「あ?」
「待てるよ?待つよ!だから、だから、あのね、あの・・・ね」
「判ったっつーの!お前は口閉じてろ。葛西、ほら!帰れ」
「何で!!!もーちょっとさぁぁぁ!ほら!オレらのイベントの盛況具合とかさぁ!気にならない?気になるでしょ?!」
「須野が物欲しそうな顔でオレのこと見てんの判んねぇのか?」
「え?!あ!あーっと・・・じゃあーお邪魔しましたぁ?っつか須野ちゃん!判るけどね?そりゃあ男の子だもん!久々にちゃんと会った恋人前にしたらって判るけど傷口開くよーなことしちゃダメだかんね?」
「・・・うん」
「いや、判ってねぇな。光、お前は判ってるよな?」
「うっせぇよ」

葛西が部屋を出て行くと2人きりで、須野は仕事モードの顔をしていた里見を見つめる

「里見、仕事・・・仕事が終わったらさっ」
「だから黙ってろ」

唇を塞ぐと須野に抱き寄せられてソファーへ押し倒される

「おい、まだ何の準備もしてねぇって」
「っ・・・でも、里見・・・違うの?」
「仕事終わるまで待てるんだったらシャワーくらい待てるだろ」

里見の言葉に小さく何度か頷いた須野は名残惜しそうに里見の体を離した

「それとも、お前がオレの体洗うか?今までもやってたんだろ?」
「!!!うんっ!うんっ!」
「あぁ、でも、傷口濡らしたらマズイか」
「大丈夫っ!」

必死な須野の頭を撫でる

もう疑わない。疑いようがない。須野のこの目は自分を求める恋する瞳










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えー・・・透き通るブルーが書きたいです
なんていうか今回重すぎたから爽やかな若い子書きたい
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