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つれないキミと売れてる僕12-56 - 01/12 Sat

trackback (-) | comment (0) | つれないキミと売れてる僕
「え・・・」

須野の驚いた顔が里見の頭を冷静にする。でも止まらないよくも知らない男への嫉妬

「お前オレが全てっつっただろ!なのに他のやつ褒めるとかなんなんだよ!オレはお前が自慢できるような趣味もねぇけど」

頭では冷静に昔、浮気する度にこんな風に彼女たちがキャンキャン吠えてめんどくさかったのにその女どもと同じだなんてと自分を軽蔑している。おかしい。狂っている。須野の愛が狂っている?狂っているのは自分なんじゃないかと思う。でも止まらない。止められない・・・この感情がどうしたら止められるのか判らない。醜くて恥ずかしい感情なのに止まらない・・・

「里見」
「お前はっ」
「うん。里見だけ見てる」

でも、そんな里見を全部判っているかのように優しくへにゃりと幸せそうに笑った須野に開いていた口を閉じた

「ねぇ、里見、僕里見以外に反応しないって話はしたよね」
「あ?あぁ」

聞いた。こんな有名で人気のある男が自分でしか反応しない優越感を感じていたから

「それね、ぜーんぶのことに対してっていうのは流石に気持ち悪いかなって言えなかった。だって、里見、引いてたもんね、僕が里見にしか、里見想像してしかできないとか・・・僕にもちょっと里見を愛しすぎてておかしいのかもって自覚あるし」
「・・・全部ってなんだよ」
「僕さ、小さいとき・・・例えば春子さんがケーキ買ってくれたときとかね、昔よくあったんだよね。それでお母さんは美味しいね?寛人って言うから僕はなんかよく分からないけどあぁ、これが美味しいっていうんだって思って笑って美味しいねって言ってたんだ」
「味覚ねぇのか?でも、お前よく旨いから食えとかオレに寄越すだろ」
「うん。味は判る。でも美味しいとか空が綺麗とか風が気持ちいいとかなんか全然分かんなかった。普通に赤とか青い空の色、風が吹いてるってのは理解できるのにね。多分僕普通じゃなかったんだろうなぁ・・・」

そして、回想していた須野の目が里見をまっすぐ捉えると須野はキラキラと目を輝かせる

「でもね、里見に会ったの!産まれて初めて最高にキレイなものに出会ったの!そしたらね、ケーキ食べてもハンバーガー食べても里見と食べたいって思ったら美味しいとかこれは里見の口には合わないかなーって判るようになったんだっ!食べ物食べるとね、あ、これ里見に食べさせたい!って思えるの!」
「・・・何だそれ・・・」
「里見が夕焼けの下を歩いてたらあぁ、夕焼けってキレイって思ったし、全部全部里見が僕に与えてくれたキレイなんだよ?だからね、僕、里見が全てって言うけどそういうことなんだよ?里見がいない世界は僕なにひとつ楽しいことない。美味しいとかもないし星空に感動することだってない。恐怖もないし喜びもない。里見がいるから僕は毎日幸せに生きていられるの」

重い。重すぎる愛・・・でも、須野の言葉はきっと全部事実なのだろう

「悠介くんはね、僕が撮影中に勧めた里見の本読んで会いたいって言うからあの日一緒に行ったんだよ。ホントはね、里見に誰も近づけたくないけどみんなに里見を自慢したい気持ちもあるんだ。僕・・・でね、アロマのこと全然興味なかったけどアロマオイルのマッサージの話聞いたら里見にマッサージしてあげられるかもって興味出て、悠介くんと色々話しできたの!里見は僕に世界を与えるだけじゃなくて世界をすっごく広くしてくれるの」
「須野」
「愛してる。里見・・・大好き・・・里見は僕にとって存在するだけで自慢なんだよ・・・愛してる。愛してるっ・・・里見しかいないの。僕の世界は里見だけなの・・・里見だけでできてるの。愛してるんだ」

里見は急に泣き出しそうな顔になった須野を抱き寄せると背中を撫でて「オレも」と聞こえないほど小さな声で呟いた

聞こえなくたって平気。抱きしめたことで伝わっているから

里見のこの体温が鼓動が言葉よりも須野に伝えてくれているはずだから

「・・・須野」
「うん?」
「オレは・・・短気だけど確かにキレてるけどお前はもう我慢しなくていい」
「我慢?」
「お前がぶつけてくれないとオレはお前みたいに言えないからまたそのうちこうなる」
「・・・それはイヤかも」
「だから」

須野が小さく頷くと里見の体から顔を上げると息を吸い込んで口を開く

「浮気はイヤ!僕だけのになってて!余所見なんてしないで、僕だけの里見でいて!頑張るから!なんでもするからずっとずっと傍にいて!僕だけの傍にいて!里見が女の人の方がいいの判ってる!でも僕は里見がいい!だから、お願い。どこにも行かないで。女の人とエッチなことしたくなっても我慢・・・して」

だんだんと小さくなっていく声は須野の自信のなさ。里見は須野の額にデコピンを飛ばすと「バカか」と吐き出す。やっぱり下らない事だと思われたと須野が俯くと里見に顎を掴まれる

「背中丸めるな、俯くなっつってんだろ」
「ごめんなさい」
「そういや、お前が好きって主張すんのオレくらいだな」
「うん」

長く一緒にいるのに須野の好きな食べ物も好きな曲も何も知らないのは須野の「好き」が全て里見だから。誰よりも好き、誰も見ないどころか全ての好きを全力で注いでくれる須野が愛しているのは里見だけだという事実に里見の自信はみるみる復活していく

下らない嫉妬だとかそんなのもう関係ない。どうでもよくて里見の中でもう丸めて捨てたもの。少し前に癇癪を起こしたかのようにヤキモチを焼いた自分はもう忘れた

「オレはホントダメになった」
「そんなことないよー」
「お前がいねぇとダメだっつーの」
「・・・っ・・・」

照れ臭くなって須野の頭を叩き背を向けて寝転がった里見を見つめながら須野はポロポロと温かい涙を零しながら里見の背中を抱きしめる

「それならもっともっとダメになって。僕がいないと生きていけないくらいになって」

須野の言葉にもうなっている。と思いながら里見は重い瞼を閉じたのだった

今回、自信を失くし、誰からももう求められないのだと絶望したのは須野がいなかったから。須野が里見の全てを独占したいと望むように里見も須野の全てを独占したいと想っているから









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須野書きながら病んデレ王子・・・とか思ってたけどそれは里見だな・・・うん・・・いや待てよ?やっぱりそれは須野だろ・・・

ところで、里見は自己中ナルシストだったわけですが、今回キズができて色々彼なりに考えた結果、ナルシストではなくなるような気がするんだけど、それでもつれキミ売れ僕は成立するんでしょうか・・・


そして、水尾、明日からの更新ストップするかもしれない・・・3連休に更に有給ぶちこんで夢の国へ行ってきます。ひゃっほーい!
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