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つれないキミと売れてる僕12-58 - 01/29 Tue

trackback (-) | comment (0) | つれないキミと売れてる僕
葛西は少し緊張しながら里見の部屋を訪れる

里見がこの部屋を出て行くと言ったのは何かの間違いだと信じていたけれどやっぱり怖くて。そして一緒に仕事をするのも最後だと言われたことも忘れられない

「光ぃー!あのさぁー!」
「バカ。貸せよ」
「えー!里見僕にやらせてくれるって言ったじゃん!それに僕作ったことあるんだよ?!」

でも里見の部屋に入って粉まみれの親友2人を見たらそんな不安は吹き飛んだ

「なーに楽しそうなこと2人でやってんのー?!」
「あ、葛西ー!里見が僕にふわふわパンケーキ任せてくれないー」
「ふはっ!パンケーキ!」
「違ぇ!ふわふわのスフレパンケーキだっつーの」

ふわふわでももちもちでもどうだっていい。大の男がパンケーキ作りで粉まみれになっているだなんてやっぱり2人の親友は面白いと頷き、葛西は笑顔で「オレも混ぜてー」と一緒に粉まみれになったのだった







なんとか完成したスフレパンケーキを3人で食べると里見が口を開く

「イベント、あいつのおかげでなんとかなったわけだな」
「え?」
「里見ね、朝早くからパソコンでなんかしてると思ったらコレ、気になって検索してたみたい。それでなんでか脱線してふわふわパンケーキの作り方になったみたいだけど」
「ふわふわスフレパンケーキ」
「こだわるな!光ちゃんスフレにこだわるな?!」

須野が幸せそうな笑顔でトゥルーエンド達成者のみもらえる冊子を自慢げに掲げ、葛西は里見も自分との仕事を気にしてくれていたことに目を細めると口を尖らせる

「オレから光に全部話したかったのにー!」
「期間延長とかあいつのおかげみてぇになってるのが解せない」
「アキラはホントに里見のファンなんだってばー・・・」

里見が検索した結果、出だしは好調とは言えなかったこと、それが里見をライバル視している作家、西野 晶のSNSへの投稿で盛り返したこと、そしてトゥルーエンドになんとか辿り着きたいリピーター達がたくさんいること、期間延長を熱望する声が多く出て期間延長していることを知った

『謎解き自体は稚拙で皐月光もこんなものかと思ったけれど彼が仕掛けた謎はもしかしたらひとつだけなのかもしれない。その謎が解けてこそ彼の作った物語だと納得できるだろう。少なくともボクはそう感じた』

『皐月光を好きだと言いながら、トゥルーエンドに辿り着けず、物語も大したことなかったと言っている人はファンを名乗るのを止めた方がイイだろう。彼を理解し、彼の物語を本当に愛しているのならばそこへたどり着くことは安易ではなくとも難しくもないはずだ』

西野が書いたその投稿。それは里見のファンだという人間達の闘志に火を点け、西野はその後も度々トゥルーエンドに辿り着けないファン達を焚き付ける発言をしたことがここまで来場者数が伸びた要因だろう




「あ、そうだ。僕まだ褒めてもらってないよ?僕すごい?トゥルーエンド到達1人目だよ?!」

そう。それも検索したことで読んだ。そして親友にヒントや答えを貰っていたのではないかと言われているのも知っている

「お前はオレを判ってるだろ」
「え?!もちろん!誰よりも里見を愛してるからね!」
「何?!なんかすっごい仲良し!」
「あ、コーヒー飲む?新しいの淹れるね?」

須野が席を立つと葛西は「オレのはカフェオレにしてー!」とキッチンへ向かった須野へ叫んだ

「・・・光、も、大丈夫っつーことだよな?」
「あいつはオレを愛してる」
「うん・・・知ってる」
「オレはこのキズで信じられなくなった」
「・・・んなのあるわけないじゃん」
「まぁ、このキズでオレがあいつに愛されねぇとかねぇわな・・・でも、まぁ、なんだ・・・」

里見が口籠るのを葛西は首を傾げて里見の顔を覗き込む

「お前にも多少は迷惑かけた」
「!!!」
「多少だ!多少!」
「光がオレにデレたぁぁぁ!!!やっべ!超嬉しい!レア光!」
「うっせぇ!多少っつってんだろ!」
「やっだー!光ちゃんたら照れてるぅー!やだぁー可愛いー」
「僕がいないところであんまり仲良しだと妬くよ?」

新しいコーヒーとカフェオレを持って戻ってきた須野のコーヒーのマグカップを引っ手繰ると里見は仕事するから出て行けと背を向け、葛西は須野から受け取ったカフェオレを持って須野の部屋へ移動した








「・・・須野ちゃん、もー光大丈夫なんだよな?」
「うん・・・でも今回やっぱり僕は里見の傍離れちゃいけないって痛感した」

里見の愛を信じられるようになったから舞台の仕事やロケが多いものも受けられるようになった。でも、やっぱり離れてはいけない。近くで里見を支えないとまたベランダから飛び降りられる羽目になるかもしれない

「で、どーすんの?」

葛西の言葉に須野は黙り込む

「っつかバレるじゃん?すぐだよ?」
「社長にも恩はあるよ?でも、僕はそれ以上に山口さんに恩がある」
「判ってる。そこはオレも動くつもり。でも、光には?」
「・・・言うよ?もちろん。でも、今はまだ早い・・・」

須野は弱々しく葛西に微笑む

「無職の僕、何もない僕でも、里見を支えられるかな」







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突然須野ちゃんに爆弾発言させておいて明日つれキミ売れ僕12幕最終話になります
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