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ふたりのバレンタイン7 - 03/06 Wed

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で 番外編
いつもより遠く感じた部屋に入る。バスルームに直接来い。そう言われたからコートとジャケット、そしてスラックスもリビングのソファーへ投げ捨て、走って切れた息を整えながらバスルームへの扉を開けた

でも、バスルームは暗くて、いや、薄暗くて。リビングは電気が付いていたから余計に電気の付いていない洗面所と明らかに暗いバスルームが急に怖くなってネクタイを外しながらバスルームのドアを開ける
いつだってそう。嬉しいことを期待しているとき、よくないことが起こるのを想像する。最悪の事態を想像してしまう。何度も忘れようとしたけれど、大学3年の時に柚木にこれからもずっと一緒にいたい。そう告白を決意したあの日が最悪の事態として頭に過る

「・・・ユズ?」
「おかえりー」
「・・・ぶっ・・・はっ!なんだよこれ!」
「雰囲気作り」

柚木がいないんじゃないかと思いながらドアを開けたけれど風呂に浸かった柚木が迎えてくれて普段置いていない怪しげに光るランプに思わず吹き出し、柚木がいたことに心から安心した

「まぁ、いいから入ってあったまれよ」
「・・・っつか、どうしたんだよ。これ」

床にはエアマットが置いてあるしいつもと明らかに違う様子のバスルームを柚木が作り出したのだと思うと笑いがこみ上げてくる

「んー、買ったのとか貰ったのとか・・・ほら。早く入れ」

湯船から立ち上がった柚木と代わる様に暖かい湯に浸かると思わず吐息が漏れる

「えっろ」
「あ?」
「お前いちいちエロいんだよなー・・・ホントオレは心配だー」
「なーにが心配だ・・・あんたがエロいことばっかり考えてるからそう見えるだけだろ」
「いーやぁ?大体なぁ、お前が男にあり得ない程モテるのが証拠だろ?お前が意識してないところがまたエロい」
「だったら・・・」

自分よりも柚木の細い腰だとか骨張った体の方がよっぽど・・・と思ったけれど、それは柿内の性癖のせいだと言われるのが判っていたからそのまま口を閉じた

「さぁ、お客様、こちらへ」
「なんだよ」
「よくわかんねぇけどソープごっこ?」
「知ってんの?」
「いや、知らない。お前行ったことある?」
「ねぇよ」

柿内が吹き出しながらも立ち上がりエアマットへと移動する

「すげぇ甘い匂い」
「だな」
「やべぇ。このライトにこの匂い!すっげぇ笑えてくるんだけど」
「やめろ。あんたが笑ったらオレまで笑う」
「ってことはお前もこの状況おかしいと思ってんだよな?」

体は確かに反応し始めているのに、気持ちもその気になっているのにこのおかしな状況に顔を見合わせると2人で同時に吹き出す

「やべぇ!ダメだ!ツボった!」
「クソっ!だからこういうのイヤなんだっつーの!部屋で仕切り直ししよ・・・」
「いや、待てってー。柿内ぃー」

ローションで滑らないように気をつけながら立ち上がった柿内の腕を掴むと結局滑って柚木に覆いかぶさるように転ぶ

「大丈夫か?」
「ん・・・」
「・・・」

確かにこの状況はおかしくて笑えてくるのだけれど薄暗くライトアップされ、滑る肌、甘い匂いに柿内は飲まれるように柚木に唇を落とす

「・・・クッキー、すげぇ美味かった」
「ん、チョコプリンも美味かった」
「ありがと」
「・・・ん」

普段ふざけあっているから余計に真面目な柿内の顔が真っ直ぐ自分を見てくることにまだ慣れない

ずっと恋をしている気分だった。愛されていて付き合っているのに柿内の真っ直ぐな顔を見ると10代の高校の頃に戻ったように苦しくなる

「ユズ・・・したい・・・オレ・・・」
「あぁ、しよう?」

いつもの様に茶化してしまいそうになったのを飲み込むとそっと柿内の背中に腕を回した







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今回の番外編が長くなったのはエロ入れたから。
青プ最終章で2人がイチャイチャってなかったからどうしてもどーしてもっ!と水尾が書きたくなったわけです。

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