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いいなり1 - 06/13 Sat

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倦怠期なんて付き合い始めた時は考えたことすらなかった
そもそも、倦怠期がくるだなんて付き合い始めに考えるカップルはいないだろうが、全然想像だってしなかった
そして、この何も面白くない今の気持ちがその倦怠期だということだって知らなかった・・・

何も知らなかった

何も・・・


「明日の休み、どこ行こうか」
「行かねー。どこも混んでっしめんどい」
「そっか・・・じゃあDVDでも借りてきて・・・」
「つまんねぇ」
「そっか」

いつも言いなり
はじめから言いなり・・・

つまらない
つまらない

刺激がほしい

手に入れた時はすごくイイものを拾ったと思った
長身でイケメン。そしてなにより優しくて言いなり。何をしたって怒らない恋人

「別れよっか」
「・・・え?」

久し振りに見た彼の驚く顔

「・・・うん」

こんなときだってやっぱりいいなり

こうして三崎は1人を失い、自由を手にした







「お前さー、マジでワガママすぎる。ムリだわ」
「あっそ。じゃあさよーならー」

彼と別れて3年・・・こうやって何人と付き合い、すぐに別れてを繰り返しながら三崎は自由に生きてきた
それも疲れを感じ始めた頃、思い出すのはいつも彼

何を言っても笑って許して・・・夜中にアイスが食べたいと言えば笑って買ってきた彼
今、夜中にアイスが食べたくなっても買って来てくれる人はいやしない
次の日が仕事でも大事な予定がある日でも会いたいと言えば深夜でも明け方でも飛んできて抱きしめてくれた彼・・・でも手放したのは三崎


「・・・」

何度も電話しようと思った
でも、別れたのは自分。携帯のメモリを消すこともかけることもできなくて・・・

「・・・」

なんで別れたのか

なんで手放したのか

なんであんな顔をさせてしまったのか

会いたい
会いたい
会いたい
会いたい
会いたい

また微笑んで好きだよと言って欲しい




熱い夏の日、仕事の外回り営業をしているとふと見慣れた懐かしい顔を見つけて足を止める
オシャレなカフェで女性と談笑している彼・・・

そういえば、彼は男は自分が初めてで・・・
基本は女性が好きなのだった・・・

立ちつくした足はそこからしばらく動けずに暑いのに冷や汗が背中を伝う

あの時手放さなければ・・・あの時・・・

彼がガラス越しに視線を感じて三崎を見る
そしてあの時のように驚いた顔・・・

思わず逃げた
泣きそうだったから
そう。泣きそうだった


大人の男なのにその場で大泣きしそうだった

失ったものが大きすぎて

手を離したものがどれだけ大事なのか初めて理解してしまって・・・




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今回から続かないSS系用にカテゴリ増やしてみました。
ここに入ったら基本は続きナイです・・・ってことは他のは続きあるかもっていうことです・・・
既に結構広げ過ぎてないか?私!!!!っていう;;;;;

全4話の予定です。少々お付き合いくださいませー
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