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いいなり3 - 06/15 Mon

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部屋に入って来たのに玄関から一歩も動かない彼に気付いて思い出す
まだ入っていいだなんて言ってない

だから玄関でじっと立ったままなのだ。彼は相変わらず優しくて・・・痛い。痛い痛い痛い痛い

痛い

胸が


痛い



「なぁ、いつまでそこにいんの?」
「・・・上がってもイイ?」
「まだなんか用あんの?」

こんな言葉しか出て来ない自分が嫌いだ。本当に欲しいものは素直に欲しいと言えない
ワガママで空いたの気持ちを量ってしまう
どこまでワガママを聞いてくれて、どれだけ自分を想ってくれているのかを量ってしまう

「・・・ある」
「じゃあ上がれば」
「おじゃまします」

やっと靴を脱いで、揃えて・・・ついでに三崎の靴まで揃えると彼は入ってきて

土下座して

あまりにも突然で三崎はソファから立ち上がって後退りする

「な・・・に?」
「あの時はごめんっ!」
「な・・・え?何?」
「あの時!オレも三崎と別れたくなってた!いつも笑ってた三崎が全然笑わなくなって・・・オレ、キツくて・・・あの時、思わず頷いた!」

初めて聞いた。あの時の話。それもそのはず。あの時はただ別れ話に頷いた彼をすぐに追い出してそれから3年も連絡していなかったのだから

「三崎の笑った顔が好きだったのに、笑わなくしたのはオレ・・・だから・・・オレが悪い」
「わ・・・悪くねぇし・・・頭上げろよ」
「・・・ごめん・・・三崎、今は幸せ?」

そう問われて三崎は窓を見て「幸せだよ」と強がって見せる
彼は「そっか」と言って立ち上がるとまた玄関へと向かった

「三崎・・・」

玄関で靴を履くと昔みたいに微笑んでそう呼ぶ彼

「オレのこと嫌いでもそんな嘘言わなくていいよ」

全て見透かされている・・・昔から。昔から全て判ってくれたのは彼だけ
幸せなんてあの日々だけ
幸せに慣れ過ぎて幸せを幸せに感じられなくなっていたあの日々だけ

「三崎、欲しいものは欲しいって言って。三崎が求めればきっと相手も欲しいもの全部くれるから」
「っ!!!!!!そんなことあるわけねぇ!!!!!」
「?」

突然大きな声を出されて彼は驚いて三崎を見つめる
三崎の瞳に涙が浮かび始めたのを見ると靴を脱ぎ捨てる

「三崎?どうし・・・」
「欲しいものを言ったって誰もくれなかった!最初くれたとしてもすぐにワガママだって捨てられた!嘘だ!お前だけ!最後までオレの・・・オレのワガママ聞いて全部・・・全部くれたのは」

三崎の子どもみたいに泣きじゃくる姿を見て戸惑いながら三崎を抱きしめる

「触んな」
「・・・ごめん。それは無理」
「触んなっ!!!」

彼は言うことを聞かない
もう触ってほしくない。また恋をして欲しがって欲しがって求めてしまうから

「三崎、言って?オレのこと欲しい?」
「っ・・・要らないっ!!!!」
「・・・っ・・・」
「お前なんて要らないからっ!出ていけっ!!!!」
「・・・うん・・・」

素直になんて今更なれない

彼が欲しい

付き合いたい

やり直したい


そんなの昼間の幸せそうに彼女と笑う姿を見た後に言えるわけがなかった。ここで求めてしまったら彼女との仲を壊してしまうのは判っているのだから




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うん。三崎が受ね。
水尾の書くもので一番多いパターン。判りやすい傾向ですね。
で、やっぱり攻がへたれ。これしか書けんのか!っていうね・・・いや、野球少年は多分へたれじゃない!(多分)
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