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ホワイトデー -つれキミ売れ僕番外- - 03/14 Sat

trackback (-) | comment (0) | つれないキミと売れてる僕番外編
3月14日・・・それはホワイトデー
女の子たちは少しそわそわして本命からの返事を待っていたり、ドキドキとは無関係に友達同士の友チョコのお返しを用意したりで忙しい

「光、お前さー、「お返し」とかってしないの?」
「は?」
「ほら・・・めっちゃくちゃバレンタインに貰ってたのにその軽装備・・・」

葛西は里見の鞄をみるが、いつも通りの学生鞄一つだけ。余分な鞄も紙袋も持っていない

「お返しなんてオレが笑って受け取った時点でもう不要だろ」
「・・・ホンット神様って不公平だぁぁぁぁぁ!!!!!イケメンだからって全て許されるとかずるいぃぃぃ!!!!」

その会話の隣でニコニコ笑っている須野
彼もいつも通りの装備で、お返しを渡すような雰囲気はどこにもない

「・・・須野は?」
「あ、僕は受け取らなかったから」
「は?!」
「事務所の方針でー・・・とか全部断っちゃった」

「あー・・・」と葛西は納得してため息をつく
これじゃ親友二人はどうお返しを返すかなんて相談できない・・・
本命じゃなくても義理チョコ、友チョコと貰えるだけ貰った葛西はお返しのプレゼントをしっかりと袋いっぱい用意してきたのに・・・
タイミングはどうしたらいいか相談したかったのに・・・

「あーもーーーー役に立たなーいっ!ってわけで、オレ、今日帰り忙しいから二人で先帰って!!!」
「・・・本命なんか一個もねぇだろ・・・もーその菓子全部持ってこいよ。オレ食ってやるから」
「なっ!オレは律儀にちゃんと返すのぉぉ!!!!」
「そういうところが葛西のいいところで、きっと女の子たちもだから葛西にくれたんだよ。里見もそんなこと言わないの」

そう言うと授業開始のチャイムが聞こえて葛西は教室へ戻っていく

「・・・帰りお前ん家寄る」
「?・・・うん」

里見はそう伝えると教科書とノートを取り出してまたいつものように外を眺めた
里見は外を眺めてその横顔を須野が見つめる・・・それが毎日の光景

-----------

授業が終わり、須野の部屋に到着するといつもの定位置に里見は座る
窓際、ベッドの下・・・

「・・・お茶がいい?ジュース?」
「・・・なんでも」

須野が部屋を出てお茶とお菓子を用意して戻るとローテーブルの上に見慣れない包みがある

「・・・?」
「・・・」
「里見?」
「・・・まぁ、なんだ・・・お返し・・・?」

読んでいる本から顔も上げずにそう答える彼に須野は胸が痛くなる
確かに今日はホワイトデー
バレンタインに想いを込めて須野は里見にプレゼントを渡したが、それも大量の本命チョコに埋もれて忘れられたと思っていた

嬉しくて
嬉しくて
信じられなくて

「いいの?」
「要らねーなら持って帰る」
「ダメ!ダメダメ!これは僕のっ!!!」

必死にそう答えると須野は丁寧にその包装紙を取り、箱を開ける
そこにはクラッシックなボールペン

「・・・ありがとう」
「おう」
「・・・ありがとう」
「・・・おう」
「・・・大事にする」
「・・・」

こないだ彼女を作ったはずの里見がその彼女じゃなくて自分と過ごしているということにも気付いて須野はまた胸が締め付けられる

彼女がいたっていい・・・
親友でイイ
気持ちは伝わっているのだから

気持ちが伝わっているのならそれ以上何も望まない






「あー・・・また切れちゃった」
「あー?」
「ん?ボールペン」

台本に書き込みをしていた須野がそう洩らす
須野の手に握られているボールペンはまさしくあのときプレゼントされたもの

「まだ持ってたのか」

と里見は思い出す

10年前のホワイトデー
須野にだけお返ししたホワイトデー・・・

「大事にするって言ったじゃん」
「・・・また新しいの買ってやる」
「え?」
「・・・そんなボロボロの使われてると催促されてるみたいだろ・・・」

里見は横に座る彼にそう言って、ボールペンを取り上げて、その代わりその手を握り締めた




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ホワイトデーなので番外編も追加です。
番外編なのに葛西があんまり目立たなかった・・・
ストックされている番外編はやたらと葛西が目立ってるのですが、それはまた機会があれば・・・

そして、ブログ開設から一週間・・・まだまだ始まったばかりですが、どうぞよろしくお願いします
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