FC2ブログ

つれないキミと売れてる僕4-9 - 06/25 Thu

trackback (-) | comment (0) | つれないキミと売れてる僕
舞台挨拶付試写会のチケットは抽選販売だったが、予想を超える申込数に葛西は泣いていた

「嬉しい・・・マジで」
「話題性だろ」
「それでもっ!そりゃ狙ったよ!噂の親友3人組が映画作って3人が舞台挨拶出てくるって・・・気になるでしょ?でも・・・でもさぁ・・・期待されてるってことじゃないの?これ!」
「・・・大半がこいつのファンでもそれ言い切れるか?」
「いいっ!須野ちゃんの人気にあやかるのもいい!っつか悪いけどそれも狙ってるから!」

親友3人で映画を作るという葛西の夢が始まったのだ。撮って、それを評価されてからまた葛西の夢は続く。1人でも多くの人に観てもらいたい
そして、里見のファンを増やしたかった。須野のファンも増やしたかった。もちろん、自分の作品の評価も欲しい
欲張りでも全部欲しい。親友のために。親友のこれからのために

「里見にも誰かメイクさんとかつく?」
「光が嫌がるから何もなし」
「うん。だよね。里見はそのままで十分すぎるほどきれいだし・・・」
「須野ちゃん、いい?一緒に舞台上がってもその顔止めなよ?惚れてますオーラ駄々漏れすぎて絶対に怪しまれてネタにされるから」

葛西が釘をさすのは無理もない
須野の顔は里見の前ではいつだって緩みっぱなしなのだから



当日、歓声の中現れた3人・・・こんな場に出るのは里見は初めてのこと。それでも堂々としていて、それは自信に満ちた表情だった
作品の見どころを話す須野は里見が普段見ている須野とはまるで別人。しっかりとした口調で話、更には笑いどころまで作るなめらかすぎるトークでいったい誰なのかと疑ってしまうほど・・・葛西が撮影時の話をし、里見が原作者の皐月 光だと紹介されると会場はざわつきを引き起こす

「噂の皐月 光です」

そう話し始めると一層ざわついたが、その後、里見の微笑みで会場の皆を虜にした
スクリーンに映し出される里見の微笑み・・・それは美しく、きっとこの会場で里見の本を今まで買ったことがなかった人間も帰りに買っていこうと思わせるほどの微笑み・・・
須野は里見を熱っぽく見つめる女性たちに嫉妬し、そして自分も見惚れそうになるのを必死に耐える

輝いていた。里見が輝いて見えた。ずっと隠れるようにして書き続けてきた里見の初めての公の場
サイン会も作者近影も撮らずにここまで来たのに突然の晴れ舞台・・・葛西の作った映画のため・・・そう考えると嫉妬してしまうが、それでも輝いている里見に須野は眩暈すら感じていた


「須野ちゃんはお仕事だーけーどー!オレは光と2人で祝杯あげる!かるーくやろ!かるーくっ!」
「・・・須野はあんな顔だったか?」
「ん?あぁ、そうだね。普段ともテレビとも違うっしょ?」
「別人・・・だろ・・・あれ」

紫煙を吐き出しながら思い出す
あのはっきりした口調とまっすぐ客席を見つめる須野の横顔・・・自分に微笑みかける須野とは全く別の笑顔

「どっちが好き?」
「はぁ?」
「須野ちゃん、イイ男だからさーあれには惚れてもおかしくない」
「惚れねぇし」
「惚れてるくせに・・・でも、須野ちゃん、現場でもあんな感じ・・・あんな顔で話し掛けられてたら勘違いしちゃう子もいそうだな・・・」
「・・・かもな」

里見の知らない須野がまだいる。すべて知っていると思っていたのに実は知らないことばかり。みんなが知らない須野の姿を知っている。なのにみんなが知っている須野のことは知らない・・・それがなぜか今すぐ須野に会いたいという衝動に変わり、里見はモヤモヤする気持ちをビールで胃袋へ押し込んだ

「光はまだ観てないよねー」
「あ?」
「獣。来なかったじゃん?関係者試写会・・・須野ちゃんがなかなかエロいんだよなー。これが!オレの部屋でも観れるけど観に来る?」
「あー・・・んー・・・まぁ、観る・・・かな」

里見は少し考えて頷くと葛西の部屋へと一緒に戻る。手にはコンビニで買ったビールを持って・・・



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ


にほんブログ村

どうでもいいけれども、予約投稿でどれくら先まで投稿しているかっていうとー・・・半月くらい先まで投稿してあったりします。
だから、書いている時はまだ6月頭だったりね・・・
FC2は30件まで予約投稿できるからそれに甘えているわけです。たまにここは書き直したりしてるけど。基本は新しい話に必死なわけで・・・ネタが古かったらそういう理由ですー
そんなケチケチ小出しにすんなよーって言われたら・・・泣いて許しを請えばいいですか?w
関連記事
スポンサーサイト



comment

コメントを送る。

URL:
Comment:
Pass:
Secret: 管理者にだけ表示を許可する