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つれないキミと売れてる僕4-19 - 07/05 Sun

trackback (-) | comment (0) | つれないキミと売れてる僕
須野はトイレで目を覚ます。今、何時なのかもトイレじゃ判らなかった
携帯はジャケットの中・・・帰って来てすぐ床に脱ぎ捨てたから持っていないし、変な体勢で寝ていたからか体のあちこちが痛い気がした

そっとドアに耳を当てると静かな様子・・・人の気配もない・・・ゆっくりとドアを開けると誰もいないことにホッとし、そのままシャワーへと向かう

全身を洗うとまた涙が零れる・・・ここに触れられた・・・思い出すだけで涙が出てくるのは里見ではない人間に触れられたことの恐怖と嫌悪のせい

「っ・・・里見・・・」

会いたかった
顔が見たかった・・・でも、里見以外に触れさせたこの体で里見と顔を合わせることが許せない・・・自分で自分が許せなくてどうしても会いたくなかった
仕事で触れられるのは仕方ない。仕事だから・・・けれど、今回は違う・・・プライベートで里見以外の人に・・・そう思い出しただけで吐き気がする



里見との部屋へ繋がるドアもそっとカギを掛ける
そしてベッドへ倒れると携帯を手に取る

「・・・」

留守電とメールと・・・

「・・・え・・・」

留守電にはマネージャーの山口が心配しているメッセージ・・・
メールには里見から・・・山口に連絡し、今日の仕事を調整してもらったこと。そして、社長に会うということ・・・
そして・・・

メールのずっとずっと改行された一番下に

『何があってもお前がオレのこと好きなのと同じでオレも好きだから安心しろ』

そんな文章を見つけて須野はそれを何度も何度も見直した・・・好きだ・・・好き・・・ずっと欲しかった言葉が今、目の前にある・・・信じられなくて一度画面を閉じてまた開く・・・何度見ても見間違いでも夢でもないその言葉・・・

「っ・・・」

須野はベッドへ突っ伏し、声を上げて泣いた





「初めまして。里見です」
「噂は聞いてたけど・・・ホントきれいな顔してるんだ・・・」

事務所の社長は笑って里見に座るよう促した

「須野のことです」
「少し聞いたけれど・・・本当なの?」
「本当です・・・あいつ、しばらく仕事できないですよ?あんな状態じゃ・・・」
「・・・そんなんじゃ困る」
「オレも困る・・・どうにかドラマであの子下ろすとかできないですかね?」
「それは・・・」

里見の申し出は自分の力じゃさすがにどうにもできないこと・・・悩み、考えるが、イイ策が浮かばず黙り込んだ

「・・・もうあいつが演技できなくてもイイってことですか?」
「よくない!でもこれは難しい問題でっ!」
「大丈夫です」
「・・・須野・・・」
「社長、すいませんでした。僕、大丈夫です」
「おい・・・お前・・・」
「ごめん・・・里見、ごめんね。こんなことさせてごめん・・・」

事務所に入ってきた須野がすぐにそういうといつものように笑って里見の背中をポンと叩くと里見の隣に座って頭を下げる

「僕の不注意で起こったことです・・・僕がこれから気を付ければいいし、もうこんなこと起こしません。仕事もちゃんと行けます。なんなら今から・・・」
「須野っ!」
「ん?」
「お前・・・あの女と一緒に仕事できるか?」
「うん。やるよ。僕の仕事を演技することだもん・・・それがカメラの前だって人の前だって・・・演技するよ」

須野はそう言ってまた微笑むと「大丈夫」と里見に言う・・・これまでもが演技だったら・・・と考えるとキリがない。だが、里見は「そうか・・・」と納得すると立ち上がる

「お時間さかせてしまって申し訳ありませんでした。友人が出しゃばりすぎました」
「いいえ・・・ありがとう・・・寛人のために・・・っていうか、あれよ。うちの事務所に所属しない?」
「は?」
「作家でしょ?判ってる。でも、これからメディア出るならやっぱり事務所必要よー!ね!考えといて!」
「・・・いや、オレは・・・」
「こんなきれいな顔してるんだから・・・あぁ、もったいない。若いときに寛人と一緒にここ入れちゃえばよかった・・・」

里見は最後には勧誘され、戸惑いながら須野の所属事務所を後にした


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立ち直り早い須野!!!
薬は里見の言葉だけ!

・・・単純すぎてホントちょろい・・・もっとトイレに閉じ込めておこうかと思ったのに(←酷い)
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