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キミの隣に幸せ1 - 07/14 Tue

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彼の隣で走って追いかけていられることが幸せだった
中学のユース時代から知っていた
彼と走れるのは自分だけだと思ってた・・・

だから学校でも一緒にいたくて走りたくて同じ高校を選択して、またひたすら走った

走った走った


でも、酷い怪我をして今までみたいに走れないことが分かった瞬間にすべての世界が壊れて

この感情の捌け口が行方を見失って・・・

「ヨッシー、好き」

告白したのが高校1年の冬。

「悪い。そういう目で見れない」

そう断られた冬

怪我で選手生命絶たれたことに立ち直るまで数ヶ月。親友に告白して振られて立ち直るまで半年・・・





「あー!もー今日の試合相手んトコ可愛い女子マネいたなー!!!羨まぁぁぁ!!!!なーんでうちは男マネなーのーさー!!!!」
「・・・畑くん?折角いた女子マネに手を出して辞めさせちゃったのは誰だっけ?」

ニコニコしながら手にしたボードで畑の頭を叩くのが去年まで将来有望視されていた真波 冬夜
怪我で選手生命が危うくなった彼はそれでも諦めずにリハビリをしながらマネージャーとしてサッカー部に残っていた

「真波ー!倉庫開かない」
「あ、鍵オレ持ってた!」
「んー、じゃあ一緒に行こうー」

こうやって肩を並べて歩くことももうないだろうと諦めていたのに、それでも吉岡 多鶴は変わらない。友人としてずっと隣にいてくれて・・・走る幸せは感じられなくなっていたが友人として隣にいられる幸せは見つけられた

「あー、真波」
「ん?」
「お前さー、マネージャーだから1番後で風呂入ってたけどオレらと一緒でいいって」
「えー?いいよ。オレは」
「いや、もう了解取ったし。お前は臨時マネだから。お前じゃねぇとへっぼいパスばっかりでダメだ。あいつら」

吉岡にそう求められる瞬間が嬉しくて真波はヘラリと笑う
先の見えないリハビリ。動かない足・・・気持ちばかり焦りそうで怖い



「・・・ヨッシー?」
「お前、ちょっと肉ついた?」
「ちょっ!」

風呂の時間、脱衣所で並んで脱ぐと全部脱いだ真波の尻を掴みながら吉岡はそう言う

「ヨッシーがセクハラすーるぅぅぅぅぅ!!!!!」

叫んだ真波の頭をペチンと叩くと吉岡は警戒でもしているかのようにタオルをきっちりきつく腰に巻きつけて浴室へと入って行く

「何?吉岡がマネに手を出した?!やーん!吉岡さんのせいでマネージャーがやめちゃーうっ!」
「っつか吉岡なにそのタオル!恥ずいの?自信ないの?うひゃひゃー!!!!」

先に入っていたチームメイトに囲まれた吉岡が冷水シャワーで皆を追い払う

「なー、冬夜何されたー?」
「ヨッシーお尻触ったぁー!」
「あー、冬夜のお尻可愛いかんなぁ、気持ちは分からんでもない!」
「え!オレ貞操の危機?!」

真波はわざとらしくタオルで体を隠すが、そんな真波も吉岡の冷水シャワーの攻撃を受けて静かに体を洗い始めた



就寝時間。真波も皆が寝静まったのを確認するとそっと布団に入る

「マナ・・・」

昔のように呼ばれて真波はドキリとしながら顔を上げる
そんな呼び方をするのは吉岡だけ。手でおいでおいでとされて後をついて行くと夜風の当たる合宿所の渡り廊下



「明日からやっぱ後から入れ」
「え?」
「風呂」
「や、今日の冗談だよ?ごめん。気ぃ悪くした?」
「お前の肉ついたケツ見たくねぇ」
「・・・は?!」
「だから後から入れ」
「ちょ・・・分かった」

正直、呼び出されて期待してた。もっと違う言葉がある事を。でも現実は甘くない

しょっぱい


塩辛い


「はいー!15分休憩ねー!そのあと紅白に分かれて練習試合するからゼッケン取りに来てー」

翌日もやっぱり何事もなかったように練習は続く

「っ・・・?!・・・」

そして仕事をこなす為に走り回っていた真波は突然足に痛みを感じて蹲る

怪我をしてからたまにある痛み。しばらくすると落ち着くが、それでもこの痛みが怖くて選手に戻れない

「真波!」
「は?!何やってんだよ!試合中!」
「や、今タイム中だし監督に言って抜けてきた」
「おい・・・」
「怪我んとこ?」
「・・・大丈夫だから戻ってよ・・・マジで」
「ムリすんなよ?」
「わかったから・・・」

こうやって突然、当然のように優しいところが嫌い。諦めたはずの恋心が再熱しそうになるから・・・




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全4話の予定ー
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