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青春はプールの中で1-3 - 07/03 Fri

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
「あ、やっ、そこっ・・・」

薄暗い部室・・・浮かび上がるのは柚木の肌色

「ユズ、気持ちイイ?」
「んっ、イイっ・・・やっそれっ強くしたらっやぁー達っちゃうっ達っちゃ・・・」

感じる柚木の顔は紅潮していていつもの無邪気な笑顔はどこにもない

「ダメぇっ・・・竹市さんっ!!!」




「夢の中まで竹市かよ!」

そう叫びながら目を覚ました柿内は今の夢を振り返って盛大なため息を吐いた

あり得ない。柚木の夢でこんな・・・こんな・・・あり得なかった。信じたくなかった

「くそ・・・マジかよ・・・いや、これは朝の生理現象・・・くっそ。収まれバカ息子」

寝巻き代わりのジャージをしっかり持ち上げている雄に話しかけてもう一度ため息を吐いた


「おつかれっした!!!!」

夕方、ゴロゴロと雷が鳴り出した為、早めに練習を切り上げる水泳部。雨でも濡れれば一緒で、泳ぐのは止めないが、雷が鳴れば別。すぐにプールから上がらなくてはならない

「あー、自主練泳げなさそうだなー」
「だなー・・・って帰らねぇの?」
「んー、ゴム引きやってから帰る」
「どこまでも練習バカなのか!」

残っているのはもう柚木と柿内だけの部室。雨音が部室を叩き出し、降り始めたか。と外を覗く
柚木は腕の筋力アップのためのゴムチューブを壁にあるタオル掛けに結ぶとゴムを引き出した。部費削減のために自転車屋からタダで貰ってきたパンクした自転車のタイヤを切り開いただけのそれを自由形のフォームで引く

「・・・」

この薄暗い部室・・・これは今朝の夢。それに気付いて慌てて部室の電気をつける
電気がついたのにも気付かないで柚木はひたすらゴムを引く。少し突き出した尻が柿内の妄想を、朝の続きを想像させて頭を振って柿内もゴムチューブを取り出し同じように準備し、ゴム引きを開始する

柚木の息が上がってくると柿内はその感情を押し込めるように腕の動きを早める
あり得ないあり得ないあり得ないっ!そう頭を振りながら必死にゴムを引く

それでも聞こえる柚木の息遣い。今朝の夢のあの息遣い・・・止めろ止めろ。想像を止めろ・・・そう思っても、いや、思えば思うほど夢の続きを必死に考えてしまう頭・・・

「・・・くそっ・・・」

そう呟やいた柿内に顔を上げる柚木

「どした?」
「や!なんでもねぇ!」

心の中でまた「バカ息子め」と呟きながら昂ぶってしまったそれを気付かれないようにゴムチューブをタオル掛けから外してチューブを片付ける

「あ、先帰っていいぞ。鍵返しておくし」
「や、明日当たるとこやっとく」
「んー」

離れたところに座ってカバンから英語を取り出す

明日、番号順だと回ってくる英訳。それを必死に目で追うのに頭に全然入らない。見なくてもあの細い腰が頭にチラついてイラつく
柿内は今日何度目かわからないため息を吐いて席を立つとトイレへ向かった


『いや、待て。待て、待て・・・部室の隣に隣接してるトイレでオレは今何をしようとしてる・・・っつか学校だし!すぐそばに柚木さんもっ!!!!』

制服と下着を降ろして、今のこの異常な状況に気付く柿内
そして収まることのないその昂りを握りしめる

『収まれって!!!・・・くそ、なんだよ。マジで!オレがあの人のこと好きとでも言う・・・好き・・・?』

その単語で思考が停止した
好き・・・

好きではある。訳のわからないめんどくさい仕事も頼まれてもいないのにほいほいと自分から引き受けて、1年の仕事だと言われたプール掃除も何故か先陣を切ってやっていたし、同じく1年のみがやると言われた大会の会場場所取りも何故か1番乗りで開場を待っていた・・・柚木がそうするから自分も一緒になって始発を利用したし、こうして自主練習にも付き合っている・・・しかし、それを来年やるかと言われればきっと答えはNO・・・いや、柚木は3年になってもきっと同じように掃除も場所取りもするだろうからそれに付き合って自分もやるのかもしれない

『好き・・・なのか・・・』

そう気付くとこの昂りの理由も分かって、壁に背中をつけて静かに扱き出す
気付かれないように、声を上げないように・・・

放った精と気持ちをトイレに流すと部室へ戻る
心配そうな顔で見てくる柚木に気付きいつものように、ぶっきらぼうに「何?」と聞く

「腹、痛い?」
「は?・・・あ、大丈夫」

長いトイレを心配したのだと気付いてそう答えると、さっき想像してしまったことを申し訳なく思った

「まだプール冷たいからなー、腹も冷えるよなぁー」
「んー」
「じゃ、帰る?」
「おう」

部室を出るといつもの帰り道。違うのは雨で走って帰れないからと電車を利用することだけ

「カッパ持ってこようかなー。でもカッパも走ってたら意味ねぇかー」
「だな」
「・・・な、まだ腹痛ぇの?」
「治った・・・と思う」
「あぁ、そーなのか・・・なんかいつもより不機嫌じゃね?」
「雨だからな・・・」

雨で帰りの電車がいつもよりも混んでいて満員電車。詰めて密着した体から体温が伝わるようで柿内は自分の熱も伝わりそうで怖い。必死に壁を腕につけ、足に力を入れて耐えていた

くっついたら終わる気がした。色々と・・・

ガタンっと地下鉄が揺れると押された柿内の体は柚木を押し潰すように密着する

『お、終わった・・・あー、死ぬ。マジで死ぬ・・・バカ息子、さっきヌいたじゃねぇか!バカヤロウ!』

柿内は押し潰した柚木から少し体を話すと垣内の胸で潰された顔を抑える柚木の姿・・・

「悪ぃ」
「おう・・・」

顔が見れない。絶対に気付かれた・・・そう思いながら必死に何も見えない黒い外を見つめる

「お前さー・・・」
「何?」
「や?なんでもねー」

言いたいことは分かってしまう。きっと、密着したときにバレてしまった昂りのこと・・・でも気付かないフリをしてくれている柚木に感謝し、柿内も何もなかったフリをする



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今、ゴム引きとかやんのかなぁ・・・自転車屋さんから古いタイヤ分けてもらってそれを切り開いて洗いまくって・・・

1日2回更新やってみてるけどどうなのだろう・・・別の話がUPされていくのは読みづらいのかなぁ・・・うーむ
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