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青春はプールの中で1-16 - 07/16 Thu

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
また大会が近付き、練習も大会へ向けたメニューに変わる頃、彼がプールを訪れる

「りゅーーーーちゃーーーーんっ!!!!」

プールの外から名前を大声で叫ばれ、慌ててプールサイドに上がる柚木

「っ?!」

柚木よりも早く、その人物へ駆け寄ったのが竹市

「何?帰省?連絡来てねぇけど!」
「うひゃひゃー。流とお前驚かせよーと思ってー?」
「・・・兄貴・・・」

柚木がそうプールサイドからそう呟くと柿内も彼へと視線を移す
テレビで見たことのある顔・・・水泳部は現、日本代表の柚木 球を見て騒ぎが起こった

「流ちゃん、ただいまー!」
「・・・部外者立ち入り禁止」

そう冷たく言い放つと柚木はプールへ戻り、皆プールサイドへ行きいなくなったプールでひとり、メニューの続きを開始する

その後を柿内が戻って同じようにメニューをこなしはじめる

「・・・たけちゃん、アレが例の?」
「そう・・・柿内っつー1年なー」
「そか・・・なかなかイイ泳ぎはしてっけど・・・オレの方がカッコいいよな?!」
「はいはい。球さんのほうがカッコいいよ」

プールサイドから柚木を見つめる兄、球。同時に柿内の存在もしっかりとチェックする



「おつかれっした!!!!」

帰りの挨拶を終えると囲まれる球。それを笑顔で対応すると皆、ひと通り質問し、写メを撮った後に個々、帰宅する。その間も泳ぎ続ける弟に「寂しいよー!」と言いながら着替えた竹市と2人が自主練を終えるのを待つ

「流ちゃん、流ちゃーん、またすっげぇキック強くなってんなー」
「・・・」
「流が毎日走ったり遅くまで練習してんの聞いてたけどすっごいよ!お前ー」
「・・・」

柚木は兄に褒められ、恥ずかしくて切なくて下を向く
いつもの帰り道。今日はいつもと全然違う。

「でー、柿内くんだっけー?オレの大事な大事な弟をかっさらっていったのー」
「はい?!」
「流ちゃんは柚木家でアイドル的存在なーの!ダメだよー!流ちゃん独り占めとか!許せねぇー」
「あ、あの・・・」

球にもバレているのかと焦る柿内。誰が話したのか・・・柚木なのかと柚木を見ると柚木は心ここに在らずの様子で地面を見たまま

「まー、まー、球さん!こいつら、走って帰るらしいからここらで一旦解散にしないー?」
「・・・むむー」
「オレん家行かないの?」
「・・・行くけどー!」
「じゃあ、球さん、自転車乗って!オレ走るから」
「カッキー!流に指一本でも触れたらマジで沈める!」
「・・・はい」
「よしー!たけちゃんー!行くぜーい!」

自転車に乗った球が自転車を漕ぎ始めると竹市は2人に手を振って走り始めた
取り残された柿内は柚木を見ると複雑な顔をして兄を見送る柚木・・・

「柿内・・・ちょっといいかー?」
「んー」

走り始めるのかと思ったらゆっくり歩き始めた柚木に並んで歩く

「竹市さん、仲良かったんだ」
「あー、竹市さんは兄貴の彼氏」
「はぁぁぁぁ?!」
「兄貴、そっちの人。竹市さんは猛アタックされてたと思ったらいつの間にか付き合うようになってて複雑だよ。オレは」
「・・・そ、か・・・だから知ってたのか・・・オレがあんたのこと・・・」
「あー?あー・・・あのブラコン兄貴に竹市さん色々報告してっからな・・・」

今日は話したいのか・・・といつもより自分のことを話す柚木に気付いて柿内は柚木の話に耳を傾ける

「いくら速くなったって言っても兄貴に言われてもバカにされてる気がする」

「っつか、バカにしてる。絶対。自分だって男の恋人いるくせにあんなこと言うし、そもそも自分はすっげぇ手が早いくせに・・・」

「家に帰りゃベタベタベタベタ触ってきて可愛いだのなんだの小さいことからかってくるし」

「大体、いきなり関係ない学校まで来やがって」

「竹市さんに会いたいなら直接連絡して家に帰ってから竹市さんのとこ直接行きゃいいのに」

「竹市さんのこと惚気まくるし」

「あいつのセックスの話なんて聞きたくねぇっつーの」

隣でただ相槌を送る
出来すぎた兄。不満を今まで誰かに話すことができなかったのかもしれない。それを自分に話してくれることが嬉しくてつい、顔が綻びる

「何笑ってんだよ!バカ」
「や、柚木さん、今日めっちゃ喋るなーって」
「あー、あぁ、悪い」
「いや、いいよ。もっと話せよ」
「・・・もう、いい。なんか気が済んだ」
「あんたさー、いっつも溜め込むだろ?一瞬怒って、で、次の瞬間笑ってるから、よっぽどできたやつかバカなんだろーって勝手に思ってた」

柿内の尻に蹴りが飛んできてよろける

「できた男なんだよ!オレは」
「知ってる」

柿内は尻をさすりながら笑う。知っている。ずっと分かってた
柚木は自分よりもずっと大人。ひとつ上なだけなのにずっとずっと遠い

「そーいうところに惚れたからな」

柿内のその言葉に顔を赤くする

「いきなりなんだよ・・・」
「・・・そんぐらい言わせろ」
「カッコつけた柿内くんは似合いませんよー」

そして柚木は走り出す
いつものように走り出す。それを追いかける柿内もいつもと同じ





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水泳部のくせに柚木も柿内も走ってばっかりです。
どうでもいいけど昔、トライアスロンやったら?と言われて当時は断ったけれど、今やりたい自転車乗りたい・・・
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