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青春はプールの中で2-2 - 07/23 Thu

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
2月14日。雨・・・
朝から姉がチョコレートを投げつけてきて「失敗作やる!」と言われた

どうせチョコレートなんて大して貰えないことは判っている。そもそもモテるタイプではないし、女の友達が多いわけでもない・・・





「・・・」

授業が終わり、柚木をいつものように教室へ迎えに来た柿内は女の子に囲まれてチョコレートを笑顔で受け取る柚木を見て声を掛けられないでいた
予想以上にモテる・・・確かに運動神経は抜群だし、成績も優秀。身長は大してないけど顔もよくて優しくて・・・モテることくらいは判っていた・・・判って・・・

「あ、柿内くん!」
「?・・・はい」

柿内は階段を降りてきたクラスメイトに声を掛けられて「ちょっと・・・いい?」と紙袋を手渡される

「・・・えっと・・・義理じゃない・・・んで」
「は?え・・・あ・・・」
「柿内くん、いつもホームルーム終わるとすぐにここ来るから急いで追いかけちゃった」

こんなとき、どんな顔をしたらいいのか判らない。初めてじゃないだろうか・・・義理じゃないチョコレートを貰うのは・・・
クラスメイトがまた階段を上っていくのを見送るとドキドキしながら青いリボンのついた紙袋をカバンに入らないかと試してみる

「かっきうっちくーーーんっ!見ちゃった!あれ、本命だろ?すげぇじゃん!」
「・・・見てたのかよ・・・」
「オレの教室の目の前でやり取りするほうが悪くね?」
「・・・うっせぇ」
「うひゃひゃ・・・」
「柚木くん!ちょっとーおいでー」

柿内をからかっていると柚木がおいでおいでとされて笑顔の柚木が対応する・・・柚木の机の上にはカラフルな袋や箱がたくさんで、あの中にはきっと本命も交じっているのだろう・・・柿内はひとつため息を吐くと「鍵貰ってくるか・・・」と教室の前を離れた



しばらくすると部室へやってきた柚木は両手にビニール袋・・・大量である

「あ、言っておくけど、これ兄貴の分も交じってたりする」
「ふーん」
「なぁなぁ、あの子どーすんだよ?結構可愛い子だったけど付き合う?」
「なんで付き合うんだよ」
「タイプとは違うのか・・・っつかお前選べる立場か?失礼じゃね?」
「失礼なのはあんただと思う・・・」

自転車チューブを壁に縛りながら柚木の口は今日はやたらと忙しく動く・・・

「とりあえず付き合ってみたらイイんじゃねぇの?」
「・・・なんで?」
「なんでってお前も彼女作ったほうがいいじゃん」

柚木のその言葉で気付く・・・彼女ができれば、自分のことが好きだとかそんなことをもう言わなくなると思っている・・・
判らなくもない。こんな重たい感情をどうにかしたくても優しい柚木だから付き合うことも断って傷つけることもできないのだ・・・きっと。でもだからと言って柿内はまだ諦められないし、彼女を作ることだってできない

「無理」
「おいー・・・」
「オレが好きなのは」
「気の迷いだ」
「・・・え?」

柚木からの初めての否定・・・
好きでいてもいいのだと思っていた

「一番近くにオレがいただけ・・・っつかあれだろ?お前、別に男が好きなわけじゃねぇじゃん?兄貴みたいに男じゃなくちゃ・・・っつーわけじゃねぇじゃん」
「違うよ」
「だから・・・さ、女の子がイイはずなんだ」
「なんで!」
「付き合って、デートして手繋いで・・・キスしてセックスして・・・ほら、こんなに楽しそうなこといっぱいだろ」
「っ・・・」

その全てができないと言われているようで・・・いや、キスはした。キスはしてもらった・・・
だけど手を繋いでデートして・・・柿内は唇を噛む。

「オレ、兄貴みたいになるのは無理だから・・・今日のためにわざわざ帰って来てケーキ焼いて?きっと今から竹市さんとデートだ。そんなことオレにはできない」
「・・・しろって言ってないし」
「じゃあ付き合ってどうすんだよ?先なんかねぇだろ」
「・・・」

付き合ってどうするか・・・触れたい。触れたい。触れたい触れたい・・・でも、考えたことなんてなかった
夢の中の柚木は竹市の名前を呼ぶ。自分の名前なんて呼ぶわけがなくて・・・

「まぁ、言いすぎたけど・・・女の子と付き合うのがイイと思うわけだ・・・オレは」
「・・・今日は帰る・・・」
「んー。おつかれ」

カバンを掴むと部室を飛び出す。雨の中・・・ひとりで歩く・・・電車にも乗りたくない。ただ、傘をさし、歩いて帰った・・・
どうしたらこの心が判ってもらえるのか。判ってもらえないことがこんなにも苦しいものだったなんて知らない。苦しくて苦しくてそれでも伝わらなくて・・・目に見えるものだったらよかったのに・・・でも、目に見えたら彼の心も同じように見えてしまってそんなのは怖くて見られない。辛い。好きすぎて辛い・・・恋愛はドキドキして楽しくて・・・日々に生きる喜びを力を与えてくれるものだと思っていたのはいつのことだったのか・・・




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UPし始めてなんだけれども・・・

冬の話を夏にUP・・・夏だから運動部話を書くっていう意味がないんじゃ・・・
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