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それは鬼門3 - 07/27 Mon

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一度寝たものの、日常は変わらない。学校へ行って部活へ行って・・・そしてたまに顔を会わせてあいさつ程度・・・
告白されて、寝こみを襲われて抱いたというのにあれはまるで夢だったかのような振る舞い。ランニングをしながらバスケ部のいる第1体育館を覗いてみる

皆、同じような身長、同じような練習着・・・それでも引田の姿はすぐに判る

「・・・」

ドリンク補給をしながらチームメイトと笑う引田の姿・・・そこへ自分の入る場所なんてない。お互いに練習中だし、部活も違う日置は声を掛けることもできずただ走り去るだけ・・・
なぜ自分が気にしなくてはならないのか
そもそも、あの日、あの時、あんなことになったのは全部引田のせい。やっぱり鬼門・・・こんなに心を乱して頭を掻きまわしてくるなんてバスケ部は鬼門・・・


「竜馬ー!ちょっと金貸してー」
「あぁ?」
「今日財布忘れた・・・」
「んー何食うの?」
「A定食ー!」
「・・・んじゃお前オレのも一緒に取って来いー」

学食で食券を買っているとそう言いながら後ろからやってきた引田の分まで食券を買ってまとめて渡す
昼休みはとっくに終わっていて、空いている学食。講義の空いている人間の特権・・・

「なぁなぁー!おばちゃん大盛りにしてくれたー!」
「お、すげぇ。流石タクちゃんー!」

人当たりのよさそうな笑顔。そして、人懐こく喋りかける性格。引田は老若男女に好かれるタイプ・・・

「いただきまーす」
「あれ?竜馬ってこの時間講義なかったっけ?」
「あぁ?自主休講」
「うっわー悪い子だー!単位落としても知らねぇぞー」

今日のA定食は唐揚げで、この量がこの値段で食べられるのは学食ならでは。特にここは運動部に力を入れているためか、量が半端ない

「全部計算して授業出てるから大丈夫」
「その辺はぬかりないわけかー・・・今度の土日さー、試合で月曜日は部活休みなんだけどさー、日曜の夜飲まねぇ?バレー部月曜日休みだろ?」
「あぁ?いいけど・・・」

毎週月曜日は休息日として大抵休みで・・・そんな休みが合った日の前日は一緒に飲むのが恒例・・・でも今回は・・・

「でさー、うちの部活の矢島がさー、竜馬と飲んでみたいって言ってんだけどー」
「あ?」

いつも2人だけの飲み会。日置の部屋だったり、引田の部屋だったり・・・でも、他の人が混じることは今までなかった
それは決めたわけでもなく、暗黙の了解というぐらい・・・他人が来るというのは正直、いい気はしない。何しろ・・・バスケ部である

「あぁ、バスケ部だからイヤ?」
「・・・まぁ、そうだけど・・・そうじゃなくて・・・うーん」
「矢島さー、酒屋の息子でさー・・・オレ、いつも安く矢島から買わせてもらってんだけどさぁ」
「・・・ふーん」

警戒・・・
この間のことから警戒して他の人を呼ぶような気がして面白くない
なぜ、引田が警戒するのか。警戒するのならば自分の方ではないのか・・・襲われたのは自分で、確かに気持ちよくしてもらって、気持ちよかったけれども、好きだと言われ、手を出されたのは間違いない

「いっつも部活休み前になると矢島に酒頼むからさー・・・誰と飲むのー?って言われてさぁ・・・」
「なんでオレと飲みたいわけ?」
「んー・・・オレがいっつも飲んでる相手だから?いや、わかんねぇけど」

断る理由を探す・・・でも、いい言葉は見つからない。見つかるわけがない
バスケ部だから嫌だ・・・引田もバスケ部で。知らない奴と飲むのが嫌だ・・・そんなのもよくある話・・・見つからない。見つからない見つからない・・・

「ダメ?」

その聞き方はズルい・・・そう思いながらつい「ダメじゃない」と答えてしまう自分がもどかしかった。この間のことをもっと話したかった。でも、なかったことにされている・・・だから・・・だから。

「よし。じゃあクーラーボックス借りて置こうっと」
「お前ん家?」
「うん」

大学近くの学生マンション。一番近いコンビニは大学の中・・・そんな学生マンションの居住者は特に運動部がほとんどを占めている。部活が遅くなってもすぐに帰れる場所にある学生マンションだが、日置と引田は違う学生マンションに住んでいた。ほんの数分の距離・・・それなのに今日は久しぶりに会って話していることを思い出して避けられていたのかとふと気付く

「お前さー・・・」
「うん?」
「オレのこと避けてた?」
「え?なんで?避けてないけど?」
「・・・この間の飲みから・・・あんまり会ってない」
「この間ー?そうだっけ?」

飲んだだけ・・・飲みすぎてその後に何が起こったかなんて無かったことにされているような気さえするその言葉。なかったこと・・・本当にあったことなのか・・・それさえも判らなくなってくるから人間の記憶と言うのは本当に信用できない

「日曜の部活終わったら家来てよ」
「ん。行く」

なかったことにされて、更には次の約束も別の人間が一緒・・・なんだか告白される前の方がよっぽど好意が見えていた気がする。でも、それは告白された今だからそう思うことで、過去のことなんて曖昧。意識してからのほうが人の感情、行動は余計なことまで考えてしまう



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うーんうーん・・・水尾自身やっぱりバスケが鬼門だからかバスケものにはときめけなかったりする・・・それでも引田は別!と自分に言い聞かせながら書いたのだけれど愛が感じられなかったらそれはきっとバスケ部だからだと思ってくださいToT
じゃあなんでバスケ部で書いたんだ!って言われそうな感じだけれどもー
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