それは鬼門6 - 07/30 Thu
引田は唇を噛みしめる
どうしたってバスケ部は嫌い。そう言われてしまうから・・・
「でも・・・オレがバスケ部なのは変えられないし」
「どうしてバスケ部にこんなに頭も心も掻きまわされなくちゃなんねぇんだよ!お前のことばっかり考えて考えて考えて今日だって海外のプロテスト受けたって聞いたら練習着でここまで走って来ちゃうし!財布以外の荷物部室だよ!バカ!」
「・・・え?・・・ちょ・・・え?」
それはまるで告白・・・
「初めて好きになった女の子に「背の高い人怖いー」って言われたのにそいつが好きだったのはオレと同じ背の高いバスケ部の男だったし、その次に好きだったバスケ部のマネージャーはバスケ部の彼氏がいて、大事な試合の直前でケガをしたのもバスケ部のボールだったし!高校で友達になったバスケ部の男には当時付き合っていた彼女を奪われたし・・・大学で一番仲良くなったバスケ部の男には告白されるし避けられるし!なのに心も頭もぐちゃぐちゃになるくらい気になるし!」
心臓が・・・壊れたはずの心が・・・痛い・・・痛くて痛くて熱くて熱くて
「オレはバスケ部のやつ嫌いだ!でもお前のことは好きなのかもしれねぇ!」
「っ・・・っ・・・」
粉々になったはずの心は熱い涙に変わったようで目の奥が熱くて目から粉々の心が溢れだす
そして胸には新しく甘い心が熱く熱く燃えるようで体中が熱くなる
「オレ・・・」
「矢島ってやつと飲んだ時やっぱりバスケ部嫌いだって思った・・・のは・・・多分嫉妬。オレの目の前でオレの判らないことを2人で話しているのもムカついた」
「っ・・・待って・・・ちょっと・・・待って・・・」
「なんなんだよ・・・お前は。抱かせといてそのあと避けるって・・・1回やったらもうどうでもよかったのか?想い出でも欲しかっただけか?オレは想い出にもなんなかったんだよ!あんなの。その後に気付いた気持ちだぞ?想い出になりっこねぇだろ!しかもなんだよ。海外って・・・遠距離にも程がありすぎんだろ!」
「や・・・マジ・・・待った・・・」
熱くて恥ずかしくて・・・赤くなった顔を手で隠しながら引田が座り込む
「何・・・」
「竜馬・・・今、オレのこと好きっつったよな・・・」
「言ったけど?」
「な・・・あぁ・・・マジ・・・どうしよう・・・」
「何?」
「ごめん・・・勃った・・・」
「はぁ?」
耳まで赤くなっている引田を見て少しだけ気持ちに余裕が出たのか日置も顔に笑顔を灯す
「嬉しい?」
「それどこ・・・じゃない」
「オレはあんまり嬉しくねぇけど?」
「・・・あー・・・あの、オレ、海外行くっていうのは嘘です・・・」
「は・・・?」
「落ちました・・・向こうのプロテスト・・・」
「・・・あぁ・・あー・・・うん」
そう。落ちたという連絡はついさっき受けたもの。だからぼーっと食事をしていたのだが、もう今になっては落ちてよかったと思うほど心が浮ついている
「・・・だから、明日、こっちのプロで打診来てるところに連絡するつもりだったんだけど・・・オレは・・・あの・・・できたらちょっとでもその・・・」
「オレの入るところの近くがいい?」
「・・・うん・・・や、あの・・・竜馬が卒業までだとかそのつもりだったら全然いいんだけど・・・寧ろそれなら遠くの場所選ぶし」
「バーカバーカバーカ」
「・・・あの・・・ですね・・・」
赤い顔を少し上げて日置を見上げる
「キス・・・とかしてもいい・・・?」
「・・・してやってもいいけど・・・その前に言うことねぇ?」
「好き・・・です。オレと付き合ってください」
日置は満足そうに笑うとしゃがんで引田の顔に影を作る
「・・・今、心臓が爆発しそうなんだけど・・・」
「・・・なんだそれ・・・もう1回はやることやっちゃってんのに」
「や・・・だって!そりゃそうだろ!オレ男と付き合うの初めてだぞ?!」
「そんなのオレだって!・・・は?」
「当たり前じゃん・・・それまで普通に女の子と付き合ってたし」
「や・・・はぁ?」
あの日、すんなりコトが進んだのは覚えている。酔ってはいたが、抵抗もなかったような気がした
「お前のこと好きになってから・・・その・・・まぁ、自分で開発してったっつーか・・・」
「はぁぁぁ?!」
「や、だって・・・そりゃ卒業までにもしかしたらもしかしたらその・・・まぁ、なんかあるかもとか期待してたし・・・そんときにスムーズにいかなかったら・・・なぁ?」
「・・・初めてだったのか」
「っつかオレ、あんとき待ってっつったじゃん!おもちゃとかと違いすぎて死ぬかと思ったのに」
「・・・あー、なんだ・・・お前、結構健気なやつだったんだな・・・」
そっと引田の頬に触れる。指先がいつもよりも熱を持った気がしたのは気のせいではない。引田の頬は熱くて・・・それがどんどん移って来る
「オレのことめちゃくちゃ好きな顔・・・」
「バカ・・・見るな・・・っつか・・・今日、もうダメ」
「ダメじゃねぇよ・・・今からもう一回ちゃんとやるから」
「は・・・?ちょ・・・え・・・んっ・・・」
止まらない。触れた場所全て心臓になったようにドクドクと脈打つ。貪るように唇を吸うと快楽に負けたような表情の瞳がこちらを見ていて少しだけ笑顔を作ると優しく抱きしめる
腕に収まるような大きさじゃない。柔らかくもないし、イイ匂いもしない。それでも今、しっかりと認識したこの感情の前では愛しい気持ちに全部変換されてしまう

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どうしたってバスケ部は嫌い。そう言われてしまうから・・・
「でも・・・オレがバスケ部なのは変えられないし」
「どうしてバスケ部にこんなに頭も心も掻きまわされなくちゃなんねぇんだよ!お前のことばっかり考えて考えて考えて今日だって海外のプロテスト受けたって聞いたら練習着でここまで走って来ちゃうし!財布以外の荷物部室だよ!バカ!」
「・・・え?・・・ちょ・・・え?」
それはまるで告白・・・
「初めて好きになった女の子に「背の高い人怖いー」って言われたのにそいつが好きだったのはオレと同じ背の高いバスケ部の男だったし、その次に好きだったバスケ部のマネージャーはバスケ部の彼氏がいて、大事な試合の直前でケガをしたのもバスケ部のボールだったし!高校で友達になったバスケ部の男には当時付き合っていた彼女を奪われたし・・・大学で一番仲良くなったバスケ部の男には告白されるし避けられるし!なのに心も頭もぐちゃぐちゃになるくらい気になるし!」
心臓が・・・壊れたはずの心が・・・痛い・・・痛くて痛くて熱くて熱くて
「オレはバスケ部のやつ嫌いだ!でもお前のことは好きなのかもしれねぇ!」
「っ・・・っ・・・」
粉々になったはずの心は熱い涙に変わったようで目の奥が熱くて目から粉々の心が溢れだす
そして胸には新しく甘い心が熱く熱く燃えるようで体中が熱くなる
「オレ・・・」
「矢島ってやつと飲んだ時やっぱりバスケ部嫌いだって思った・・・のは・・・多分嫉妬。オレの目の前でオレの判らないことを2人で話しているのもムカついた」
「っ・・・待って・・・ちょっと・・・待って・・・」
「なんなんだよ・・・お前は。抱かせといてそのあと避けるって・・・1回やったらもうどうでもよかったのか?想い出でも欲しかっただけか?オレは想い出にもなんなかったんだよ!あんなの。その後に気付いた気持ちだぞ?想い出になりっこねぇだろ!しかもなんだよ。海外って・・・遠距離にも程がありすぎんだろ!」
「や・・・マジ・・・待った・・・」
熱くて恥ずかしくて・・・赤くなった顔を手で隠しながら引田が座り込む
「何・・・」
「竜馬・・・今、オレのこと好きっつったよな・・・」
「言ったけど?」
「な・・・あぁ・・・マジ・・・どうしよう・・・」
「何?」
「ごめん・・・勃った・・・」
「はぁ?」
耳まで赤くなっている引田を見て少しだけ気持ちに余裕が出たのか日置も顔に笑顔を灯す
「嬉しい?」
「それどこ・・・じゃない」
「オレはあんまり嬉しくねぇけど?」
「・・・あー・・・あの、オレ、海外行くっていうのは嘘です・・・」
「は・・・?」
「落ちました・・・向こうのプロテスト・・・」
「・・・あぁ・・あー・・・うん」
そう。落ちたという連絡はついさっき受けたもの。だからぼーっと食事をしていたのだが、もう今になっては落ちてよかったと思うほど心が浮ついている
「・・・だから、明日、こっちのプロで打診来てるところに連絡するつもりだったんだけど・・・オレは・・・あの・・・できたらちょっとでもその・・・」
「オレの入るところの近くがいい?」
「・・・うん・・・や、あの・・・竜馬が卒業までだとかそのつもりだったら全然いいんだけど・・・寧ろそれなら遠くの場所選ぶし」
「バーカバーカバーカ」
「・・・あの・・・ですね・・・」
赤い顔を少し上げて日置を見上げる
「キス・・・とかしてもいい・・・?」
「・・・してやってもいいけど・・・その前に言うことねぇ?」
「好き・・・です。オレと付き合ってください」
日置は満足そうに笑うとしゃがんで引田の顔に影を作る
「・・・今、心臓が爆発しそうなんだけど・・・」
「・・・なんだそれ・・・もう1回はやることやっちゃってんのに」
「や・・・だって!そりゃそうだろ!オレ男と付き合うの初めてだぞ?!」
「そんなのオレだって!・・・は?」
「当たり前じゃん・・・それまで普通に女の子と付き合ってたし」
「や・・・はぁ?」
あの日、すんなりコトが進んだのは覚えている。酔ってはいたが、抵抗もなかったような気がした
「お前のこと好きになってから・・・その・・・まぁ、自分で開発してったっつーか・・・」
「はぁぁぁ?!」
「や、だって・・・そりゃ卒業までにもしかしたらもしかしたらその・・・まぁ、なんかあるかもとか期待してたし・・・そんときにスムーズにいかなかったら・・・なぁ?」
「・・・初めてだったのか」
「っつかオレ、あんとき待ってっつったじゃん!おもちゃとかと違いすぎて死ぬかと思ったのに」
「・・・あー、なんだ・・・お前、結構健気なやつだったんだな・・・」
そっと引田の頬に触れる。指先がいつもよりも熱を持った気がしたのは気のせいではない。引田の頬は熱くて・・・それがどんどん移って来る
「オレのことめちゃくちゃ好きな顔・・・」
「バカ・・・見るな・・・っつか・・・今日、もうダメ」
「ダメじゃねぇよ・・・今からもう一回ちゃんとやるから」
「は・・・?ちょ・・・え・・・んっ・・・」
止まらない。触れた場所全て心臓になったようにドクドクと脈打つ。貪るように唇を吸うと快楽に負けたような表情の瞳がこちらを見ていて少しだけ笑顔を作ると優しく抱きしめる
腕に収まるような大きさじゃない。柔らかくもないし、イイ匂いもしない。それでも今、しっかりと認識したこの感情の前では愛しい気持ちに全部変換されてしまう

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