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青春はプールの中で2-12 - 08/02 Sun

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
プールの入り口で長身の二人が笑顔で談笑しているのが見える
球と竹市・・・好きな人の兄と部活の先輩・・・2人が付き合っていると知ったときは驚きと同時に安心した
それまでずっと心のどこかにあった竹市の存在。柚木は竹市が好きなのではないかと思うほどの懐き方、そして、信頼感

「あ、流ちゃんおはよう」
「おはよ」
「はよーす」
「ユズは無事かー?柿内になにもされなかったかー?」

竹市が笑いながら柚木の背中をべたべたと触って確認する。ふざけている・・・判っているけれどなんとも言えない気分にはなる

「何かされちゃまずい?」
「・・・は?」
「や、オレら・・・付き合ってるし」
「・・・お前・・・まさか・・・」

柿内は球から殺気のこもった視線を感じて慌てて首を振る

「や!ないっ!まだないです」
「まだじゃねぇよ!」
「カッキー・・・今日のメニュー倍増するから覚悟しておけよ・・・」

柿内は球にヘッドロックを決められながらずるずると更衣室へ引きずられていくのを後ろから見ながら意外と認められて可愛がられているのだな・・・と思いながら柚木は歩く

「ユズ」
「うん?」
「・・・あの・・・さ」
「なんすか?」
「オレの勘違いだったらあれだけど・・・もしかして」
「あぁ。うん。合ってますよ。オレが、ちょっかい出してる」

柚木の言葉に竹市は頭を抱えてため息を漏らす

「球さんに言って練習減らしてやったほうがイイ?」
「はぁ?何言ってんですか?」
「や・・・だって、あの練習じゃさすがにあいつ帰ってから使い物にならねぇんじゃね?」
「ならないですね。朝まで爆睡です・・・でも、イイ。それよりもあいつが早くなるほうがいいし」
「・・・ユズはどうしたい?」
「どうしたい・・・ってうーん・・・っつかさ、あいつが暴走するまえに少しずつ解消してったほうがオレの身も安全じゃないかなーとか思ってやってんですけど・・・ね?」

更衣室のドアを開けると柚木に手を伸ばして助けを求めてくる柿内の姿
でも、そんな柿内を一瞥しただけで使っていいと言われているロッカーを開ける

「球さんっ!ギブっ!ギブギブギブっ!!」
「流ちゃんと一緒に寝るだけでもオレはかなりの妥協だっていうのにお前はぁぁぁぁ!!!」
「ちょ・・・柚木さんっ!マジ助けてっ!」
「兄ちゃんと竹市さんが我慢さえすりゃオレ、柿内と寝ることもなかったけどな・・・」

球の柿内を締める手が弱まってすぐに柿内はその手から逃げ出す

「・・・たけちゃん・・・流ちゃんが・・・流ちゃんが・・・正論で責めてくる・・・」
「事実だからしょうがないでしょ」

竹市にもズバっと切り捨てられると球は少し不貞腐れながらTシャツを脱いでロッカーへと投げる

「・・・あー・・・」

竹市は裸になった球の手を引くと「ごめん」と言いながら耳元で何か囁く。すると少し赤くなった球が首を振って笑った

「・・・あの人たちあんなオープンでいいわけ?」
「兄貴、公言してるからな・・・多分、竹市さんのことも最初からみんな知ってんじゃねぇのかな」
「マジ・・・か」
「っつか、そうじゃなかったらキスマークとかもう少し気を付けるだろ・・・」

柿内は球を見上げる
左胸の辺りに赤い跡・・・生々しさの感じるその跡は柿内の顔を赤くするのに充分な材料

あの2人はそういう関係・・・羨ましくて幸せそうでその空気に触れるだけで恥ずかしくて・・・柿内は黙って服を脱いで着替えはじめた




「さて、今日はとりあえず計ってみるかー・・・昨日計ろうと思って忘れてたんだよねー」
「っつか他の人は?」
「ん?基本午後からだから」
「え!」
「オレら、お前たちに付き合ってやってんだから気合い入れろよー」
「・・・っつーことはオレたちそれだけ練習多い・・・」

笑顔で球が頷くとストップウォッチを持って柿内と柚木に上がるよう促す

「じゃあまずカッキーからいくか・・・」

球が首にかけたホイッスルを咥えて短く3回鳴らした後、長い1回・・・飛び込み台へと足をかけた柿内が膝を曲げてその後の笛の音で飛び込み台を蹴る

「・・・飛び込みは悪くないのか・・・」

柿内の飛び込みを見た後そう呟いた球は柿内の泳ぎを見つめる。その表情はいつものようにふざけた笑顔はどこにもない。競技者として先を行く者の目・・・

柿内のタイムを計った後、球はコースをのぞき込んで「悪くはねぇけど遅いわ」と小さくそう言われる
日本代表の選手にそう言われるのは仕方ないこと・・・いや、それでも柿内の胸の中に広がるイライラはどんどんと大きくなっていく

「今年から秀もいるし、たけちゃんのとこの弟も残念ながらブレストにいんぞ・・・こりゃーここで頑張っても無理かもなぁ」
「・・・」
「それでもやる?」
「やる・・・」
「お、カッキー結構強い!じゃあ、やれるとこまでやろうなぁー」

厳しい目からいつもの顔に戻った球にそう言われると柿内は目を丸くしながら球を見上げる
優しくて厳しくて・・・やっぱり優しい球を知って少しだけ竹市の気持ちが判ったような気がした

「・・・変な目で球さんのこと見ないでくれるか?」
「え・・・えええ?!」

急に隣のコースにいた竹市に声を掛けられて慌てて首を振る

「や、冗談だけど・・・」
「・・・ですよね・・・」
「でも、イイ男だろ?」
「・・・ノロケ?」
「まぁ、な・・・っつかやっぱお前さー、200向きなんじゃね?」
「えー・・・」
「後半の伸びよかったし、まだ余裕ありそうだった」
「・・・200に絞ったほうがいいっつーことっすか?」
「いや、100もそのままやって・・・っつっても秀はなぁ・・・あいつ早ぇんだよなぁ・・・うちの弟もオレより早ぇけど秀はもっと早い」

柿内はどう泳げば早くなるのか考えながら練習をし続ける。今年入って来る柚木の弟、そして竹市の弟・・・噂だけは聞いたことがあったが、実際に泳いでいるのを見たことがなくて、初めて試合で会うのはインターハイ予選・・・そこで全部が決まる・・・決まってしまう・・・





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水尾は大昔、バタフライの選手でした。んで腰壊してフリーに転向して膝壊しました。ボロボロwwwww水泳体に優しくないwwwwwってみんなに笑われる。あちこち痛くても懲りずにずっと泳いでたX年前の私に言いたい。体大事にしろ!!!と。
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