FC2ブログ

1回の表1 - 08/07 Fri

trackback (-) | comment (0) | 野球少年恋をする
「ごめんなさい」

穂波が顔を赤くしながら頭を下げる

「・・・そっか。もう遊びに誘うのも禁止?」
「あの・・・ごめんなさい」
「いや、そんな頭下げるなって・・・オレも強引だったし。あんまり嫌がってないのかと思って調子に乗ってたし」

穂波が頭を下げている相手は2年の正捕手、泉で、何度目かの告白をされた直後のことだった

「泉先輩のことが嫌なんじゃないんです・・・オレ・・・オレっ・・・」
「うん。穂波、大丈夫だから顔上げて?」

泉の大きな手が優しく穂波の肩に触れて穂波が顔を上げる
優しく微笑んだ泉の顔に心がまた痛んだ

泉のことは嫌いじゃない。もし、東谷がいなかったらきっと・・・でも、穂波は東谷が好きで、好きで好きで好きで・・・

「判ったけど、今まで通りに接してもいい?」
「?」
「あの・・・ほら、避けたりとか・・・しないでくれたら嬉しい」
「あ、それはもちろんっ」

そして泉は少し悲しげな顔で笑って穂波の頭を撫でて去っていく




「・・・おう」
「んー」

泉が校門をくぐると安曇が手を上げた

「なー・・・」
「・・・お前も?」
「そー・・・同じ日っつーことはやっぱりあいつら付き合ってんのかなー」

さっき、安曇は東谷にいつものようにべったりくっついて「オレと付き合おうよ」と言った後、東谷に謝られ、断られた。なんとなく気付いていた東谷と穂波の関係・・・でも、確証もなくて泉と同じ日にもう一度告白してみようと決めて決行したのだった

「どうかな・・・男同士だしなぁ・・・」
「あぁ、そーだよねぇ」

暗くなった道・・・無言で家へと向ける足は同じ方向・・・
泉も安曇ももともと同じ中学出身で、同じ高校へ来た。これは東谷と穂波と同じ。違うのは望んで2人で話し合って同じ高校へ進学したこと

「あいつらがさー・・・入ってこなかったら・・・」
「変わってない」
「そっか」

安曇の言いかけた言葉に被せてそう言う泉。認めるのが怖くて。この場所を失うのが怖くて
でも、もし、東谷と穂波が「そう」ならば、自分たちだって失わないのではないかというかすかな希望を安曇は持ち続けている

封印したこの気持ち

付き合ったら今まで気付いた信頼関係だとか友情だとか全部失うのが怖くて封印させられた想い

「じゃーなー」
「んー。また明日ー!」

分かれ道。手を振ると1人の帰り道
いつだって最後は1人の帰り道。中学校の時も、今も、これからも・・・




女の子にあまり興味がなくて、どちらかというと男の体のほうが興奮すると知ったのは中学2年のとき。部活のメンバーでAV鑑賞をしたとき男の体ばかり追っていたのにお互い気付いて2人で色々調べてみた。思春期特有のものなのか。それとも違うのか・・・

「1回さー、試してみない?」

そう言ったのはどっちだったか・・・多分安曇の方から・・・
そこに愛情があったのかだなんて判らない。でも、確実になにか変った気がして怖くなった。男に興味があるのは確実だけれど、これ以上触れるのは辞めようと話し合って一定の距離を保ちながら今までやってきた
今ここでまたその関係が変わるのは阻止したい

お互いに居心地がイイ場所がなくなるのは困る
この場所が必要で、大事で、同じ高校へと行くことを決めたのに失うのは耐えられない






にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ


にほんブログ村

正直、リアルタイム更新に近いです。またギリギリ・・・ギリッギリ!!!
ちょっと変則的な更新の仕方をやってみたくて野球少年たちを再びです。
泉と安曇のお話。
今回からサブタイトルが1回の表とかになったよ!ってことは最長12回まで行けるよ!(延長する気か!)あぁ、高校野球の延長だと15までか・・・いや、そんな長く・・・え・・・そんな長く????
関連記事
スポンサーサイト



comment

コメントを送る。

URL:
Comment:
Pass:
Secret: 管理者にだけ表示を許可する