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1回の表2 - 08/09 Sun

trackback (-) | comment (0) | 野球少年恋をする
「・・・何?約束してたっけ?」

昨日別れたあの分かれ道。安曇がそこに立っていて泉は驚く

「フラれて泣きすぎて朝練遅刻すんじゃねぇかなぁーって待っててやった」
「泣いて?そりゃお前じゃねぇの?」

安曇の目を見てそう言う。赤い目が寝不足を物語っていて、それなりに東谷に惚れていたのだと泉は思って笑う。春、新入生が入ってきてやった紅白試合。泉が初めに穂波に惚れたと言ったあの日。安曇は「オレもあのノッポの子がちょっといいなぁ」と言った。お互いに全く違う人を好きになったのなら自分たちの関係はそのままだと安心した

「明日さー、オフじゃんー?」
「だなー」
「どっか行かねー?」
「・・・お前と?」
「そー、オレとー!どっかさー、どっか行ってさー、遊んで忘れね?」

ここにあるのは友情。だから、遊びに行くのもおかしくない・・・
そう。友情・・・友情があるのだから

「まぁ、それもいいか」
「よーし!んじゃーさ、バッティングセンター行ってぇ、ゲーセン行ってぇ・・・」
「・・・オフなのにバッティングセンターとかお前」
「だってぇ、お前とオレ、やーっぱ野球抜きじゃつまんねぇー」

安曇の笑顔を見て泉も鼻で笑う

「それ言うならあれだろ。グラブもってどっかの河川敷でキャッチボール」
「マジでー?まぁ、でもそれも悪くないなぁー」
「っつかのんびり歩いてたら朝練遅刻すんぞ」

そう言って走り出した泉の背中を追いかける

「なぁ!泉ー!」
「あぁ?」
「明日、昼飯食った後、さっきのとこに集合なー!」
「持ち物はグローブか?」
「そー!!!」

失恋なんて忘れてしまいそうだった。いや、そもそも失恋のダメージはあったのか・・・昨日の帰り、一緒に帰ってから失恋のことなんて忘れていた気もした。恋だったのか。恋に憧れていただけなのか。恋をしたかっただけなのかもしれない



「おーはよー!」
「はよっす」
「なぁ、なぁ、かーずやぁ、お前さぁ、お前さぁ?」
「相変わらず近いっすね・・・」

朝練後、部室で着替えていると後ろからシャツ1枚の東谷に抱きつく安曇。これは今までとあまりにも変わらない日常すぎて東谷は戸惑いを感じていた。断った。ちゃんと。つきあえないと断ったのに相変わらずの安曇

「あー、そう。オレ、この距離ねー!いっつも変わらないのー」
「そっすか」
「カバンにさー、そんなストラップついてなかったじゃーん?」
「・・・」

東谷が床に置かれた部活バッグに目をやる。昨日、穂波から受け取ったペアのストラップ

「それさー、穂波ちゃんのカバンについてるのと同じだよなぁ?」
「・・・そっすね」

否定もしない東谷に安曇は「ふぅーん」と言いながら東谷の腰に腕を回したまま振り返って穂波を見る
こちらの様子を伺っていたような穂波はすぐに目を逸らし、制服のボタンを留める

「そーゆーこと?」
「・・・」
「友達以上?」
「ですね」

東谷の肯定は穂波の耳にも入って顔を赤くしたのを見て安曇は口笛を吹いた
そして腕を離す

「なぁーんだ。そっかそっかぁ、じゃあ仕方ないなぁー」
「・・・さーせん」
「いいのいいのー!っていうかー、謎が解けたからめでたしめでたしー」

安曇は東谷の背中をポンポンと叩くと上機嫌で着替えの続きをする
中学から一緒に上がって来た2人。友達かと思ったらそれ以上で。そんな関係が壊れないことだってあるのだと判ってなんだか嬉しくて明日が一層楽しみになった



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私の中で憎めないキャラ的位置の安曇・・・
美人なのに三枚目なところがもう憎めない

穂波は可愛い系、安曇は美人系で脳内変換しながらお楽しみくださいませ
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