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つれないキミと売れてる僕5-10 - 08/26 Wed

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「とりあえず、次、いつオフなんだよ」
『来週、別の撮影で少しそっちに帰れるけど、時間あるかわからない。もしかしたらそのまま向こう帰るのかも・・・』
「それ、オフじゃねぇじゃん」
『・・・うん』

里見と付き合い始めて1年。それまでがむしゃらに里見を求めすぎないように仕事を入れてきた。そしていつの間にか築き上がった今の場所。仕事を抑えようと思っても急に止まれず、仕事がなくなるよりは・・・と我慢している今・・・

「そうか・・・しばらくオフなしか」
『里見、あのっ・・・』
「んー?」
『やっぱり来て・・・欲しい。会いたい。会いたいよ』

普段ワガママも言わない男からのお願い。それは里見の口元を緩ませるお願い。今までならめんどくさかった。会いたいなら来ればいい。なぜ会いたいと言われて自分が足を向けなくてはならないのか・・・わからなかったのに、今はそれが分かる気がした

「仕事終わったら行くかな・・・」
『ムリはしなくていいけどっ・・・会いたい』
「期待しないで待ってろ』
『里見・・・愛してる』

電話を切ると長いため息を天井に向かって吐き出す
仕事がひと段落つくのはもうすぐで・・・須野の撮影場所までどう行くかを考え始めた




「葛西ー、須野をさらって来い」
「は?!」

終わらない原稿にイライラしながら里見は部屋に来ていた葛西にそう言い放つ
終わりが近いと思っていた仕事は修正が大幅に入って締切に追われる。予定外だった。こんなこと里見にとってはあまりないこと

「さらってきたらあれだ。脚本もやってやる」
「・・・本当にさらってこようかな」
「あー、くそ・・・やっぱ邪魔」

里見がギプスを外し、指の包帯も取るとまだ変色したままの指・・・

「ちょ、光!」
「パソコン打てないとやっぱ速度上がんねぇ」
「・・・須野がいたら速度上がるの?」
「上がんねぇよ。バーカ。でもお前に八つ当たりする時間は短くなんだろーな」

葛西は「だよねー」と言いながらも携帯を取り出すと里見の手を握って動かさないようにまた包帯を巻く

「もしもしー?うん。オレー!ちょっとさーお願いあんだけどー」
「?」

葛西が談笑している相手なんて誰かも分からないが何か交渉しているらしく、最後は「ありがとー!すまんねー!」と言って電話を切った

「はい。須野ちゃんさらってくる交渉成立ー!光っ!脚本もね?」
「・・・は?!」
「ん?今、ちょーっと裏工作?」
「・・・はぁ?!」
「光忙しくなるねぇー。今度本出すのも決まってんでしょー?で、連載に脚本?いやぁ、売れっ子すごいわー」

葛西はニコニコと笑いながらギプスまではめると里見の背中をポンポンと叩いた

「須野、2日だけだけどオフにしたよ」
「・・・」
「オレの交友関係舐めちゃダメだってばー!」
「・・・どうやって・・・」
「それは秘密ー!脚本ね!ね?!」

葛西には軽々しく頼みごとはしてはいけないと思いながら里見は仕事を再開した




「え?・・・明日、明後日撮影休み?なんで?」
「なんかよく分からないが、監督に予定入ったらしい」
「じゃ、じゃあ帰っていい?!山口さんっ!」
「・・・言うと思ってチケット買ってきた」
「さすが!!!あー、どうしよう。電話!!!・・・はしちゃダメだった。メール・・・も邪魔か・・・うわー!言いたいーーー」

マネージャーの山口から言われるとテンションの上がった須野は最近見せなかった笑顔を山口に向ける。普段、冷静そうに見える須野は里見のことになると突然元気になる。それは昔から判っていたことだが、今日はまたそれが特別大きい気がした

「里見くん、ケガ大丈夫なの?」
「痛そう・・・僕が代わりたい」
「ま、酷いケガだったらお前仕事放り出しそうだから痛くても大丈夫ってとこか」
「利き腕だから色々大変そうだよ。仕事にも支障出てるし」

須野はため息を吐きながらも携帯と財布をポケットへとしまう

「・・・いや、待てよ。お前何してんの?明日のチケットだぞ?それ」
「うん。でも頑張れば最終間に合うでしょ?」
「は?!オレの努力は?!」
「ありがとう」
「いや、っつか・・・はぁ?!」
「今日帰れば2日泊まれるから」

須野の気持ちはもう里見のすぐそば。今すぐ帰って抱きしめたい




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葛西はすごい顔が広いと思う。世渡り上手なんだろうなぁ・・・
んで、マネージャーの山口さんは苦労人だと思う
基本は須野も聞き分けイイ子だけど里見のことになると暴走して手が付けられなかったりワガママ須野になったりする
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