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青春はプールの中で3-9 - 09/09 Wed

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
柿内の結果は3位。表彰台に上がれるという快挙だった

しかし・・・

「惜しかった」
「・・・」

柚木の言葉に背を向けてどこかへ行く柿内を追うか迷っていると別の用事で「部長ー!」と呼ばれ、そちらを優先する
3位。しかし、標準タイムが切れなかった柿内は頭を抱えて歩く

勝てないどころか、標準タイムも切れなくて・・・悔しくて悔しくて

「カッキー!」

一番会いたくない人物に呼び止められて顔を上げる。凹んでいるところを見られたくなくて。唇を噛みながら顔を上げる

「すっげぇね!カッキー!!!ボク、マジでびっくりした!なんで私立行かなかったの?!もっともっと強くなったでしょ?」
「・・・私立・・・」

スイミングスクールを逃げるように辞めた後、同じスイミングの友人が、一緒に競った友人らが私立高校へ行くと聞いた。だから逃げた柿内は行くところがなくて。市内の高校もやっぱり行けなくて、市外の今の高校へ入った。でも、先輩に恵まれて、柚木に出逢って・・・

「次、市大会で勝負しよう?んで、県大会出てまた勝負しよう?あと、カッキーも新人戦出れるじゃん?2年だから!それも勝負しよう!」
「・・・なんでオレなんだよ。竹市さんとこの弟のほうが勝負できんだろ・・・インハイも一緒に出るんだし」
「わかんない。でもカッキーに追いかけられるの楽しいから!あと、カッキーとは仲良くなりたい!友達になりたいっ!」
「・・・光栄だな・・・」

実力の差がありすぎて素直に喜べない。でも、凹んではいられないと前を向かなくてはならないと思わせてくれる秀の言葉
その地区で無敵になるのは確かにつまらなく感じる。尤も、柿内の場合はそれが井の中の蛙で、外を知って絶望し、諦めたのではあるが・・・

「もっと家おいでよ。もっとカッキーと話したりしたいよ」
「何を話すんだよ」
「うん?うーん・・・流ちゃんのこととか?」
「結局ブラコンか」

思わず吹き出すと秀も笑って柿内の背中に手を回す
ライバルと呼ぶには差がありすぎて
背中を追いかけるにも後輩で
でも、新しい友達・・・



「お、柿内」
「うん。もうじきだな」
「あー、うん・・・」
「どした?」
「・・・ちょっと・・・こっち・・・」

腕を引っ張られて誰もいない会場の隅に連れていかれる

「どした?」
「・・・緊張してきた」
「珍しい・・・」
「だから・・・ちょっと・・・ちょっとでいいから手握って」

柿内はそっと柚木の手を取ると優しく握る

「大丈夫。あんたはできるよ」
「・・・できる・・・」
「柚木 流はすげぇんだ。オレは100も200もダメだったけどあんたは行ける。ひとりでも行ける」
「・・・いける」

柿内に合わせて深呼吸をすると少しだけ落ち着いた気がした
泳ぐ前はいつだって楽しみ。でも、周りはやっぱり強豪校ばかりで、体もみんな大きくて柚木は緊張していた
自分が弱いとは、遅いとはもう思っていない。ただ楽しめばいいことも判っている。でも、緊張・・・

「柿内」
「うん?」
「最初から最後まで見てろ」
「見てる」
「うん・・・行ってくる」

最後は笑顔になった柚木の背中に軽く手を添えると柚木の背中を押して送り出した



「柿内くんどこ行ってたのー?っていうか、3位すげぇじゃん・・・ちょっとムカつくけど」
「ムカつくっつーのは余分だろ」
「だって・・・オレ、表彰台上れねぇもん」

口を尖らせた栗山が少し可愛く見えて「お前はまだ来年も再来年もあるだろ」と背中を叩いた

「柿内くんが卒業するまでに抜いてやる・・・」
「おう。精々頑張れよー」
「うっわー!超ムカつくー!!!!」

柿内は笑いながら栗山の背中を押して観覧席へと向かう。柚木の戦いを見るために・・・




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