FC2ブログ

柚木くんと竹市くん3-2 - 09/22 Tue

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で 番外編
トントントン・・・

竹市はドアを叩く音で目を開けていつの間にか寝ていたのだと気付く。体を起こすと時計を確認した

「・・・」

時間を見ると日付が変わったところで、こんな時間に扉を叩く人間なんて1人しかいないと思いながらもう一度ベッドへ倒れる

トントントン・・・

何度も何度も叩かれるドア。強くはない。単調なリズムと単調な強さでずっと叩かれて、こんな夜中にドアをノックされ続けるのは近所迷惑だと立ち上がってドアを開ける

「・・・帰って」
「っ・・・」

月明かりが目を赤くさせて酷い顔をしている球を映し出す

「・・・」

震える手が竹市の手を掴んで懇願するように膝をつく

「ごめ・・・なさい」

ぽろぽろと流れ落ちた涙が玄関に滴を落として小さな水たまりを作っていく・・・





また球の泣き落としに負けた・・・と竹市は部屋の真ん中で正座して下を向く球に心の中でぼやいていた
ケンカなんてしょっちゅうで、毎回、毎回同じことの繰り返し・・・

「ごめん・・・ね?」

電気を点けた部屋で球の顔を改めてみると目は腫れてたし真っ赤だし・・・どれだけ泣いたのかと手を伸ばしそうになるのを耐える
触れたらもう最後・・・いつものようになし崩しにエッチして、この怒りは伝わらないのだと判っているから

「たけちゃん」
「帰りなよ」
「・・・」

また体を震わせて下を向いて黙り込む球を置いて竹市はバスルームへと向かう。シャワーを浴びながらもうここでヌいてから戻ろう・・・一度冷静になってしまおうと自身に手を伸ばす

頭に浮かぶのは球の姿でケンカしているのに怒っているのに思い浮かべてしまう自分にイラつきながら扱く

「っ・・・クソ」

怒っていてももうやめたいと思ってもやっぱり好きで好きで好きで・・・

吐き出された白濁が流れていくのを見ながらもう一度小さく「クソ」と悪態をついて部屋に戻る
シャワーへ向かう前と同じ体勢でいる球を見て胸が痛い。こんな弱い球を見たいわけじゃない。笑顔が見たい。バカで甘えてくる球を見ていたい・・・でも、笑顔にできないのは自分のせいで・・・

「・・・たけちゃん・・・わ、別れたくないです」
「え?」

突然飛び出した球の言葉に心臓が冷たくなる
確かに、さっき、もうこんな苦しい想いはやめたいと思った。でも球にまで、本当に別れまで意識させてしまったのかと慌てて傍へ座ると広い背中にそっと触れる

震えているのは泣いているから・・・

別れるのが嫌で泣いているのか・・・別れると思わせたことの罪悪感・・・いつだってそう。球に泣かれて結局罪悪感でいっぱいになって

「球さん」
「っ・・・」
「こっち向いて」
「・・・」

大きな体を小さくしたまま顔を上げる
涙と鼻水でぐちゃぐちゃになってるのに愛しいと思ってしまうこの不思議な感覚

「酷い顔・・・」
「ぅ・・・」
「オレ、別れようって顔してる?」
「・・・判んない」
「球さん、オレ、球さんだけなんだけど・・・?」
「・・・?」

まだ判らない恋人の頭を撫でる
自分でも調子がいいと思う。でも、別れるだなんて実際聞いてみたらやっぱり怖くて。彼の手を離すなんて嫌で仕方がない

「なんでも全部やってやる気でいるのに球さんの心はオレのだけにならないの?」
「・・・たけちゃんのだよ・・・」
「ユズだけは抱けるんでしょ?オレのことは抱けないけど」
「・・・たけちゃん・・・オレにして欲しい?」
「いや、して欲しいっていうわけじゃないけど。球さんがしたいなら・・・とは思ってる」
「っ・・・オレ、バカなこと言った・・・ごめんなさい。もうあんなこと言わない。流ちゃんのコト好きじゃなくなるのは弟だからムリだし、あれは冗談だったんだけどもう絶対言わないっ!冗談でも言わないっ!!!」

竹市はそっと球の頭を撫でると「じゃあ仲直りのキスして」と囁く

すぐに球の唇が竹市の頬に触れ、唇に触れ、鎖骨に触れる

「待った!やらない」
「え・・・」
「いや・・・さっき・・・ヌいてきた。さっきまでするつもりなかったから」
「えっ!!!で、でも・・・1回だよね?ねぇ・・・」
「そうだけど・・・球さん始めたら止まんねぇし!体力差っ!体力差っ!!!」
「っ・・・拷問だ・・・たけちゃんはまだ怒っててオレに拷問を課すんだ・・・」

うるうるとまた涙が零れそうな目を見ると竹市は判りやすくため息を吐いて球を抱き寄せる

「そんな顔反則だっつーの」
「たけちゃん、大好き」
「ユズよりも?」

少しだけ意地悪な顔をした竹市の頬を軽くつまむと「流ちゃんよりもっ!」と少しだけふくれた顔でそう投げ捨てるように吐き出す
竹市は笑って「よくできました」と頭を撫でると球のシャツに手を入れる
鍛えられた胸筋を押し上げると首筋に噛みつくようにキスをする

なんでこんなにも愛しいのか・・・
球以外の男にこんな感情はわかないし、球以外ならやっぱり女の子がイイとも思う。球だけ・・・こんなにも情欲をわかせてくれるのは球だけ



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ


にほんブログ村


ラブラブな感じの球と竹市って喧嘩も多いと思うんだよなぁ・・・
竹市は柿内とは違って短気じゃないけれど球と喧嘩しちゃうーみたいな
関連記事
スポンサーサイト



comment

コメントを送る。

URL:
Comment:
Pass:
Secret: 管理者にだけ表示を許可する