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つれないキミと売れてる僕6-4 - 10/12 Mon

trackback (-) | comment (0) | つれないキミと売れてる僕
考えてみたら、いつだって葛西の掌で上手く動かされてきた気もする
葛西の交友関係は広く、強い。元からの性格がそうさせるのかもしれないが、頭の回転の良さ、立ち回りの方法は学力で勝っていた自分よりも上・・・

「あ、誤解しないでくれよ?」
「え?」
「確かにね、慎吾くんから頼まれたよ・・・でも、昨日会ったのは本当に偶然だし、本当に同窓会行ってみたらいいと思ったから僕はこうして君に勧めているわけだし」
「・・・同窓会・・・」

行って何になるか・・・有名になってしまった自分たちがあの中へ行って騒ぎになって面倒なことになるんじゃないかだとか、そんなことばかり頭に浮かぶ。周りが騒がしいのは里見の嫌いなこと・・・

「作家として、ネタを探しに行くのも大事じゃないかな・・・」
「・・・作家として・・・」
「うん。色々な職業の人がいるじゃない?色々な成長している人がいるじゃない?そんな同級生とまた再会するってだけでネタは拾えると思うんだ・・・」

確かに、それは桂城の言う通りな気もする。だが・・・

「何を恐れているんだい?」
「恐れては・・・」
「何があっても君には強い味方が・・・絶対的な味方が2人も近くにいるじゃないか」
「・・・」

須野も葛西も今まで何をしてきても里見から離れることはなかった。どんなに暴言を吐いても、大喧嘩をしても怒鳴っても。しばらくすると何故か謝られて何もなかったかのように隣にいる2人・・・

「・・・確かに・・・まだ外に出るのが怖かった部分もあるんでしょうね・・・」
「うん?・・・うん。一歩外に踏み出してみたらまた以前のような話が書けるんじゃないかなぁ・・・」

マンネリ化してきた最近の小説・・・自分でもモヤモヤしたままではあったが、新しい人間関係を築くことはあの事件以来怖いことでしかなくて・・・外へ出られるようになってもまだ一歩外へと踏み出せないでいたのだ
その一歩の背中を押してくれるのは憧れている桂城で・・・

「同窓会・・・行ってみようと思います」
「うん。僕は純粋に君の作品がまた面白くなるのを楽しみにしている読者のひとりだからね」

優しい笑顔の桂城が一層優しい笑顔で何度か頷くと「君の作品が輝くのを待ってるよ」と言ってくれたのがまた照れくさくて里見ははにかみながら微笑んだ
何故か桂城の前ではいつものような自信にあふれた笑顔でいられない。強気の自分でいられない・・・あぁ、父の前にいたときと同じだ・・・そう感じながら、桂城に父の面影を重ねていた







「え・・・同窓会?」
「んー」
「な・・・なんで急に!あ!イイ!行くのはイイし、僕も行くっ!!」
「あー?お前はいいよ・・・なんかめんどくせぇ」
「ヤダよ!絶対行くからっ!!!」

家へ戻ると豪華な食事を用意して待っていた須野に同窓会へ行くと伝えた里見に須野は慌てて同窓会のお知らせはがきを探して「出席」に丸をつける

「っつかさ・・・お前、オレのことペラペラあちこちで話すなよ・・・?お前、いつかボロ出しそうで怖ぇよ」
「ご、ごめん!でも、桂城さんにはどうしてもっ!里見のこと話したくて・・・里見の好きな作家さんだからすごいテンション上がっちゃって。でも!普段は気を付けてるよ!本当はもっともっとみんなに里見のコト自慢して、里見のコト話したいの我慢してるよ?!」

須野はそう一気に捲し立てた後、反省しているような顔で目を伏せる

「・・・まぁ、オレのことペラペラ話してんのはお前だけじゃなかったけどな」
「え?」
「・・・ホントお前ら・・・」

「オレのことが好きだな」そう言いかけて「バカだな」と言って笑う

呆れるほどバカで憎めない
こんな自分とずっと一緒にいたいと言ってしまうバカな男たち・・・それが幸せだと感じてしまう自分もバカなんだろう。と思いながら須野の作った食事を口へと運んだ

「僕、里見のコト本当に大好きなんだー」
「知ってる」
「うん・・・それがね・・・里見の中で当たり前に思って貰えてまた幸せ」

須野が笑いながら里見の顔を見る。ずっと見つめていたい。彼だけを・・・里見だけを見ていたい





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同窓会っていうのに憧れます。
今回の話を書くとき「間に合わない間に合わないーーーー」と焦りながらも頭の中で里見になりきって担当の人に「皐月先生っ!まだですかっ!」と急かされる図を繰り広げてニヤニヤ楽しんでいた水尾はなんでも脳内変換して楽しめる変態なんだな・・・と再確認しました
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