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つれないキミと売れてる僕6-5 - 10/13 Tue

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「やー!うっれしいなぁー!3人で同窓会ー!未だに超仲良しーって見せつけよー!!!」

同窓会、当日、やたらとテンションの高い葛西を横目に会場へと向かう3人

「・・・須野、お前なんか他に服ねぇの?」
「え?」
「や、お前・・・いっつも代わり映えしねぇ格好だよな」
「・・・僕、里見みたいに上手く着こなせないから・・・」

シャツにジャケット・・・いつだって同じ。ジャケットの襟には可愛いピンが数個つけられている
昔、仕事で着た時に里見が褒めた格好がこれ。ジャケットもシャツも買い足してはいたが、代わり映えはしない須野の定番

「いやー、光が意外と気合入れたのがオレ的にはすごく嬉しいです!」
「あ?」
「その服見たことないもーん!ジャケット新調したんだろー?」
「・・・いつも完璧だったオレが少しでも衰えてたらみんな心配すんだろ」

里見は余裕の笑みで葛西を見下ろす。そう言う葛西の方が気合が入っているのは明らかで、楽しみにしていたのが手に取るように判るから
高校時代は地味な方だった。友達自体は葛西の人懐こい性格で多かったが、あまり関係のない人間からは頭のいい人としか感じられていなかった葛西・・・里見と須野の傍にいると葛西自身は余計に霞んで見えてしまう
名前の知れてきた今、葛西は初めて過去の友人達に輝きを見せられるのだ。葛西だけ地味。なんで葛西が一緒にいるの?須野や里見の隣にいてずっとそう言われていた過去を清算できるのだ。楽しみにしていても無理はない



会場へと入るとすぐに予想通り囲まれて騒ぎが起きた

3人まとめて囲まれて、徐々にその輪が3つに分かれていく

「葛西ー!お前すげぇよなー!夢叶えたな!」
「相変わらず須野と里見にくっついてんのかー」
「昔の可愛さはどこに捨ててきた!!!」

葛西の周りは男ばかりで、それでも葛西は笑って懐かしい面々に笑顔を作る
皆、きっと自分がこんな有名に、名の知れたものを作れるだなんて思っていなかったに違いない。だからこそ自慢したい・・・今を自慢したい
須野や里見と肩を並べて歩いていても見劣りしない自分になったのを自慢したい

「今度、また光原作の映画撮るから公開されたらお前らちゃんと見ろよー?」
「あ!オレ!獣観た!」
「あ!オレも!」

3人で初めて作れた映画・・・観たという言葉を聞くと嬉しくて嬉しくて何度も「ありがとう」と繰り返し、今の状況を楽しんだ



「須野くん、テレビ観てるよー!」
「あ、ありがとう」
「っていうか葛西と里見くんとまだ続いてたんだねー」

須野の周りは男女ともに半々の数・・・どの顔も須野にはピンとこない顔ばかりだったが、そんなのは昔から。里見以外に興味のなかった須野にとってクラスメイトも何も判らない。それでも、突然写真を撮られたりしない面々が集まったのはありがたいことだった

里見の姿が見えないことが不安で里見の姿をキョロキョロ探すと周りが笑いながら

「里見くんならあっち」
「ホント相変わらず須野くんは里見くん大好きねー」

そう教えられて視線を向けるとすぐに胸がチリチリと熱く灼けるような気持ちになって目をそらす

「なんか、里見、相変わらずモテる・・・ね」
「相変わらず里見くんの周りは派手な子多いよねー」
「派手っていうか・・・自信ある子たち?」

皆が「あー」とその言葉に納得している中、須野は必死に「大丈夫」と「信じてる」と心の中で繰り返す。華やかな見た目の女性に囲まれ、余裕の笑顔を見せる里見。たまに里見に触れる女性に嫉妬しながら須野は笑顔で自分を囲む同級生に『須野 寛人』を演じ続けた
心から楽しむことなんてできないのは最初から判っていた。それでもここへ来たのは里見と同じ空間にいたいから。時間の許す限り里見の傍にいたいから・・・それは自分を囲む同級生たちと制服を着ていた頃と何も変わらない。同じ。ずっと同じ・・・



「あー、なんかやっぱりオレ、有名人になったなーって今、すごい実感してるー」
「僕も」
「いや、須野ちゃんはあの頃からテレビ出てて有名人だっただろーが!」

人がだんだんバラけて行き、グラスを持った葛西が須野の肩を掴む

「光はー?」
「・・・さっき・・・外行った」
「あ?!誰と?!」
「・・・石田さん」
「石田さんって・・・恭子か?!元カノの!」

葛西の言葉に寂しげな笑顔で頷く須野

「お前・・・外って・・・」
「大丈夫。ほら、戻ってきたし」

須野は会場のドアを見つめて笑顔を作って小さく手を振るとその隣にいる里見の元カノを見つめる

「・・・くそ、相変わらずすげぇ美人だな・・・恭子」
「うん」

昔から美人だった里見の元カノ。里見にしては長続きした彼女だった気がする。お互い自信に溢れて輝いていた2人は今、隣に立っていてもお似合いに見えてまた心が痛む

「須野ー、もーそろそろ終わりだろ?飯食えてねえんだけど・・・腹減った。二次会誘われる前に出ようぜ」
「里見、すごい囲まれてたもんね」
「てめぇもな!」
「オレも!!!」
「あー、葛西は高校んとき囲まれたことなかったから気持ちよかったんだろ?」

「うん!気持ちよかった!」と大きく頷く葛西に「バーカ」と呟いて里見はグラスをテーブルに置くと「帰るぞ」と2人に告げる
いつでも自分勝手。でも2人とも文句も言わず「うん」と里見の後ろを追いかけた





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里見の元カノの存在はこれからもどんどん出てくると思うの。ストックネタでもいくつか元カノネタがあるし・・・

どうでもいいけれど、この季節って服装迷うよね・・・
晴れた昼間に暑いな・・・と半袖で出掛けたときに限って周りがみんな長袖だった時の疎外感とかさぁ・・・
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