FC2ブログ

つれないキミと売れてる僕20 - 03/26 Thu

trackback (-) | comment (0) | つれないキミと売れてる僕
須野の主演ドラマ、太陽の沈む影は最終回にスペシャル版として2時間枠が決まっていたが、ロケで数日間家を開けなくてはならないということを思い出して須野は心配でたまらない・・・

「里見・・・本当に大丈夫?」

何が心配かって・・・

里見の食生活

今までも自分が世話を焼かなければ適当な食生活の里見だったが、最近はそれが酷いものだった
仕事が忙しい・・・というのも理由にはあるが、何よりも・・・「めんどくさい」が最大の理由

「だから、オレは今までこーやって暮らしてきてんだから大丈夫に決まってんだよ!」
「・・・やっぱり葛西に頼んで・・・」
「バカ!もーあいつもあいつの生活あんだからあいつを巻き込むのやめろ」

里見にしては珍しく正論な気もして須野は少し反省する
とにかく里見のことが心配
ビールとトマトだけで基本済ませてしまう里見が心配すぎる

サラリーマンとして外に出ていた時は昼食だけはきちんと摂っていた
人形のように一日宙を見て過ごしていた時でも須野の用意したものを言いつけどおりに機械のように摂っていた

しかし・・・

今、外にも出ない里見はトマトとビールだけで基本済ませてしまう・・・
用意しておいてもめんどくさいと食べてくれない

「・・・それでもやっぱり心配です・・・」
「判った・・・なんか食うから・・・早く行け」
「ホントに?絶対だよ?!電話で確認するからね?!」
「オカンか!行け!うっせー!早く出ていけー!」

最後はキレ気味の里見に部屋を追い出されてとぼとぼとエレベータに向かう須野
一応、用意はしてきたけれど本当にそれを温めて食べてくれるのかが問題である





翌日、珍しく電話がかかってこないのを不思議に思いながら里見は冷蔵庫に入っていたタッパーを温める

「・・・オレの好物ばっかり」

冷蔵庫のラインナップを見てそう呟く
ちゃんと食べているのに電話がない・・・

忙しい・・・それも考えてはみたものの、どんなに忙しくてもしつこく電話してくる須野が電話をかけてこない
圏外になってる場所からは公衆電話からでも掛けてきた須野が電話をかけてこない

なんだか嫌な予感がする・・・胸騒ぎがした




ドンドンドンッ

ミネストローネを食べきる頃、ドアが強く叩かれる・・・こんなことする人間は1人しかいない

「・・・なんだ」
「光っ!・・・須野が・・・怪我したって」
「・・・」

いつだって嫌な予感は当たってしまう・・・
怪我・・・軽いケガじゃないかもしれない・・・電話をしてこられない程の怪我・・・

「・・・とりあえず・・・今、病院だって」
「・・・」

病院・・・そう言われても自分がここから出るのはむずかしい・・・どうしたらいいのか・・・待つしかないのか
外に出るのは怖い・・・病院は更に怖い・・・

「光・・・オレ、行ってくる」
「・・・待て・・・行くな」
「な・・・んで」
「行くな・・・行くな・・・」

葛西の両腕を掴んでそう言う里見があまりにも弱々しくて葛西は戸惑う
こんな里見は見たことがない
少なくとも自分は・・・須野しか見たことのない里見・・・

「わかった・・・じゃあとりあえず連絡ここで一緒に待とう」
「・・・」
「光、大丈夫、須野はきっとなんともないから」
「・・・」

病院からの連絡は恐ろしい・・・
あの日を思い出すから・・・

あの日・・・普段通りに過ごしていたが、なんだか朝から胸騒ぎがした・・・
それは提出しなくてはならないレポートが完成していないからとかそういう理由ではなく、嫌な予感

そして掛かってきた電話・・・

病院からで・・・聞いた言葉は信じられなかった


「・・・葛西・・・」
「ん?」
「マジで・・・怖い」
「うん」
「あいつ、電話してこなかった・・・それだけ・・・の怪我だ・・・」
「それはもしかしたら撮影が長引いて・・・」

それも考えられる
しかし・・・

「・・・あいついなくなったら・・・オレはどうしたらいいのか判らない」

いつだって須野は傍にいた
辛い時もそっと傍にいてくれたから何度も立ち上がれた
・・・須野に何かあった時はどうするかだなんて考えたこともなかった

「・・・オレ・・・外出る・・・」
「え?」
「強く・・・ならなきゃ・・・」
「光・・・」
「引っ越しんときだって外出れたんだ・・・病院だって・・・」

青褪めている里見を本当に連れて行っていいものか悩む・・・
だが、里見は真っ直ぐ玄関を見つめていて葛西は「車のカギ持ってくる」と立ち上がった



夜道を葛西の車は里見を乗せて走る・・・病院へ






にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ


にほんブログ村



一幕も終わりに近づいて来たのです。
毎回ちゃーんとハピエンにはする主義です。ええ。ええ。
関連記事
スポンサーサイト



comment

コメントを送る。

URL:
Comment:
Pass:
Secret: 管理者にだけ表示を許可する