つれないキミと売れてる僕6-12 - 10/20 Tue
頭を撫でるのは優しい手・・・
閉じ込められても、今まで嫌ってきた束縛も全部全部許してしまいそうな優しい手
「・・・ん・・・」
「おはよう・・・体大丈夫?」
「須野・・・?」
「うん」
「・・・あー、あのまま寝た?オレ・・・」
「寝てた」
優しく微笑む顔も、どこかせつない表情で里見は昨日の須野の様子を思い出しながら須野の鼻を摘まむと「バーカ」と言ってベッドから抜け出る
「里見?」
「待ってろ」
里見に置いていかれるともう二度と戻ってきてくれないような気がする・・・寝室の扉が閉まると静寂が訪れて怖くて膝を抱える
閉じ込めて、好き勝手体を触って「嫌だ」というのも「やめろ」というのも聞かなかった自分の行動を後悔する。好きで好きで仕方がなくて、どうしたら繋ぎ止めておけるのか・・・そればかり考えて今まで里見の言葉を全部聞いてきた。聞かなければならないと思ってきた・・・でも、ここ最近してきたことはそれとは真逆の行動・・・
「おい、何凹んでんだよ」
「・・・」
情けない顔を上げるとすぐに顔に何かを投げられて「痛・・・」と小さく叫んだ須野はシーツの上に転がった小さな箱を手に取った
「・・・開けろよ」
「・・・」
須野が小さな箱を開けると小さなピン・・・
「これ・・・?」
里見が小さくため息を吐く
「恭子の話聞く?」
「・・・」
ベッドに腰掛けると須野の手の中の箱を奪い取る
「お前が気に入っていっつもジャケットにつけてるあれなー・・・オレが昔お前にやったやつだろ・・・」
「うん」
「あれなぁ・・・もとは恭子がオレによこしたやつなんだわ」
須野のいつものかっこう・・・里見が褒めた洋服・・・ジャケットの襟にいくつかつけているピンの1つはいつも同じ。クマの形の小さなキラキラ光るピン・・・
「これくらい可愛いのつけると丁度いいかもな。オレよりお前の方が似合うからやるよ」
そう言って里見がくれたピン・・・いつもつけていたのに里見の元カノからのプレゼントだったことを知って少し凹む
「いや、誰から貰ったかも忘れてたけどさ・・・こないだの同窓会でもお前つけてたじゃん・・・あいつ、しっかり覚えててさ・・・速攻バレた!」
「え?」
「あとこの指輪・・・外していくのも忘れてたから色々恭子に突っ込まれて、どうせだったら自分で作ってつけさせろって結構しつこく言われたわけだ・・・」
「作って・・・って?」
里見はいつもの少しだけ意地悪な笑顔を作って箱から小さなピンを取り出す
「あいつ、今、ジュエリーデザイナーやってて、小さいけど工房で講習もやってんだ」
「・・・」
「これ、オレが作った」
「え・・・え?!」
投げられたピンをキャッチすると慌ててその小さなピンを見つめる
「オレは自分が怖ぇよ・・・なんでもやれば完璧にこなしちゃうこの才能が怖ぇー!」
「・・・さ・・・里見が作った?!そ、それをっぼっ・・・僕に!?」
「どもりすぎー」
里見が作った・・・そう判ると手の中の小さなピンが熱くて指が震える
「まぁ、集中すると時間も忘れるしなぁ・・・あと、オレの服についてた匂いってきっと香水じゃねぇぞ・・・あの工房、なんかやたらとアロマかなんか焚いてっからな」
「・・・里見・・・あのっ・・・」
「あと、これなー」
里見が投げてきた封筒を開けると装飾のされた可愛らしいカード
「・・・結婚式?」
「結婚式に元カレ呼ぶとか信じられねぇよなー・・・でも、相手も相手だ。オレから恭子を勝ち取ったって見せびらかしたいとかふざけんなっつー話」
「・・・紀本って・・・」
「おう。同窓会の幹事なー・・・っつか、あいつが学年1位取った時、恭子に「学年トップにしか興味ない」って言われたからとかどんだけ恭子のコトあいつ好きだったんだよ・・・」
もっと話を聞けばよかった
元カノでもなんでも里見の話を聞けばよかった・・・
「やっぱり泣くんだ?」
「僕・・・何も・・・聞かずに・・・里見に最低なこと・・・」
「今日、オフなんだろー?葛西がDVD特典の撮影するとか言ってたから慌ててこれ、仕上げに行ってた」
「・・・」
「あのクマ外してこれ、つけろよ」
「・・・っ・・・うんっ・・・うんっ・・・」

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閉じ込められても、今まで嫌ってきた束縛も全部全部許してしまいそうな優しい手
「・・・ん・・・」
「おはよう・・・体大丈夫?」
「須野・・・?」
「うん」
「・・・あー、あのまま寝た?オレ・・・」
「寝てた」
優しく微笑む顔も、どこかせつない表情で里見は昨日の須野の様子を思い出しながら須野の鼻を摘まむと「バーカ」と言ってベッドから抜け出る
「里見?」
「待ってろ」
里見に置いていかれるともう二度と戻ってきてくれないような気がする・・・寝室の扉が閉まると静寂が訪れて怖くて膝を抱える
閉じ込めて、好き勝手体を触って「嫌だ」というのも「やめろ」というのも聞かなかった自分の行動を後悔する。好きで好きで仕方がなくて、どうしたら繋ぎ止めておけるのか・・・そればかり考えて今まで里見の言葉を全部聞いてきた。聞かなければならないと思ってきた・・・でも、ここ最近してきたことはそれとは真逆の行動・・・
「おい、何凹んでんだよ」
「・・・」
情けない顔を上げるとすぐに顔に何かを投げられて「痛・・・」と小さく叫んだ須野はシーツの上に転がった小さな箱を手に取った
「・・・開けろよ」
「・・・」
須野が小さな箱を開けると小さなピン・・・
「これ・・・?」
里見が小さくため息を吐く
「恭子の話聞く?」
「・・・」
ベッドに腰掛けると須野の手の中の箱を奪い取る
「お前が気に入っていっつもジャケットにつけてるあれなー・・・オレが昔お前にやったやつだろ・・・」
「うん」
「あれなぁ・・・もとは恭子がオレによこしたやつなんだわ」
須野のいつものかっこう・・・里見が褒めた洋服・・・ジャケットの襟にいくつかつけているピンの1つはいつも同じ。クマの形の小さなキラキラ光るピン・・・
「これくらい可愛いのつけると丁度いいかもな。オレよりお前の方が似合うからやるよ」
そう言って里見がくれたピン・・・いつもつけていたのに里見の元カノからのプレゼントだったことを知って少し凹む
「いや、誰から貰ったかも忘れてたけどさ・・・こないだの同窓会でもお前つけてたじゃん・・・あいつ、しっかり覚えててさ・・・速攻バレた!」
「え?」
「あとこの指輪・・・外していくのも忘れてたから色々恭子に突っ込まれて、どうせだったら自分で作ってつけさせろって結構しつこく言われたわけだ・・・」
「作って・・・って?」
里見はいつもの少しだけ意地悪な笑顔を作って箱から小さなピンを取り出す
「あいつ、今、ジュエリーデザイナーやってて、小さいけど工房で講習もやってんだ」
「・・・」
「これ、オレが作った」
「え・・・え?!」
投げられたピンをキャッチすると慌ててその小さなピンを見つめる
「オレは自分が怖ぇよ・・・なんでもやれば完璧にこなしちゃうこの才能が怖ぇー!」
「・・・さ・・・里見が作った?!そ、それをっぼっ・・・僕に!?」
「どもりすぎー」
里見が作った・・・そう判ると手の中の小さなピンが熱くて指が震える
「まぁ、集中すると時間も忘れるしなぁ・・・あと、オレの服についてた匂いってきっと香水じゃねぇぞ・・・あの工房、なんかやたらとアロマかなんか焚いてっからな」
「・・・里見・・・あのっ・・・」
「あと、これなー」
里見が投げてきた封筒を開けると装飾のされた可愛らしいカード
「・・・結婚式?」
「結婚式に元カレ呼ぶとか信じられねぇよなー・・・でも、相手も相手だ。オレから恭子を勝ち取ったって見せびらかしたいとかふざけんなっつー話」
「・・・紀本って・・・」
「おう。同窓会の幹事なー・・・っつか、あいつが学年1位取った時、恭子に「学年トップにしか興味ない」って言われたからとかどんだけ恭子のコトあいつ好きだったんだよ・・・」
もっと話を聞けばよかった
元カノでもなんでも里見の話を聞けばよかった・・・
「やっぱり泣くんだ?」
「僕・・・何も・・・聞かずに・・・里見に最低なこと・・・」
「今日、オフなんだろー?葛西がDVD特典の撮影するとか言ってたから慌ててこれ、仕上げに行ってた」
「・・・」
「あのクマ外してこれ、つけろよ」
「・・・っ・・・うんっ・・・うんっ・・・」

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一応話を書く時は章ごとになんとなくのプロットがありまして・・・今回のは
同窓会誘い→憧れの作家に背中押される→同窓会→元カノ→監禁→里見泣く→里見の手作りプレゼント→あまーーーい
いや、本当にこんな感じでメモしてあったwwwww最後wwwwwあまーーーいってっwwwwww
しかし、物事はその通りに進みませんな。
同窓会誘い→憧れの作家に背中押される→同窓会→元カノ→監禁→里見泣く→里見の手作りプレゼント→あまーーーい
いや、本当にこんな感じでメモしてあったwwwww最後wwwwwあまーーーいってっwwwwww
しかし、物事はその通りに進みませんな。
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