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青春はプールの中で4-11 - 11/10 Tue

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
「なー、なんかあった?」
「あ?」

いつもやたらとベタベタ柚木に近付く栗山が「今日はプール行ってきます」と早々と部活を引き上げていき、いつもより口数少ない柚木に緊張していた
もし、栗山となにかあったら・・・そう考えただけで胸が痛む

「・・・オレ、栗山にやなコト言った」
「あんたが?」

いつもの柚木は頼りになる先輩で。人を傷つけることは決して言わない。悪態だって柿内以外にはつかないできた先輩

「球のこと恵まれてるっつーからついオレからしたらお前も恵まれてるって・・・あいつちょっと驚いた顔してた・・・あー!!!オレ!何言っちゃってんの?!なぁ!」

柿内のことが好きだと確信したら意地の悪いことをつい言ってしまった自分が恥ずかしくて負けた気がして悔しくて制服を乱暴にカバンにしまうと頭を抱える

「・・・いや、別に嫌なことじゃねぇだろ・・・それ」
「いや!いやいやいや!!!!オレがなんか嫌味っぽく!!!あーーー!」
「落ち着けっつーの・・・」

取り乱した柚木の肩を掴むと動きを止めて手が重ねられる

「オレも、この体型以外は恵まれてるよな・・・」
「・・・おう」
「あーーー!!!!だから嫌味なんだよ!!!!!なんだよ!オレっ!何様だっつーの!!!!」
「いや、だから落ち着け!!!!」

また頭を抱えて叫びだした柚木に少し呆れながら笑った
こうして自分の内側を恥ずかしい柚木 流を曝け出してくれるのも自分の前だからだと思うと愛しくて仕方ない・・・





「柿内くん」
「おう」
「えー・・・っと、今日、早めにプール行ってくるから部活休むねー」
「・・・休むのか」

翌日の昼休みに教室へやってきた栗山にそう言われると柿内は弁当を食べる手を止めて栗山を見つめる
スイミングへ行っているのだし、無理して部活に来る必要はどこにもないが、柚木が昨日、気にしたままのことは解消されずにまた焦って後悔し続けるのではないかと「うーん」と唸った

「なーに?柿内くんたらオレが部活行かないの寂しいのぉー?!いっやぁぁぁっん」
「キモい」
「酷ぇ」

栗山の頭にチョップを落とすと栗山は「痛い」と言いつつ柿内の弁当から卵焼きを奪って口に放り込む

「てめぇ!勝手に食うな」
「美味いー」
「おう・・・だろ・・・っつか、昨日、柚木さんがなんかお前に嫌味言ったってめちゃくちゃ凹んでんだよな」
「うん?嫌味?」

卵焼きに次いで肉団子に手を出そうとした栗山に「調子乗るな」と頭を叩く

「お前どーせ頭空っぽだし気にしてねぇよ!っつったんだけどな・・・あの人優しいから」
「・・・うん。優しい」

栗山は立ち上がるとふわりと微笑む

「優しくて調子狂っちゃうくらい優しいよね・・・っていうかあれ、嫌味だったの?全然気付かなかった」

へらりと笑う栗山に「だよなー」と呟いて肉団子に箸を突き立てると栗山の口に押し付ける

「?!」
「賄賂なー。今日、部活来て柚木さんのモヤモヤ晴らしてからプール行け」
「うん・・・っつか柿内くんのお母さん料理上手!これもオレ、好き!!!」
「だろ・・・まぁ、オレが作ったやつだけどな」

柿内は残りの弁当を口に掻き込むと何故か少し赤くなった栗山を見て胸倉を掴んで引き寄せる

「柚木さんに気にかけてもらったっつっても調子乗んなよ・・・あの人を困らせんな」

そう小さい声で凄むと席を離れる前に背中を強く叩いて去っていく

「バカ・・・鈍感め」

栗山の呟きも柿内には届かない
栗山はいつものようにヘラヘラと笑うと「お騒がせしましたぁー」と柿内のクラスメイトにヒラヒラ手を振り教室を去る
気付かれることのない恋心に何重にも鍵をしてポケットに手を入れると次は柚木の教室へと足早に向かうのだ



「ゆーずき先輩っ」
「!」
「今ー、柿内くんから聞いたけど、オレ、全然気にしてないっすよー?」
「でも・・・」
「やー、オレが柚木先輩の嫌なこと言っちゃったよね?っつかなんか隠してたことバレちゃってオレもテンパってたみたい。ごめんね」
「・・・オレも悪かった」
「可愛いいいいいいい!!!!ねぇ!なんでこんなにこの人可愛いんですか?毎日こんな可愛いんですか?」

頭を少し下げた柚木を見て目尻を下げてつい近くの人間に聞きまくと、戸惑いながらも柚木の後輩だと有名な栗山に対し、周りも「うん」と相槌を打ってくれる

「うっわー!いいなぁ!いいなぁーーーーオレも2年早く産まれたかったぁーーー!」
「バーカ。お前は同い年でもオレと同じクラスになんねぇよー」
「あ!今、オレのことバカって言った?えー!柚木先輩がそんな劣等生のオレに勉強教えてくれたりしてぇ、仲良くテスト勉強とかしたかったー!」

一緒にテスト勉強なんて、今やってることと変わらないじゃないかと思いながら柚木は笑って栗山の額を突く

「・・・」

そんな様子をドアの外から見て柚木のために買ってきた牛乳をどうしようか悩んで溜息を吐きながらストローを刺して自分で口をつける
早く食べて柚木と少しでも会いたかった。残り少ない時間できるだけ一緒に過ごそうと思って、過ごす口実を作るために牛乳まで買ってきたのに・・・

柚木は既に栗山と笑っていて、ただモヤモヤが残ったまま渡せなかった牛乳にストローを刺して咥えるとその場を立ち去るのだった




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ついに弁当まで自分で作って持ってくるようになっていた!!!←そこ?

柚木のために料理の腕を上げる健気な柿内wでも柚木は母、祥子が重箱弁当を作ったのを持ってきているからなかなか手料理が振るまえないでいるっていうのが書きたかった
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