柚木くんと竹市くん5-1 - 12/03 Thu
球が遠征中、飲み会に誘われた竹市は行った先でそれが合コンだった事を知る
「帰る」
「頼むってー!人数足りねぇしここまで来て帰ったら失礼だろ!」
友人が頭を下げてきて女の子たちも不安そうにこちらを見ているのに気付きため息を吐くと席に着く
「水泳やってるんですかー。体大きいですよねー」
「あー、オレなんかたいしたことないけど」
背はあるし、ある程度筋肉もあるけれどやっぱり球と比べると大したことはないな。と自分で思ってしまう
「えー?これ以上だとマッチョじゃないですかぁー?」
ベタベタとくっつく女の子の手は柔らかくて酔い始めた体に気持ちよく伝わる
竹市にしてみれば久し振りに女の子から寄せられる熱い視線
いつもは避けていたこの視線は思考能力が低下した今、とても気持ちよくて球のことが思い出せなくなってきていた
「・・・えっ?!」
竹市が目を覚ますと隣に眠っている昨晩隣に座っていた彼女
慌てて布団をめくると下着は履いていたが、他は何も着ていなくて顔を青くする
記憶がない
ここは自分の部屋で、隣に自分のシャツを着た女の子が寝ていて・・・頭を抱えながら女の子を揺り起こす
「起きて」
「ん・・・え?」
女の子も慌てて体を起こすと「え?ええ?!」と焦った様子で竹市を見つめる
「・・・なんか覚えてる?」
「や、覚えてないというか・・・帰りますっ」
「うん・・・」
「あの!なんかあったとしても忘れてください!あたし、彼氏いるので!!!」
彼氏がいるのに合コンかよ・・・そう言いかけて自分も同じ立場だと口を噤む
バタバタと着替えて出て行った背中を見送ると脱ぎっぱなしのシャツを拾って洗濯に向かう
ガチャ・・・
「なんか忘れ物・・・」
静かに開いたドアの方を見てそう言いながら竹市はそこにいた人物を認識して固まる
「たけちゃん、今、女の子出てったよね?ど・・いうことかな・・・」
恋人の姿。遠征から今日帰るのは聞いていたけれど、このタイミングでここへ現れることなんて全然考えてもみなかった
竹市は正座し、球の説教をずっと受け入れる
仕方がないこと
酔っていて、何もなかったかもしれないが、あったかもしれない。そして、昨日、店で褒められ触れられて舞い上がったのは事実だから
「たけちゃんはやっぱオレみたいなのはヤダってことだよね。可愛い女の子がいいよね」
「球さんが1番・・・これはホント」
「抱きしめて腕の中に収まるサイズがいいんでしょ?オレでかすぎるもんね」
「だから」
「オレ、女の子みたいに柔らかくもないし男の体で、更に男の中でもかなり逞しいもんね」
「球さんっ」
何を言っても聞き入れてもらえない
できるなら許してほしい
球のことが好きだから・・・速くて強い目の前の球が好きだから
「たけちゃんは元々男好きじゃないもんね」
「球さんだけ」
「同じ男でもやっぱり流ちゃんみたいな可愛くてカッコよくて腕の中に収まる子の方がいいんでしょ」
「違う」
「流ちゃんは体は女の子みたいに柔らかくないけど可愛いし、優しいしっ」
いつの間にか女の子ではなく、柚木の話になってきて、竹市も混乱する
「たけちゃん、流ちゃんのこと好きだもんね。あの時コーチに食ってかかったのも流ちゃんのこと好きだからだもんね」
「何言って・・・」
「流ちゃんと付き合えばいいじゃんっ!もー、流ちゃんにしたらいいっ!」
「球さん!」
「今から流ちゃん呼んであげる!それで流ちゃんのこと抱けばいいじゃん!」
「ユズは関係ないだろ」
関係ない。柚木を抱いたわけでもなんでもないのに・・・
「ごめん、いきなり来たのが悪かった」
「球っ!」
部屋を出て行こうとする球の腕を掴んだが、強い力で振り払われて思わず尻餅をつく
「球さんっ・・・」
部屋の扉が閉じると頭を抱えて自分の愚かさを今更後悔したのだった

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「帰る」
「頼むってー!人数足りねぇしここまで来て帰ったら失礼だろ!」
友人が頭を下げてきて女の子たちも不安そうにこちらを見ているのに気付きため息を吐くと席に着く
「水泳やってるんですかー。体大きいですよねー」
「あー、オレなんかたいしたことないけど」
背はあるし、ある程度筋肉もあるけれどやっぱり球と比べると大したことはないな。と自分で思ってしまう
「えー?これ以上だとマッチョじゃないですかぁー?」
ベタベタとくっつく女の子の手は柔らかくて酔い始めた体に気持ちよく伝わる
竹市にしてみれば久し振りに女の子から寄せられる熱い視線
いつもは避けていたこの視線は思考能力が低下した今、とても気持ちよくて球のことが思い出せなくなってきていた
「・・・えっ?!」
竹市が目を覚ますと隣に眠っている昨晩隣に座っていた彼女
慌てて布団をめくると下着は履いていたが、他は何も着ていなくて顔を青くする
記憶がない
ここは自分の部屋で、隣に自分のシャツを着た女の子が寝ていて・・・頭を抱えながら女の子を揺り起こす
「起きて」
「ん・・・え?」
女の子も慌てて体を起こすと「え?ええ?!」と焦った様子で竹市を見つめる
「・・・なんか覚えてる?」
「や、覚えてないというか・・・帰りますっ」
「うん・・・」
「あの!なんかあったとしても忘れてください!あたし、彼氏いるので!!!」
彼氏がいるのに合コンかよ・・・そう言いかけて自分も同じ立場だと口を噤む
バタバタと着替えて出て行った背中を見送ると脱ぎっぱなしのシャツを拾って洗濯に向かう
ガチャ・・・
「なんか忘れ物・・・」
静かに開いたドアの方を見てそう言いながら竹市はそこにいた人物を認識して固まる
「たけちゃん、今、女の子出てったよね?ど・・いうことかな・・・」
恋人の姿。遠征から今日帰るのは聞いていたけれど、このタイミングでここへ現れることなんて全然考えてもみなかった
竹市は正座し、球の説教をずっと受け入れる
仕方がないこと
酔っていて、何もなかったかもしれないが、あったかもしれない。そして、昨日、店で褒められ触れられて舞い上がったのは事実だから
「たけちゃんはやっぱオレみたいなのはヤダってことだよね。可愛い女の子がいいよね」
「球さんが1番・・・これはホント」
「抱きしめて腕の中に収まるサイズがいいんでしょ?オレでかすぎるもんね」
「だから」
「オレ、女の子みたいに柔らかくもないし男の体で、更に男の中でもかなり逞しいもんね」
「球さんっ」
何を言っても聞き入れてもらえない
できるなら許してほしい
球のことが好きだから・・・速くて強い目の前の球が好きだから
「たけちゃんは元々男好きじゃないもんね」
「球さんだけ」
「同じ男でもやっぱり流ちゃんみたいな可愛くてカッコよくて腕の中に収まる子の方がいいんでしょ」
「違う」
「流ちゃんは体は女の子みたいに柔らかくないけど可愛いし、優しいしっ」
いつの間にか女の子ではなく、柚木の話になってきて、竹市も混乱する
「たけちゃん、流ちゃんのこと好きだもんね。あの時コーチに食ってかかったのも流ちゃんのこと好きだからだもんね」
「何言って・・・」
「流ちゃんと付き合えばいいじゃんっ!もー、流ちゃんにしたらいいっ!」
「球さん!」
「今から流ちゃん呼んであげる!それで流ちゃんのこと抱けばいいじゃん!」
「ユズは関係ないだろ」
関係ない。柚木を抱いたわけでもなんでもないのに・・・
「ごめん、いきなり来たのが悪かった」
「球っ!」
部屋を出て行こうとする球の腕を掴んだが、強い力で振り払われて思わず尻餅をつく
「球さんっ・・・」
部屋の扉が閉じると頭を抱えて自分の愚かさを今更後悔したのだった

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今回は球と竹市の別れ話を詳しく・・・というほどじゃないけれどその時のお話ですー
少しお付き合いくださいませー
少しお付き合いくださいませー
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comment
竹ちゃんが大好きな球ちゃん…可哀想( ノД`)…
竹ちゃんのバカー‼と球ちゃんの代わりに言っておく‼
コメントありがとうございます♪
そう!怒ってやってくださいー!竹市のバーカバーカバーカ(笑)
ヤキモチ妬きで中身乙女なガチムチイケメン男子の球を傷つけるのは許しませんー
でも、きっと竹市も球のこと大好きなことがこの後書かれているはずなので少しでもお楽しみいただけたらーと思います♡
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